サーヴァント(用語)
 冬木の聖杯によって招かれる、使い魔とされた英霊。英霊という概念の『その時代に即した』物質化。
 英霊本体を召還できるのは『世界』のみであり、冬木の聖杯戦争で召還されるのはそのコピー(分身)である。サーヴァントを構成する情報(魂)はサーヴァントが死亡すると英霊の座の本体に還り、本体は本を読むようにそのサーヴァントの記録を知ることができる。
 通常現れる意思を持たない道具としての英霊たちに対して、サーヴァントとして召還された場合は生前の記憶と意思を持っている。戦闘時の武装は生前に身につけていたもの。多くのサーヴァントは攻性である。現界する姿は基本的に全盛期のそれであるが、何らかの強力な呪いや本人の執着がある場合には死の直前の姿で現れることがある(これはサーヴァントに限らず、英霊を召喚する場合のすべてにいえる)。
 分類としては聖杯戦争用の最高ランクの使い魔。クラスという筐に該当する英霊を依り代(現世に繋ぎためるためのもの、通常はマスター)によって繋ぎ止めた最高純度の魂で、本来は人間に御しうる存在ではない。その存在が魔術の上にあるため魔法使いでさえ使役は不可能だが、召還されるときに刻まれる『現界のための絶対条件』として令呪(マスターによる絶対命令権)を背負わされるので、マスターとは協力関係を余儀なくされる。つまりマスターとサーヴァントの間にあるものは信頼関係ではなく利害の一致による協力関係である。
 サーヴァントとして存命しているならば血を流すが、絶命すると灰に還る。また傷を負うなどしない限りは自然に身体的な変化をすることはない。
 英霊であるために本名を知れば能力・武装・弱点などがわかってしまうため、その『真名』を隠すためにクラス名で呼ばれる。
 通常の使い魔とは一線を画し、召還、使役方法も通常の使い魔とは異なる。攻撃能力はおよそ(各種兵装を装備でき、補給が必要という意味で)戦闘機一機分で、出力30%時のアルクェイド・ブリュンスタッド1/4人分。猫アルクだと1/2人分。一対一で平均的な宝具を持つという前提では二十七祖のほぼ全員、軋間紅摩、蒼崎青子、シエルを除く埋葬機関のメンバーがサーヴァントと対等に戦える。防衛戦であれば戦えるレベルがシエル、それに準ずるのが「両儀式」。両儀式と遠野志貴はサーヴァントに及ばない。人間でも令呪を10画近く消費すれば英霊にダメージを与えることができる。
 死徒二十七祖と戦った場合には、どちらも神秘に生きるものであるため『どうにかして倒す方法がある』段階で状況次第。とはいえ相性の問題もあるが、基本的にはサーヴァントが有利。とりわけセイバー、ランサー、アーチャークラスならば安心して戦いを見守れるほど。特にセイバー(アルトリア)は宝具が宝具なので、二十七祖のような物量と異質さで圧す連中には滅法強い。中にはエクスカリバーの直撃を受けても耐えられるタフな祖もいるが、そういった祖にはランサー(クー・フーリン)が強い。ただしORTはそもそも地球上のルールが通用せず、プライミッツ・マーダーは霊長に対して極めて有利なので別格。
 なお彼らは霊体のため通常攻撃は効かない。もともと霊体なのでマスターからの魔力供給を断たれると霊体に戻り、その状態ではマナの薄い無機物を通り抜けられる。その状態でもレイラインでつながっているマスターとは会話くらいなら可能。ただし、霊体のままだと通常干渉を受け付けないが現実への干渉力が落ち、感覚が霊視のみに限定される。実体化していると、それだけで魔力消費が大きくなる。マスターとの通信には念話などの交信手段が必要となるが、どちらか一方が生命に関わるほどの窮地にある場合には気配の乱れですぐに察することができる。
 サーヴァントは聖杯によって招かれるモノなので、魔術師は実体化に必要な魔力を提供するのが第一で、召還にはそれほど大掛かりな降霊は必要ない(場合によっては呪文すら不要)。また、この主従契約は令呪によって作られた関係なので、名前は特に意味を為さない。
 サーヴァントはまずクラスありきの召喚であり、それぞれのサーヴァントには英霊自身が持つ能力の他にクラスに応じてクラス別能力が付与される。七つの役割(クラス)があり、魔術師はその中から1つを召還・契約する。
 サーヴァントの召喚には複雑な魔術儀式が必要とされ、英霊との精神的・肉体的な相性はもとより、英霊に縁深い触媒が必要となる。本来ならば人の手に余る儀式であるが、大聖杯の後押しにより触媒と呪文、さほど大掛かりではない魔法陣だけで可能となっている。また場合によっては呪文さえ必要とされないことがある。
 聖杯戦争に参加する魔術師は特定の強力なサーヴァントを召還するための触媒(そのサーヴァントに縁のもの、たとえば剣、鎧、紋章、骨など)を用意しておくものだが、なくても召還は可能(この場合は第五次聖杯戦争の遠坂凛とアーチャーのように英霊側に触媒がある)。サーヴァントはマスターに引き寄せられるために似たものが召喚される。召還の触媒が弱いものであればなおさら召還者と似た英霊が召還される。
 第五次聖杯戦争におけるアーチャーは召還にあたって触媒を用意されなかったが、この場合は英霊側にマスターとなる『遠坂凛に縁がある触媒』があったため、エミヤが召還された。アサシンについては『アサシン』というクラスそのものがハサン・サッバーハ召還の触媒であるため、正当な儀式でアサシンを召還すれば必ずハサン・サッバーハが呼び寄せられる。
 複数の英霊に対応した触媒(例えばトロイ戦争のシンボルたるトロイの城門)を用いた場合、対応する候補の中からマスターと相性がいい英霊が選ばれる。
 召喚儀式が執り行われると大聖杯が英霊の座にアクセスし、儀式に使用された触媒に該当する英霊を探し出す。触媒がない場合はランダムに選定されるが、召還者の性格や境遇が影響を及ぼす。召還された英霊には現界と引き換えにマスターの肉体に刻まれる三画の令呪による絶対服従が強制される。
 召還と同時に魔力供給及び令呪による束縛のパスがマスターとサーヴァントの間に成立する。このパスによってお互いの場所や状況をある程度認識することができるようになる。マキリが完成させた契約システムは魔力供給のパスと令呪による束縛のパスが一つになっており、魔力供給のパスをある程度の指向性とともに認識することが可能。ただし第四次聖杯戦争におけるランサーのように令呪のパスと魔力供給のパスを分けた場合には供給される魔力に対する知覚力が著しく劣り、魔力の供給もとである魔術師の生死こそ判別できるが、魔力がどこから流入してくるかはまったく判別できない。
 ステータスやスキルのランクは召還者や土地柄によってやや変動するが、基本的に英霊が遺した偉業とそれを讃える人々の認識で決定される、世界的なランクによる。ステータスを変動させる要素には土地、知名度、マスターの魔力の三つがある。英霊の伝説の舞台になった土地に近く知名度が高いほど、さらにマスターの魔力が多いほど強くなる。この『強くなる』とはより伝説の強さや装備に近付いていくという事で、新たな宝具追加もあり得る。もしクー・フーリンが故国アイルランドで召還された場合、城、戦車、不眠の加護などが付加されるだろう。
 つまりサーヴァントが最も強い状態とは伝説を忠実に再現した状態であり、それ以上は基本的にありえない。ただしバーサーカーのクラスだけは狂化によって理性を失う代わりに英霊の性能を超えてサーヴァントを強化できる。
 なおステータスの上下にはマスターの魔力の他にその生き様も影響する。ともにセイバーの生前の性能を完全に再現するには魔力が足りなかった衛宮士郎と衛宮切嗣だが、切嗣が契約した状態のセイバーは士郎が契約した状態よりもほとんどのパラメータが高いが、幸運の値だけは切嗣の生き様に影響されて士郎と契約した状態よりも低いDとなっている。
 サーヴァントは現界する際の核である霊核を得て、それが魔力でできた肉体を纏うことで実体化する。大きな魔力を消費したり、魔力で構成された肉体を損傷することで次第に弱体化していき、その状態でさらに魔力を消費したり強力な魔力や呪い、宝具などによるダメージを受けると霊核が破壊されて現界できなくなる。
 心臓と首が霊核に直結した部位であり、ここに受けたダメージは霊核を大きく弱体化させるため、心臓と首は英霊の弱点とされる。
 従ってサーヴァント同士の戦いは魔力の削りあいといえる。魔力を大きく消費する強力な攻撃は敵に大きなダメージを与えるが、同時に自分の身を削っているのと同じである。よって小さな魔力消費で大きなダメージを与えるために、敵の情報を収集して弱点を突くことが重要となってくる。
 マスターを失った場合は特殊なサーヴァントを除いて1時間ほどでこの世から消える。また、霊体であるために食事は第二要素ないし第三要素になる。食事をしても基本能力は変わらないが魔力の貯蔵量が上がって、生前の能力をより忠実に発揮できる。
 本来の役割は召還されてから時間軸から外れた無色の力の渦に戻って聖杯の器に貯蔵され、彼らが帰還する力を利用して『向こう側』への門を開くというもの。聖杯の器に七騎のサーヴァントの魂が揃わない場合や、揃ったとしても孔を開く儀式が行われずに聖杯が休止状態に入った場合はサーヴァントの魂は魔力として蓄積される。
 第三次聖杯戦争におけるエーデルフェルト姉妹はセイバーを善悪両方の側面から召還していた。
 聖杯戦争終結後はサーヴァント側の意志で契約が破棄されるらしい。しかし聖杯戦争終了後でも充分な魔力さえあればサーヴァントを現世にとどめることは可能。
 7つのクラスの中でセイバーが最強といわれる。基本的にクラスは下記のものだが、場合によっては変動する。
 セイバー(剣の騎士)
 ランサー(槍の騎士)
 アーチャー(弓の騎士)
 ライダー(騎乗兵)
 キャスター(魔術師)
 アサシン(暗殺者)
 バーサーカー(狂戦士)
 この中で特にセイバー、ランサー、アーチャーの三騎士は魔法が数多く跋扈していた神代の英霊が多く、その対魔力は現代の魔術師では傷一つ負わせられないほど。
 絶対枠として固定されているのはセイバー、ランサー、アーチャーの三騎のみであり、他のクラスはマスターが特殊な場合などに変動する。ただし同じクラスの重複召喚は不可能。

 召還された英霊の属性に応じてクラスが決定されるが、例外として召喚者が事前に決定できるクラスも二つある。それはアサシンとバーサーカーである。前者については該当する英霊がハサン・サッバーハのうちの一人として特定されるため。後者についてはおそよあらゆる英霊について『狂化』を付加することで該当させることが出来るため。
 召還呪文は共通だが、呪文をアレンジすることで前記のクラスを先決めすることが出来る。バーサーカーについては呪文を下記のように改変することで召還が決定される。(斜体部分が追加された二節)

 素に銀と鉄。礎に石と契約の大公。祖には我が大師シュバインオーグ。
 降り立つ風には壁を。四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ。
 
閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)
 繰り返すつどに五度。
 ただ、満たされる刻を破却する。
 告げる。
 汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。
 聖杯の寄るベに従い、この意、この理に従うならば応えよ。
 誓いを此処に。我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者。
 されど汝はその眼を混沌に曇らせ侍るべし。汝、狂乱の檻に囚われし者。我はその鎖を手繰る者。
 汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ。


斎木(家名)
 混血の一族。斎木グループを経営するが、当主の斎木翁が七夜黄理に殺されてからは遠野グループに吸収された。


斎木(人名/混血)
 斎木の当主の斎木翁。混血としての旧世代であり、支配欲の塊のような人物で、静かに暮らしたい混血からすれば喧しいだけの老人。反転して千を越す人を喰らって遠野槙久によって退魔に売られ、七夜黄理に殺された。青年期の遠野槙久が仕えていた。
 軋間紅摩を屋敷に監禁していた。


ザイード(人名/サーヴァント:Zero)
 第四次聖杯戦争において言峰綺礼と契約したアサシンのサーヴァントのうちの一人。
 言峰綺礼がリタイアを装うため、遠坂時臣の暗殺という偽の命令を受けて遠坂邸に侵入したところをギルガメッシュに殺された。他のアサシン曰く『取り立てて得手のない一人』。


サイコガーデン(地名)
 琥珀の、琥珀による、琥珀の為のメコンデルタ。遠野家の裏庭にある植物園のこと。
 まききゅーXやとなみんZの元凶。


再生(用語)
 記憶のシステムの一つ。保存した情報を呼び出す、つまり思い出す事。


埼玉(人名:Fate)
 穂群原学園2年C組の男子生徒。


再認(用語)
 記憶のシステムの一つ。再生した情報が以前のものと同一かどうかを確認する事。


三枝家(地名)
 建築形式は木造二階建て、平入りで玄関は引き戸。屋根は鋼板瓦棒葺き。一階の居間と思われる部屋は真壁の和室。庭があり、門から玄関までは飛び石が続いている。
 テレビはダイヤル式で四本の脚がついた小型のブラウン管で室内アンテナを使っている。そのテレビにはスーパーカセットビジョンのようなゲーム機が接続されているが、三枝由紀香はそれをファミリーコンピュータだと思っている。
 玄関部分の庇については一階屋根の下に別個に庇が付けられており、これには雨樋がない。一般的には特に壁面から張り出していない玄関には別個に庇を付ける必要があるとは考えられない。一階屋根の庇の出よりも長い庇の出が必要な場合、一階屋根を一部延長して対応するのが一般的。
 基礎の換気には床下換気口が採用されているが、通常は基礎の上端に設けられるところを基礎のGLと接する高さに付けられている。これはGLに設置すると地面から土砂や虫等が侵入しやすく不具合が大きいことと、基礎の施工時は周囲の土を掘り返しており、きっかりその高さで埋め戻すことが困難であることから非現実的である。また基礎の外周には極細い(巾数センチメートル程度)犬走りのようなものが設けられている。


三枝家のゲーム機(用語:氷室の天地)
 三枝家において現役で使用されているゲーム機。
 形状は1984年にエポック社がカセットビジョンの後継機として発売した家庭用ゲーム機であるスーパーカセットビジョンに酷似している。ゲームソフトはカセット式で、二つある縦長の箱型コントローラにはそれぞれ上部に一本のレバー、中ほどに二つのボタン、下にダイヤルスイッチが一つ付いている。
 コントローラがケーブルを介した外付けとなっていることや全体的な形状はスーパーカセットビジョンに近いが、スーパーカセットビジョンにはなくカセットビジョンにはあるダイヤルスイッチがあること、カセットビジョン向けに発売された『きこりの与作』に酷似した『余作』なるゲームをプレイしていることから、むしろカセットビジョンに近いと思われる。


三枝孝太(人名:hollow)
 三枝由紀香の弟。兄弟たち、ゲロスとともにサッカーをした。またギルガメッシュの取り巻きでもあり、ランサーに魚をぶつけようとした。


三枝由紀香(人名)
 身長155p。体重39s。B75 W57 H78。
 穂群原学園2年A組。遠坂凛のクラスメイト。仲良し三人組のマスコット的人物だが、人間的には一番我慢強く大人な人。上品で大人しい穂群原学園でも群を抜いて控えめな性格。優等生とかは関係なしに遠坂凛にあこがれている。
 歳の離れた弟がたくさんいる、一番上のお姉さん。貧しくても心は錦。三人娘の中で最も幼く思われがちだが、芯に強いものがある本当の意味での優しい子。弟たちが借りてくる小説をよく読んでいるため、小説には結構詳しい。自宅にはスーパーカセットビジョンのようなゲーム機があるが、それをファミリーコンピュータだと思っている。
 柔らかな笑顔が周りを癒し、ウサギのようなホワホワ感が保護欲を掻き立てる。その周囲を和ませる雰囲気が凛の地を引き出すおそれがあるので、昼休みに凛を食事に誘っても断られてしまう。
 本当は料理同好会に入りたかったが、蒔寺楓に無理やり女子陸上部のマネージャーにさせられた。陸上部員たち曰く「由紀っちは人を喜ばせる天性のマネージャー」とのこと。極度の運動オンチ。
 家計のやりくりと地味で地道な作業が得意で、応援、家族、友人たちが好き。彼氏はいない。家庭料理が得意で、うまいものを作るためなら惜しみなく金を使う衛宮士郎とは違い工夫でおいしいものを作る。飯盒炊爨、石焼味噌汁など野外での料理も上手。怖い話と物理の授業が苦手で、天敵はいない。きわめて霊感が強く、霊体が視えるだけではなく触れることもできる。ただしそれは無自覚であるため、実際に存在しているものとそうでないものの区別がつかない。弟たちも小次郎を視るくらいの霊感がある。
 男連中にはもったいなくて渡せん、ということで由紀香に彼氏作らせない同盟が出来ているが、既に子供ギルガメッシュに買収されている。また子ギルからは覚えておいて損はないから、と花札を教えてもらったとか。
 二年生のときの球技大会ではペタンクに出場し、見事優勝。従って球技大会で最も成績のよかった者が他の二人にイタリアンレストラン銀の脚で奢ってもらうという賭けにも勝った。ただしものすごく静かな競技であるペタンクでさえ翌日に全身筋肉痛になり学校を欠席した。
 11月の文化祭の出し物を蒔寺、氷室と相談した際には蒔寺が提案した劇を受けて三枝が上映方式(つまり自主制作映画)を提案した。
 その後の陸上部の出し物の相談では氷室が示したコスプレありのコンセプト店というにおいて蒔寺によってコスプレ役として扱われ、『映画のような衣装』には映画泥棒、『ジェームズ・キャメロン監督的なもの』にはデビュー作の殺人魚フライングキラーの着ぐるみを提示される。
 氷室に『WAR WORLD Z』という小説を借りており、それを先に読んだ弟たちは大いにはまって自宅に対ゾンビ用トラップを設置した。彼女自身は9月の台風が接近した日、氷室と蒔寺が訊ねてきた時に読了した。
 級友から猫探しを頼まれた氷室にケージ持ちの蒔寺とともに呼び出される。しかしケージには猫ではなくアライグマがかかっており、本来は一般人が捕獲してはいけないうえ害獣であるため氷室は殺処分を検討するが、三枝は『あらいぐまラスカル』を持ち出して考えを改めるよう懇願する。だが、その『あらいぐまラスカル』は名作児童文学であるとともにアライグマの凶暴性などに触れて人間とアライグマの共存が不可能であると説いた作品であると説明される。最終的に氷室も殺処分に同意した蒔寺も考え直してケージを市役所に持っていく。しかし市役所の職員はアライグマの危険性を認識しておらず気軽にアライグマをケージから出してしまって脱走してしまい、6時のニュースで報じられるほどの騒ぎになった。なお、捜索を依頼された猫は自主的に帰宅した。

 所有スキルは以下のとおり。
 霊視:A…ただし無自覚であるため霊体と実体の区別がつかない。


三枝由紀香の弟たち(人名)
 由紀香が二年生の年の9月頃、由紀香が氷室鐘から借りた小説『WAR WORLD Z』にはまり、下の子は台風が接近している時に対ゾンビ用トラップを仕掛けた。


佐江田(人名:hollow)
 髪型がポニーテールのちょっと落ち着きがない女の子。衛宮士郎らと同学年で弓道部員。第三次聖杯戦争の再現たる四日間のころは急性腸炎で入院していた。


魚屋(人名:ネコアルク)
 鮮魚店『ウオノフ』の店主。一見小学生のような奥さんと二人の子供がいる。本編ではネコアルクのビームに巻き込まれ爆散、還らぬ人となる。しかしなぜかクライマックス付近の回想シーンに彼の幻影を見ることができる。


サキュバス(用語)
 詳細不明。
 精を喰らう淫魔。不老や再生能力を持つらしい。ナタリア・カミンスキーの数代前の祖先もこれ。


サキュバスの愛液を基剤とした試薬(用語:Zero)
 サキュバスの愛液を基剤として精製した試薬。とりわけ男性の血液や老廃物に反応し、詳細な識別を可能にする。衛宮切嗣が点眼薬容器に入れて持ち歩いていた。


THE クイズ SHOW(用語:氷室の天地)
 Jポリスにあるクイズゲーム。テレビ番組のようなセットを使って行う。


鮭フレーク(用語:AATM)
 ネコアルクらに乗っ取られたアーネンエルベのメニューの一つ。


佐々木小次郎(人名/サーヴァント)
 身長176p。体重63s。
 サーヴァントであるキャスターが召還したためにアサシンのクラスだが暗殺者ではなく、その実在も疑わしい架空の剣豪。さらには佐々木小次郎本人でもなく、燕返しを使えるという理由で選ばれた読み書きもできず名もない剣士。生前は霊感もない真っ当な百姓だった。柳洞寺の山門を触媒に召還されたことから、柳洞寺に縁のある剣士だったと思われ、実際に生前に柳洞寺を訪れたことがある。三枝由紀香には津田小次郎と名乗る。本来の佐々木小次郎ならばともかく、佐々木小次郎の名を借りて召還された彼には名前がない。
 架空の英霊、架空の剣豪佐々木小次郎としてではなく、ただ自分だけの戦いを望んだ。
 柳洞寺の山門をこの時代に留める依代としたために山門から離れることができない。また多くのサーヴァントが攻性であるが、彼は防性である。霊としての属性が強い。間桐桜と間桐臓硯が天敵。
 彼がバーサーカーを撃退できたのは地の利とキャスターによる援護(バーサーカーへの重圧)があったおかげだが、アサシンとバーサーカーの相性が最悪であるため、撃退した小次郎の実力が凄まじいことの証左である。なお単体では勝負にすらならない。
 アーチャーと戦った場合には、柳洞寺というサーヴァント殺しの地形とキャスターが作り上げた対魔術の防御結界によって魔術、宝具を大幅に削減するため強力な宝具でなければ致命傷を受けることはない。よって戦いは剣技によるところが大きくなるが、地形効果によってアーチャーは狙撃を封じられるため小次郎がやや有利となる。
 真アサシンと戦った場合には、小次郎にザバーニーヤを防ぐ手段がないため文句なしに真アサシンが勝つ。しかし心臓を破壊されたとしても即死ではないうえ霊としての属性が強い小次郎には戦闘能力が残るため、宝具使用後の隙を突いて燕返しを放つことが出来る。よって相討ちになる可能性が高い。
 宝具を持たず、その背に負う物干し竿と称される五尺余の長刀を使い、多重次元屈折現象(キシュア・ゼルレッチ)と呼ばれる対人魔剣・燕返しのみで宝具と同等の威力を発揮する。物干し竿の銘は二天記に伝えられる備前長船長光ではなく備中青江。青江一門ではあるが、どの刀工かは不明。
 アサシンのクラス別能力として気配遮断スキルを持っているが、実際にはこれは彼自身が到達した『己を虚しゅうして周囲に溶け込む』という武芸者の境地による精神的な技術である。
 生前は山奥に篭ってひたすら剣を振ることしか頭になかった。最晩年に燕返しを会得し、直後に死亡。彼は多重次元屈折現象を追い求めたわけではなく、会得した時も「ん、できた」という軽い感じであった。ただ一人の人間の一念が人類の希望と言える宝具の域に達してしまったことから、もしかすると人類最強の一人かもしれない。なお生前は一度も立会いをしたことがない。
 『佐々木小次郎』という英霊のパラメータに合致するデータを持っていたのが彼だったため、この小次郎がどのような偉業を成し遂げようと無名の剣士である彼ではなく『佐々木小次郎』の業績となる。
 花鳥風月を愛し、どんなことでも文句を言わず、かつ楽しんでやる究極のプラス思考。剣の境地は僧の悟りに通じるのか、精神的にも達観している。気障であるが、アーチャーと違って伸びやかに行事を愉しむ余裕がある。
 unlimited codesでは召還された直後に女の命で仕合うことは厭だとキャスターに刃向かうが、令呪によって柳洞寺の門番役を強制される。セイバーとの戦いでは本編同様に見逃そうとするもキャスターの令呪によって衛宮士郎を斬り捨てる。最後に残ったバーサーカーが柳洞寺に攻め込んできた際にキャスターに『死ぬまで戦え』と最後の令呪で命じられ、キャスターを切り捨てた後でバーサーカーを倒し、月を観て静かに消滅した。

 クラス別能力は以下のとおり。
 気配遮断:D…サーヴァントとしての気配を絶つ。
 保有スキルは以下のとおり。
 燕返し…対人魔剣。多重次元屈折現象の一つ。相手を三つの円で断ち切る絶技。
 心眼(偽):A…第六感、虫の報せとも言われる天性の才能による危険予知。
 透化:B+…明鏡止水。精神面への干渉を無効化する精神防御。武芸者の無想の域としての気配遮断を行うことが出来る。
 宗和の心得:B…攻撃が見切られなくなる。


佐々木小次郎(用語:氷室の天地)
 英雄史大戦のカード。
 武:10、防:7。固有能力は『つばめ返し』。


刺し穿つ死棘の槍(対人宝具:Fate)
 ゲイ・ボルク。第五回聖杯戦争におけるランサーことクー・フーリンの宝具。
 因果を逆転させて『すでに心臓に命中している』事実を作ってから槍を放つので、確実に当たる。槍を放つよりも前に槍は心臓に命中しているため、結果が作りあがった後になにをしようとも回避も防御も不可能。槍が届く範囲でタイミングが合えば必ず発動する。
 これを回避するためにはAGI(敏捷)の高さではなく、発動前に運命を逆転させる能力LUC(幸運)の値によるか、あるいは槍の間合いから離れるしかない。またそのダメージは『槍のダメージ+相手の体力』となるので、命中した場合は必ず死亡する。
 この効果(運命干渉系)のわりに消費する魔力は少なく、七回使っても補給は不要。
 これはランサーがアレンジしたもので対人宝具となっているが、本来は投擲・対軍宝具である“突き穿つ死翔の槍”が本来の使い方である。


沙条綾香(人名/魔術師:旧Fate)
 旧Fateの主人公。眼鏡っ子。コンプレックスの集合体で、いつも色々なものにツンツンドキドキしている。他人を寄せ付けない拒絶ぶりはその表れ。
 もともとウィッチクラフトという陰性の魔術を学んでいたが失敗ばかりだった。旧セイバーに『そういう婉曲な嫌がらせは君向きではない』とたしなめられ、いやいや彼女曰く『頭の悪い魔術』である元素変換(フォーマルクラフト)に切り替えてマスターとして戦ってゆく。


沙条綾香(人名:氷室の天地)
 穂群原学園2年A組に在籍する女生徒。氷室鐘以上に飄々としている。実は相当猫をかぶって暮らしているらしい。山菜が好き。
 二年生のときの球技大会では氷室鐘、美綴綾子と組んでセパタクローに参加した。決勝に進出したが、衛宮士郎、柳洞一成、間桐慎二の2年C組チームと故意に乱闘を起こし、ともに失格。
 夏休みにはイギリスに行き、帰国後に氷室、蒔寺、三枝、美綴とキャンプをした。キャンプに参加した理由は趣味の山菜をごっそり採取するため。
 11月の文化祭の出し物を氷室と蒔寺、三枝が相談していた際にはその後ろの席で寝ており、飲食店の話題になったときにはフォアグラやキビヤックといったメニューを聞いて犬神の作り方を連想し、三人にそれを話して聞かせた。
 野草を採取するため山に入り、大きなリュックサックがはちきれんばかりの量を採ったため帰り道で動けなくなり、偶然出くわした氷室に妖怪土ころびと間違われる。その後英雄史大戦DXパックを購入した帰りの美綴綾子と出会い、氷室とともに美綴の家を訪れる。しかし氷室が英雄史大戦をプレイせずに帰ったため、沙条もすぐに帰る。しかし野草を詰め込んだリュックを背負った途端にリュックが破れ、大量の野草が美綴家に撒き散らされた。
 体育祭の競技の振り分けの日は台風の日からずっと欠席していたため、氷室の好意でパン食い競争に推される。しかしそれはパン食い競争の名を借りたホットドッグ早食い選手権であり、競技のときになって愕然としたが、見事優勝した。
 体育祭の翌日に氷室家を訪問し、英雄史大戦をぱたっとやめたことや体育祭での露骨な柳洞一成回避を挙げていい加減に一成から逃げ回るのはやめるよう諭す。その上で『好き』の対義語は『嫌い』であるか問うて完全に硬直していた氷室の思考を解きほぐし、美綴綾子の協力が必要であるが許婚捜索に必要な策を提供すると申し出る。さらにだめもとで許婚に関する何らかの物証がないかと問い、氷室が見つけた指輪を出すと『これがあれば最短で見つけられる』と言ってそれを預かり、保留にしていた許婚捜索を実行に移すと宣言した。その際に何も彫られていない指輪からどうやって探すのかと訝しがられたが、海千山千のテクニックを持っている人を知っていると言って誤魔化した。
 帰宅後に氷室の指輪を調べた際、沙条は黒い鍔広の三角帽と外套という魔女を思わせる服装をしており、その部屋には多数の文献と野草、薬品、いわゆる魔女の大釜などといった怪しげなものが置かれていた。さらに何らかの液体で濡れた指輪を前に、次から次へ嫌なことばかり判明していくと独白した。


左砂アストロ(人名:ネコアルク)
 さずな あすとろ。
 最愛の妹がイリヤスフィール症候群に冒されて死亡したことからこの世全ての『ネコミミ』を憎むアンチ・ネコミミストとなり、軍に志願した。暗殺大陸の搭乗員だったが、後にサイボーグ部隊に志願してロボとなる。現在は対ウェアキャット特殊部隊に所属。
 強力な重力反動ガンの使い手であるが、弾丸は敵を撃ち抜くためではなくあくまで移動のために使用する。いうなれば小型ジェットノズルを両手に構えた、新手のワイヤーアクションヒーロー。
 『ボクはネコを殺さない。でもネコミミは殺す』という信念のもと、最後まで不殺を通す。彼がこれまでにむしりとったネコミミの数は数百にのぼるといわれている。


the dark six(死徒)
 闇色の六王権。最初の死徒にして最初のシステム。未完成。いまだ誕生しておらず、現在蘇生中。蘇生した暁には死徒二十七祖を束ねるといわれるが、コレの正体を知る死徒はいない。
 少なくともアルクェイド・ブリュンスタッドよりも古い。


殺人鬼(用語)
 無闇に人を殺す者。また、強烈な殺人衝動を持つ者を指すこともある。人を殺す鬼。
 その天性は殺人を愉しむのでも怖れるのでもなく、ただ行為として没頭できる事。
 両儀式の祖父の教えによれば、人は一生に一人しか人を殺すことができない。大抵はその一人とは自分のことだが、それを超えて殺した場合はもはや意味のない殺戮であり、それを為す者はまさに人を殺す鬼である。式の祖父の教えでは誰か他者を殺した場合、永遠に自分を殺すことができず、人間として死ねない、とされる。


殺人貴(用語)
 遠野志貴が生命の危機に瀕したときになるもの。反転衝動により意識が薄れた状態。七夜の一族にいた頃に受けた戦闘訓練の成果を存分に発揮し、モノを殺すことに特化した状態。
 もしくは月姫2の主人公の一人。姫君の守り手といわれる死神で、復讐騎エンハウンスとともに死徒を倒していく。魔眼殺しだけでは制御できなくなったのか、両目には包帯が巻かれている。


佐藤(人名:hollow)
 穂群原学園の生徒。間桐桜の後輩。おそらく弓道部員。


ザバーニーヤ(対人宝具:hollow)
 →空想電脳。


ザバーニーヤ(対人宝具:Zero)
 →妄想幻像。


ザバーニーヤ(対人宝具:Fate)
 →妄想心音。


サラ・ベルナール(用語:氷室の天地)
 英雄史大戦のカード。
 レストランでメニューを読んだだけで周囲の人々が号泣したという逸話を持ち、固有能力『至高のメニュー』は敵軍の気力MAXを半減&一定時間上昇率激減という効果がある。


ザリチェ(武装:hollow)
 右歯噛咬。アヴェンジャーが使う歪な短剣のうちの右手用のもの。これで敵の身を断つ。獣の牙を模している。あるいはその時代にまだ実在した悪魔の牙を御神体としたものかもしれない。


三二口径の銃(用語/武装:Zero)
 .32口径の拳銃。詳細不明。ナタリア・カミンスキーの持ち物で、衛宮切嗣がこれを使って衛宮矩賢を射殺した。


サンダーイナズマ(用語・ネコアルク)
 ネコガミ様。


三不粘(用語:氷室の天地)
 さんぷーちゃん。
 卵、砂糖、でんぷん、水、ラードしか使わないシンプルかつ難易度の高い山東省のデザート。皿にも箸にも歯にも粘り付かないため、三不粘と呼ばれる。2年生のときの家庭科調理実習で沙条綾香が作った。


サン・ブリュー(地名:hollow)
 冬木市の新都にある喫茶店。



  


(概念)
 直死により黒い『線』とそれを束ねるように存在する『点』で視覚化される概念。直死で視覚化されるものは『物質が発生した瞬間に定められた存在限界』であり、死とはやがて訪れるものではなく既に内包しているものである。


シア(人名)
 アトラス院の保管委員。


C2(用語/武装:Zero)
 プラスチック爆弾の一種。プラスチック爆弾といってもいわゆるプラスチックそのものではなく、『可塑性』という原義からくるネーミングである。軍用爆薬RDXに可塑剤を混ぜたもので、正式にはコンポジション2という。
 粘土のように容易に形を変えることができ、信管をつけなければ爆発することはほとんどない。信管を抜けばX線にも金属探知機にも反応しないためテロリストの自爆テロに使用されることがある。その単純な構造から、信管を抜く、液体窒素で冷却するなど簡単な方法で解体できる。
 C2爆弾は低温でひび割れする、長期保存で劣化しやすいという理由から2007年現在ではC1、C3とともに生産も使用もされておらず、後継のC4が使用されている。


C4(用語/武装:Zero)
 プラスチック爆弾の一種。プラスチック爆弾といってもいわゆるプラスチックそのものではなく、『可塑性』という原義からくるネーミングである。軍用爆薬RDXに可塑剤を混ぜたもので、正式にはコンポジション4という。
 粘土のように容易に形を変えることができ、信管をつけなければ爆発することはほとんどない。信管を抜けばX線にも金属探知機にも反応しないためテロリストの自爆テロに使用されることがある。その単純な構造から、信管を抜く、液体窒素で冷却するなど簡単な方法で解体できる。火をつけると緩やかに燃焼するため、兵士が固形燃料の代わりに使用することもある。
 ニトロトルエン、ジニトロトルエン、トリニトロトルエン、テトリル、ニトロセルロース、シクロテトラメチレンテトラニトラミン(別名 オクトーゲン、HMX)、ワックスなどを混合した油状物質を主成分であるトリメチレントリニトロアミン(別名 へキソーゲン、RDX)に混合したもの。配合割合はRDX91%に対し可塑剤9%前後(オクチルフタレート等5.3%、結合剤2.1%界面活性剤1.6%)。結合剤や可塑剤の配合により硬いものも調整できる。
 爆発時に青色の閃光を放つ。
 第四次聖杯戦争において衛宮切嗣が冬木ハイアット・ホテルの爆破解体に使用した。


G秋葉(人名・現象:MELTY BLOOD)
 身長57m、体重550t。
 ジャイアント秋葉の略称。まききゅーXによって巨大化した秋葉。タタリ最大の悪夢。
 その姿で志貴を倒そうとするも琥珀の口車に乗せられていたので冷静さを欠いており、攻撃も雑で、志貴曰く『無駄にでかいだけで普段の秋葉のほうが強い』。
 倒された後に空気が抜けてもとのサイズに戻った。


Jポリス(地名:氷室の天地)
 お台場にある巨大ゲームセンター。クイズゲーム『THE クイズ SHOW』やモビルトレースシステムを再現した格闘ゲーム『師弟の絆』といった大掛かりなゲームからエアホッケーまで、多種多様なゲームがある。


シエル(人名/異端審問員・魔術師)
 Ciel。
 1976年5月3日生まれ。月姫は1999年の出来事なので、作中では23歳。O型。身長165cm。体重52s。B85 W56 H88。Eカップ。
 埋葬機関の第七位にして遠野志貴の学校の先輩。Aランクを超える高位魔術師。聖銃の代行者。埋葬機関一の人徳者。わりと不思議で謎ないいひと。パン屋の娘で将来の夢はケーキ職人。お菓子作りの腕はちょっとしたものだが、昔を思い出すので本人は洋菓子を作りたがらない。好きな歌は『地下室のメロディー』。シエルという名は正式な洗礼名ではなく、本名はおそらくだがエレイシア。
 2階建アパートの一室で一人暮らしをしているのだが、その部屋は台所と六畳の部屋、浴室があるだけ。アパートの鍵はポストに入れてある。彼女の家にある食料はほとんどが工場から直接卸してもらったレトルトカレー。
 彼女のカレー好きは相当なもので、昼食にはカレーうどんをおかずにカレーライスを食べるほど。アルズベリの任務地でもカレーを食べようとし、それを出す店がないと知るとミスター・ダウンに材料を調達させて自分で作る。三咲町に来てからはインドカレーショップ・メシアンが心のオアシスになっている。彼女にとってカレーは主食でありおかずであり飲み物ですらある。
 アーネンエルベでは大体カレーの大盛りと煎茶を注文する。アーネンエルベのカレーを高く評価しており、ゆくゆくは立派なカレーショップに生まれ変わらせる計画を立てている。
 相手が誰であろうと敬語で話し、悩める者には解決の手伝いをし、悲しむ者には励ましの言葉を贈るという、学校では教師以上に頼りにされている人格者。一人で大抵のことがこなせるせいか甘えることが苦手で、相手を甘えさせてくれる雰囲気を持つ。氷室鐘とは知り合いで、月に一度ほどの頻度で連絡を取り合っている。
 早起きが苦手で、父親は10年もの長きに亘り彼女を早起きさせようと頑張っていたが、しまいには『おまえをしつけるのなら二人分働いたほうがましだ』と諦められた。
 先代のミハイル・ロア・バルダムヨォンの転生体で、16歳ごろにロアとして覚醒して両親を殺し、町一つを丸ごと死都にした。アルクェイド・ブリュンスタッドに滅ぼされてから遺体が『吸血鬼から人間に戻ったモノ』の標本として教会に保存されていたが、肉体の霊的ポテンシャルが桁外れに優れていたためにその3年後に蘇生し、異端として1ヶ月間処刑され続けた。その後、埋葬機関に連絡が入り、秩序回復のための『不死』であることが分かり同機関に加入した。彼女が埋葬機関の一員たる要素はずば抜けた魔術の腕前と秩序回復のための不死、あるいは体術。埋葬期間加入の経緯から推測するに前者と思われるが、どちらかは不明。
 魂がロアであるために、ロアが存在する限り『ロアが生きているのにロアが死ぬ』という矛盾を孕み、世界がそれを修正するので絶対に死ねない。例外は世界をも殺しうる直死の魔眼で殺されること。この矛盾を解決するためにロアを追っている。
 体内の魔力容量が普通の魔術師の100倍以上(成熟した魔術師一人分の魔力量が25程度であるので、2500超と推測される)あり、普通の魔術師を水鉄砲とするとシエルはホースから直接水を出すくらい強力。ロアから受け継いだ魔術知識はかなりのもので、数紋魔術、高速詠唱、簡易復唱戦闘が可能だが本人はあまり使わない。ネクロマンシーもできる。魔術協会におけるグランド(最上位)の魔術師に匹敵し、表立っては魔術を禁じている教会においてさえ重宝されている。もっともシエル本人はロアの知識を引き出すのを嫌がっているのだが。
 異端掃討を目的とした暗殺術を身につけており、魔術も武器もオールマイティに使いこなすが、『弓』と称されるほどの飛び道具の使い手で、特に銃器を好む。教会から貸し出された最強レベルの概念武装『第七聖典』を勝手に重火器(パイルバンカー)に改造した。メインアームは黒鍵と第七聖典。一度だけ教会から『天寿』を表す概念武装『黒い銃身』を持ち出した。
 戦闘時の地形は派手な魔術や銃器をぶっ放せる荒野を好む。体術にも優れるが、対城レベルまで鍛えてはいない。死徒は銃弾を見てから避けることができるため面の攻撃でなければ掠りもしないのだが、彼女はハンドガンですらこめかみを撃ち抜くことができる。
 リーズバイフェ・ストリンドヴァリはシエルが教会で唯一真っ向から競ってみたい相手で、リーズバイフェのほうもシエルと競ってみたかった。吸血鬼掃討の記録はリーズバイフェとほぼ同数で、ドラクルアンカーの使い手としての名声も同格。
 ロアが滅ぼされてからは不死性が失われたが、元の肉体がロアの魂が抜けたにも拘らず一人で生き返ったほど強靭な上、肉体保存の魔術によってかなりハードなことがまだできる。平均的な宝具を持つサーヴァントと一対一でなら防衛戦レベルの戦闘ができる。なお本人のポテンシャルも人間を凌駕している。だが限定解除した遠野志貴と戦った場合には勝ち目はなく、場合によっては撤退することも難しい。遠坂凛のガンドを受けたところで肩こり程度にしかならない。
 戦闘のみならず魔術による暗示に代表されるように諜報員としても優れている。本来ならば誰もが疑うはずのシエルという名前に疑問を持たないのはこの暗示によるものである。外交員、諜報員、果ては切り込み隊長としてなんでもかんでも一番手として重宝されている。
 第五次聖杯戦争におけるキャスターと戦った場合には当然、現代ではいるはずのない神代の魔女であるキャスターが勝つ。だが、シエルが魔術協会から降霊魔術の最奥を入手してきて第七聖典で打ち込む、などした場合には話が変わってくる。
 第七聖典制御刻印はペイントだが、胸のものは普段は見えない埋葬機関の証たる刺青。
 埋葬機関では死徒ロアの処罰を任されている。遠野志貴をロアの転生体と当たりをつけて学校に先輩として紛れ込むが、志貴を監視していく過程で志貴に惹かれてしまう。惚れっぽいというわけではなく、自分と同じように一度死を体験しているのにのんびりと生きている志貴を「すごいなあ」と思いはじめたことがきっかけらしい。
 学生ではないので授業を受ける必要はないが、後ろのほうで授業を聞いている。暗示を駆使して勝手に茶道部を作り、部費をせしめて和菓子食べ放題。ロアの死滅後は書類を改竄し、区域の浄化の仕事を自分に回して三咲町にとどまる。
 初めて戦った死徒はインドのカリー・ド・マルシェで、彼の最後の望みでカレーを食べて感激し(父親にカレーを禁止されていてそれまでカレーを食べたことがなかった)、カレー好きになったという(ウソツキ星人・奈須きのこの言葉なので信じていいものか…)。
 埋葬機関でインドインドと馬鹿にされているので、インドという単語に過敏になっている。
 AATMではアーネンエルベの『一度入ったら新たな客が入店するまで出られない』という噂の調査とネコ二十七キャットの討伐のために訪れたが、出番になるまでひたすらカレーを食べ続けていた。そこでネロ・カオスを誤殺し、店長となる。
 アーネンエルベの店内で出くわした言峰綺礼と争いになり、店の破壊を防ごうとケータイさんが呼んだカレン・オルテンシアがマグダラの聖骸布で言峰を捕獲した際に巻き添えで連れ去られる。そのときに持っていた第七聖典はアーネンエルベの倉庫で保管されることになった。


知得留(人名/先生)
 知得留先生。ちえる、ではなく、しえる。ある人のスタンドともいえる存在。猫アルクとともに救済コーナー『教えて!知得留先生』で主に遠野志貴の死因を教えてくれる人。猫アルクに笑顔でひどいことをする。げっちゃ2では猫アルクとワニ園で劉備兄弟ばりの誓いを交わした。だが猫アルクの背にアーネンエルベに仕掛けておくべき核ミサイルをつけている。
 美少年趣味らしく、ナイーブでいつも窓から校庭を眺めているような男の子に優しく色々なことを教えてくれる。
 同僚に自由奔放でいつも迷惑をかけてくるアルクェイド先生がいて、おいしいところは全てアルクェイド先生に流れていく力関係。
 魔法使いの箱で復活を遂げるも、あまりのブランクのためネコアルクにひ○○しのキャラかと問われる。


シエルサマー(技能)
 シエルの技。シエルがサマーソルトをするからシエルサマー。この技だけ変な名前なのは埋葬機関にはないシエルオリジナルの技でシエル命名だから。


シェロ(俗称:hollow)
 三年後の並行世界でルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトが衛宮士郎を呼ぶときの名前。遠坂凛でいうところの呼び捨てで、同じく凛でいう『衛宮くん』は『ミスタ・エミヤ』となるようだ。
 また遠坂凛が魔法少女カレイドルビーに変身した際にマスコットにされた士郎の呼び名でもある。ちなみにこの名称はカレイドステッキのもう一人のマスターが使っていたものを流用した。
 カレイドステッキのもう一人のマスターとはルヴィアゼリッタ。なぜかゼルレッチの宝箱の中にいた。


シェムーン -茨城-(用語:氷室の天地)
 衛宮士郎らが2年生のときの夏ごろに予約受付中だったゲーム。


シオン・エルトナム・アトラシア(人名/錬金術師・死徒)
 Sion Eltnam Atlasia。
 6月1日生まれ。O型。身長161p。体重48s。B86 W55 H83。
 元の名はシオン・エルトナム・ソカリス。アトラスの錬金術師。アトラス協会の次期院長候補になってからはアトラシアと名乗る。
 ナノ単位のモノフィラメント・エーテライトと黒い銃身の模造品であるバレルレプリカを武器とする。
 アトラスの没落貴族エルトナム家の出身で、アトラス院では主席の成績を収める。だが長く自分の在り方に疑問を持ち、“何が間違っているのかわからない”問題を抱えていた。
 結果、悩めるシオンは教会からの吸血鬼討伐の協力要請に志願し、二十七祖の一角である三年前に発生したタタリと対決して敗北。以後はアトラス院に戻らずに吸血鬼化する体を抑えながら教会と協会からの追跡を逃れ、それを解決するために吸血鬼を人間に戻す研究をしながらタタリを追い、再び挑もうとする。
 エーテライトを操り他人の脳髄から情報を強制的に引き出すので、霊子ハッカーと呼ばれる。最大7つの分割思考が可能。錬金術師であるために論理的な行動をする。計算を基に論理的に行動し、エーテライトで知識を吸収するが実体験が伴わないのでどうも世間知らず。
 性格はひたすら真面目で論理的。遊びのない性格だが遊ぶときは遊ぶ、というか心の底では遊びたがっているという、実はかまって系の委員長タイプ。生真面目で融通が利かないが、根は温かい。仲の悪い月姫のヒロインたちとも大抵はそれなりに仲良くできる珍しい人物。選民思想が強く、同じく錬金術師であるミハイル・ロア・バルダムヨォンを見下している。
 エーテライトで他者に侵入して情報を引き出すには『自己の世界』が邪魔になるので自我の発達を抑え、彼女の知識、道徳、法則などは他者からコピーしたもの。その意味では他者の情報に依存するワラキアの夜と同類である。ワラキアの夜がシオンの血を吸ったのは自我が形成されて情報の搾取が阻害されるのを防ぐため。
 損得抜きに協力してくれた遠野志貴に淡い恋心を抱いている。
 Actress Againではオシリスの砂によって再構成されたリーズバイフェ・ストリンドヴァリを、タタリが明ける前にオシリスの砂を破壊することでいわば横取りし、分割思考の二つを使って常駐ソフトのようなかたちで存命させる。
 遠野邸の地下を研究室として間借りしている。秋葉は地下を無料で提供しているのだが、琥珀が間に入って勝手に家賃を取り立てている。隠れて秘密兵器ノートを書いている。都合が悪くなるとフリーズする。
 お祭りではない、正史として考えるならシオンと弓塚さつきに接点はない。MELTY BLOODの後はアトラス院に戻り、院長補佐となっている。
 エジプトニーソという呼称は嫌い。


シオン・エルトナム・ソカリス(人名/錬金術師)
 6月1日生まれ。O型。
 シオン・エルトナム・アトラシアがアトラス協会の次期院長候補になる前に名乗っていたもとの名前。


紫苑ダメ子(人名:ネコアルク)
 エジプトからの帰国子女であり、バー『ナイル川の夕べ』の経営者。ナイル川の夕べがネコ精霊の憩いの場になっており、ほとほと迷惑している。


滋賀県代表(用語/組織:氷室の天地)
 陸上競技の大会の滋賀県代表。狡猾さ溢れるテクが持ち味で、地虫十兵衛などの忍者キャラクターのイメージ。


四月の賭け(用語)
 遠坂凛と美綴綾子のどっちが先に彼氏を見つけるか競争の最終局面。衛宮士郎と付き合い始めた凛に負けじと綾子も彼氏を探すがなかなか見つからず、窮余の策として弟の美綴実典を彼氏として紹介した事件。それにより実典が大恥をかいた。
 なお、士郎と凛は付き合っているのだが、傍目にはハーレム状態なので綾子はノーカウントを主張している。


時間操作(用語/魔術)
 特定の空間の内側のみを外界の時の流れから切り離して意のままにするもの。固有結界の一種であり、大魔術に分類される。だが因果の逆転や過去への干渉といった『時間の改竄』に比べれば、過去化の停滞、未来化の加速といった『時間の調整』は極端に困難というわけではない。問題は結界の規模と干渉する時間の範囲である。
 消耗する魔力や準備と儀式の煩雑さなど、大魔術であることが前提とされた術式であり、衛宮家が代々この魔術を探求していた。これを極めて小規模かつ効果的に、つまり自己の肉体に限定したものが衛宮切嗣の我流魔術『固有時制御』である。


式神行使(技能)
 遠野秋葉の能力の一つ。既に死んでしまった動物に自身の一部を分け与えることで再び生命として起動させるもの。


仕切り直し(技能:Fate)
 戦闘から離脱する能力。
 C:不利になった戦闘を戦闘開始ターンに戻し、技の条件を初期値に戻す。


自己改造(技能:Fate)
 自身の肉体にまったく別の肉体を付属・融合させる適性。
 このランクが上がれば上がるほど正順の英雄から遠ざかっていく。
 C:真アサシン。右腕にシャイターンの腕を融合させている。


自己強制証文(魔術:Zero)
 セルフギアス・スクロール。
 権謀術数入り乱れる魔術師の社会において、決して違約しようのない取り決めを結ぶときにのみ用いられる、もっとも容赦ない呪術契約の一つ。自らの魔術刻印の機能を用いて術者本人にかけられる強制の呪いで、原理上いかなる手段を用いても解除不可能な効力を持つ。たとえ死亡しても次代に継承された魔術刻印がある限り死後の魂すらも束縛されるという、決して後戻りのきかない危険な術。
 そのため、この証文を差し出した上での交渉は魔術師にとって最大限の譲歩を意味する。
 書式は束縛術式であること、対象、その家系の魔術刻印において条件の成就を前提として対象に戒律をかける旨、誓約の内容、戒律の発動条件を記し、宣誓者本人の血で署名をするというもの。
 一般的な文字で書かれているのではないようで、余人には何ら意図の汲めない図版と記号の羅列に見える。


地獄が腹(地名:ネコアルク)
 グレートキャッツビレッジの名所。かつて百匹の猫が空腹で踊り狂ったことが名の由来。
 ネコアルク・ザ・ムービーの冒頭、この場所で酔っ払って倒れこんで雨に打たれるネコアルクの姿は一介のネコの悲哀と末路を赤裸々に映し出した名シーン。今年のマカデミー賞最有力は間違いないだろう。


地獄極楽おとし(用語/固有結界)
 デッドエンド・カタルシス。
 虚淵玄の固有結界。登場人物の幸運値が一律ワンランクダウンする。


自己催眠による意識解体(用語/魔術:Zero)
 自己催眠の呪文で自分の意識を解体し、識域もろともストレスを消し飛ばす荒療治。いわば精神の解体清掃である。およそ二時間で分解された意識が自然再生し、生まれ変わったような気分で目を覚ますことができる。意識を分解しているため、目が覚めるまで肉体は生ける屍となっている。
 自己催眠の術としてはさほど高度ではないが、一時的とはいえ自らの人格を無意味な断片にするという行為に抵抗感を抱く者が多く、好んで実践するものはめったにいない。しかし衛宮切嗣は効率の点からこの休眠方法をベストとし、頻繁に使っていた。


自己封印・暗黒神殿(対人宝具)
 ブレーカー・ゴルゴーン。自身にかける魔眼殺し。世界を封じるもの。第五回聖杯戦争におけるライダーの宝具。形なき島を覆う鮮血神殿と対となる大結界。世界を覆う鮮血神殿に対し、こちらは世界を封じるもの。魔眼と違い、ゴルゴンの魔力をあびせるだけで発動する(引き込める)魔術。
 ライダーの目隠しのことで、強力すぎる魔眼に一つの結界(世界)をぶつけて封印している。この中に人間を取り込んで、淫夢を装った吸血・吸精行為をすることもできる。
 ライダーは普段からこれで目を封じており、視覚は完全に遮断されている。その代わり聴覚、嗅覚、触覚、魔力探査などで外界を認識しており、視覚で見るよりも正確な情報を得ている。
 この結界に捕らわれた者は意識をゴルゴンの心に封じ込められ、外界での能力発露を封じられる。また歓喜と禁忌が入り混じった悪夢を見せられることになる。キビシスで返されたメドゥーサ(というか怪物となったゴルゴン)が見たのはステンノとエウリュアレにいびられる夢。ある意味悪夢だが、彼女にとっては二度と会えない姉たちに会えたのでそう悪いものではなかった。


四枝の浅瀬(用語)
 アトゴウラ。赤枝の騎士に伝わる一騎討ちの大禁戒。四隅にそれぞれアルギズ、ナウシズ、アンサズ、イングズを刻むというもので、この陣を布いた戦士に敗走は許されず、この陣を見た戦士に退却は許されない。


死者(用語)
 吸血鬼の配下ではなく、単純に死んだ者のこと。これに意識はない。


四条つかさ(人名:歌月十夜)
 浅上女学院高等部の生徒。遠野秋葉のクラスメイト。出席番号9番。部活動には入っておらず、クラス委員を務める。覇気がある性格。被害妄想がちで隙あらばマイナス思考をする。何事も人並み以上にできるが、実はそれしか取り柄がない。
 才色兼備でなんでもできる優等生だったが、遠野秋葉という自分を何倍増しにもした生徒と同じクラスになったことで強迫観念に囚われてしまった。
 学園の七不思議の『紫の私書箱』におびえて遠野秋葉を殺害しようとするが、月姫蒼香直伝の上段回し蹴りで返り討ちにあう。その時にもう少し立っていたらそれこそ命ごと刈り取られるところだった。
 事件が解決した後も秋葉を前にするとビクビクと怯えてしまうが、負けるもんかと勇気を振り絞って逃げないよう頑張っている。


翅刃虫(用語:Zero)
 間桐雁夜がマスターになるにあたり、間桐臓硯から与えられた武器。普段は太った鼠ほどもある蛆虫の姿をしているが、戦闘時には脱皮して鋼のように黒光りする甲羅と羽を備えた甲虫となる。肉食虫であり、これの牙は牛の骨をも砕く。


静希草十郎(人名:魔法使いの夜)
 しずき そうじゅうろう。
 都会の喧騒とかけ離れた、人里離れた電気も通わない山の中を生活の場としていた少年。不平等を嫌い調和を好む善良にして平凡な性格。山から下りてきたばかりで都会の生活には不慣れだが、彼なりのペースで何とか順応していっている。


四大魔獣(用語)
 フォーデーモン・ザ・グレイトビースト。
 死徒二十七祖の20位であり埋葬機関の5位であるメレム・ソロモンの手足たる使い魔。一体で一つの祖に匹敵するといわれている。それぞれが神獣クラスの空想上の生き物であり、メレムが文字通り想像した四大の悪魔たちである。地上のいかなる生態系にも属さず、しかし地上のあらゆる生物へのオマージュである。メレムという子供の落書きがカタチになったモノであるため、彼らが現れると風景は極端にリアリティを欠いてしまう。
 四大魔獣はメレムの手足とされているが、実際には四大魔獣たちがそれぞれメレムに手足を与えているに過ぎない。メレムが消えても四大魔獣たちは破壊されるまで消えないが、四大魔獣が消えればメレムは手足を失ってしまい、そのたびに彼らを再想しなければならない。
 四大魔獣たちにとってメレムは創造主だが絶対に必要なものではない。しかし自身が破壊されてもメレムがいるかぎり再想されるので、恩義らしき忠誠心は持ち合わせている。なお足の魔獣たちには人間的な知性はなく、メレムが命ずるままに行進する。
 他の悪魔同様、四大魔獣もメレムとは独立した存在。彼らはメレムが想像した架空の悪魔であるが、一度描きあげられた像はメレムから一人歩きをしだす。創造主であるメレムの言うことは聞くが、その在り方・信念まで操ることはできない。これは頭の中で思い描く分にはいくらでも手を加えられるが、一度カタチにしてしまえば手を加えられず、手元に残るのは所有権だけ、ということ。
 彼らには名前がない。これは悪魔を安易に名付けてはならないという決まりからきており、メレム自身彼らにかっこいい名前を付けてやりたいらしいが、名前を付けてしまうと本当に自由になってしまうためできない。
 彼らはそれぞれどこかしらにメレム柄(メレム・ソロモンの手の甲に描かれた王冠と円を組み合わせた意匠と濃淡二色の茶色の市松模様を組み合わせた柄)を纏っている。


下着マラソン(用語:氷室の天地)
 衛宮士郎らが二年生の年の穂群原学園の体育祭での特別三枠の募集に対し、生徒会に提案された競技。
 下着姿でマラソンを行うものと思われる。この競技はアメリカでは幾つかあり、カリフォルニア大学ロサンゼルス校の行事としてや、ニューヨークのセントラルパークでも行われている。


下姉様めくり中キック(用語:AATM)
 エウリュアレの技。


視蟲(用語:Zero)
 術者と視覚を共有する使い魔(蟲)と思われる。
 間桐雁夜が間桐臓硯に授けられた。


シックス・スィング・チョコレイト(用語:魔法使いの夜)
 久遠寺有珠が持つ四つの神秘の一つ。第三の神秘。豪華な装飾が施された宝石箱のようだが、実はお菓子を入れるだけの木箱であるらしい。


質量操作(魔術:Zero)
 詳細不明。さほど難しい魔術ではないようだ。


実録・世界の航空戦力パート4(用語:Zero)
 第四次聖杯戦争におけるライダーが観ていたレンタルビデオ。


師弟の絆(用語:氷室の天地)
 Jポリスにある格闘ゲーム。モビルトレースシステムを再現したものということなので、実際に身体を動かして操作するものと思われる。


熾天覆う七つの円環(結界宝具:Fate)
 ロー・アイアス。ギリシャ神話における一大戦争、トロイア戦争で使用された英雄アイアスの盾。英霊エミヤが唯一得意とする防御用の兵装。
 青銅の盾に牛皮を七枚重ねたもので、何人たりとも防げなかったというギリシャの大英雄ヘクトールの投槍を防いだ(この折、六枚の牛皮を貫かれたが七枚目で防ぎきった)。以後、投擲兵器に対する絶対の防御力を誇る概念武装として広まり、存在を昇華した。
 七枚の花弁の如き守りはその一枚一枚が古代の城壁に匹敵する。
 英霊エミヤが投影した場合は花弁が七枚だが、衛宮士郎が投影した場合は花弁が四枚である。


自転車一号(用語)
 衛宮邸にある自転車で、衛宮士郎が使用する。ビアンキ製のフラットハンドルのクロスバイク。ライダーはこれを虎視眈々と狙っている。


自転車二号(用語)
 衛宮邸にある自転車で、ライダーが使用する。前籠付の典型的なママチャリ。ライダーはこれに不満を持っている。


死徒(用語)
 吸血鬼に成ったモノ。吸血鬼の大部分を占める吸血種。人間の血を吸い、下僕にして、陽光に弱く、洗礼儀式の前に敗退する。大体は元が人間だが、アインナッシュのように植物から成ったモノもある。
 始まりは吸血衝動を抑えきれなくなった場合に備えて真祖に血を吸われ支配下に置かれた緊急時の食事用の人間で、コレが力をつけて主の元から逃げ出したものが最初の死徒二十七祖。真祖の支配下から逃れる術は、真祖が自滅するか、こっそり逃げ出して隠れるか、正面切って対決するうちのいずれか。死徒二十七祖は代替わりをしているものも多く、教会に処刑されたために欠番もある。なお緊急用の食事といっても一種の痛み止めのようなものである。
 長く生きた死徒は大抵人間だった頃の名前を使わなくなるが、だからといって自分で名前をつけることはない。そのため教会が勝手に名前をつけるのだが、新しい特色が判明した時点で付け足していくため、呪文のように長い名前を持つ死徒もいる。
 死徒に成るには真祖・死徒を問わず他の吸血鬼に噛まれてその血を受けるか、魔術を極めて成るかがある。血を受ける場合は親となる吸血鬼の影響を色濃く受け、またその場合はグール、リビングデッドといった過程を経る必要がある(一部肉体的・霊的ポテンシャルが優れていた場合はすっとばせる)。なお吸血から一日で死徒として復活した弓塚さつきのポテンシャルは死徒二十七祖に匹敵する。
 親の死滅後も後継者として特別視された『子供』は生き延びる。そのため、吸血鬼に汚染された区域の浄化は死徒の消滅後が本番になる。
 魔術師が死徒になる場合はその時に盟約を記し、それに逆らうことはできない。
 死徒は真祖と同じように吸血行為をするようになるが、真祖が吸血を精神の安定のための娯楽であるのに対し死徒のそれは自己保存の割合が強い。死徒になると急速に遺伝情報が崩壊し、それを補うために同種の生物の遺伝情報が必要だからだ。肉体を補うためならば脆弱な人間などではなく強靭な獣を取り込んで使役することも出来る。また長く生きれば生きるほど存在の維持に膨大なエネルギーが必要になり、食事量も増大してゆく。例えばネロ・カオスは十階建てのホテル内全ての人間を十分ほどで完食するほど。人間の血ならば処女の血を好むが、これはまだ他者と体液の交換をしていない純粋な細胞と血液が劣化していく自分の遺伝子を補うために最も都合が良いため。
 要するに普通の生物のように栄養の補給がなければ死んでしまうが、死徒の場合は栄養の補給さえ続けていれば自然に死ぬということはない。
 しかし吸血行為は食事であると同時にそれ自体に優越感を覚え、能力を強化してゆく。そうして意志を強化して真祖の支配を逃れたものが二十七祖の始まり。
 死徒同士の戦いは珍しいことではなく、それどころか彼らは支配権の塗り替えや戯れの勢力争いを娯楽としている。これによって死徒が滅ぼされようとも彼らにとってなんら悪ではない。なぜなら吸血鬼の数に変化がないのだから。なおこの争いは派閥内に限られ、他の派閥と争うことはない。その死徒の中でエンハウンスが忌み嫌われているのは親の死徒だけでなく血族を皆殺しにし、その領地を焼き滅ぼすからである。
 彼らの共通の目的は『血の摂取に頼らない完全な不老不死』であり、さまざまなアプローチでそれに至ろうとする。例を挙げるならばネロ・カオスはカタチのない混沌を体にし、ワラキアの夜は現象となり、ミハイル・ロア・バルダムヨォンは魂を転移することで不老不死を目指した。
 彼らが日の光を弱点とするのは、彼らの遺伝情報の崩壊が日の光を浴びると加速するためである。逆に月の赤い夜には死徒は絶世を迎え、吸血鬼退治に特化した教会の代行者たちも戦いを行わない。
 彼らの能力は人間を大きく凌いでいるが、それは人間の能力を長い年月をかけて高めたものである。つまり、数百年の長生きさえすれば人間のまま死徒並みの能力を持つことも可能。極論すれば死徒と魔術師は神秘への在り方が同類であり、死徒のほうがより純度が高い。発射された銃弾を見てから回避することができるほどの身体能力を持つため、面の攻撃ができない個人携帯用の銃器では効果が薄い。ただし、シエルは点の攻撃であるハンドガンでもこめかみを撃ち抜くことができる。
 霧や狼に変身するという伝承がある。霧の場合は予め作っておいた分身に意識を乗せておいた場合で、不要になったら魔力供給を遮断するので自動的に塵に還る。狼など動物に変身する場合は欠損した肉体を使い魔で補っているため。人間でないのは、人間は基礎能力が低い生物なので種としてより優れた野生の獣を取り込むため。肉体を獣で補った場合、必要な時にその獣を元の姿に戻して使い魔として使役することができる。
 多くの者は社会とのバランスを考慮して活動するが、中には中世の頃と変わらぬ価値観で無差別に吸血行為をする死徒もいる。
 彼らの根城は通常、人に発見できるものではない。闇に影に、良識への憧れ、禁忌への畏れによって覆われた彼らの魔城は招かれた者にしか姿を現さないからである。幾重もの結界、強大な魔力によって隠された聖域は自然すら欺き、その不可視の守りは妖精たちの住む異界に近い。


シトー修道院(地名・組織)
 九歳になったカレン・オルテンシアを受け入れた修道院。深い森に建てられた城塞や牢獄のようなところ。修道院の中でも古い歴史と厳しい戒律を持つ由緒正しい名門。
 本来ならば孤児であるカレンが入籍することなど許されるわけがないのだが、その体に現れた被虐霊媒体質の聖痕によって入籍を許された。


死徒二十七祖(俗称)
 最も古い時期に真祖の支配から逃れた死徒。最も初めの死徒の集団。
 齢4000年を超える神代連盟(エルダータイトル)の祖、聖堂教会により封印されている祖、秘境にて人知れず時間を数える祖、五百年単位で後継者に座を譲る血族のような祖、消滅した祖がおり、死徒の頂点に立つ最強の吸血種の集団となっている。中には死徒ではないものが含まれているが、便宜上死徒二十七祖と呼んでいる。
 既に消滅している者もいるが、それでも二十七祖として数えられるのはいずれ後継者が現れるため。
 二十七祖の座はあらゆる死徒にとっての最終目的と言え、末端の死徒によって吸血鬼化した最下層の死徒たちもいずれ二十七祖に届くことを望んでいる。二十七の祖はそれぞれが独自の手段で不老不死を体現する。
 祖は領地と死徒、死者の王国を作り上げ、同胞である二十七祖の中で勢力争いをしている。これは娯楽の観念が磨耗した彼らにとって数少ない存在意義といえる。だが中には領地も配下も持たない特異な祖もいる。真祖の下僕として吸血鬼に成った者は領地を好み、魔術の果てに成った者は大抵そういったものに無頓着で、完全なる不老不死を求める探求者として活動する。
 彼らは互いに不可侵だが、大きく二つの派閥に分かれている。
 彼らの中に予言者の役割を持った祖がおり、彼女が二十七祖に限らず死徒たちに死を予告する。そのため彼らは速やかに後継者を作り、たとえ親が死んでも血族や派閥は残る。これのおかげで殺し合い、消滅を繰り返す二十七祖が二十七祖を保つことができている。
 なお、二十七祖クラスになると肉体を失っても幽体として存在できる。本来の肉体を完全に失ったものはネロ・カオス、スタンローブ・カルハイン、タタリ、グランスルグ・ブラックモア、コーバック・アルカトラス、ミハイル・ロア・バルダムヨォンがある。最古参の三人はリィゾ=バール・シュトラウト、ヴァン=フェム、トラフィム・オーテンロッゼ。
 上位十位に入るモノたちは幻想に生きるため通常の概念では打倒し得ず、彼らを超える幻想でなければ太刀打ちできない。なお二十七祖のほぼ全員が一対一でなら平均的な宝具を持つサーヴァントと対等に戦えるのだが、どちらも神秘に生きるものであるため『どうにかして倒す方法がある』段階で状況次第で、相性の問題もあるが基本的にはサーヴァントが有利。とりわけセイバー、ランサー、アーチャークラスならば安心して戦いを見守れるほど。特にセイバー(アルトリア)は宝具が宝具なので、二十七祖のような物量と異質さで圧す連中には滅法強い。中にはエクスカリバーの直撃を受けても耐えられるタフな祖もいるが、そういった祖にはランサー(クー・フーリン)が強い。ただしORTはそもそも地球上のルールが通用せず、プライミッツ・マーダーは霊長に対して極めて有利なので別格。
 800年前にトラフィム・オーテンロッゼの城に祖のおよそ半数が集って同盟を確認した。

 以下は死徒二十七祖のリスト。

1/Primate Murder  プライミッツ・マーダー
2/the dark six 闇色の六王権
3/Brunestud  朱い月のブリュンスタッド
4/Zelretch  キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグ
5/ORT  オルト
6/Rizo‐Waal Strout  リィゾ=バール・シュトラウト
7/Einnashe  アインナッシュ
8/Fina‐Blood Svelten  フィナ=ヴラド・スヴェルテン
9/Altrouge Brunestud  アルトルージュ・ブリュンスタッド
10/Nrvnqsr(Nero)Chaos  ネロ・カオス
11/Stanrobe Calhin  スタンローブ、カルハイン
13/TATARI/Walachia  タタリ/ワラキア
13/DUST OF OSIRIS  オシリスの砂
14/Van‐Fem  ヴァン=フェム
15/Rita Rozay-en  リタ・ロズィーアン
16/Gransurg Black-more  グランスルグ・ブラックモア
17/Trhvmn Ortenrosse  トラフィム・オーテンロッゼ
18/Enhance  エンハウンス
20/Merm Solomon  メレム・ソロモン
21/Sumire  スミレ
24/El Nahat  エル・ナハト
27/Couba*** Alcatraz  コーバック・アルカトラス (***は文字を読み取れない)
ex/Michael‐Roa‐Valdamjong  ミハイル・ロア・バルダムヨォン


死徒蜂(用語:Zero)
 魔蜂使いオッド・ボルザークの使い魔。これに刺された者はボルザークの配下の食屍鬼となる。


時南医院(地名:歌月十夜)
三咲町にある医院。外来は一切とっておらず、退魔や混血の一族の主治医をしている。


時南宗玄(人名:歌月十夜)
 9月28日生まれ。AB型。身長165p。体重55s。
 じなん そうげん。遠野家の専属医にして遠野志貴の主治医。だが遠野家寄りという訳ではなく、元は退魔組織の闇医だったのだが、遠野槙久が退魔組織と協定を結んだ時点で監視役も兼ねて遠野家の専属医になった。七夜が滅ぼされるまでは七夜の主治医もしていた。
 昔は混血を監視する組織の一員だった。元々は七夜黄理と同じ職種の人間だったが、命を削りあうのは性に合わんと医者に転職した。現在は隠居し、闇医まがいの生活をしている。結婚しているが、平然と何人もの妾を囲っている。
 志貴曰く、暴力医師、マッドがつく方の医者、妖怪ハッスルじじい。志貴のことを気に入っており、会うたびに骨接ぎや鍼を打つ。志貴の貧血がどのようなものかを理解しており、東洋的な医学で志貴の健康を維持している。あくまで維持であり、治療ではない。そも、志貴の貧血は治せるものではない。
 口汚いが義理堅い。志貴が有間家にいたころに何度か志貴について時南医院に行ったためだろう、有間都古とも面識がある。
 一人娘の朱鷺恵を溺愛するあまり、朱鷺恵と付き合う男どもをボコボコにしている。
 七夜黄理、遠野志貴の親子には揃って『ヤブ』呼ばわりされている。


時南朱鷺恵(人名:歌月十夜)
 4月2日生まれ。B型。身長164p。体重49s。B82 W56 H88。
 時南宗玄の一人娘。普段は都心の大学に通っているため、実家である時南医院にはほとんどいない。針灸師の資格を持っており、時南医院では鍼治療をしている。たまに宗玄の代理をする。
 しっかりしているようで自堕落。何かの拍子でころころ転がってしまい、なんとなく自堕落な結果を生み出してしまうとか。本人は転がりだした頃から気づいているのだが、止めないあたり確信犯っぽい。マイペースで仕草の端々が妙に雅。ほんわかした雰囲気ながらも色っぽい、年下殺しのお姉さん。志貴を大人にした。
 薬学では琥珀の姉弟子で、彼女自身は鍼治療のエキスパート。宗玄に替わって志貴の体を診ることもある。
 宗玄が何人も愛人を囲っていたため、しっかりしているくせにそっち方面ではフリーすぎる。彼女と結婚した男はきちんと出世するわ成功するわで幸せになるが、人間的に朱鷺恵さんなくしてはやっていけなくなる。そういった意味で男をダメにする魔性の女。選り好みが激しい。
 宗玄が付き合う男をことごとくボコボコにするためにいつまでもフリー。


しぬときはいっしょ(用語:氷室の天地)
 衛宮士郎らが2年生のときの夏ごろに予約受付中だったゲーム。


思念(用語)
 思っていること。思念は波であり、大抵は濁った透明色をしていて、その流れの緩急で感情を読み取れる。
 稀にその流れに独自の色を持つ者がいるが、そういった者は決まって人間と呼ぶのもおこがましい化け物。七夜黄理が知る限りでは退魔組織の何人かは青や銀といった神域の思念を持つ者がいた。軋間紅摩は朱色の思念を持っている。


死の線(用語)
 直死の魔眼によって捉えられる、常に流動する落書きのような黒い線。
 これはありとあらゆる物にあり、刃物で切りつける事で線が走っていた物体を『殺す』ことができる。線に強度はないので、どんな物だろうと平等に殺すことが可能である。直死によって可視化されるこれは存在に内包された寿命、死期という概念がカタチになったもの。
 遠野志貴が視るものはアルクェイド・ブリュンスタッドによれば『モノの死にやすい線』で、これが結ぶ点こそが『死』そのものである。両儀式が視る線は志貴が視るそれと同じものかは不明だが、同様に『存在の寿命という概念がカタチになったもの』である。また式は点を視ることができない。
 これを切るのは線をなぞって解体するのではなく、寿命を切って存在を殺した結果、物が切れるということ。物質的破壊ではなく存在的な消去。
 生物の線を切った場合、それが生命維持に支障のない部位ならば死亡することはない。だがその部位は二度とくっつくことはなく、物質的には切れていない場合においても二度と機能を果たすことはない。つまりその部位が死んでいるのである。
 遠野志貴も両儀式も生物なので、生物の死が視やすい。これは同じ生物として『生物の死』が容易に想像できるためである。鉱物、概念の死を視るには自身が対象と同じになるか、脳をフル回転させて『想像』する、もしくは生物のチャンネルに合っている脳を対象のチャンネルに合わせることが必要。
 要は人間に理解できない存在の終わりは視えないという事。


死の点(用語)
 死の線を束ねるように存在する『死』そのもの。ここを突くと存在そのものが死滅する。


支配の王扇(用語:氷室の天地)
 氷室鐘が持っている、普段どこに仕舞っているのか不明な謎の羽扇。後藤劾以が適当に名付けた。後藤によれば宝貝(仙人や道士が持つ道術によって作られた武器や道具の総称。また単に宝物の意味もある)。


simo(人名:AATM)
 simo氏のこと。特典本やTECH GIANで間桐桜を描く人。そのわりに質問では桜のことはなおざりにしてライダーの造形物を増やしてくれという要望にすり替えた。


シモン(人名:Zero)
 アリマゴ島の神父。温厚だが、衛宮矩賢を敵視しており、衛宮邸で働いていたシャーレイに霊験あらたかなお護りだとして銀の飾りナイフを与えた。


シャーレイ(人名・死徒:Zero)
 衛宮矩賢が隠遁先に選んだアリマゴ島に住んでいた少女。衛宮切嗣より4歳年長の姉のような存在であり、幼い切嗣は彼女に想いを寄せていた。
 小学校すらなく、伝道所の神父から読み書きを教わるのみという劣悪な教育環境で育ちながらも、有り余る好奇心に突き動かされて通信教育だけで13歳のうちに修士課程まで獲得した天才少女。その才能に目をつけた矩賢により助手として起用され、通いの使用人としてアリマゴ島における衛宮親子の生活の雑事全般を引き受けていた。
 矩賢による教導は弟子入りというほど本格的なものではなく、あくまで基礎中の基礎の知識を伝えるのみだった。むしろ矩賢が魔術師という素性を隠さずにシャーレイに接していたという程度だったのだが、彼女は持ち前の知識欲によって驚くべきペースで矩賢の言葉を吸収し、秘密主義者の矩賢でさえ『アリマゴ島で燻っているのが惜しいほどの頭脳と才覚の持ち主』と評価し、彼女の才能にはそれなりの期待を抱いていた。
 彼女は矩賢の研究成果を世の中に役立てることを望んでいた。
 さほど信仰心は強くないようで、シモンからお護りとして与えられた銀の飾りナイフを果物の皮剥きに使用していた。
 だが並外れた探究心から矩賢が製作した死徒化の試薬に触れてしまい、死徒化。吸血衝動を抑えられなくなる前に切嗣に殺して欲しいと願うが、切嗣が逃げたため聖堂教会か魔術協会によって処分されたと思われる。
 切嗣の初恋の女性。彼の晩年に出会った藤村大河は彼女に似ていたようで、必要以上に甘やかしてしまったとか。


蛇射庵(用語:氷室の天地)
 ジャイアン。
 氷室鐘と美綴綾子が考えた詠鳥庵に代わる屋号の案。蒔寺楓の人格に合ったものを、という要求に応えて提案された。


ジャイアントバイソンのサイコロステーキ(用語:AATM)
 アーネンエルベでステンノとエウリュアレが注文したメニューだが、明らかにアーネンエルベ本来のメニューではないだろう。材料も作ったのもネロ・カオス。


写真(用語)
 レンズと印画紙にしかるべき処置を施せば一時的に魂を奪う……というより正しくは一時的に停止させることができる。


ジャズコ(地名:氷室の天地)
 スーパーマーケット。


ジャック・ザ・リッパー(用語:氷室の天地)
 英雄史大戦のカード。
 固有能力は『潜伏奇襲』。


邪にゃーズ(組織:MBAA)
 ネコカオスが結成したネコアイドル事務所。翌日に潰れる。


ジャプニカ暗殺帳(用語)
 あいんつべるん発行、よいこのめっさつしりーず。『いちにちさんさつ』と書かれている。首を吊った士郎の絵が描かれたものとワカメが描かれたものが確認されている。
 間桐桜はワカメが描かれたほうを日記帳にしている。首吊り士郎のほうはセイバー、遠坂凛、桜、イリヤスフィール・フォン・アインツベルンが共同で使用している。


獣王の巣(用語:月姫)
 死徒二十七祖の十位ネロ・カオスの固有結界。自分の肉体の中に展開しているため世界からの修正がかからず、ずっと展開し続けている。
 ネロ・カオス自身も六百六十六の獣の因子を体内に渦巻かせており、通常ならばこれもまた修正の対象となるのだが、体内に展開した獣王の巣のおかげで修正を受けない。


柔道(用語:氷室の天地)
 衛宮士郎らが二年生の年の穂群原学園の体育祭での特別三枠に2年A組が提案した競技。当初は空手という案だったが、美綴綾子があまりに有利だとして葛木宗一郎によって柔道に変更された上で生徒会に提案されるも採用されなかった。


十二の試練(対人宝具:Fate)
 ゴッド・ハンド。第五回聖杯戦争におけるバーサーカーの宝具。
 神の祝福(呪い)によって与えられた不死性。自身の肉体を屈強な鎧と化し、ランクB以下の攻撃を全て無効化する。加えて、死亡しても自動で蘇生(レイズ)がかかる。蘇生のストックは十一回。よってバーサーカーは十二回殺さなければ消滅しない。
 一度受けたダメージを学習してそれを克服するための耐性を肉体に付加する効果がある。
 要するに自身を対象とした蘇生魔術なので、充分な魔力供給さえあれば十二の試練の消費した回数も回復する。凡庸な魔術師ならば一生かかって蘇生魔術一回分の魔力を用意できるかどうかというところだが、桁外れの魔力を持つイリヤスフィールならば一度の戦闘で11回殺されても簡単に回復させることができる。


終末の老人介護。首をぎゅっとね(用語:hollow)
 間桐桜が所有する本。


呪術(用語/魔術)
 土俗的な神秘。魔術協会(時計塔)は呪術を学問として認めていない。そのためイスラム圏の神秘を扱う組織に大きく後れを取っている。


呪界層(用語)
 黒化した桜が纏い使う、黒い影のようなもの。


守護者(用語)
 信仰の薄い英霊のこと。霊長の抑止力。カウンターガーディアン。何か不都合があった場合に呼び出され、その後始末をして消える存在。なってしまったが最後、永遠に人間のために働き続けさせられる掃除屋。
 自滅の現場に呼び出されるが、そこにいる者を救うのではなく全て殺すことでその他の人間を救う反英雄。
 世界(アラヤ)と契約して英雄に成った者はその代償として死後これに成る。


守護精霊(用語)
 本来は自然寄りの自然霊・動物霊に人間の霊体を人身御供にして人間の味方にしたもの。人身御供になった人間霊はより高位の自然霊に飲み込まれて消滅してしまうが、自然霊は人間の知識と価値観を得る。
 並大抵の魔力では守護精霊を顕現させることはできない。


シュポンハイム修道院(組織)
 時計塔に組する中部組織。


呪文(用語/技能)
 魔術を発動させるために必要となるもの。世界ではなく自身に訴えるもの。自己の身体に刻み込んだ魔術を発現させるためのもの。
一流派として安定した魔術を使用する際は定められた形式通りに手順を踏まねばならず、その一端が呪文である。手続きで言うなら申請、受理、審査、発行のうち申請にあたる。
 大きな基盤を持つ魔術行使に関しては約束事でしかないが、自己流の魔術行使の場合は自己暗示としての効力のほうが大きい。魔術回路を効率よく起動・作動させるための方法の一つとして、自己を作り変える『決まり文句』である呪文が作られた。
 その魔術の発現に必要な意味合いとキーワードさえ含まれていれば細部は各魔術師の好みによる。いわば自己暗示なので、長く意味付けするほうが自己から引き出す魔術の威力は増大する。
 自身ではなく世界に訴えかける呪文は大呪文、大儀式の類であり、一個人での使用は不可能とされる。


シュライン(地名)
 三咲町に建つ高層ビル。シュラインとは神殿を意味する。
 三咲町の一度目のタタリ(幻影の夏)の時点では建設途中だったが、二度目のタタリまでには完成している。建設には遠野家も関わっているらしい。
 ワラキアの夜に続きオシリスの砂もここを拠点としてタタリを行う。


瞬間契約(用語/魔術)
 テンカウント。
 本来ならば何時間もかかる契約を十秒ほどで簡易的に成立させるもの。詠唱としては十小節以上を行うことになるため、瞬間契約といっても十秒ほどはかかる。


浄化(用語/技能)
 聖堂教会のアンデッド処置方法。人間であることをやめた吸血鬼の肉体に人間だった頃の自然法則を叩き込んで、もとの肉体に洗礼しなおして塵に還す。この儀式には摂理の鍵か概念武装を使用する。


淨眼(用語/能力)
 七夜の一族に伝わる魔眼の総称、あるいは七夜の魔眼に多かった、もしくは期待されていたものと思われる。七夜の魔眼は『本来見えてはならないものを視る』という以外、何が視えるか一定しない。淨眼は上人が持つとされ、使用しているときは瞳が蒼くなる。
 七夜黄理は『人の思念』が靄のように視えたが、時南宗玄によるとそれは淨眼と呼べないほど弱いものであったらしい。
 遠野志貴の直死の魔眼はこの淨眼が死に触れて発展したものである。そのため直死の魔眼フル活動時には蒼い淨眼になる。


将棋ボクシング(用語:氷室の天地)
 衛宮士郎らが二年生の年の穂群原学園の体育祭での特別三枠に採用された競技。
 チェスボクシングと同じく、将棋とボクシングを交互に行う競技。通常よりもボクシングのラウンドが短く、将棋のラウンドが長い。
 2年A組からは美綴綾子と氷室鐘が、2年C組からは柳洞一成が出場した。
 美綴は将棋が苦手なため、氷室の策であるボクシングのラウンドで攻めに攻め、将棋のラウンドでは長考と穴熊による防御で長引かせる戦略で勝ち進む。しかし準決勝では2年C組代表の柳洞一成と対戦することになり、ボクシングでは防御に徹して『負けない』戦い方をし、得意な将棋で攻めるという戦略を取られたため美綴は将棋ラウンドで投了。
 氷室と対戦する相手は一回戦がC組の後藤劾以だったが、ボクシング漫画の影響で過剰な減量を行ったため入院して不戦勝、二回戦は3年B組の栗木拓次だったがホットドッグの食べ過ぎで倒れたため不戦勝。準決勝では美綴が敗北したのを見て、一成と対戦しないため二歩を打ってわざと反則負けした。


小聖杯(用語)
 聖杯のことだが、大聖杯に繋がるほどの魂を満たさず、単に願望機として完成した聖杯の器のことを指す。


正体不在(俗称)
 アンノウン。タタリの俗称。


勝利すべき黄金の剣(宝具:Fate)
 カリバーン。魔術師マーリンの導きにより選定の岩から抜かれた王の象徴。岩に刺された王を選定する剣。
 湖の妖精に授けられた『約束された勝利の剣』とは別物で、宝具としての特質は多少異なる。権力の象徴として贅を凝らした装飾を施された美しい剣であるが、そのために武器としての精度はエクスカリバーに及ばない。
 伝説ではアーサー王が騎士道に反する戦いをした際に折れたとされる、セイバーの手から永遠に失われた宝具。
 衛宮士郎が投影したものはバーサーカーを七度殺した。


ジョージ(人名)
 アーネンエルベの店長。イタリア料理の達人。
 AATMでは遠野志貴に殺害されたが、そのときはまったく手ごたえがなかった。それもそのはず、志貴が殺したのは彼に取り憑いていた黒いゲル状の『ネロ・カオスの悪性』だけであった。


ジョージ(人名:MBAA)
 ハリウッド在住。新聞の通信欄を用いてネコカオスに連絡を取った。実はルーカスではなく、引きこもったネコカオスをおびき出すために琥珀が用いた策略だった。


蝕離(能力)
 射程・接触による融合呪詛。遠野四季の混血としての能力。
 自身の肉体を自在に運用する四季だが、その究極的な能力として他人の肉体を摂取して自らの肉体に還元するというものがこれ。いわば臓器移植の何でもありバージョン。あくまで欠損した肉体を補うだけのもので、ミハイル・ロア・バルダムヨォンが顕在化した場合は復元呪詛のためにまったく不要となる。
 これが、四季が人食いの化け物と呼ばれるゆえんである。四季を処罰した遠野秋葉が以後吸血鬼じみた能力を持つに至ったのは、この異能をも略奪してしまったためかもしれない。


女生徒が選ぶ時計塔で一番抱かれたい男(俗称)
 →ロード・エルメロイU世。


jonaful(地名:氷室の天地)
 冬木市にあるファミレス。
 ウェイトレスの制服はアーネンエルベの夏制服にきわめてよく似ている。


jonafulの店員(人名:氷室の天地)
 jonafulのウェイトレス。日比乃ひびきによく似ている。


ショパン三世(用語:氷室の天地)
 衛宮士郎らが2年生のときの夏ごろに予約受付中だったゲーム。


ジョン・モンタギュー(用語:氷室の天地)
 英雄史大戦のカード。
 固有能力はサンドイッチを作ること。


白玉ぜんざい(用語:AATM)
 両儀式が店長になった際のアーネンエルベのメニュー。


白玉ぜんざい両儀スペシャル(用語:AATM)
 両儀式が店長になった際のアーネンエルベのメニュー。


自律型ゴーレム(用語)
 竜牙兵のことか。
 もとは平和利用を目的としていた。


ジロウ(人名:hollow)
 ギルガメッシュの取り巻き。ギルガメッシュに魚をせびった。


白き月姫ファンタズムーン(用語:TAKE MOON)
 とある市限定で製作・放映されたカルトな魔法少女アニメ。なんでもその市で起きた実話をもとにしているらしい。放送期間は2002年4月1日から2002年6月17日までで、全12話。
 社会的メタファーがしきりに組み込まれており、番組は微妙な人気のまま終了したが、『……三話の敵幹部の扱いに納得がいきません』とスポンサーが続編である『白き月姫ファンタズムーン・エクリプス』の製作に着手。


白き月姫ファンタズムーン・エクリプス(用語:TAKE MOON)
 白き月姫ファンタズムーンの続編。魔法少女ファンタズムーンの衣装とファンタズムロッドのデザインが変更されている。放送期間は2003年4月1日から2004年2月24日までで、全42話。うち六回は放送ミスにより未発表。
 第一期でしきりに組み込まれていた社会的メタファーを極力避け、子供向け番組として再スタートした。アクション指導に謎のインド人マドモアゼル・カリー、演出・料理指導にミスター陳、声優の出演料交渉係としてグル目メイドも加わり、スケールは大幅にアップ。派手なアクションとファンタズムーンの天真爛漫さも行き着くところまで行った感があり、子供たちに大ヒットしてしまった。
 ヒロインを含め女性キャラが一切出てこない異色の十一話、二十六話、三十五話の脚本はいまや押しも押されもせぬ人気作家アキーラ・セオによる。
 後に冬木市で起きた『世直し魔法少女連続ニート暴行事件』はこの番組に影響された少女による犯行とされている。


白き月姫ファンタズムーン劇場版 プリーズクエストミー! 銀河まっぷたつ伝説(用語:TAKE MOON)
 白き月姫ファンタズムーンの劇場版。2004年4月1日公開予定だったが、公開未定に。


白レン(人名/使い魔:Re:ACT)
 身長132p。体重33s。B63 W48 H61。
 レンの影。鏡が映し出した別人格。ワラキアの夜の残滓がレンの中で使われていない部分である『言葉』『能動的な人格』を使って具現化したモノ。『言葉』が素だけあって饒舌で慇懃無礼。鏡に写ったもう一人のレン。レンの『元の夢魔』の側面。オリジナルのレンに比べて残酷で愛らしい、妖艶で純潔という矛盾した少女像。すごいツンデレ。七夜志貴を使い魔のようにしている。
 北海道の人間から上質な海の幸の記憶を採取して、雪原に設けたコタツで鍋を楽しんだりしている。物語はハーレクインロマンスが好き。オリジナルのレン同様にケーキが好物だが、白いレンはいちごのショートケーキを好む。レンと違い、湯浴みを好む。
 方向性を持たないタタリの残滓がレンを模したのは蒼崎青子の差し金で、蒼崎青子は白レンを使い魔にしようとしていた。タタリの一部を蒼崎青子によって埋め込まれてレンから分かれた夢魔。よってタタリに取り込まれることはない。本人曰く『内面まで完全に再現したコピー』『ファイル名が違うだけ』。
 あくまでタタリの欠片なので、ズェピア・エルトナム・オベローンという本来のタタリも同時に存在しうる。悪夢を見る人間がいなくなると白レンも消える。レンを取り込んで本物になるため、レンが遠野志貴を慕うのと同じように志貴を取り込もうとする。
 タタリの欠片を使ったモノだけあって祟りとも悪夢とも取れない結界を持つ。真夏の雪原というのはレンの心象世界なので、世界に含まれたモノは主人といえど白レンの力に翻弄されることになる。
 一応七夜志貴がマスターという位置づけだが、ともに利用しあっているだけというか、相思相愛というか、微妙な関係である。もっとも白レンの方は七夜が大好きで、七夜の方は白レンのマスターとして契約していないと消えてしまうが。
 AATMでは客としてアーネンエルベに訪れるが、翡翠に代わってウェイトレスを勤めることになる。
 オシリスの砂による二度目のタタリの際には護衛にするために軋間紅摩を再現した。


真アサシン(人名/サーヴァント:Fate)
 身長215p。体重62s。
 第五次聖杯戦争において、佐々木小次郎の身体を利用して現界する真の暗殺者の英霊。暗殺者とは闇に潜むものであり、決して名を残さないものであるために正しくは英霊ではなく、亡霊(英霊候補)の群体。そのために能力そのものは低く、それを補うために自身の肉体を改造して他のサーヴァントに対抗している。腕の長さが常人の倍以上はあり、右腕はさらに倍はある。
 真名はイスラム教シーア派の分派イスマイール派のさらに分派であるニザール派の創始者でありアサシンの語源ともなったハサン・サッバーハ。ハサンは衰亡したファーティマ朝と縁が深く、大セルジューク朝と敵対してしばしば戦争や暗殺を仕掛けた。こうした事実が後世、彼が率いたニザール派を暗殺教団として語らせることとなった。
 ハサン・サッバーハとは個人の名前ではなく、己の鼻と皮を削ぎ落として無貌となった党首『山の主(ハサン・サッバーハ)』に受け継がれる一種の称号である。そのため仮面の下に素顔はない。
 アサシンのサーヴァントは、アサシンのクラスそのものが召還の触媒であり、正当な儀式によって召還した場合は必ず19人のハサン・サッバーハのうちのいずれかが呼び出される。
 望みは永劫に刻まれる自身の名。
 召還されたばかりの頃は知性に乏しかったが、ランサーの心臓を得て成長する。以後はランサーの人格に影響を受けていた。サーヴァントの心臓を取り込むことで強化される。
 使用するダークは40本あり、投げたものは戦闘後にちゃんと拾う。
 能力的にはぱっとしないが使い勝手がよく、主と認めた人物は決して裏切らない。治癒能力などは備わっていないが、大麻によって痛みを感じなくしている。戦闘スタイルは遠距離からのダークでの攻撃。単体でバーサーカーと戦った場合、勝負にすらならない。
 佐々木小次郎と戦った場合には、小次郎にザバーニーヤを防ぐ手段がないため文句なしに真アサシンが勝つ。しかし心臓を破壊されたとしても即死ではないうえ霊としての属性が強い小次郎には戦闘能力が残るため、宝具使用後の隙を突いて燕返しを放つことが出来る。よって相討ちになる可能性が高い。
 隠密、忍耐、スリが得意で自分用のダーク、忠義、寝正月が好き。自分以外が苦手で、十八人のアサシン(ハサン)候補が天敵。
 宝具は『妄想心音(ザバーニーヤ)』。

 クラス別能力は以下のとおり。
 気配遮断:A+…サーヴァントとしての気配を絶つ。完全に気配を絶てば発見することは不可能に近い。ただし自らが攻撃態勢に移ると気配遮断のランクは大きく落ちる。
 保有スキルは以下のとおり。
 投擲(短刀):B…短刀を弾丸として放つ能力。
 風除けの加護:A…中東に伝わる台風(ジン)除けの呪い。
 自己改造:C…自身の肉体にまったく別の肉体を付属・融合させる適性。右腕にシャイターンの腕を融合させている。


神威の車輪(対軍宝具:Zero)
 ゴルディアス・ホイール。
 第四次聖杯戦争におけるライダーの宝具。スパタで空間を切り裂くことで呼び出される。二頭立ての戦車で、轅には馬ではなく牡牛がつながれている。牡牛と車輪は雷を蹴って走る。
 アレキサンダー大王の伝説で最も有名な『ゴルディアスの結び目』のエピソードに登場する戦車。もとはゼウス神への供物として捧げられた祭具だった。もともとはゴルディアス王がゼウス神に捧げた供物だったが、轅の綱を切り落としてイスカンダルが手に入れた。彼がライダーのクラスに据えられたのもこれの評判のためと思われる。
 各部のパーツは別個に縮小、収納することが可能であり、踏破する地形に合わせて最高効率の形態に変形することができる。蹂躙攻撃に使用するのは完全解放形態である。威力を近代兵器に換算するならば、戦略爆撃機にも匹敵する。
 セイバーの約束された勝利の剣に対し真っ向から突撃し、紙一重でセイバーに届かず破壊された。


シンガ(用語)
 ギルガメッシュが生前に飼っていた雄ライオン。名前の意味は『ライオン』。


心眼(偽)(技能:Fate)
 直感・第六感による危険回避。視覚妨害による補正への耐性。
 A:第六感、虫の報せとも言われる天性の才能による危険予知。
 B:直感・第六感による危険回避。


心眼(真)(技能:Fate)
 修行・鍛錬によって培った洞察力。窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、活路を見出す“戦闘論理”。
 B:逆転の可能性が1%でもあるのなら、その作戦を実行に移せるチャンスを手繰り寄せられる。


神器(用語)
 大抵は宝杖や剣、宝石や仮面を使用する対自然用概念武装。


神言(用語)
 それぞれの神話時代に使用された、いわば上級呪文言語。人間の発音器官では再現不可能とされている。


真言(用語)
 詳細不明。神言の誤りか?


神獣(用語)
 幻想種のランクの一つ。最強のランクであり、聖獣とともに幻獣の上に位置する。
 モビー・ディックやテュポンなどが神獣の中でも有名で、このあたりの神獣はもはや生き物というよりも超兵器みたいなもの。


神性(技能:Fate)
 神霊適性を持つかどうか。高いほどより物質的な神霊との混血とされ、英霊自身の魔物、魔獣としてのランクが上がるたびに減少していく。また本人が神を嫌うことでも減少する。
 A:バーサーカー
 B(A+):ギルガメッシュ。彼自身が神を嫌っているのでダウンしている。
 B:ランサー
 C:第四次聖杯戦争におけるライダー。
 E-:ライダー。ほとんど退化している。


真性悪魔(用語)
 聖堂教会でいう『受肉した魔』は生物である以前に『魔』として創造されたため、人間より高度な魔術を使う。人間のような後付の魔術回路はなく、その生体機能のすべてが『魔』を呼び込むための機能である。
 教会ではそれを『真性悪魔』と呼ぶ。人間の想念を被って『個体名』になる偽物とはちがう、主が遣わした、人が名付ける前からそうであった本当の『悪魔』だと。


新世紀に問う魔導の道(用語:Zero)
 構想三年、執筆一年にわたるウェイバー・ベルベットの論文。彼にとっては持論を突き詰めつつ噛み砕き、理路整然と展開した会心の論文であり、査問会の目に触れれば魔術協会の旧態然とした体制に一石を投じるもの。だがこれを読んだケイネス・エルメロイ・アーチボルトは斜め読みしただけで破り捨て、ウェイバーに『こういう妄想癖は魔導の探求には不向き』と断じた。


新生代は恐鳥類ディアトリマのブラックペッパーでか手羽先(用語:AATM)
 翡翠がステンノとエウリュアレに出したメニューだが、明らかにアーネンエルベ本来のメニューではないだろう。材料も作ったのもネロ・カオス。


真祖(用語)
 吸血種の中において特異な存在。はじめから吸血鬼だったモノ。受肉した自然霊で性質は精霊に近い。星をかつての姿、真世界に戻すのが彼らの目的。カタチを持ってしまったが、これも抑止力といえるだろう。
 発生に人間の想念が関わっていないため、神霊ではない。自然霊の一種と容認されるため、霊長の敵対者であるにもかかわらずアラヤの怪物も彼等を抹消対象とはしない。霊長の敵対者である前に自然との調停者でもある。
 オリジナルの朱い月が男性体であったためか、真祖の女性体は稀である。世界に望まれるも、人々に望まれたモノではないので次第に隠れ住むようになり、その数を減らしていった。アルクェイド・ブリュンスタッドが誕生した12世紀には百個体にまで減っていた。
 自然(世界)の一部であるために思い通りに世界を改変する空想具現化が可能。朱い月の後継者候補であり、自己を人間から守るすべを持たない世界の触覚として生み出された受肉した自然霊。朱い月と同域の後継が誕生した場合にのみ朱い月が憑依する。そのためにあらゆる真祖はその内面に朱い月を受けいれる箇所を設けられている。
 朱い月が遺した固有結界と自然が生み出している。律する対象である人間を雛形に精神と肉体の構造を真似て作り出されたが、参考にした朱い月の目的がそも欠陥を含んでいたため『吸血衝動』という致命的欠陥を持ってしまった。『思う』だけで世界を改変する力を持つが、吸血衝動を抑えるために『思う』という行為のほぼ全てを使うため、本来の力を100%出し切ることはできない。
 最も優れた時期に活動するために幼年期は眠って過ごす。根本から吸血衝動を解決できないため欲求は蓄積されてゆき、やがて吸血衝動に耐えられなくなったら永遠の眠りにつく、というのが寿命のない真祖の一生といえる。
 吸血衝動に敗北した真祖は『堕ちた真祖』『魔王』と呼ばれ、無差別に吸血行為をする。堕ちた真祖は吸血衝動を抑える必要がないので、並みの真祖では立ち向かえない。アルクェイド・ブリュンスタッドはもともと堕ちた真祖を殺すために生み出された。
 朱い月の後継者候補であるにもかかわらず生まれてきたのが失敗作ばかりだったので、朱い月が新たな真祖が生まれることがわかるとほかの真祖がその目的にあわせて形を整えていくことを教えた。本来は必要に応じて発生する現象。ただし、アルクェイド・ブリュンスタッドは完全に無から創出された。
 真祖と人間の間に子が生まれた例は過去に一例だけである。
 夢を見ないというが、アルクェイドに関しては遠野志貴と出会ってから少しは夢を見ているようだ。


神造(用語)
 人の望みによって作られながら、人の意思に影響されず生まれるもの。


身体強化(用語/魔術)
 フィジカル・エンチャント。初級魔術の一つ。


陣地作成(技能)
 キャスターのクラス特有能力。魔術師として自らに有利な陣地を作り上げる技能。いかなる地形条件においても最善の効果を発揮する工房を最短期間で作成できるこのスキルによって、キャスターは防戦においては全サーヴァント中最強のアドバンテージを誇る。
 A:工房を上回る『神殿』を形成することが可能。
 B:工房の形成が可能。


神殿(用語)
 魔術師の『工房』を上回る陣地。


新都(地名)
 冬木市の東側に広がる商業地区。近代的なオフィスビルと娯楽施設が集中し、昼間はビジネスマンや買い物客らで賑わっている。
 第四次聖杯戦争の当時は旧国鉄の跡地を利用して近代オフィス街を建設しようという官民一体のプロジェクトにより再開発がなされており、オフィス街のビル群はおよそ六割が完成していた。その頃には駅前パークとショッピングモールの整備は終わり、市庁舎も次々と新都へ移転していた。
 第四回聖杯戦争で言峰綺礼によって大火災が引き起こされ、住宅地(高度成長期に原野から開拓されたニュータウン)が全焼。以降急速に再開発され、近代的な商業地区となった。第四回聖杯戦争決着の場所は現在、冬木中央公園になっており、固有結界に近い様相を呈している。
 衛宮士郎の実家もこちらの地域にあった。


新都オフィス街(地名:Fate)
 新都の駅前から少し離れたエリアに広がるオフィス街。中心に冬木市最大の超高層ビルがあり、新都開発を支えた企業の大半がここに事務所を構えている。この超高層ビルは、それが壊滅すると新都の息の根が止まるといわれるほどの存在感がある。
 コペンハーゲンもこの地区にある。


神霊(用語)
 神と崇められる自然霊。信仰を失うと精霊の位に落ちる。発生に人間の想念が関わっていながら、人の意思に影響されずに生まれたもの。


神霊適性(用語)
 物質的な神霊との混血の度合い。



  


スーパー合気道部(組織)
 高校一年生になった有間都古が所属する部活。スーパーな合気道部ではなく、スーパー合気道の部活。
 部長はファンタズムーン・エクリプスの真祖玉を素敵な光線で弾き返すほどの実力者。スーパー合気道だから波動拳くらい出る。


スーパーヴァンダミング屋(用語:氷室の天地)
 美綴綾子が考えた詠鳥庵に代わる屋号の案。


スーパージェット焼売(用語:氷室の天地)
 修学旅行で東京へ向かう駅で氷室鐘が購入したもの。紐を引くと五秒でホカホカになる化学ギミックを搭載している。が、紐を引くとホカホカどころではなく猛烈な勢いで蒸気が吹き出し、素手で触れることもできないような高温になる。また同時に強烈な焼売臭がし、新幹線を降りた東京駅のホームまでもが焼売臭で覆われた。


スーパー八極拳(用語:Zero)
 言峰綺礼が使う八極拳。言峰璃正から精神修養として教わった八極拳が代行者時代に血みどろの経験を積むうちに次第に我流の人体破壊術として歪んだ形に昇華し、第四次聖杯戦争ではさらに魔術による肉体強化が加わっている。


数秘紋(魔術)
 詳細不明。
 ミハイル・ロア・バルダムヨォンが使う魔術。数秘紋による雷霆は地味で正統派なもの。


ズェピア・エルトナム・オベローン(人名/錬金術師・死徒:MELTY BLOOD)
 身長180cm。体重67kg。5月30日生まれ。血液型O。
 タタリの本名、というよりもタタリという現象を作り上げた人物。シオン・エルトナム・アトラシアの3代前のエルトナム家当主にして何代目かのアトラス協会会長。彼のせいでエルトナム家は没落した。15世紀に生きた。500年前にトランシルヴァニアで消息を絶ちタタリとなった。
 優れた錬金術師であったためにたどり着いてしまった人類の破滅という『答え』を回避する方法を見つけようとして発狂。魔術協会を脱会し、死徒になって存在を強化して方法を見つけようとした。『答え』を回避するために第六法という神秘に挑んで敗北し、その霊子が世界中に拡散した。だが、それを見越してタタリという方程式を組み上げていたのでタタリという現象になりえた。また、タタリという現象になるためにアルトルージュと契約し、次の朱い月の日まで朱い月から力を汲み取っていた。
 自身を現象にした目的は真祖の体を得てそれを踏み台にして第六法に挑み、書き換えること。


スキル(用語)
 英霊自身が所有しているスキル。伝説の中でどのような活躍をしたか、どのような技術を持っていたかによって決定される。


周瀬唯架(人名:魔法使いの夜)
 すせ ゆいか。
 周瀬律架の双子の妹。合田教会で働くシスター。先天的な弱視だったが、現在は完全に失明している。敬虔なシスターとして知られているが、少々真面目すぎるきらいがあり、美人ではあるが友人は少ない。


周瀬律架(人名:魔法使いの夜)
 すせ りつか。
 周瀬唯架の双子の姉。唯架とともに合田教会で働いているが、律架はシスターではない。妹とは正反対にいい加減かつ朗らかな性格で、久遠寺有珠や静希草十郎からは慕われているが、なぜか蒼崎青子からは親の仇の如く嫌われている。


スターボゥ(魔術)
 蒼崎青子が用いる魔術名。魔術単体の名称ではなく、彼女が用いる魔術の系統の総称であるようだ。
 彼女にとって炸裂する火花や自転する星はイメージしやすいものらしく、瞬間詠唱による魔術は決まってこれらに基づいた自然干渉となる。中でもスターボゥ系は変動的な応用。
 青子は肘から魔力を撃ち出し、拳を通過した時点で魔術式を成立させる格闘系の魔術師といえる。彼女を敵に回した者にとって、その両手はロケットのバーナーのように映るだろう。


スターマイン(魔術)
 蒼崎青子が用いる魔術名。魔術単体の名称ではなく、彼女が用いる魔術の系統の総称であるようだ。
 彼女にとって炸裂する火花や自転する星はイメージしやすいものらしく、瞬間詠唱による魔術は決まってこれらに基づいた自然干渉となる。中でもスターマイン系は流動的な運動。
 青子は肘から魔力を撃ち出し、拳を通過した時点で魔術式を成立させる格闘系の魔術師といえる。彼女を敵に回した者にとって、その両手はロケットのバーナーのように映るだろう。


スタングレネード(用語/武装:Zero)
 音響手榴弾、閃光手榴弾、フラッシュバンとも。爆発しても破片はほとんど飛び散らず、破裂と同時に大音響と閃光を発する。大音響と閃光により対象者をショック状態にして数秒間気を失わせ、その隙に相手を制圧する。
 その性質から人命に関わる負傷や後遺症がないため、軍や警察の特殊部隊は大抵これを装備している。日本では警察の特殊急襲部隊により西鉄バスジャック事件で突入の際に初めて使用された。


スタンティア(用語)
 →スタンローブ、カルハイン


スタンローブ、カルハイン(人名/死徒)
 Stanrobe Calhin。
 捕食公爵。街食うモノ。亡霊。第一の亡霊(スタンティア)。
 すでに教会に討たれて肉体を失っているが、その怨念が周囲の物を破壊する力の渦になっている。教会も無闇に手を出せずに自然消滅を待っている。存在濃度がゼロになるまであと二百年。
 オシリスの砂のような規模の魔術式を使用するとやってくる可能性がある。


ステアーAUG(用語/武装:Zero)
 AUGはArmee Universal Gewehr(陸軍汎用小銃)の略で市販名。オーストリア・ステアー社製のブルパップ式(弾倉と薬室をグリップの後ろに配置した構造)突撃銃。オーストリア国防軍(制式名stg77。1977年に採用されたため)、オーストラリア地上軍(制式名F88)、イタリア軍警察対テロ特殊部隊に採用されており、もっとも成功したブルパップ式突撃銃といえる。
 様々なバリエーションがあるが、第四次聖杯戦争において久宇舞弥が使用したのはA1型あるいはA2型と思われる(スコープの交換ということからA2型407mmバレル版ではないか)。A3モデルはR.I.S.を搭載した最新発展型。
 A2型の407mmバレル版には固定式のスコープマウントではなくピカティニーレールが装備されている。固定式スコープの倍率は1.5倍。
 セミ/フルオートの切り替えができるが、一般的なセレクターではなくトリガーを引く強さによって切り替える(軽く引けばセミオート、強く引けばフルオート)。これは他の銃とは勝手が違うため、転換訓練には多少の慣れが必要。
 フレームにプラスチックを多用したことから軽量であり、ブルパップ式のため取り回しもよく、バレル長も確保できている。ユニット化された部品を交換することで短機関銃(銃身を拳銃弾用、ボルト機構をブローバック用に)や分隊支援火器(621mmの重銃身、バイポッド、42発マガジン)に換装でき、全モデルを通じてフォアグリップの代わりにコルトM203グレネードランチャーを装備することも可能。ダブルカラム(複列式)マガジンは半透明のプラスチック製のため残弾数の確認が容易。また薬莢排出口を左利き用に換装することができる。
 本来は突撃銃であるが、あまり長距離でなければ狙撃も可能な精度を誇る。
 久宇舞弥が使用したものは、標準のスコープをAN/PVS04暗視スコープに交換した以外は標準仕様。

モデル

全長

バレル長

重量

口径

装弾数

連射速度

発射形式

A1

690mm

407mm

3.3kg

5.56×45

30/42

650発/分

S/F

790mm

508mm

3.6kg

A2

690mm

407mm

3.3kg

5.56×45

30/42

650発/分

S/F

790mm

508mm

3.6kg

A3

740mm

455mm

3.7kg

5.56×45
6.8mmSPC

30/42

650発/分

S/F

9mm
(AUG SMG)

665mm

420mm

3.3kg

9mm×19

25

850発/分

S/F

Z(民間モデル)

790mm

508mm

3.6kg

5.56×45

9

-

S


ステンノ(人名:hollow)
 身長134cm。体重30kg。
 『強い女』を意味するゴルゴン三姉妹の長女。物語はデュラス(レズ文学)が好き。
 優雅な仕草、溢れる気品、思慮深い言動、どれをとっても理想の女性といわれた女神で、彼女に名を呼ばれただけで男は余りの喜びに我を失い、永遠の忠誠を誓ったという。どのような男性であろうと持ち上げて褒め称える。綺麗なもの、可愛らしいものを無条件に惜しみなく愛し、醜いものを無条件に嫌う。
 が、匿名希望の妹に言わせれば極度のものぐさで好きなこと以外にはとことん興味がなく、どうでもいい相手に対しては冥府の番犬も震え上がるほど冷酷な鬼長姉。ライダーの『興味のないものには冷たい』性格は彼女の影響。
 エウリュアレとともにメドゥーサの血が好物。
 メドゥーサのような怪力も魔眼もなく、ただ不老不死であるだけのか弱い少女。男たちの憧れが具現化したもので、戦う力はなく、一人では飢えてしまい、誰かの手を借りねば生きられない。
 ステンノとエウリュアレは末女メドゥーサとは違いよく人間を好み、島に訪れた男たちを歓迎し、癒し、新たな冒険に送り出した。が、その実人間という生き物を愛しているのではなく気に入った人間たちが自分たちの言葉に翻弄され、困惑して破滅するのを眺めるのが三度の飯より好きだった。
 つまり言い寄ってくる男たちに甘えることはあっても、それは出来るわけのないことを口にして弄んでいるだけであり、彼女とエウリュアレが心から命じるのはメドゥーサだけ。
 ステンノとエウリュアレは名前と性格を除き細胞のひとつ、髪の一本まで永遠に同一の存在であり、以心伝心を超えたお互いがお互いを感じあう共同体である。そのため、互いを呼ぶときは『私』と呼ぶ。
 後にメドゥーサは形のない島に攻めてくる人間たちを殺すことに歓喜を覚えるようになり、怪物として成長していった。そしてメドゥーサではなく怪物になってしまったときにステンノとエウリュアレは自ら怪物に身を捧げ、命を絶った。
 AATMではエウリュアレとともにライダーを探してアーネンエルベに訪れる。ライダーは入れ違いに退店していたが、そこで見つけた男に二人で絡んだ挙句ボコボコにする。


ストライク・エア(宝具・魔術:Zero)
 →風王鉄槌。


SPAS-12(用語/武装:歌月十夜)
 遠野志貴が猫のコスプレをして現れたアルクェイド・ブリュンスタッドを撃退するために使用したショットガン。とはいえ歌月十夜自体が夢の中の出来事であるため、実際にあるかは不明。
 イタリアのフランキ社がイタリア軍の依頼を受けて1979年に同社のPG80をベースに開発した。SPASとは『Special Purpose Automatic Shotgun』または『Sporting Purpose Automatic Shotgun』の略であり、『12』は本来口径(12ゲージ)を意味したが現在では単なる型番となっている。イタリア軍以外ではフランスやイタリアの対テロ組織などが装備している。
 ピストルグリップや多数の放熱口があいたハンドガードで全体を覆っているなどごつく特異な外見をしているが、人間工学に基づいて設計されているため使いやすい。発射機構の複雑さからか、あるいは軍での使用のため各部を強化しているためか、プラスチックを多用していながら他のショットガンより重い。しかし怪我の功名というべきかその重さによって安定した射撃が可能となっている。
 フォアグリップ先端のボタンを押すことでセミオートとポンプアクションを切り替えることが出来るが、そのために部品数が多くなり故障も多い。
 小型の大砲と称されるほど強い威力を持ち、防弾ジャケットでは防ぎきれないこともある。装弾数の多さやセミオート/ポンプアクションの切替機構などからアメリカの一部の州では一般の所持・売買が禁止されている。
 チューブマガジンの再装填や弾薬交換の煩雑さ、ベネリ社などからのより軽量な後発商品の登場などで売り上げが減少し、2000年に生産中止となった。その後は自動式に特化した後継のSPAS-15に主力をシフトしている。
 ストックなし、折り畳み式ストック付き、固定ストック付きがあり、下記のスペックは折り畳みストック付きのもの。

全長

バレル長

重量

口径

装弾数

発射形式

805mm
(ストック伸張時1043mm)

546mm

4.4kg

12ゲージ

2/6/7/8+1

セミオート/
ポンプアクション


スパタ(用語/武装:Zero)
 第四次聖杯戦争におけるライダーであるイスカンダルが佩用する剣。キュプリオト族の王からの献上品で、その由来からキュプリオトの剣とも呼ばれる。これで空間を切り裂いて神威の車輪やブケファラスを呼び出す。
 極めて強靭な拵えだが、見かけによらず軽量で、機敏な扱いも可能である。


スペクターIR熱感知スコープ(用語:Zero)
 衛宮切嗣が使用したワルサーWA2000狙撃銃に装備された熱感知スコープ。
 -5℃から60℃までの温度変化を200メートル先から倍率1.8倍で表示する。


全て遠き理想郷(結界宝具:Fate)
 アヴァロン。エクスカリバーの鞘の能力。アーサー王の手から失われた三つ目の宝具。
 アインツベルンによってコーンウォールで発掘され、衛宮切嗣にアーサー王召喚の触媒として与えられた。第四次聖杯戦争においてセイバーを召喚したあとは、彼女に知られないようにアイリスフィール・フォン・アインツベルンの体内に封入されていた。第四回聖杯戦争終結後は瀕死の衛宮士郎を助けるためにその体内に埋め込まれた。
 これの機能は防御というレベルではなく、遮断。聖剣の真の能力はこの鞘による“不死の力”。所有者の傷を癒し、老化を停滞させる能力があるが、真名をもって鞘を展開することで数百のパーツに分解し、所有者を妖精郷に置いてあらゆる干渉から守りきる。魔法の域にある宝具で、あらゆる物理干渉、魔法である並行世界からのトランスライナー、六次元までの多次元からの交信をシャットアウトする。この世界における最強の守りであり、五つの魔法さえ寄せ付けぬ究極の一。
 また周囲にあるものと使用者の体内にあるものとを問わず、聖杯の中身である泥を払うことができる。
 セイバーの宝具なので当然ながらセイバーがいない状態では発動しない。セイバーがいない状態での効果は士郎(おそらくはこれを埋め込まれた者)の起源、ひいては魔術特性を『剣』に変化させるもの。
 刀剣類ではないが、長年衛宮士郎の体内にあったことで士郎はあらゆる工程を省略して容易に投影できる。


スポンジオレンジ(用語:Realta Nua)
 凛ルートのデートの際に小休憩のために入った喫茶店で衛宮士郎がマンゴーラッシュ&クリームの代わりに注文したもの。


スミレ(人名/死徒)
 Sumire。
 死徒二十七祖の二十一位。水魔スミレ。ウォーター・ボトル。水中に棲む、死徒の中の変種。
 本来吸血鬼が苦手とする流水を克服した代償として、陸上での活動が難しくなった死徒。世界のルールを脱しているあたり、ある意味超能力者。普段から酔っているために弱く見られがちだが、実力的には死徒二十七祖の上位に食い込む構成力を持つ。地上にあがって水気を抜くと酔いが醒めて実力を発揮できるようになるとか。死徒の中で唯一空想具現化が可能。
 外見はとっつきやすい色気たっぷりの酔っ払いお姉さまで、ふたなりが好きらしい。城は持っているものの中はもぬけのカラ。
 リタ・ロズィーアンとは殺し合いをするほど仲がいい。



  


聖イグナチオ神学校(地名・組織:Zero)
 スペインのカタロニアはマンレーサにある神学校。言峰綺礼の母校。


聖骸布(用語/武装)
 聖人の亡骸を包んだ布。
 衛宮士郎が左腕に巻いたものは教会時代に言峰綺礼が隠匿したと思われるマルティーンの聖骸布の一部。生きている限り通る魔力を遮断し、痛みと反動を防ぐ効果がある魔力殺し。だが完全には侵食を抑えられず、一度も解かなかった場合でも完全に侵食されるまでにあと十年ほど。それまでに腕と拮抗するほどの魔術師に成長できなければ食いつぶされる。
 アーチャーの外套も同一のものだろう。
 カレン・オルテンシアが使用するのはマグダラの聖骸布。相手を拘束することに特化した礼装で、男性には破ることができない。


世紀末覇者焼き(用語:氷室の天地)
 別名、聖帝十字量。
 お好み焼き・鍾馗のメニュー。1999円。成年男性が背負うようにして運ばなければならないほどの途方もない量がある。


正式外典ガマリエル(武装:MELTY BLOOD)
 聖堂教会の異端審問騎士団であるヴェステル弦楯騎士団団長リーズバイフェ・ストリンドヴァリが使った対吸血鬼用の『滅び』の純粋概念である概念武装。ヴァイオリンを思わせる銃盾にして槍鍵、パイルバンカー。音律を以ってあらゆる不浄を弾く正しい秩序の具現。パウロの黙示録とエジプト人による福音という二つの外典によって鍛えられた聖盾。
 三咲町の一度目のタタリ(幻影の夏)の3年前に発生したタタリに砕かれ、その破片をシオン・エルトナム・アトラシアが回収し、弾丸に加工した。


聖獣(用語)
 幻想種のランクの一つ。最強のランクであり、神獣とともに幻獣の上に位置する。


精神(用語)
 第三要素のこと。
 現実世界の魔術などにおいては魂と肉体を結ぶものとされている。


精神汚染(技能:Zero)
 第四次聖杯戦争におけるキャスターのスキル。精神が錯乱しているため、他の精神干渉系魔術を高確率でシャットアウトする。ただし同ランクの精神汚染がない人物とは意思疎通が成立しない。
 A…第四次聖杯戦争におけるキャスター。


聖葬砲典(武装)
 エンハウンスが使う教会で作り上げたショットガン。彼は死徒であるために、これを使うたびにエンハウンスの左手は腐ってゆく。
 メンテナンスをするのは教会一の火器好きと噂されるあの人。


聖帝十字量(用語:氷室の天地)
 →世紀末覇者焼き


聖典(武装)
 限られた代行者が持つ強力な概念武装。サーヴァントにも対抗しうる。


聖堂(用語)
 メレム・ソロモンがかつて幽閉されていた世界。牢獄であると同時に心地よい胎盤でもあるのか、自由になってからもここから外の世界を傍観し続ける。
 かつてメレムが想像した数多の願いはこの聖堂にあるものをモチーフにして生み出された。


聖堂騎士(用語)
 リーズバイフェ・ストリンドヴァリなどの聖堂教会所属の騎士のこと。
 神なき地に遠征することはいかなる理由だろうと許されず、聖地の守護にのみ動く。代行者とは異なり、常に数で圧倒する戦術を執る。


聖堂教会(組織)
 “普遍的な”意味を持つキリスト教会の中の『異端狩り』が特化して巨大な部門、組織になったもの。単に『教会』とも。世界最大の組織であり、人間を外れた者たちの最大の敵。厳格ではあるが非道ではなく、悪魔祓いには拒否権がある。
 信仰というイデオロギーを共有する同胞の集まりであるため結束は強固で、魔術協会のような相互不信はない。教義解釈の違いから論難はあるが、それは『より善きもの』を求める理性的な討議である。
 神の教えを説く彼らは、その教義に反したモノたちを認めていない。教義にない“異端”という存在を表向きでは無いものとして扱うが、中には熱狂的に排斥しようとする者達がいた。ただし魔は彼らの神と表裏一体であるために認めている。
 代行者と呼ばれる悪魔退治を擁し、すべての異端を消し去り、人の手に余る神秘を正しく管理するためだけに機能する。奇跡は選ばれた聖人のみが学ぶものという彼らは、魔術が公になった場合それを正義のもとに処罰し、魔術師の研究成果をも焼却するというスタンスをとり、当然のことながら魔術を隠匿する魔術協会とは折り合いが悪く、いままで幾度となく刃を交えてきた。
 現在は魔術協会との間で協定が結ばれ、仮初めの平穏を謳っているが、記録に残さないことを前提に現在でも殺し合いをしている。もっとも、彼らにとって最大の敵は吸血種であり、魔術協会とは時に協力もする。
 様々な管轄に分かれており、聖遺物の管理・回収を任とする第八秘蹟会、卓越した戦闘者である代行者、聖堂教会や各教会が保有する騎士団、聖堂教会本部が隠し持つ埋葬機関などがある。


セイバー(クラス/サーヴァント)
 剣を主装とする三騎士の一角。
 選ばれるために必要な条件は“魔力”以外の能力値が最高ランクであること。そのために最強のサーヴァントとされるが、能力値以外の特殊能力を一切持たないためにルール外のことには脆い一面もある。
 クラス固有の能力は“対魔力”と“騎乗”。該当する英霊には瞬間的な攻撃力に優れる者が多い。


セイバー(人名/サーヴァント)
 身長154p。体重42s。B73 W53 H76。
 剣の騎士。第四次聖杯戦争において衛宮切嗣と、第五次聖杯戦争において衛宮士郎と契約したサーヴァント。物分りはいいが、戦闘時は手のつけられない勇猛さを発揮し、歴代のセイバーの中でも突出した実力を誇る。彼女が士郎を呼ぶときは最後の『ウ』を小さめに発音する。火力と燃費の悪さでは(おそらくTYPE-MOONのキャラクターのなかで)ナンバーワン。
 真名はアーサー王ことアルトリア・ペンドラゴン。アーサーをローマ風表記にするとアルトリウスとなり、その女性形がアルトリアである。
 ウーサー・ペンドラゴンと敵国の王妃との間に生まれ、魔法使いマーリンの教育を受けて育ち、選定の剣を抜いて王となった。その後はランスロット、ガウェインらといった高名な騎士たちを率いて数々の武勲を立て、ペイドン・ヒルの戦いでサクソンの王を討ち、ブリテンの地に安寧をもたらした。
 聖剣の鞘の力で老いず、理想の王として君臨し続けた彼女だが、皮肉にも理想でありすぎたために王妃ギネヴィアや騎士たちの心が離れてしまった。そして治世の終わりとなる内乱において、実の子であるモードレッドと相討ちとなった。
 アーサー王が死の間際に世界と契約したためにそのまま夢を見るようにあらゆる時代に呼び出され、彼女が聖杯を手に入れたときに死を迎え英霊となる状態である。その契約を破棄するためには彼女自身の意思で自ら聖杯を破壊することが必要。なお彼女が世界と契約を結び、聖杯獲得が成らなかった場合に戻るカムランの丘では、彼女はモードレッドの心臓に槍を突き立てている。
 凛ルートにおいても自らの意思で聖杯を破壊するが、このときの聖杯は露悪状態であったため世界との契約が破棄されるかは半々で、このルートであればアルトリアが英霊化する可能性がある。
 正確には英霊ではなく『いずれ英霊になる者』であり、厳密には生者である。そのために霊体化はできず、また英霊として不完全であるため英霊の座で与えられる時空を超えた知識を持ち合わせていない。
 アーサー王はブリテンを守る赤い竜。竜の因子を持つために人でありながら竜そのものの魔力を帯びる。魔術回路を必要とせず、ただ血液を巡らせ息をするだけで魔力を生成する、魔術師とは次元違いの『魔術炉心』といえる。セイバーの強さは剣の腕ではなくその膨大な魔力である。第五次聖杯戦争の最初のバーサーカー戦後の魔力量は1250ほど。召喚直後のランサー戦では50、バーサーカー戦では200ほど消費した。ただし竜の因子を持つため、仮に竜殺しの魔術を使われた場合には対魔力が充分に発揮されない可能性がある。
 彼女の魔力は大半が守りに固定されていて、鎧はその魔力で編まれたもの。肉体の損傷を修復するよりも鎧を修復するほうが魔力がかかる。飛び道具への耐性があり、風切り音と自らの直感によって軌道を読む。
 宝具は『風王結界(インビジブル・エア)』『約束された勝利の剣(エクスカリバー)』『全て遠き理想郷(アヴァロン)』。そのうち『全て遠き理想郷』はアーサー王の手から失われた宝具で、『風王結界』は正しくは魔術。
 聖杯にかける願いはブリテンを救うこと。つまり『アルトリアが王となった』歴史の改竄。しかし冬木の聖杯はただの悪性の力の渦であるため、そのような過去の改竄は不可能。
 彼女の能力が最大限に発揮されるのは正面からの正々堂々の一騎打ち。しかし有能な指揮官でもあるため作戦を嫌うことはない。杜撰な作戦を嫌い、精緻な作戦を練り、尚且つ刻々と変化する戦況に応じて臨機応変に行動を変更することができる。当然ながら作戦においても卑怯を嫌うため、第四次聖杯戦争でのマスターである衛宮切嗣との相性は最悪であった。
 もともと馬上戦闘に長けていたため騎乗スキルは非常に高く、軍馬に曳かせる戦車もまた乗りこなせる。バイクや自動車などは現代の乗騎と看做されるため乗りこなせるが、竜種やグリフォン、ペガサスといった魔獣・聖獣レベルの幻想種は乗りこなすことができない。これは彼女がライダーでなく、また人代に活躍した英雄であり『幻想種を乗りこなした伝説』を持たないためである。
 第四次聖杯戦争では衛宮切嗣によって聖剣の鞘を触媒に本国のアインツベルン城で召還された。サーヴァントシステムによる切嗣との主従関係のほか、騎士道に則った主従契約をアイリスフィール・フォン・アインツベルンと交わした。アイリスフィールとの主従は派手に動いて敵を引き付ける囮の役割を担っていた。
 アインツベルン城にいる間は女性らしく古風なドレスを着ていたが、冬木市に渡るにあたってはアイリスフィールが用意したスーツを着ていた。
 切嗣と契約していたときにはほとんどのパラメータがAクラスだった。他のサーヴァントを探知する能力は半径200メートル程度が限度で、しかも何らかの能力を行使している場合に限る。
 キャスターが召還した大海魔との戦いの折にランサーが自ら必滅の黄薔薇を折ったことで左手が治癒、約束された勝利の剣で大海魔を焼き払った。なおそのときの名残であるクルーザーの残骸は第五次聖杯戦争の時点でも冬木大橋から見ることができる。
 その後のランサーとの戦いでも、『両手を使ったら慙愧で剣が鈍る』という理由で左手の親指は手の中に握りこんで使わなかった。が、そこまでして正々堂々と戦おうとしたが切嗣の策略によってランサーは強制的に自害させられた。
 冬木市民会館の地下駐車場でバーサーカーと対峙し、その正体がサー・ランスロットであることを知って戦意を喪失。バーサーカーに散々に打ち据えられるが、バーサーカーの暴走状態にバーサーカーのマスターである間桐雁夜と刻印虫が耐えられずに魔力供給が停止。その隙を見逃さなかった彼女は半ば無意識のうちに彼の心臓を貫いた。ランスロットの最後を看取りながらも満足な言葉すらかけることができなかったことで、聖杯をその手に掴む意志を新たにする。
 疲弊しながらも辿り着いた聖杯の前でアーチャーと対峙し苦戦を強いられるが、切嗣が令呪でサポートしてくれることに最後の希望を託す。だが切嗣の命は二画の令呪を用いた『聖剣による聖杯の破壊』であった。セイバーは追い求め、手に入れると誓った聖杯を自らの手で破壊して絶望とともにカムランの丘に戻った。
 第四次聖杯戦争の前から面識があるにもかかわらず第五次聖杯戦争においてセイバーがイリヤスフィール・フォン・アインツベルンに対して容赦なかったのは、アイリスフィールから娘の名前をしっかり聞いていなかったことと、イリヤスフィールの外見年齢がアイリスフィールの娘にしては幼すぎることから、イリヤスフィールをアイリスフィールとは無縁のアインツベルン製ホムンクルスと認識したため。
 正当な召還であったならば最強のサーヴァントとされるが、第五次聖杯戦争においては魔術師としては未熟な衛宮士郎がマスターなのでそれが大きなハンディとなっている。
 PC版では士郎との間にパスが通っていたため性交による同調、ならびに魔力の塊である精液を注ぐことで魔力を取り戻した。だがPS2版ではパスそのものが不完全だったため、士郎の魔術回路を移植して強い結合を生み出すという荒業に訴えた。
 アーサー王の頃から個人ではなく立場を優先し、自分のためのことはしない。だが一皮剥けば年頃の女の子そのもの。選定の剣を抜いたときから歳をとっておらず、肉体年齢は士郎より一つ下くらい。生前は全て遠き理想郷の加護により老化の停滞のみならずあらゆる肉体的な不如意から解放されていた。つまり、女性でありながら男を装っていてもまったく不都合はなかった。
 魔力の補給という名目だがとても食事にはうるさく、好き嫌いはないが雑なつくりのものとジャガイモをすりつぶしたようなもの、蛸が嫌い。蛸が苦手なのはおそらく第四次聖杯戦争におけるアインツベルンの森の対キャスター戦のせいだと思われる。ちなみに蛸は原型がわからないもの(たこ焼きなど)は普通に食べていた。質のみならずかなりな量を食べ、毎食のおかわりと十時と三時のおやつも欠かさない。なお、サーヴァントだからという以前に選定の剣を抜いたときから成長が止まっているため、どれだけ食べても太らないし食べなくても痩せない。Fateの登場人物のなかではバーサーカーを凌ぎ、もっとも大食いである。
 最近の趣味は出前のカタログ集め。実は酒豪。酔うと(といっても実験試料による酩酊だが)がおーがおーとライオンっぽくなる。寒さには強い。きめ細かい食事とぬいぐるみが好きで、大雑把な食事と装飾過多が嫌い。第四次聖杯戦争の際に常に高級な衣服を着用していた名残か、変装にはうるさい。
 金銭に対する執着は薄いのだが、『もと王様』という現代において特殊な王権制度の判断基準を持っている。もとより規律に厳しいので、式典や慣例などは完璧にこなす。休日は用事がなければずっと休んでいる。拗ねるとなかなか許してくれなかったり、勝負事が得意で周りが見えなくなったり、おいしいものが大好きだったり、好きな相手の前では失敗したくなかったりと、実に気難しい。
 器械運動と賭け事・勝負事が得意で、きめ細かい食事、きめ細かい作戦、正当な好意、ぬいぐるみ、ライオンが好き。苦手なものは大雑把な食事と大雑把な作戦、卑怯な行為、装飾過多。物語は壮大で質実剛健なもの(ただしそれなりに滅茶苦茶)が好き。アクション、シミュレーション、パズル系のゲームが上手で、シミュレーションゲームにはまる。天敵は衛宮切嗣とギルガメッシュ、いたずら好きの老人(おそらくマーリン)。
 彼女の私服は言峰綺礼が遠坂凛に贈ったものを貰い受けた。寝るときはおそらく裸。湯飲みは瀬戸の染付け。
 王だった頃にリエンス王にクセ毛を剃り落とすと言われ、以来国の誇りを守る=クセ毛を守るということになって、王妃にもそれに触ることを許さなかった。なのでクセ毛に触ると条件反射的に防衛行動に入る。ちなみにその後、マーリン謹製の魔術による毛生え薬でリエンス王の口髭ともみあげ、その弟ネロの眉毛を繋げた。
 何かに夢中になると無意識のうちに武装している。湖の精霊の加護を受けているため水の上を沈まずに歩くことができるが、泳いだことはない。
 マーリンに教わった星読みを覚えていて、アーサー王時代はどの道が正しいかという堅苦しいことに使っていた。そのマーリンの工房でえらい目にあったことがある。
 モードレッドは彼女の割と正真正銘の息子でありクローンだが、それは擬似的に男性になったアルトリアをモルガンが幻惑して精子を採取し、その子宮で育てたもの。擬似的に男性になった経験があるため、性交渉の際にどうすればよいのかを知っていた。
 魔術は王の道ではないのでありえないが、仮に彼女が魔術の修行をした場合にはあまりの回りくどさに日々機嫌を悪くしていき、半年後には辞めている可能性が高いため一人前になることすら難しい。
 アーチャーと戦った場合には、一騎討ちであれば無限の剣製を以ってしてもセイバーを抑えきれるかどうかは不明。戦術においても色濃く性格が出るが、勝敗を決するのは彼らではなくマスターの機転による。
 hollow ataraxiaでは親戚という名目で衛宮邸に暮らしており、第五次聖杯戦争の召還直後に冬木教会へ向かうときに士郎が着せた黄色いレインコートを愛用している。なお第三次聖杯戦争の再現たる四日間の世界のもとになった世界のうちの少なくとも一つでは、第五次聖杯戦争中に遠坂凛と契約し、凛の令呪で柳洞寺に召還された聖杯を破壊した。
 unlimited codesでは士郎とイリヤスフィールに過去を変えるという願いは間違っていると諭され、ギルガメッシュを打倒して己の手で聖杯を破壊することで英霊となる運命から離れ、カムランの丘へ戻った。

 クラス別能力は以下のとおり。
 対魔力:A…A以下の魔術(魔法陣及び瞬間契約を用いた大魔術)は全てキャンセルされ、事実上現代の魔術師では傷つけられない。一画ならば令呪による強制すら食い止める。
 騎乗:B…大抵の乗り物は人並み以上に乗りこなせるが、魔獣・聖獣ランクの獣は乗りこなせない。
 第四次聖杯戦争時のクラス別能力は以下の通り。
 対魔力:A…A以下の魔術は全てキャンセルされ、事実上現代の魔術師では傷つけられない。
 騎乗:A…幻獣・神獣ランクを除く全ての獣、乗り物を自在に操れる。
 保有スキルは以下のとおり。
 直感:A…戦闘時に自己に最適な展開を感じ取る能力。未来予知に近く、視覚・聴覚に対する妨害を半減させる。
 魔力放出:A…武器ないし自身に魔力を帯びさせ、瞬間的に放出して能力を向上させる。通常の武器ならば一撃の下に破壊されるだろう。
 カリスマ:B…大軍団を統率する才能。一国の王としてはBランクで充分。


セイバー(人名/サーヴァント)
 クセ毛をがっしり掴むことで黒化(といっても黒い影に汚染されたのではなく、本人の暗黒面が現れたもの)したセイバー。アホ毛はない。
 食事の嗜好も逆転しており、戦場において豪勢な食事など邪魔なだけであると簡易で味のきついジャンクフードを好む。そのジャンクフード好きは凄まじいもので、かのメガマックを果てしなく食べ続けるほど。泰山の激辛麻婆豆腐も彼女なら汗だくで食べあげるだろう。
 黒セイバーは自分の感情に待ったをかけないので、欲求イコール行動である。食べたい時に食べ、殴りたい時に殴り、眠りたい時に眠る。常に怒ってるけど、別に貴方の事が嫌いなワケじゃありませんよ?


セイバー(人名/サーヴァント:hollow)
 第三次聖杯戦争にエーデルフェルト姉妹に召還されて参加したサーヴァント。第三次聖杯戦争の再現たる四日間の中でバゼット・フラガ・マクレミッツと戦った。姉妹のそれぞれが同じ英霊を善悪双方から召還していた。つまりセイバーのサーヴァントは二人いた。
 四日間の中でバゼットが見た姿はアルトリアのものだった。


セイバー(人名/サーヴァント:旧Fate)
 旧Fateにおいて沙条綾香に召喚されたサーヴァント。真名、宝具などほとんど現行のFateと同じであり、違うのは性別くらい。
 物語中盤でアーチャーに倒されて消滅するも、バーサーカーのマスターによってブラック化して再召喚される。しかしランサーと仮契約した綾香との戦いの末に正純化し、バーサーカーチームを破る。


セイバー・オルタナティブ(人名/サーヴァント)
 黒い影に汚染されて黒化したセイバー。受肉し、間桐桜から膨大な魔力供給を受けているため、無制限に『約束された勝利の剣』を使用することができる。その破壊力は生前のそれを上回る。単純な攻撃力でなら最強の存在。
 宝具は『約束された勝利の剣』のみ。
 黒化状態では手綱を精妙に操ることが不可能になるので乗り物の限界を考慮しての運用ができなくなるため、騎乗スキルは事実上喪失したと看做される。
 unlimited codesでは間桐桜によって黒化されたあと衛宮士郎を手にかけ、全てのサーヴァントを降す。その後己の中に残っていた黒化しなかった部分が具現化したセイバーをも倒した。

 クラス別能力は以下のとおり。
 対魔力:B…魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化。大魔術、儀礼呪法等を以ってしても傷つけるのは難しい。闇属性に染まっているために低下している。
 騎乗:―…失われている。
 保有スキルは以下のとおり。
 直感:B…常に凶暴性を抑えている為に直感が鈍っている。
 魔力放出:A…膨大な魔力が意識せずとも濃霧となって体を覆う。黒い甲冑と魔力の余波によって防御力が格段に向上している。
 カリスマ:E…統率力こそ上がるが、兵の士気は極度に減少する。


聖杯(用語)
 最大級の聖遺物。
 現実においては最後の晩餐に使われたものはスペインのバレンシア大聖堂に、キリストの血を受けたものはアメリカのメトロポリタン美術館にそれぞれ保管されている。
 世界各地で聖杯と思しき遺物が発見されている。


聖杯(用語)
 冬木市に伝わるものは、神の血を受けたものではなく古来より伝わる願いを叶える『万能の釜』が原型で、その力は伝説のものに匹敵する第726聖杯。根源へ至る門。願望機である大聖杯に繋がる孔にして炉心。大聖杯起動の鍵。万能の釜そのものではなく、自らの生じる疑問に自らがよしとする答えしか生み出さない“願望機”として機能するように作られたレプリカ。
 その中身の本質は“無色の力”だが、第三回聖杯戦争以降はアンリ・マユに汚染されて悪性の“力の渦”(呪い、第三要素)になっている。よって精密な計算・相互作用による矛盾の修正などは絶対に不可能であり、持ち主の願いをあらゆる解釈による破壊のみによって叶える。また、ひとたび開けてしまえば際限なく溢れ出し、災厄を巻き起こす。
 霊体として存在し、その器になるためのレプリカは言峰教会で管理しているが、今回の聖杯の器はイリヤスフィール・フォン・アインツベルンというホムンクルスの心臓である。それを触媒に本物を降霊し、願いを叶える杯にする降霊の儀式が七人の魔術師とサーヴァントを使った聖杯戦争。召還されたサーヴァントは敗北したあと『力の一端』に戻って時間軸から消え去るのだが、それを押し留めて一時的にアインツベルンの聖杯(器)に蓄える。器に力が満ちてから、根源に至る“孔”を開く儀式は大聖杯が執り行う。
 根源の渦に至るためには七騎すべて(あるいはそれに匹敵するだけ)のサーヴァントを聖杯に捧げて大聖杯を起動する必要があるが、世界の内側にとどまる奇跡を願うだけならば六騎のサーヴァントを捧げるだけで事足りる。単なる願望機である小聖杯として機能させるだけならばそれより少ない(五騎程度)魂でよい。
 七騎のサーヴァントの魂が揃わない場合や、揃ったとしても孔を開く儀式が行われずに聖杯が休止状態に入った場合はサーヴァントの魂は魔力として蓄積される。
 聖杯を降ろす場所は冬木の四方の門を利用して、失敗するたびに次の門に移行した。1度目は柳洞寺、2度目は遠坂邸、3度目は丘の教会、4度目は現在の焼け野原。


聖杯戦争(用語)
 聖杯の所有を巡っておこなう競争行為。広義には聖杯と思しき杯をオークションで競り落とすなどの行為も聖杯戦争に含まれる。
 冬木市のものは特殊で、英霊を使い魔にするサーヴァントシステムはここだけのもの。


聖杯戦争(用語)
 冬木市の聖杯戦争。
 聖杯に選ばれた魔術師が聖杯の所有を巡って行う儀式という名目だが、本当はアインツベルンから失われたとされる第三魔法『天の杯(魂の物質化)』を再現するための儀式。主宰は魔術協会だが聖堂教会から監督役が派遣されており、隙あらば聖杯を没収しようと企んでいる。今回で5回目。第一次から第五次まで、ずっと冬に行われてきたらしい。
 根源に至る門を作ろうとしたアインツベルンが発案し、魔術協会の力が及ばない極東の霊地を管理する遠坂に協力を求め、遠坂が容易に裏切りが起こらないように勢力を三竦みにするためゾォルゲンにこの話を持ち込んだ。その計画は何代かに亘り、1790年頃にマキリとアインツベルンが来日し、遠坂とともに聖杯戦争を創始。以後10年かけて第一次聖杯戦争の準備を整える。アインツベルンが聖杯の器を用意し、遠坂がサーヴァントを降霊し、マキリがサーヴァントを律する令呪を作り上げた。当時は魔術協会と教会は殺し合いをしていたので、教会の眼が届かない極東の地が選ばれた。
 現在も根源に至ろうとしているのは遠坂だけで、アインツベルンもマキリも聖杯の完成、つまり第三魔法の再現のみを望んでいる。
 アインツベルンの視点で言えば第一次は細工をする間も無く終結し、第二次でルールの綻びを発見し、第三次でアヴェンジャーを召還し、第四次で衛宮切嗣に裏切られた。第三次聖杯戦争から聖堂教会から監督役が派遣されるようになった。第一次・第二次聖杯戦争では『英霊としての側面もあるモノ(例えば第五次聖杯戦争におけるライダーやキャスター)』は召喚されなかった。聖杯戦争がおかしくなったのは第三次から。
 ほぼ60年周期で行われているのは、大聖杯に英霊を召還するだけのマナが溜めるためにそれだけの時間がかかるため。第四回から第五回までの周期は最短の10年だった。
 参加者は7人のマスターとそのサーヴァント。それが最後の一組になるまで殺しあうというものが表向きだが、実際はサーヴァントの魂を聖杯の器に注ぐだけでいい。召還されたサーヴァントは敗北したあと『力の一端』に戻って時間軸から消え去るのだが、それを押し留めて一時的にアインツベルンの聖杯(器)に蓄える。器に力が満ちてから、英霊が“座”に戻る力を利用して根源に至る“孔”を開く儀式を大聖杯が執り行う。
 システムから見れば聖杯戦争の目的、つまり根源への門を開くためにはサーヴァント7騎の魂さえあればよく、マスターはサーヴァントの召還が成った時点で既に用済みである。
 冬木の聖杯戦争で召還されるサーヴァントに日本の英霊が少ないのは、聖杯という概念が西洋のものだからである。第三次聖杯戦争で大聖杯がアンリマユに汚染されて以降、反英雄も存在を認められ、サーヴァントとして召還されるようになった。
 参加資格は聖杯に選ばれた魔術師がサーヴァントを召還しそれを従わせることと、サーヴァントを律する3つの令呪を宿すこと。つまりマスターとなること。
 第四次聖杯戦争の結末は言峰綺礼が死傷者500名、焼失した建物134棟にのぼる大火災を引き起こし、衛宮切嗣が聖杯を破壊した。
 封印指定の掃討を専門とするバゼット・フラガ・マクミレッツが第五次聖杯戦争に派遣された理由は、魔術協会が『第七百二十六号聖杯は真作になる可能性が秘められているため人の世より隔離せよ』と判を下したためである。
 冬木の聖杯が神の子の血を受けた聖杯とは別物である確証はとっくの昔に取れている。それでも聖堂教会から監督役を派遣しているのは冬木の聖杯が捨て置くには大きすぎる力であり、それでいて異端として排除する場合には魔術協会との衝突が避けられないためであり、次善の策として聖杯を『望ましい者』に託すためである。
 聖杯戦争中に起こった様々な出来事は聖堂教会および魔術協会の手によって様々に改竄・隠蔽される。役割分担は聖堂教会が事実の隠蔽を、魔術協会がマスコミ操作を担当する。なお聖杯戦争による事故で失われた物品の補償にはアインツベルンの資金が充当される。
 例えば第四次聖杯戦争において航空自衛隊航空総隊西部航空方面隊第8航空団第304飛行隊所属のF-15J戦闘機2機が撃墜された際には言峰璃正が魔術協会のコネクションを使って中東の武器商人からF-15Cを購入して随時J型への改造を行うことで隠蔽し、第五次聖杯戦争において間桐慎二が殺害される場合も聖堂教会によって聖杯戦争の一環として処理されて警察沙汰にはならなかった。
 第四次聖杯戦争終結後、衛宮切嗣が聖杯戦争から持ち越した爆薬をやりくりして数年がかりで数箇所の地脈に手を加え、円蔵山に流れ込むレイラインの一部に『瘤』が発生するよう細工を施した。これはマナが堆積し、30年から40年の間には破裂してごく局地的な大地震を円蔵山直下に引き起こし、大聖杯が設置されている龍洞を崩落させるというもの。これは第五次聖杯戦争を防ぐための措置だったが、切嗣の目論見とは違い、第四次聖杯戦争が中途半端に終結したため僅か10年で第五次聖杯戦争が勃発してしまった。しかし龍洞の崩壊自体は起こるようで、どのルートでも第六次聖杯戦争は勃発しない。
 第五次聖杯戦争の10年後、2010年頃にロード・エルメロイU世が来日し遠坂の当主とともに大聖杯の完全解体を目指す。大聖杯の復興を目論む魔術協会とは完全に対立し、聖杯戦争さながらの大騒動に発展するが、大聖杯は解体されて冬木の聖杯戦争は完全に終結する。
 なお、英語表記では『ヘブンズフィール』と呼ばれ、第一次聖杯戦争は『ヘブンズフィール1』、第二次聖杯戦争は『ヘブンズフィール2』と表される。
 世界の魔術師にとって冬木の聖杯戦争はマイナーである。


聖杯の器(用語)
 霊体である聖杯を降ろすための依り代。それに魂が満ちたときに聖杯が完成する。
 第三次聖杯戦争までは形状・機能ともに文字通りの器が用いられてきたが、第三次聖杯戦争で乱戦の中で破壊されてしまい、第四次聖杯戦争からは器にヒトガタの包装を施して自己管理ができるようにしている。
 アインツベルン製のものは黄金や魔術師の肉体を使った青銅でできている。第四次聖杯戦争に用いられた聖杯の器は黄金の杯、第五次聖杯戦争のものはホムンクルスの心臓。偽造されたものとしては間桐桜の肉体。
 『孔』を開くための鍵であり、孔の形態を安定させるための制御装置。『聖杯』を破壊する場合には聖杯の器ではなく、黒い太陽の方を破壊する必要がある。
 聖杯の器の機能は英霊七人分の魂を回収し、統括すること。聖杯の器に人体を使用すると、満たされるごとに聖杯の人格は聖杯の機能にかき消されてしまう。
 第四次聖杯戦争に用意された器は、器そのものに自衛のための自我とアインツベルン家への帰属意識を植え付けて器の争奪戦を優位に運ぼうという発想のもと製作された。ホムンクルスとしての肉体は有機物だが、その内臓に無機物の聖杯が分解された状態で融合しているのがアイリスフィール・フォン・アインツベルン。
 アイリスフィールはただその内臓に聖杯の器を溶け込ませていただけだったが、より洗練されたイリヤスフィール・フォン・アインツベルンはただ胎内に聖杯を秘め持つだけでなく、追加の魔術回路を外装として被せることで肉体そのものを聖杯の器として機能させるものとなっている。
 その所有権が聖杯戦争の勝利条件の一つとなる器を勝手に自分たちの戦力に改造したことは卑怯な行為ではあるが、そもアインツベルンが負う義務は『器の役割を果たすものを冬木に持ち込む』ことなので、取り立てて白眼視されるほどの逸脱ではない。所持品を奪うか、殺して死体を持ち去るかの違いは聖杯戦争においては大した違いではないのである。
 言峰綺礼は第四次聖杯戦争の聖杯の器を冬木教会で保管していると発言していたが、実際には第四次聖杯戦争の最中に約束された勝利の剣で破壊されている。これは言峰なりの嘘で、実際にあるのは外来の魔術師を納得させるためのダミーの聖杯(それなりに説得力がある聖遺物)だった。


聖杯問答(用語:Zero)
 第四次聖杯戦争中にアインツベルン城で開催された酒宴。ライダーの思いつきで催されたもので、征服王たるイスカンダル、英雄王たるギルガメッシュ、騎士王たるアルトリアの三者が酒を酌み交わした。
 最初はライダーが持ち込んだワインを飲んでいたが、それが気に入らなかったギルガメッシュが自らの財のうちから神代の美酒を振舞った。なおライダーが持ち込んだ樽ワインは藤村大河のクラスメイトの家が経営する酒屋(コペンハーゲンか)からの盗品。
 この問答により、三人の王のそれぞれの王道と聖杯にかける望みを語り合った。その結果、ライダーはセイバーを王とは認めず、ギルガメッシュはセイバーを道化と嘲り、セイバーはライダーの言葉を笑止と切り捨てることができなかった。
 なお最後にはすべてのアサシンがこれに乱入し、ライダーの『王の軍勢』によって完全に倒されつくした。


聖別(用語)
 魔術診断。魔術回路判断。属性の調査など。


生命力(用語)
 魔力を生み出す素。魔術師は魔術回路を用いて生命力を魔力に変換する。


精霊(用語)
 自然霊・動物霊・それらを意識的かつ人為的に加工した守護精霊がある。よって人間の形をとらない。存在に人間の信仰は不要だが、人々のイメージという筐をまとって具現化する『力』である。
 精霊は人間に知覚できるほどの規模になった妖精で、精霊級の霊体は受肉が可能。
 また妖精・精霊もその基盤は魔術ではなしえない神秘。


聖霊(用語)
 精霊の高位に位置するもの。


精霊の加護(技能:Zero)
 第四次聖杯戦争におけるバーサーカーのスキル。精霊からの祝福により危機的な局面において優先的に幸運を呼び寄せる能力。その発動は武勲を立てうる戦場のみに限定される。
 A…第四次聖杯戦争におけるバーサーカー。


精霊文字の刻印(用語)
 人ならざる者の手によって鍛えられた、つまり神造兵装であることの証。


瀬尾晶(人名:歌月十夜・幻視同盟)
 1月17日生まれ。AB型。身長153p。体重41s。B73 W59 H82。
 月姫本編(1999年)の時点では浅上女学院中等部2年生。中等部生徒会書記。おとなしい顔をしているが外泊常習犯。記憶力が強い。紅茶よりはコーヒー派。青森あたりの大きな造り酒屋の娘であり、酒類が好き。イメージは子狐。小動物的かわいさがあるために学園では遠野秋葉にかわいがられている。
 趣味は同人活動(声優やおいがメイン)だが、学院でそのことを知っている人間は少ない。秋葉にはそのことを漏らしている。私物の持ち込みが禁止されているため、夜中にトイレでこっそり作業している。
 男性は容姿より声に魅力を感じるとかで、電話越しに聞いた遠野志貴の声がストライクど真ん中時速百五十キロだったとか。以後、志貴に憧れに似た思慕を抱くが、秋葉が怖くて電話もかけられない毎日。
 幻視同盟のときは年末に開催されるイベントにあわせて三咲町に来ていた。そのときに泊まっていたのはネロ・カオスによる惨殺が行われたホテル。
 未来視の能力を持つが、それは本来の意味での未来視ではなく、過去視の延長としての未来視である。つまり、過去を読み取ってそこから未来を予測するという、行動次第では変更可能な未来を視る。そのためか未来は映像ではなく単語(情報)で理解し、経時劣化も少ない。観測者として視るため、価値観や記憶の混濁もない。ただし自分の意識では発動できない。彼女の未来視は大抵一日先の未来が視える。視える頻度は平均して月に一度以下。
 多少冷静さに欠けるが、思考の速さと勘のよさは飛びぬけており、纏め役にはなりえないがよい補佐役。
 志貴曰く、妹だったらいいのになあ。


世界(用語)
 この世界。地球という星、と言い換えてもいい。
 感情はなく、何よりも矛盾を嫌い、美しくあろうとする。
 矛盾を嫌うために異界を修正するなどの干渉を行い、美しくあろうとするために自己を脅かすものを粛清する。
 触覚として精霊、真祖を、抑止力としてガイアの怪物、プライミッツ・マーダーを持つ。


世界文化大戦4(用語:氷室の天地)
 氷室鐘や美綴綾子がプレイしているオンラインシミュレーションゲーム。
 歴史上の指導者となって世界征服を目指すゲームで、キャラクターに史実とまったく逆の行動をさせることも可能。


世界卵(用語/魔術)
 固有結界を発動した際には術者と世界が入れ替わり、世界は小さな入れ物に閉じ込められて術者の中に取り込まれる。この閉じ込められた世界のことを世界卵という。世界卵は術者の中において一緒に取り込まれた他者と同列であり、術者に取り込まれた世界卵の中に他者が存在するわけではない。
 この世界卵という名称は固有結界を発動する魔術理論にも冠され、魔術理論・世界卵として知られている。


石化(魔術)
 石にすること。現代の魔術師でこれを可能とする者は少ない。


石化の魔眼(技能)
 キュベレイ。第五回聖杯戦争におけるライダーことメドゥーサの魔眼。
 その眼で視た者、その眼を見た者、視られた者を石に変える魔眼。石化の魔術ですら使える者は少ないというのに、それを一工程で行う神秘。現代の魔術では再現不可能で、現在の魔術師でこれを持つモノはいない。特例のなかでも最高位とされる。
 神代の魔獣、聖霊しか持ち得なかった英霊メドゥーサの象徴たる魔術宝具。水晶のような眼球に、四角い瞳孔。虹彩は凝固している。億にいたる網膜の細胞はその悉くが第六架空要素(エーテル)でできている。
 魔力がC以下ならば無条件で石化、Bでも判定次第では石化する。Aの者は石化できないが、全能力を1ランク下げる『重圧』をかけられる。
 石化されるとライダーが目を閉じても治らない。が、ライダーが鏡を見て自己封印・暗黒神殿で魔力を封じると解除され、初期段階ならば人体の魔術抵抗でじきに回復する。ただしその場合、ライダーは魔力のみならず一時的にだが視力まで落ちる。


赤原猟犬(宝具:hollow)
 →フルンディング


赤原礼装(用語)
 第五次聖杯戦争におけるアーチャー(英霊エミヤ)の衣裳。


赤主(用語)
 遠野の当主が扱う武術のうち当主にのみ許されたもの。赫訳の上位、紅主の下位に位置する。


赤主・檻髪(用語)
 遠野秋葉が瞬間的に能力を全開放して略奪を行う技。髪が赤くなるのは本性が現れているから。
 月姫本編では校舎の外側全体を赤い髪で覆って獲物を脱出不可能にした。
 →檻髪


雪舟(用語:氷室の天地)
 英雄史大戦のカード。
 固有能力は描いた鼠を実体化させること。


摂理の鍵(武装)
 ヒトではなくなったものに人の体のルールを無理やり叩き込み、ヒトに戻して倒すための概念武装。
 代表的なものは十字架だが、十字架はキリスト教徒だった吸血鬼には効果があるがそうではないモノには効果がない。ただしキリスト教徒でなくても、キリスト教徒だった死徒に噛まれたモノには有効。黒鍵が十字架を模しているのはこのため。


セブン(人名/精霊)
 3月20日生まれ。6月20日に第七聖典に祀られる。身長145p。体重38s。B67 W53 H74。
 第七聖典に祀られている守護精霊。第七聖典を造る際、一角馬の霊に人身御供の少女の霊を掛け合わせたもの。元が一角馬の角である第七聖典に祀られており、霊的に弱い人間霊が一角馬の霊に取り込まれているので、半人半馬の姿をしている。形を得るのに数百年、実体化するのに数百年かかったらしい。第七聖典に祀られて千年が経過している。マスターは代々女性。臆病者で能天気。空を飛ぶことも可能。
 もともとはあまり喋らず存在感も薄かったが、シエルに改造されて現在の性格になった。額の4つの点はシエルにハンダゴテでつけられた。
 健気なのか辛辣なのか分からない不思議な性格をした少女で、シエルにはストレス解消から裁縫までこき使われていて、『悪魔のようなマスター』と称している。シエルの横暴な扱いに嘆きながらナチュラルに反撃しては怒られる。いじめてオーラを放っているのだが、実はまったくいじめなんて堪えていない。
 第七聖典の所持者の守護精霊ではないのにシエルに従っているのは、シエルが彼女をカタチにできた初めてのマスターだから。シエルの第七聖典に対する乱暴な扱いに文句を言いつつ、今日も今日とてシエルにべったり。
 恋愛を知る前に寄り代として捧げられたため、恋愛感情に薄い。素直なため優しくされれば嬉しいらしく、好きな相手には、えへへー、と笑顔ですり寄っていく。
 アークドライブは『聖十字埋葬曲(アンチ・リーインカネーション)』。


蝉菜マンション(地名)
 せみなマンション。冬木市の新都玄木坂四番地にあるマンション。間取りは4LDKで家賃は月○×万円以上。一階につき二つの住戸しかないL字型の建物で、角の部分がエントランス、直線部分がそれぞれの住戸となっている。エントランスにはエレベータと非常用階段に通じる扉がある。
 少なくとも怪談のA氏が居住していたタイプ(十一階二号室)の住戸には玄関から居間まで4メートルもの直線廊下があり、途中に室はない(というのは『室に通じる扉がない』という意味だろうが、およそマンションというものはどの階であっても居室の間取りは同じなので他のフロアの二号室には同じことが言えるであろう)。十一階二号室の廊下には構造的欠陥があり、電灯が取り付けられていない。
 美綴綾子の怪談に登場する建物であるが実在し、ここで起きた一家心中とその一ヵ月後の隣人が行方不明になった事件を脚色して美綴綾子が怪談に仕立てた。
 氷室家と美綴家がここに居住している。氷室家が居住するタイプのほうが美綴家が居住するタイプの住戸よりも広い。
 氷室道雪が経営していると思われる。


セラ(人名/ホムンクルス)
 Sella。
 身長163cm。体重49kg。B75 W58 H79。
 イリヤスフィール・フォン・アインツベルンのメイド長で教育係兼魔術の指南役。普段は頭巾に隠れているが髪は長い。下着はリーズリットと同じくキャミソールと膝丈のドロワーズ。
 どのような窮地であろうと礼儀正しい言葉遣いを守ろうとする、筋金入りのカヴァネス(女家庭教師)。態度は厳しいが、内心はイリヤが可愛くて仕方がない。イリヤを呼び捨てにするリーゼリットをたびたびたしなめるが、逆にからかわれることが多い。イリヤスフィールを守るために人間を遠ざけがちだが、人間以外の動植物には人一倍優しい。
 聖杯の失敗作のホムンクルスで、本来は廃棄されるのだがイリヤのメイドとして延命されている。リーゼリットと同じ雛形を基に作られたが、こちらは純粋なホムンクルスとして作られた。アインツベルンの神秘ではなく普通の錬金術でhollow ataraxiaのおよそ二年前に鋳造された。ホムンクルスとしては完璧な性能を持つが、イリヤスフィールやリーゼリットとは違い奇跡に至ることはできない。リーズリットとは同型機だが、なぜかバストサイズに大きな隔たりがある。
 リーズリットとともに人間としての機能不全を起こしたイリヤスフィールに天のドレスを着せて儀式を行う役目を持つ。
 身体能力こそ劣るが、魔術回路は超逸品。魔術師としても優れているが、脆弱なホムンクルスであり暴力というものに耐性がない為、戦闘には不向き。運転免許を持っている。お化けが怖い。意地っ張り。
 料理を作ることもあるが、和食はちょっと下手。しかも味見と称してつまみ食いをし、夜食も頻繁に摂っているようだ。イリヤを守る意識が強すぎるため、少し人間嫌いのようだ。なお、彼女はイリヤの誇りを守るのが役目。アインツベルン城の夜の見回りはリーゼリットと交代で三日に二度やっている。
 アインツベルン城の中庭の管理をしており、そこの花壇は彼女が作った。そこには花壇を作り始めた日付と強い花に育つようにとの願いを刻んだ記念碑が建てられている。衛宮邸の使用していない部屋のひとつを秘密裡に潜伏用に改造してある。
 古風な考え方をするが、わりと遊びたがりな性格で、冬木市に来てからすでに水着を三着購入した。水泳が好きで、よくわくわくざぶーんに行く。
 魔術と家庭教師的教育が得意で、摂理、気品、甘いもの(安物)が好き。ある種の怪異が苦手でリーゼリットが天敵。メイド服は魔術礼装。


ゼラ(人名:花札)
 恐らくブルマの世界でのセラのこと。


セルフギアス・スクロール(魔術:Zero)
 →自己強制証文。


ゼルレッチの宝箱(用語)
 遠坂凛の私室に置いてある、キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグが愛用した第二魔法で作られた宝箱。連絡帳やカレイドステッキ、虎の置物などが入っている。先祖伝来の宝石剣キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグの設計図もここに入っている。
 これは中に入るならば大きさに関係なく収めてしまう屈折空間で、ちょっとした魔法の箱。箱の容量はそのままに物品の容積を増減させることによって収納する。その影響か、箱の中の一時間は箱の外の一日に相当する。また物品の容積を増減させるため、モノを端に押し付ければ小さくなる。収納されたら内側から開けることは容易ではなく、簡単には出られない。
 内部時間と外部時間が異なっているためか携帯電話を使用すると並行世界につながり、会話できる。衛宮士郎と遠坂凛が試したときは三年後につながった。そこでは衛宮士郎はルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトと交際あるいはそれに近い関係になっており、凛は士郎に完璧なまでに惚れている。というか途方もないデレで、現在の凛を軽くあしらうほど。


専科百般(技能:Zero)
 多重人格の恣意的な切り替えによる専門スキルの使い分け。戦術、学術、隠密術、暗殺術、詐術、話術、そのた総数32種類に及ぶ専業スキルについてBクラス以上の習熟度を発揮できる。
 A+…第四次聖杯戦争におけるアサシン。


戦国の長嶋巨人軍(用語:氷室の天地)
 穂群原学園図書室の蔵書。志茂田景樹著。
 プロ野球チームが戦国時代で自衛隊装備でバンバン人を殺す小説。


先行し炸裂しまくる誤認勝利(仮宝具)
 ミス・フライング・ヴィクトリー。蒔寺楓の仮宝具。
 運命干渉系の宝具で、ゴール直前に相手に勝ったと思い込んで喜ぶが数秒後に勘違いと判明してビリッケツになる。そのため三秒だけ人生の絶頂を味わえる。


閃鞘(用語)
 せんさ。七夜に伝わる、壁や天井を利用して移動する独特の空間利用術。閃鞘は腕を意味する。
 七夜志貴は当然のように用い、遠野志貴は窮地に追い込まれるととっさに似たような動きをする。


前13位の祖(用語/死徒)
 ワラキアの夜の前の死徒二十七祖の13位。魔術師あがりの死徒で、ネロ・カオスのように付き合いはよかった。およそ500年前にワラキアの夜に取って代わられた。


禅城(家名:Zero)
 ぜんじょう。
 遠坂葵の実家。冬木市の隣町にある。第四次聖杯戦争に臨み、遠坂時臣は葵と凛をここに避難させた。
 数世代前に魔術師の祖先を持つが、現在では魔道とは無縁の平民。だがその血に流れる魔術の因子には特筆すべきものがあり、それに目をつけた遠坂時臣が禅城葵を妻に迎え、葵は途方もない魔術的素養を持つ姉妹を産み出すことになった。


折禅(家名:Zero)
 →禅城。
 文庫版では禅城に修正されていたため、誤字と思われる。


全人類ご主人さま計画(用語:MBAA)
 メカヒスイ軍団が遂行している計画。オシリスの砂による三咲町の二度目のタタリの直後、フェイズ3に移行した。


閃走(用語)
 せんそう。七夜に伝わる、壁や天井を利用して移動する独特の空間利用術。閃走は脚を意味する。
 七夜志貴は当然のように用い、遠野志貴は窮地に追い込まれるととっさに似たような動きをする。


センタービル(地名)
 冬木市の新都で一番高い建物。第三次聖杯戦争の再現たる四日間の最後の日にはこの屋上から黒い月(天の逆月)へと伸びる階段が現れる。


戦闘続行(技能:Fate)
 生還能力。サーヴァントの能力。
 第五次聖杯戦争におけるランサーの戦闘続行スキルは往生際の悪さを、同じくバーサーカーの戦闘続行スキルは死亡しにくさを表す。
 A:瀕死の傷でも戦闘を可能とし、決定的な致命傷を受けない限り生き延びる。


洗脳探偵(用語・俗称)
 翡翠の可能性の一つ。製作者たちの意図とは無関係なところから発生した、誤字脱字が生み出したアヴァター。言うまでも無いが、正体は誰も知らない。
 人知を超えた難事件とともに現れるさすらいの名探偵。密室探偵ともいい、その意味は密室専門の探偵ではなく密室で事件を解決する探偵という意味。メイドという概念が失われた絶望世界・トオノシティの住人。精神改革、虚言訂正、自供強制がメインスキル。
 実にクールな性格で口数は少なく、無愛想で鉄面皮。ロックドルーム・ディティクティブという特殊能力を持ち、ロックドルーム・ディティクティブ中は椅子に腰掛けて理の支配者の如き姿を見せるとか。
 解決率100%でありながら、加害者はおろか被害者にすら恐れられる冷徹な法の執行人。ある意味怪人そのものだが、さもありなん、狂った悪逆を制するのは狂った正義のみなのだ。
 深い青色の眼はあらゆる隠し事を射抜き、冷徹な一指はどのような言い逃れも許さない。「推理に完璧です」「アリバイから動機です」等々、妙に説得力のあるキメ台詞で多くの犯罪者たちを打ち破ってきた。
 勘違いされがちだが魔法少女ではなく、夜の街に現れるダークヒーロー的な立ち居地。探偵を続けているのは行方不明の姉を探し出して捕らえるために一番早い方法だから。


千里眼(技能:Fate)
 サーヴァントの能力。鷹の眼。視力の良さ。遠方の標的の補足、動体視力の向上。
 アーチャーのクラスに必須の視覚能力。視覚による偵察の他、弓を使った際の命中精度にも影響する。
 C:新都のビルの屋上から冬木大橋のタイルの数を数えられる。標的が高速移動していようとも4km以内ならば正確に狙撃できる。
 さらに高いランクでは透視・未来視さえ可能とする。


洗礼詠唱(技能)
 聖堂教会において唯一習得を許される奇蹟。主の教えにより迷える魂を昇華し、還るべき『座』に送る簡易儀式。魂を『無に還す』摂理の鍵。彼らの『神の教え』は世界に固定化された魔術基盤の中でも最大の対霊魔術。
 原理は魔術と同じだが、これはこの世ならざる者に対して世の摂理を照らすことで『ここは貴方のいる場所ではない』と知らしめる説法のようなものであり、個人の力を必要としない儀式である。



  


相乗(魔術:Fate)
 禁呪。詳細不明だが、複数の魔術を相乗させて威力を高めるものと思われる。


創世の土(技能)
 ネロ・カオスの体を構成する『混沌』で練り上げたモノ。遠野志貴を押さえつけ、アルクェイド・ブリュンスタッドを摂り混むのに使った。
 混沌そのものといってもよく、アルクェイドでさえ破れなかった。これを破壊するのは大陸を一つ破壊するようなものだが、志貴に直死の魔眼で殺された。
 ネロ・カオスとミハイル・ロア・バルダムヨォンの共同研究で完成した。


蔵知の司書(技能:Zero)
 多重人格による記憶の分散処理。LUC判定に成功すると過去に知覚した知識、情報を、たとえ認識していなかった場合でも明確に記憶に再現できる。
 C…第四次聖杯戦争におけるアサシン。


宗和の心得(技能:Fate)
 同じ相手に同じ技を何度使用しても命中精度が下がらない特殊な技能。
 B:攻撃が見切られなくなる。


ゾォルゲン(家名/魔術師)
 →間桐


属性(用語/魔術)
 魔術特性、起源とも。魔術師と相性がいいもの。魔術師が得意とする魔術の方向性を決定する、魔術師のステータスを表すもの。魔術の根本を規定するもの。
 地水火風空という五大元素が一般的だが、これには異同もあり、木火土金水で五大元素とする流派が一般的。その他に架空元素である虚と無がある。属性が一つとは限らず、五大元素全てを属性とする者(アベレージ・ワン)や二重属性と呼ばれる二つの属性を兼ね備えた者もいる。遠坂凛の五大元素(全元素)、ならびに間桐桜の架空元素(虚数)というのはそれぞれ奇跡に等しい資質で、もはや天賦の才というよりも呪いに近い。
 普通は地水火風空、木火土金水などの世界を構成する一元素を背負うが、中にはさらに分化した特殊な属性を背負うものもいる。後者の場合は中央には入れず、突出した専門家になる。そうした特殊な属性の例は衛宮士郎の剣属性など。これは魔術の根本を規定する属性よりも深い、存在の根本を規定する起源が強く表に出ている例で、通常の属性から外れて起源そのものが属性となっているのである。こういった魔術師は属性として五大元素を持たないため一般の五大元素を使う魔術を苦手とするが、突出した専門家としての才能を発揮しより高い境地に至ることができる。
 特性とは異なり、属性は基本的に魔術師自身が生まれ持ったものしか使えない。後天的に属性を変化させることは可能だが、その場合は魔術師としての能力は格段に下がる。
 魔術協会では火はノーマル、風はノーブルと言われている。五大元素使いをアベレージ・ワンと称する。


蘇生(用語)
 魔法使いの領域。


蘇生魔術(魔術)
 死亡した対象を生き返らせる魔術。凡庸な魔術師ならば一生かかってこれに必要な魔力量を溜められるかどうか。


ソフィアリ(家名)
 Sophia-Ri。
 ヌァザレ家とも。魔術協会において隠然たる勢力を誇る名門で、時計塔の降霊科学部長を歴任する。ソラウ・ヌァザレ・ソフィアリの誕生当時は嫡子の暗殺の可能性があるほどの権力闘争下にあった。


ソフィアリ(人名:Zero)
 第四次聖杯戦争当時の時計塔の降霊科学部長。ソラウ・ヌァザレ・ソフィアリの親にしてケイネス・エルメロイ・アーチボルトの師。


ソラウ・ヌァザレ・ソフィアリ(人名/魔術師:Zero)
 Sola-Ui Nuada-Re Sophia-Ri。
 身長165cm。体重52kg。血液型O。8月19日生まれ。B88 W56 H84。
 料理へのダメ出しと店員へのクレームが得意。ショッピングが好きで整理整頓と炊事洗濯が苦手。天敵は久宇舞弥。
 時計塔の降霊科学部長を歴任するソフィアリ家の娘。家督は兄が継ぐため魔術刻印は与えられず、政略結婚の道具として育てられた。そして降霊科一級講師のケイネス・エルメロイ・アーチボルトとの婚約が決まり、ともに第四次聖杯戦争に参戦する。
 一子相伝が原則の魔道の家系は嫡子以外には魔道の存在そのものを秘匿するのが通例だが、ソラウの誕生当時ヌァザレ家はかなり不穏な権力闘争の最中で、嫡子を暗殺されるのではないかというパラノイアに取り付かれていた。そこでヌァザレは対策として兄妹の双方に魔術の初歩教練を施し、魔術刻印を移植する段になって生存していた方を後継者とする方針を採った。
 結果的に兄妹双方が息災のまま権力闘争が終結し、魔術刻印と嫡子の地位はソラウの兄に与えられた。用済みとなり存在すら否定されたソラウだったが、魔術師としての優秀な肉体的遺伝形質と幼少期に叩き込まれた基礎魔術の素養は一流魔術師に助手として奉仕するに足るだけのものがあり、それを含めた『商品価値』として彼女は政略結婚の道具とされる。
 この扱いに彼女は不満を抱いていない。そもそも好悪の感情すらソラウには理解できないものだった。確かに彼女は気難しい我儘で周囲を翻弄してきたが、それは感情からくるものではなく貴人としての価値を高く保つための態度として幼少期から刷り込まれた処世術であり、ソラウが心の底から何かを欲したり希望を抱いたりしたことは生まれてこの方一度として無かった。
 故に、ランサーの魔貌による魅惑が慕情として正しいものかどうかなどソラウにとって問題ではなく、心の奥底から湧きあがる激情という感覚こそが生まれて初めて手にした至宝であり、人生の価値とすべきものだった。もっとも彼女ほどの魔術抵抗があれば、その気になりさえすれば魔貌による魅了などは効かないのだが。
 第四次聖杯戦争ではケイネスにより二つに分けられたサーヴァントとのパスのうち魔力供給を受け持つ。おそらく魔貌によるものだろうがランサーに恋をしてしまい、衛宮切嗣によってケイネスがリタイアを余儀なくされてからは『聖杯でケイネスの身体を完治させる』という名目でその令呪を(ほぼ強制的に)受け継いでランサーのマスターとなる。
 キャスターが召還した大海魔とセイバー・ライダー・ランサーの戦いをセンタービルの屋上から見ていたが、それが終わった直後に久宇舞弥に襲撃され、令呪の宿った右手首から先を切断されて拉致された。その後は意識を失ったままケイネスとの取引材料にされ、ともに舞弥により射殺された。




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