雅泥庵(用語:氷室の天地)
 ガーディアン。
 美綴綾子が考えた詠鳥庵に代わる屋号の案。


ガイ(人名:hollow)
 三丁目の米国人。蛍塚ネコが口にしたことから、新都在住と思われる。


ガイア(用語・概念)
 地球という天体そのものの意思のこと。星の生命延長の祈りによる抑止力を持ち、それはガイアの怪物と呼ばれる。


ガイアの怪物(用語)
 ガイアから発生する抑止力。地球という天体に危害が及ぶことを阻止しようとする。死徒二十七祖の一位、プライミッツ・マーダー。
 外的な要因での破滅を回避するために働く。


外人墓地(地名)
 冬木市へ移住してきた外国人たちが葬られた新都にある墓地。ここ数年で新たに埋葬された者はなく、当時の人々のみが永眠する。


概念武装(用語)
 歴史を積み上げ、決められた事柄を実行する固定化された魔術品。物理的衝撃ではなく概念、つまり魂魄としての重みで相手を打倒する魂砕き。物理的な干渉のみならず、意味柄、節理、空間に影響を及ぼすよう作られた兵器。
 死徒に対しては人間であった頃の自然法則を叩き込んでもとの肉体に洗礼しなおして滅ぼすために、黒鍵程度の簡易的なもの以外あまり使われない。もとから吸血鬼であった真祖に対する切り札。
 概念武装によって一般の人間の魂だけを殺すことも可能だが、効果は下がる。というか通常の相手ならば物理攻撃で事足りる。概念武装がその本来の効果を発するのは、物理攻撃が通じない相手、つまり規律の具現や妄念の具現などの概念に生きる者に対してである。


海浜公園(地名)
 未遠川の深山町側の河口、冬木大橋が見える場所にある冬木市最大の海浜公園。周辺にバッティングセンターや水族館など多くの遊戯施設があるため、デートスポットとして名高い。


海浜倉庫街(地名:Zero)
 冬木市の海浜公園の東側に広がる倉庫街。住所でいえば神明二丁目。プレハブ倉庫が立ち並び、港湾施設も兼ね備える。さらに東側には工業地帯がある。
 第四次聖杯戦争の際に破壊されたが、聖堂教会の手によって都市ゲリラの犯行として隠蔽された。


怪力(技能)
 一時的に筋力を増幅させる能力。魔物、魔獣のみが持つ攻撃特性。使用することで筋力をワンランク向上させる。持続時間は“怪力”のランクによる。
 B:ライダー。ハサン・サッバーハを振り回す。


乖離剣・エア(対人宝具・対界宝具)
 古代メソポタミアで天地を切り裂き、世界を創造した剣。『剣』という概念が現れるよりも前に誕生したモノ。剣という概念に括られておらず、衛宮士郎とエミヤの能力を以てしても解析できない。人造の武器ではなく、星に鍛えられた神造兵装。
 銘がないのでギルガメッシュはこう呼んでおり、これはメソポタミア神話やバビロニア神話の神である大神エア(エンキ)にちなんで名付けられたものと思われる。『王の財宝』で呼び出す他の宝具とは違い、ギルガメッシュだけの宝具。あらゆる『死の国』の原典。円柱状の刀身は三つに分かれていて、それぞれが個別に回転している。さらには最大出力状態では隙間からガス状のエネルギーが大量に噴き出す。
 『天地乖離す、開闢の星(エヌマ・エリシュ)』はエアを最大出力で放った場合の呼称で、擬似的な時空の断層ができる。その威力は約束された勝利の剣と同等かそれ以上。
 ギルガメッシュはこれを『天地開闢以前の地獄だった星を識るもの』と表現する。


ガウェイン(用語:氷室の天地)
 英雄史大戦のカード。
 武:10または9、防:5。


カウンターガーディアン(用語)
 抑止の守護者。純粋なる英霊のこと。


科学未来館(地名:氷室の天地)
 お台場にある博物館。学天則や二足歩行ロボットAJIOH、擬似BMIマシンなどが展示されている。


架空元素(用語)
 虚数。


赫訳(用語)
 遠野の当主が扱う武術のうち通常のもの。上位に赤主、紅主がある。


鶴翼三連(用語:Fate)
 干将・莫耶を最大用法した技。桜ルートにおける衛宮士郎とアニメ版のアーチャーが使用した。アニメ版のアーチャーは飛んだり跳ねたりしたが、本来のこれは三つの『×』の重ね当て。


影の巨人(用語・使い魔)
 間桐桜の使い魔。桜ルートで巨大だったのは膨大な魔力で肥大化していたからで、本来のサイズでは桜の肩に乗るくらい小さい。
 黒い影は桜の影であり、影の巨人が使い魔である。


過去視(用語・能力)
 過去を視る能力。大体は他人の記憶を視る。個人差があるかは不明だが、幻視同盟の偽志貴は視るというよりも他人の過去を精神感応によって追体験していた。
 瀬尾晶の未来視は過去視の発展型で、過去の情報から未来を予測するもの。


笠井にゃにゃ(人名:AATM)
 おそらく作家の笠井潔のこと。セイバーが月姫を語った際に引き合いに出した。セイバー曰く『清く正しい、歴史と併走する伝奇もの』。
 奈須きのこ先生に空の境界の商業出版を決意させたのは、笠井潔先生との温泉での裸の付き合いが切っ掛け。


笠間(人名:Fate)
 穂群原学園の養護教諭。


カストゥール(用語:氷室の天地)
 英雄史大戦のカード。
 武:7、防:8。固有能力は敵軍をすり抜ける『浸透突破』。


(用語・魔術)
 魔術師の属性(五大元素)の一つ。
 風を属性とする魔術師は希少。


風除けの加護(魔術)
 中東に伝わる台風除けのまじない。「神は偉大なり」の呪文(これはPC版では黒塗りで表現されていた)と共に神への祈りを捧げることで風の魔神ジン(ジンニー、ジンニヤーとも)の災いから身を護る。
 第五次聖杯戦争におけるセイバーの風王結界に対抗するために真アサシンが使用した。
 A:真アサシン


火葬式典(魔術)
 シエルが使う黒鍵に付与した魔術作用。刀身に呪刻されており、標的に当たると発火し炎に包む。
 もとはミハイル・ロア・バルダムヨォンから受け継いだ知識の一環。教会は表立っては魔術を禁じており、これを使用する代行者は少ないが、シエルは根っからの信者ではないので平気で魔術を使う。シエル自身ロアの知識を扱うことに抵抗はあるものの、死徒殲滅のためなら躊躇なく魔術(禁忌)を行使する。


KATAKAMI(地名:氷室の天地)
 詳細不明。冬木市内にあるブティックの店名と思われる。


かつおぶしに似たブラックハーブティー(用語:AATM)
 ネコアルクらに乗っ取られたアーネンエルベのメニューの一つ。一応ハーブティーではあるようだが、黒くなるからと醤油ソースを入れてある。調理したのは荒耶宗蓮。すごくまずい。


Cafeバルドフェルト(地名:氷室の天地)
 千葉ディスティニーランドにある飲食施設の一つ。
 明らかにされているメニューはシェフのこだわりコーヒー各種のほか、『ケバブのヨーグルトソースかけ』『ハンバーグのヨーグルトソースかけ』『トムヤムクンのヨーグルトソースかけ』『まぐろ丼のヨーグルトソースかけ』。美綴綾子はメニューを見て「頭おかしいのかここのシェフ」と言ったが、実際に食べてみると意外とおいしいらしい。


ガマ剣法(用語:氷室の天地)
 藤村大河が読んでいた本のタイトル。


かまたいちの夜(用語:氷室の天地)
 衛宮士郎らが2年生のときの夏ごろに予約受付中だったゲーム。


(用語)
 女の魔術師にとっての最後の切り札。
 髪を止めるという事は魔力を留めるという事なので、縛り付ける物も相応の魔術品。自分の体をコントロールするものなので髪留めは自分で作ったほうがいい。


「 」(概念)
 仮に読みをつけるとしたら、から。
 受け取り方は人それぞれ。端的に分かりやすく言うなら根源の渦。だが根源の渦には根源の渦という名があるためにやはり「 」とは別物である。


カラオケビル謎の集団気絶事件(用語:MBAA)
 MELTY BLOOD Actress Againの前年に起こった事件。ネコアルク・カオスではなく、もっとおぞましいエイリアンの仕業。


空手(用語:氷室の天地)
 衛宮士郎らが二年生の年の穂群原学園の体育祭での特別三枠に2年A組の生徒が提案した競技。美綴綾子があまりに有利だとして、葛木宗一郎によって柔道に変更されたうえで生徒会に提案されたが、採用されなかった。


カラドボルグU(宝具)
 偽・螺旋剣。第五回聖杯戦争におけるアーチャーが投影する剣。
 アイルランドの英雄フェルグスが所有したとされる魔剣だが、これはアーチャーが矢として使えるように改良して投影した別物。
 クーフーリンの天敵とされる魔剣で、この所有者がウルスターゆかりの者であった場合、クーフーリンは自らの誓約(ゲッシュ)により一度は敗北しなければならない宿命を負っている。


カラリパヤット(用語:氷室の天地)
 衛宮士郎らが二年生の年の穂群原学園の体育祭での特別三枠に、武芸百般に通じた美綴綾子が有利になるであろうと氷室鐘が提案した競技。美綴にカラリパヤットの心得はない。
 インド南部ケララ地方発祥の武術。身体にオイルを塗って素手で戦ったり、剣、盾、棒などの武器を使用する武器術もある。


カリー・ド・マルシェ(人名/死徒)
 以前の名はキルシュタイン。ロア時代のシエルの取り巻きの一人で、インドに根城を構える死徒。魔術師から吸血鬼になった。
 触れた物質の性質に干渉する能力を持つが、血を吸えずに弱っているので物質の味をカレー味(翡翠風)にすることに限定して使えるにとどまる。ロア(シエル)が倒されてからインドに渡り、その能力を磨いている。ゆくゆくは血液をカレー味に変えて大量に摂取し、元の力を取り戻して27祖にたどり着く、と言っているが。
 シエルの埋葬機関での初仕事で倒すはずだったが、カリーの最後の望みをかなえるためにカレーを食べたシエルと仲良くなる。その後、別段害もなく、顔が広く役に立つということで放置されている。吸血行為ができないのはカレーの味に出会って血をまずく感じてしまったため。それでも肉体を維持するための必要最低限の血液は摂取している。
 公式設定ではない。らしい。ウソツキ星人の言うことだから。


カリスマ(技能)
 軍団を指揮する天性の才能。団体戦闘において自軍の能力を向上させる。稀有な才能。
 A+:ここまでくると人望ではなく魔力、呪いの類である。
 A:およそ人間として獲得しうる最高峰の人望といえる。
 B:一国の王としては充分。
 E:統率力こそ上がるが、兵の士気は極度に減少する。


カリバーン(宝具)
 →勝利すべき黄金の剣。


カルハイン(人名/死徒)
 Calhin。
 死徒二十七祖の十一位。捕食公爵。街食うモノ。スタンローブ。
 すでに教会に討たれて肉体を失っているが、その怨念が周囲の物を破壊する力の渦になっている。教会も無闇に手を出せずに自然消滅を待っている。
 存在濃度がゼロになるまであと200年。


カレーパン(武装・食品)
 カレーをドーナツ生地で包んで揚げた食品。シエル限定の武器。揚げたてなら即死効果さえある。これを1つ2つ茶道室にもっていくだけで満腹になれる。


カレイドアロー(武装)
 カレイドステッキと宝石剣キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグを融合させた武装形態の一つ。戦闘機なみの飛行能力と圧縮した魔力弾を撃ち出す熱戦狙撃銃式(スカーレット・ドラクルアンカー)を兼ね備えたルビーちゃん秘密装備の一つ。その威力は600メートル先の移動要塞車両ベンガルティーガーの装甲を貫通する。


カレイドステッキ(武装:hollow)
 魔法使いキシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグが作った女性限定の愉快型魔術礼装で、契約した術者に莫大な魔力を供給するマジックブースターのようなもの。第二魔法の応用らしい。説明書付き。材質はプラスティックっぽいが、ずっしりしているようではある。過去現在未来においてマスターは遠坂凛とルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトの二人だけ。
 能力は多元転身(プリズムトランス)で、使用者に並行世界の使用者のスキルをダウンロードすることができる。つまりある世界の、例えば紅茶をうまく淹れることができない凛に他の世界の『紅茶淹れの達人』である凛からそのスキルをダウンロードして同じ能力を持たせることができる。だが決まりごとがあり、多元転身した場合にはそれに相応しい服装になる。たとえば紅茶を淹れるならメイド服、歌が上手になるならアイドル服など。
 契約には血液による登録と接触による使用の契約、起動のためのエネルギーが必要。なおエネルギーとは魔力ではなく『鈍感な意中の男性に対する素直になれないスーパーオトメ力(りょく)』。これとの契約はほとんど呪いであるとのゼルレッチのお墨付きがあり、契約解除はできない。契約すると洗脳される。手に取らなければ時間切れでスイッチが切れる。
 割烹着が似合いそうなマジカルルビーという声だけは可愛らしい人工天然精霊が宿っている。その言葉はドイツ語のようだが、意味は日本語で理解できる。
 凛は遠坂時臣の遺品を整理していたときに説明書に従ってこれと契約し、気付いたら部屋に倒れていてカレイドステッキは宝箱に仕舞われていた。契約してから目が覚めるまでの記憶がなく、『あのバカ杖を二度と使わないこと』という凛自身の字によるメモが置いてあった。契約していたときに公園で八十年代アイドル風のステージを開いたらしく、その日を境に友人が激減し、それ以降ずっとゼルレッチの宝箱に仕舞っていた。
 なお契約したときの記憶は自由に消すことができ、凛が子供の頃に契約したときはちゃんと記憶は消されていた。
 契約者はメインヒロイン枠から外れる。


カレイドルビー・シュバインシュタイン(人名?)
 Kareido-Ruby SCHWEINSTEIN。
 新たなる敵を前にパワーアップを遂げたカレイドルビーの姿。カレイドステッキと宝石剣キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグを融合させた悪夢の武装形態。
 カレイドアローは戦闘機なみの飛行能力と圧縮した魔力弾を撃ち出す熱戦狙撃銃式(スカーレット・ドラクルアンカー)を兼ね備えたルビーちゃん秘密装備の一つ。その威力は600メートル先の移動要塞車両ベンガルティーガーの装甲を貫通する。
 まさにジェノサイドフィーバー。凛さん変形ですーっ。
 なぜかこの兵器で壊せるのは無機物のみ。この銃の余波で高度3000フィートから投げ出されようが、生物であるならばどうあっても死なない。
 ここまでくるとカレイドルビーも慣れてしまってノリノリで魔法少女ぶっている。


カレン・オルテンシア(人名:hollow)
 Caren Hortensia。
 身長156cm。体重40kg。B75 W54 H77。
 オルテンシア、とは母国語(フランス語、スペイン語、イタリア語が該当)で紫陽花の意味。カレンという名も父の祖国の言葉からとったもの。父は(作中では明言されていないものの)言峰綺礼だろう。
 ヨーロッパ南部の共和国で生まれた(フランスかイタリアだが、南部ということでイタリアか)。父親はもとより不明、母親は病弱で、カレンを生んで一年後に死亡した。記録には強盗殺人にあったとされているが、実際は自殺らしい。その後とある厳格な神父に預けられ、八年間生活をともにした。神父は養育費を預かっていたものの出費を抑えるためと知恵をつけさせないために学校には通わせず、教会の下働きをさせていた。また出生そのものに罪があるとして誕生の洗礼は与えられず、幼年期に迎える洗礼まで神の祝福は与えられないのだと神父は言っていた。
 そしてカレンが九歳になったときにその体に聖痕が現れ、手に負えなくなった神父は、深い森に建てられた城塞や牢獄のようなシトー修道院へとカレンを移した。聖痕は彼女の体質の現れであり、それを以て聖堂教会は彼女を聖堂教会の備品の兵装としてシトー修道院に預けたのだ。そのため、結局洗礼は与えられていない。
 身分は一介の修道女であり、聖堂教会から聖杯戦争に参加した魔術師たちを調査・監督するために冬木市へと派遣された。主な目的は冬木市に再び現れた聖杯の波動を究明すること。冬木教会の後任代理で、本来ならばカレン程度では教会を任されることはないのだが、期限付き(最長でも二年程度)で冬木教会の司祭代行を任されている。
 代行者ほどの実力も権限もなく、ただ調査にきただけの見習いで、魔術が得意というわけではない。もとは悪魔祓いの助手だったが、悪魔を祓う式典や秘蹟は与えられておらず、ただ師について歩くだけだった。つまり悪魔が隠蔽している霊障をその身に受けて判別することが役目。
 悪魔に近付くと自動的に霊障を再現してしまう、いわば被虐霊媒体質。なので慢性的な悪魔憑きともいえる。彼女はこの体質をよしとし、それによって受ける傷をすべて受け入れている。普通の人の心の中にある魔にすらも反応してしまうため不用意に人に接近することができず、彼女の体には常に包帯が巻かれており、消毒薬の匂いが染み付いている。そのため日中は冬木教会にしかいることができないが、無理をすれば多少は出歩ける。
 また、彼女の体は外見こそ元通りになっているが機能は戻っていない。例を挙げると、右目の視力がほとんどない、味覚が薄れているなど。そのため彼女にとって味のするものとは地獄のように辛いものか天国のように甘いものだけ。
 主体性のない性格。それまでは何もしないように生きてきたが、冬木市に来てからは幸せそうな人をがっかりさせることに悦びを覚えた。また父親の言峰綺礼と同じく心に傷を持つ者をつつくことが大好き。
 スカート穿いてない服は悪魔祓い用の戦闘服。スカートがないのはもともとの仕様で、カレンが祭儀衣の中から選んで手を加えたもの。本来の用途は男性を誘惑するためのもの。彼女は姦淫を魔がそそのかすものとして受け入れ、人にではなく魔に犯されると割り切って作業としている。が、多くの男性と交わるという、自分のしていることを娼婦に近いと感じているのも事実。
 自分の取り柄を鍛えるのが趣味で、オルガンの演奏はかなりうまい。特技は祈りと悪魔祓い。苦手なものは野蛮な男。戦闘などではマグダラの聖骸布を使用する。被虐霊媒体質ゆえ傍にいる悪魔次第で攻撃レベルが変わる。しかし悪魔祓いのレーダー役なので特に戦闘が得意というわけではなく、遠坂凛と真っ向から戦った場合には勝算そのものがない。だが権力とトラウマを容赦なく使って没収試合にするかもしれない。
 間桐桜と戦った場合は、桜の影を放つ魔術が『神秘によって括られた存在』専用なので充分に勝ち目はある。間桐臓硯と戦った場合は、臓硯は大魔術師であるが日光という教会が熟知した弱点を持つため充分に勝ち目はある。間桐慎二と戦った場合は言わずもがな、心身ともにズタボロにできる。藤村大河とはそもそも戦いにならない。
 冬木協会に赴任してからは遠坂凛と間桐桜を先輩として慕っているが、あくどいというか強かというか、とにかく管理者である凛とは駆け引きのようなことをしている。それから限度をわきまえつつチクチクと二人をいじめて楽しんでいる。
 第三次聖杯戦争の再現たる四日間には言峰綺礼の監督役という空席に収まることで参加している。そのカレンは本当の彼女ではなく、四日間だけの限定存在。ループやリトライの必要はなく四日間に存在でき、四日間が終われば消え去るという、外の彼女が送り込んだ『カレン・オルテンシア』という要因。外の彼女には記憶の引継ぎさえない。
 四日間の中ではランサーとギルガメッシュと契約し、マスターになっていた。令呪を持たないが、その人間性とカレンが死んだら二人も消えるかもしれないという条件のみでギルガメッシュとランサーを御している。
 アーネンエルベの正式なスタッフらしい。
 AATMでは突発的にアーネンエルベのジョージ店長を殺害した遠野志貴を店員としてこき使う。それはネコアルクやセイバーライオンらのデフォルメキャラたちと組んで主役級キャラと入れ替わるためだった――が、実はネコ二十七キャット壊滅指令を受けており、自身の手を煩わせることなく他人にやらせたのである。なお途中で言峰綺礼を毒殺している。


干将・莫耶(宝具)
 第五次聖杯戦争におけるアーチャーが好んで使う夫婦剣。宝具としてのレベルはC−。黒いほうが陽剣干将、白いほうが陰剣莫耶。春秋時代に、呉王の命によって名工・干将が作り上げた。創造理念などなく、ただ作りたいから作ったようなもの。
 なかなか剣が完成せず思い悩む夫を見た莫耶が神の加護を得るための人身御供として自ら炉に飛び込んだという逸話がある。干将の妻・莫耶の命を以って五山精、六英金を溶け合わせた、陰陽を体現した夫婦剣。紛失しても必ず持ち主の元へ戻るといわれ、互いに引き合う。干将は陰剣莫耶のみを献上したことで王の怒りを被り殺された、という物語も残っている。
 なお形状や工法については記録がなく、時代的に鋳造であったと推測されている。形状についても干将は黒く亀甲のような模様が、莫耶は白く波のような模様があったと伝えられている程度。
 最高の素材と人命で打たれたために剣としての性能も高いが、巫術、式典用の魔術兵装としての側面を持つ。揃えて装備すると対魔術と対物理が向上する。オリジナルの干将・莫耶は対怪異専用の強力な宝具であり、第五次聖杯戦争におけるライダーが生前変貌したゴルゴーンも、第四次聖杯戦争におけるキャスターが召喚した大海魔も真っ向から切って落とせる。
 アーチャーのいかなる趣向か、刀身には魔よけと思われる下記の言葉が刻まれている。
 鶴翼不欠落
 心技至泰山
 心技渡黄河
 唯名納別天
 両雄倶別命
 ――――両雄、共命別。


干将莫耶オーバーエッジ(宝具)
 桜ルートにおける黒セイバーとの戦いにおいて士郎は干将・莫耶を最大用法したが、それを正統な持ち主であるアーチャーが行った状態、その三回目の投影の際に強化によってこの形態となる。
 刀身が通常の干将・莫耶の倍ほどにも長くなり、棟から鎬にかけてささくれ立つ。
 なお本来の鶴翼三連は三つの『×』の重ね当てであり、飛んだり跳ねたりはしない。


カンタ(人名:hollow)
 ギルガメッシュの取り巻き。ギルガメッシュのジャ○プを読ませてくれとせがんだ。


簡単三分ポエリング(用語:hoollow)
 間桐桜が所有する本。


ガンド(魔術)
 相手を人差し指で指すことで体調を崩れさせるという単純な呪い。対象を視界に収めて指を構える様からガンド撃ちとも呼ばれる。強力なものを“フィンの一撃”と呼び、こちらは直接的なダメージを与える。遠坂凛のものは強力すぎてもはや見た目、威力、効果ともにまさに弾丸である。


感応能力(技能)
 他者に感応する能力。簡単に言うと他者に体力を分け与えること。共感能力ではないので、対象に何が起きても能力者にフィードバックはない。翡翠と琥珀は特に優れた感応能力者で、対象の体力だけでなく精神力まで強化する。
 感応する方法は能力者によってマチマチ。対象の意思とは無関係に感応できる者もいれば、何らかの儀式を必要とする者もいる。儀式とはその家系に伝わる精神面のスイッチのこと。翡翠と琥珀の家系では対象との体液交換、つまり最も効果があるのは性行為。血液を飲むことで代用可。これは体液を交換することで自分と対象を同じものとして認識するため。だが体液交換は契約のようなもので、契約した感応対象と感応者が近くにいないと効果はない。


管理者(用語)
 セカンドオーナー。
 魔術協会から霊地を任された名門魔術師。同じ土地に根を張る魔術師はまず彼らに挨拶に行き、工房建設の許可を得なければならない。



  


ギアス(魔術)
 →強制。


騎英の手綱(対軍宝具)
 ベルレフォーン。第五回聖杯戦争におけるライダーの宝具。
 手綱と鞭のセットで、単体では効果がない。これで操られた天馬はリミッターをカットされ、全ての能力値を1ランクアップし、膨大な魔力の守りにより防御力を数倍に向上する。
 まず血液で描いた召還陣により彼女の子ともいえる天馬を召還し、それに騎乗して使用する。


記憶(用語)
 物事を覚えておく、また覚えること。
 銘記、保存、再生、再認の四つのプロセスで構成され、そのうちの一つでも出来なければ記憶障害となる。


菊地にゃにゃにゃ(人名:AATM)
 おそらく作家の菊地秀行のこと。両儀式が月姫を語った際に引き合いに出した。式いわく『飯食べて女やって喧嘩やって飯食べて……の無限ループ』だが、当然ながらそれはとりわけ極端なもの。


起源(用語)
 始まりの因で発生した物事の方向性。aという存在をaたらしめる核となる絶対命令のこと。例えば“禁忌”という起源を持つモノは人に生まれようと獣に生まれようと植物になり代わろうと、群における道徳から外れた存在になる。輪廻転生があろうがなかろうが、人間は発生した時の方向性に従って肉をつけ知恵をつけ、以前とは少しだけ違った人格になるという考え。
 起源を覚醒したモノは起源に飲み込まれる。たかだか百年程度の“人格”など、原初の始まりより生じた方向性に塗りつぶされるだけだからだ。反面、起源に塗りつぶされた人間(肉体)は強大な力を手に入れることになる。
 人間のルーツを探る荒耶宗蓮は、その過程で起源を覚醒させる術を学んだ。
 魔術においては属性の意味で使われることもある。
 魔術師の属性には一般の五大元素と架空元素の分類に含まれない特殊な属性もある(衛宮士郎の剣属性など)。これは魔術の根本を規定する属性よりも深い、存在の根本を規定する起源が強く表に出ている例で、通常の属性から外れて起源そのものが属性となっているのである。こういった魔術師は属性として五大元素を持たないため一般の五大元素を使う魔術を苦手とするが、突出した専門家としての才能を発揮しより高い境地に至ることができる。
 また、衛宮士郎については『全て遠き理想郷』の効果によって後天的に起源が『剣』に成りつつある。


起源弾(武装:Zero)
 →魔弾。


儀式(用語)
 魔術におけるものではなく、異端の能力の抑制を切り替えるための精神面のスイッチ。家系によって異なり、儀式なしでも能力を行使することが出来る者もいる。


儀式(用語)
 魔術師としての血筋が希薄な者が魔術を行使するための“すでに形式あるもの”。つまり古くから確立している儀式、供物を使って神秘と接触する。
 これは自身の力では足りないために代価を用意して取引をするという魔術形式で、使用する魔力はマナから借り受けるため術者は儀式を行うだけでいい。


騎士団(組織)
 聖堂教会の対異端戦闘組織。教会ごとに保持する。
 吸血鬼の討伐は基本的に単独任務ではなく、連絡員や救護班、整体師などが随行する。単独行動が原則の埋葬機関とは異なり、数で圧倒する戦術を執る。使用される武器の中でハルバードは廃れつつある。
 リーズバイフェが団長を務めたヴェステル弦楯騎士団は三咲町のタタリの3年前のタタリに通常の概念武装で立ち向かい、壊滅。


騎士は徒手にて死せず(対人宝具:Zero)
 ナイト・オブ・オーナー。
 第四次聖杯戦争におけるバーサーカーの宝具。手にした武器に自らの宝具としての属性を与え、駆使する能力。どんな武器、兵器であろうともランスロットが手にした時点でDランク相当の宝具となり、元からそれ以上のランクに位置する宝具であれば従来のランクのままランスロットの支配下に置かれる。この能力による宝具化は彼の黒い魔力が浸透することで成り、彼の魔力を遮断することで本来の性質に戻る。
 この宝具能力はおよそ武器という概念の及ぶ万物に通用し、第四次聖杯戦争におけるアーチャーとの戦闘ではF-15Jをも奪い取った。この宝具化能力の適用範囲は、原則としてバーサーカーが『武器』として認識できるものに限られる。よって戦闘機は宝具化できても空母は『武器を運ぶもの』という認識になるため宝具化できない。
 フェロットの策に填められて丸腰のまま戦う羽目になったとき、楡の木の枝でフェロットを倒したエピソードの具現。


軋間(家名)
 きしま。遠野の分家の一つ。鬼と血のみならず肉まで混ざり合わせた者たちの末裔。鬼種の血を濃く保つために近親婚を繰り返し、本家である遠野よりも異形の血が濃い。その結果生まれた者が紅摩。既に紅摩によって軋間家自体が断絶しているために長男である紅摩が当主として扱われている。
 一族の者が紅摩を恐れ、彼の頭を拳銃で撃った。たかが銃弾では傷一つ負わなかった紅摩だが、そのショックで自制を失い、一族を皆殺しにした。斎木翁が手勢とともに駆けつけたときには廃墟でたたずむ紅摩しかいなかった。
 当主は必ず紅赤朱になる。潜在する自然干渉は『灼熱』。


軋間紅摩(人名/混血)
 きしま こうま。
 軋間の長男で、家自体が断絶しているために当主として扱われる。破壊の権化。赤い鬼神。灼熱、炎焦を象徴する鬼種。圧壊の腕を持つ、剛腕無双の混血。能力は『灼熱』。遠野槙久の七夜襲撃における切り札。黄理の淨眼で視た紅摩の思念の色は朱色。存在自体が神秘。
 物静かな、己の性分の意味を見出すべく悟りを目指す修験者のような人物。現段階では紅赤朱になっていないが、それに近づいている。仙人のように山に篭って手慰みに武術の真似事をしたり禅の思想を学んだりしているが、己の力は所詮破壊のための力だと諦観している。
 特に戦闘訓練は積んでいないので戦い方は素人だが、肉体を硬化する力と大木を握りつぶす握力、天性の俊敏性、鬼種としての異能をもって他を圧倒する。一対一でなら平均的な宝具を持つサーヴァントと戦える。
 彼を恐れた一族の者に拳銃で頭部を撃たれ、紅摩自身は拳銃弾程度ではかすり傷一つ負わなかったもののショックで自制を失くし、自身の一族である軋間を滅ぼした。斎木翁が手勢を連れて駆けつけたときには屋敷は全焼、紅摩以外は圧殺されていた。その後は七夜黄理が襲った斎木の屋敷に監禁されていて、十歳くらいのときに右目を七夜黄理に潰された。
 彼自身は住処である森で人知れず消え去るのをよしとする最後の当主だったが、遠野槙久によって七夜襲撃の切り札として呼び出されてそれを完遂。
 それまで人間としての感情がなかった彼は、七夜襲撃の際の七夜黄理との戦いで“生の実感”を得る。なお黄理との戦いで自らも死ぬ生物であることを教えられ、使われていなかった最後のスイッチが入って『灼熱』の能力が発動した。
 このときの映像を意識下で覚えている遠野志貴にとって超えがたい死のイメージとなっている。
 遠野志貴が遠野邸に呼び戻されるまで遠野邸に軋間の長男が逗留していたが、この時点で軋間は紅摩を除き全滅していることと琥珀が『一宿一飯のお世話を任された』と発言していることから、軋間の長男とは紅摩であると思われる。
 当然ながら琥珀とは知り合いであり、『坊ちゃん』と呼ばれると冷たく一瞥して去っていく。
 遠野秋葉に二度と三咲町を訪れないと約束をしているが、琥珀には嫌われておらず、志貴が居ないときに遊びに来てほしいとさえ思われている。


軋間紅摩(人名/混血:歌月十夜)
 遠野志貴の『死の具現』が一族を滅ぼした軋間紅摩の姿を借りて現れたモノ。遠野志貴の超えがたい死のイメージ。レンの夢世界が崩壊しつつあるところに存在する。


軋間紅摩(人名/混血:MELTY BLOOD)
 MELTY BLOODシリーズで登場するのは軋間紅摩本人ではなく、タタリが生み出したもの。


軋間紅摩(人名/混血:MBAA)
 白レンが護衛とするために再現したもの。だが白レンに従うことを拒否し、これを打倒。その後に殺し合いを挑んできた七夜志貴もまた打倒し、消えた。


鬼種(用語)
 人から成った鬼人ではなく、もとから鬼であるもの。遠野の血族はこれとの混血。
 文明の発展に伴って衰退し、いまや絶滅種となった。


キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグ(人名/死徒・魔法使い)
 Zelretch。
 死徒二十七祖の四位。魔道元帥。万華鏡(カレイドスコープ)。宝石のゼルレッチ。時の翁。五人の魔法使いの一人。アルクェイド・ブリュンスタッドにとっての爺や。真祖の協力者で正義の人。頻繁に俗世と関わる変人。宝石剣を持つ。宝石をシンボルにする魔法使いで、悪に義憤し善を笑うという性格。はるか未来の常識を体現している。
 万華鏡のごとく、同時に運営される並行世界を『個』として移動できる(第二魔法)。彼が並行世界を観測すると、その世界は事実になる。宝石の表面が万華鏡のそれに類似していることから宝石の名を冠する。
 最初にして最強の真祖である朱い月を殺したが、相討ちで血を吸われて死徒になった。そのときに、落ちてくる月を力技で押し戻した。朱い月を倒した後はめっきり老け込み、現在は既に隠居していて全盛期の魔法行使はできない。死徒になった後も魔法使いとしてのスタンスは崩れておらず、様々な国に現れては弟子を取り、破滅させている。
 アルクェイドを気に入っており、彼女の成人の儀に参列した。アルクェイドが呼ぶ場合は『ゼル爺』『爺』。
 大聖杯を創り上げたときに立ち会った。
 彼に弟子入りするということはほぼ確実に廃人にされるということ。遠坂永人の師。


騎乗(技能)
 乗り物に乗る技能。機械仕掛けの乗り物にも効果を発揮する。
 A+:獣であるならば幻獣・神獣まで乗りこなせる。ただし竜種は該当しない。
 A:幻獣・神獣ランクを除く全ての獣、乗り物を自在に操れる。
 B:大抵の乗り物なら人並み以上に乗りこなせるが、ペガサス、グリフォン、竜種といった魔獣・聖獣ランクの幻想種は御することができない。バイクなら大型も乗りこなせる。航空機にも効果があるかは不明。


偽臣の書(武装)
 仮の令呪。サーヴァントの指揮権を他者に譲渡(一時的な移譲)するためのもので、マスターであれば誰でも生成できる。これを作るには一回分の令呪と本来のマスターの権利の譲渡に対する同意が必要。
 あくまで仮の令呪であるため、無理な命令をすると燃え尽きてしまう。また、同じ理由で魔力の供給は本来のマスターがしなければならない。
 間桐慎二は間桐桜の令呪から淫虫によって作り出した。


鬼神の長槍(用語/武装:氷室の天地)
 蒔寺家の伝家の宝刀。宝刀といいながら槍である。
 月型十文字槍のような形状をしているが、鎌刃が異常に大きく、穂の先端から生えて柄の方に向けて湾曲している。要するに碇型である。また穂に『長曾我部』と書かれており、柄に鎖が巻かれている。


北子(人名:Fate)
 穂群原学園弓道部員。


喜多邑茶家(地名:hollow)
 きたむらちゃや。新都の牛丼屋。最近は味が上がって値段が下がってサービスが悪くなった。間桐慎二がアルバイトをしている。
 第三次聖杯戦争の再現たる四日間ではバゼットのことが『一人しかいないのに二人分注文して、気付くと平らげていて、会計をもらった店員が顔を上げると誰もいない』という怪談になっていた。


キチガイナスビ(用語)
 別名チョウセンアサガオ。琥珀が遠野邸の裏庭で育てている。
全草、特に種子に猛毒があり、スコポラミン、アトロピンなどの原料となる。干した葉は生薬の曼陀羅葉で、鎮痙薬、喘息煙草の原料となる。


ギネヴィア(人名)
 アーサー王ことアルトリア・ペンドラゴンの妃。アルトリアと同盟を結び後援者となったレオデグランス王の娘で、ブリテンに王国としての体裁をもたらすためにアルトリアに嫁す。
 魂の在り方としては眼鏡ッ娘。でも『外すと美人』のステレオタイプ。アルトリアを敬愛し、憧憬し、その生き方に倣おうとしながらも、それを貫き通すにはあまりにも普通の女性すぎた。
 当時の英雄の在り方として自らを省みない人生観を幼い頃から培ってきた彼女には、自らが女性だという意識も、そもそも男女の性差の認識すらなく、王と王妃の関係も理想のみで成立するものと確信していた。理念の尊さだけが人間を結びつけるものだと信じ込んでいた彼女は、真逆それ以外に人と人とを惹きつけあうものがあるなどとは想像だにしなかった。サー・ランスロットと出逢うまでは。
 以後、ギネヴィアは信念と魂の波状攻撃で彼女自身とランスロットの双方を窮地へと追い込んでいく。


キビシス(宝具:hollow)
 ギリシャの英雄ペルセウスが使用したメドゥーサの首を収めるための袋。内を外に返す結界返しの宝具で、これを裏返しに被ることで自己封印・暗黒神殿をゴルゴンに返した。


キャスター(クラス/サーヴァント)
 魔術師。魔術師というクラスゆえに戦闘には向かず、ほとんどのサーヴァントが対魔力のスキルを持っているためにクラス最弱といわれている。
 選ばれるために必要な条件は“魔術”の能力値がランクAに達していること。
 クラス固有の能力は“陣地作成”と“道具作成”。


キャスター(人名/サーヴァント)
 身長163p。体重51s。B82 W57 H84。
 第五回聖杯戦争における葛木宗一郎のサーヴァント。彼女を召還した本来のマスターは下らない事で令呪を使い切らせてから自らの手で殺害した。
 真名はギリシャ神話の不運の王女メディア。イアソンを気に入った美の女神によって心を壊されて父王を裏切らされ、実弟を八つ裂きにし、終いにはそこまでして尽くしたイアソンに裏切られた。その後は人々から全ての悪い事の元凶と決め付けられてしまい、その通りに振舞うようになった。裏切りの魔女と呼ばれて悪ぶっているが、本当の性格は純情で善人な夢見るお嬢様。
 本来のマスターとの契約を破棄、殺害して消えそうになっていたところを葛木宗一郎に助けられて契約、葛木に好意を寄せる。聖杯などではなく、葛木とともにいることのみが彼女の願い。しかし桜ルートでは間桐臓硯の企みにより自らの手で葛木を殺してしまう。
 魔術師としての能力は魔法使いと同格かそれを上回るが、魔法を習得していなかったために魔術師どまり。高速神言を用いて現代における大魔術を一瞬で発動できるが、Aランクの対魔力を持つセイバーには何一つ通用しなかった。また竜を召還できる金羊の皮を持つが、幻獣召喚能力がないために使用不可。対魔力はないが、そのローブは魔力を飲み込む。
 現代最高峰の魔術師であり、某蒼崎(橙子か青子かは不明)も本気を出したキャスターには敵わない。固有結界は使えないが、彼女ほど超絶した魔術師ならば小さな魔術と大きな魔術を緻密に構築していくことで同規模の異界を作り上げられる。ただし、そのためにかかる時間と費用は莫大なものとなる。
 自身の魔力生成量がそう多くないため、柳洞寺を神殿として霊脈を使って冬木市の住人から魔力を集めていた。彼女は魔術師であるためサーヴァントを召還することが可能だが、現在の存在ではないためにこの時代に繋ぎ止める依り代が必要。またどこか歪んでしまうのだろう、アサシンを召還したのだが本来のハサン・サッバーハではなく架空の英雄佐々木小次郎(しかも本人ではない)が召還された。そして柳洞寺の山門を依り代にして召還した佐々木小次郎を山門の門番にしていた。
 本来は人間が欲望によって自滅するだけの些細な魔術しか使わないが、葛木と契約してからは聖杯を求めるあまり人間から生命力を奪うなどの魔術を使うようになった。全サーヴァント中最弱といわれるが、それゆえに幾重もの策を張り巡らせる。魔女と呼ばれることが大嫌い。
 上品かつ皮肉屋。一人でいるときには感情をうまく制御できない。昔の人だから当然ではあるが昔気質の魔術師で、大局でなければ魔力の無駄遣いはしない。学校の案内板を見落とすなど、根っこはちょっと大雑把なようだ。料理は好きなのだが下手。飲み物はエールを好み、それがなければワイン。紅茶をただの色水と切り捨てる。柳洞一成とは少々他人行儀な関係。
 バーサーカーと戦闘した場合、セイバークラスの前衛が二人ほどいれば大魔術でダメージを与えることができるが、それも二、三回が限度。
 葛木と戦った場合にはまあ惚れた方の負けということでキャスターが自滅する。真面目に戦闘した場合にはまず戦いにならない。なぜならキャスターは戦闘が始まれば圧倒的火力で敵を葬り、葛木は気付かれる前に即死させるため、初撃を取ったほうが問答無用で勝つという前提戦だから。
 シエルと戦った場合には当然、現代ではいるはずのない神代の魔女であるキャスターが勝つ。キャスターは人間が相手なら第五次聖杯戦争のサーヴァント中で最悪にして最大の成果をあげる。だが、シエルが魔術協会から降霊魔術の最奥を入手してきて第七聖典で打ち込む、などした場合には話が変わってくる。
 第三次聖杯戦争の再現たる四日間では葛木宗一郎とは書類上において結婚しているが、挙式はしていない。戸籍は管理者の遠坂凛に大金を積んで用意してもらった。またhollow ataraxiaで着ている私服のデニムのボレロジャケットは葛木宗一郎の古着を見つけて勝手に作り直したものだが、葛木は気付いていない。また柳洞寺の玄関や葛木の部屋=キャスターの部屋にはいくつもの箪笥と一升瓶で作られたボトルシップなどが置いてある。ボトルシップの材料はヴェルデで購入したもので、酒瓶は柳洞寺で消費したものを流用している。
 unlimited codesでは葛木がギルガメッシュに殺され、その蘇生のため聖杯を求める。最後に残ったバーサーカーに挑むも、それまでに倒れたサーヴァントの魂の大半は間桐桜の方に奪われていたため、イリヤスフィールは大聖杯どころか単なる願望機である小聖杯として機能するかどうかさえ怪しかった。事実バーサーカーの魂を注いでもぎりぎりで聖杯として機能するところまでいかず、自身の魂を捧げて小聖杯を完成させ、葛木を蘇生させる。
 ゴスロリ趣味だが、自分が着ても似合わないために可愛い女の子が大好き。姦計と裁縫、模型作りなどが得意。寡黙で誠実な人と可愛らしい服と少女が好きで、筋肉ダルマが苦手。バーサーカーが天敵。
 宝具は『破戒すべき全ての符(ルールブレイカー)』。
 素顔を見せるのは信頼に足る相手だけ、つまり葛木宗一郎だけ。

 クラス別能力は以下のとおり。
 陣地作成:A…工房を上回る『神殿』を形成することが可能。
 道具作成:A…魔力を帯びた器具を作成できる。擬似的ながらも不死の薬さえ作り上げられる。
 保有スキルは以下のとおり。
 高速神言:A…大魔術であろうとも一工程(シングルアクション)で起動させられる。
 金羊の皮:EX…とっても高価。竜を召喚できるとされているが、キャスターには竜召喚能力がないので使用不可。


キャスター(人名・クラス/サーヴァント:Zero)
 身長196cm。体重70kg。
 第四次聖杯戦争におけるサーヴァント。雨生龍之介と契約した。真名はジャンヌ・ダルクとともに戦ったジル・ド・レェ元帥で、龍之介には青髭と名乗る。宝具は『螺湮城教本(プレラーティーズ・スペルブック)』。召喚場所は冬木市内の住宅街にある家のリビングルーム。
 イベント立案とプロデュースが得意。ボーイッシュな少女とフェミニンな少年が好きで政治と財政管理が苦手。ディルムッド・オディナとランスロットが天敵。本来騎士であるため、体格はいい。
 正真正銘の嗜虐の英霊。本来はキャスターに適応する英霊ではなく、それどころか性質から言えばむしろ怨霊といった方が相応しい。ジャンヌ・ダルクの復活を祈願し、セイバーに彼女の面影を見た。黙っていれば亡者のような風貌だが、笑うと途端に邪気のない聖者のように清らかな表情になる。
 召喚魔術師であるため彼自身が魔術を行使するのではなく、それ自体が術を行使できる螺湮城教本を使役しているに過ぎない。特に身を隠すことはせず、ローブ姿で堂々と町を歩き回ったり暗示によって幼児を誘拐したりした。
 いわゆる正当な魔術師でないため陣地作成スキルをもってしてもまともな工房は作れず、工房とした冬木市地下の未遠川に注ぐ下水道網の奥の貯水槽に怪魔を多数配置しておくだけだった。その工房には人間を材料にした工芸品が多数あった。
 セイバーをジャンヌ・ダルクが復活したものと思い込み、そのつもりで彼女に接するが相手にされず、彼女が神に惑わされて己を見失っていると思い込む。そのため涜神のためにさらなる殺人を行うこととなった。またセイバーをジャンヌ・ダルクと思い込んだため、既に聖杯は自分の手中にあると言った。
 龍之介とともにあまりにもおおっぴらに誘拐、殺人を行ったために、監督役であった言峰璃正によって他のマスターに彼らの粛清が命じられた。
 未遠川に海魔を召喚して一体化し殺戮を繰り広げようとした。が、ライダーが王の軍勢によって足止めし、ランサー援護を得たセイバーの約束された勝利の剣によって焼き払われた。その光を見たとき、見失っていた、決して覆せないかつての栄光を取り戻した。なおほぼ同時にマスターの雨生龍之介も衛宮切嗣によって射殺された。
 生前は15世紀フランスの貴族で、フランス元帥としてジャンヌ・ダルクとともに百年戦争を終結させ、救国の英雄と讃えられた。だがジャンヌ・ダルクの死と時期を同じくして黒魔術の背徳と淫欲に耽溺、自領に戻ってからは近隣の少年を次々と拉致しては凌辱・惨殺するという所業を繰り返し、一転して『青髭』の異名で恐れられるようになる。
 だが当時の一般認識に照らせば貴族が平民の人権に理解を示すこと自体が稀で、領主が領民を家畜同然に扱うのは当然のことであった。たとえ領民を虐殺したところで犬猫の虐待とそう変わらない程度の非道と見做された。
 しかし彼の不幸は当時の彼の所領の総資産がブルターニュ公のそれを遥かに凌駕し、国王にすら脅威と見られるほどだったことである。加えて極度の浪費癖からジルの財政が完全に破綻しており、領土を敵国に売り渡す可能性すら危惧されていた。その結果、平素の悪行を領地を没収する口実として処刑された。
 ジルと魔術の接点は財政難を賄うための金策として始めた錬金術が迷走の末に悪魔召喚に至ったという経緯によるもの。ジル自身も儀式に参加はしたが、本当に魔術師と呼ぶべきは彼の友人であり導師であったフランソワ・プレラーティの方で、ジルはそのパトロンに過ぎない。
 雨生龍之介による似非儀式が召喚魔術として機能したのは事故も同然であり、その結果であるキャスター=ジル・ド・レェというサーヴァントはアサシン=佐々木小次郎と同程度のイレギュラーであった。

 クラス別能力は以下の通り。
 陣地作成:B…工房の形成が可能。
 道具作成:-…宝具による召喚能力を得た代償に道具作成スキルは失われている。
 保有スキルは以下の通り。
 精神汚染:A…精神が錯乱しているため、他の精神干渉系魔術を高確率でシャットアウトする。ただし同ランクの精神汚染がない人物とは意思疎通が成立しない。
 芸術審美:E-…芸術作品、美術品への執着心。芸能面における逸話を持つ宝具を目にした場合、ごく低い確率で真名を看破することができる。


キャットモービル(用語:ネコアルク)
 ネコアルクの移動手段。タイヤで動いてハンドルで回る。人間社会の自動車がこれに対するオマージュというのは周知の事実。
 いろいろとマイナーチェンジするが、今は戦車のようなものがお気に入り。出力は一億猫力、燃料は木などの燃えるもの。外燃機関であるが、萌えを含んだものでないと動かない。ネコアルクは出動のたびに色々な萌え本を灰にして出撃する。涙なしには語れない。
 『いま一番レートの高い萌え動力はマイメロかにゃー』とは搭乗者の弁。


キャラクターグッズ専科・アニメンバーなんば店(用語:Zero)
 第四次聖杯戦争におけるライダーがTシャツを通販した店。月刊ワールドミリタリーに広告を出していた。


ギャラハッド(用語:氷室の天地)
 英雄史大戦のカード。
 武:10または9、防:5。


キャレコM950(用語/武装:Zero)
 アメリカ・キャレコ(キャリコ)社製の短機関銃。基本形のほか、バンタムモデルとコンバットモデルのバリエーションがある。使用弾薬は9mmパラベラム。発射速度は毎分700発。発射形式はセミ/オート。
 弾倉はヘリカルマガジンと呼ばれる特殊なもので、弾倉内に弾薬を螺旋状に収めることで装弾数が多いのが特徴。作中では50発弾倉を用いたが、いずれのモデルも50発弾倉と100発弾倉の両方を使用できる(50発弾倉を用いたことから基本モデルあるいはバンタムモデルと思われる)。
 基本モデルは本体重量1.02kg、50発弾倉時重量1.25kg、100発弾倉時重量1.59kg、50発弾倉時全長356mm、100発弾倉時全長483mm。
 バンタムモデルは短縮版で、本体重量0.9kg、50発弾倉時重量1.13kg(かなり扱いにくくなるため、100発弾倉はほとんど用いられない)。
 コンバットモデルは本体重量1.13kg、100発弾倉時重量1.7kg。100発弾倉が標準で付属し、サウンドサプレッサーが装備されてレーザーサイトとフォアグリップを取り付けることができる。
 第四次聖杯戦争において衛宮切嗣と久宇舞弥がサイドアームとして使用した。
 大容量を誇るヘリカルマガジンだが、これが無駄に重く、撃っているうちに重心が変わってしまうために普通のサブマシンガンに30連弾倉を2本携帯したほうが実用的と思われる。だが、言峰綺礼との戦闘において牽制に使った際、普通のサブマシンガンならば3秒しか足止めできなかったところを5秒も稼げたことはヘリカルマガジンの面目躍如である。


吸血鬼(用語)
 人の血を吸うモノの総称。真祖、死徒ないし死徒によって吸血種となったモノを指す。基本的に不老であり不死であるが、肉体の維持に人間の血が必要。
 死徒は自らの肉体維持のためにヒトの血を搾取するが、この過程で彼らの血を獲物である人間に送り込むとその人間は死にきれずに残ってしまう。常人ならばやがて死に至るが、肉体的・霊的ポテンシャルが優れた者は現世に留まれる。
 その後遺体として埋葬されてから数年経ち、脳髄が溶けて魂が肉体という檻から解放され、初めて食屍鬼(グール)として活動できる。食屍鬼が他の遺体を喰らい、欠けた肉体を補って、数年かけて幽体としての脳を形成して生きる死体(リビングデッド)となる。そして生きる死体が人間であった頃の記憶と知能を取り戻して吸血鬼となる。
 吸血鬼に成った者は自分の意思で活動できるが、親である吸血鬼が血を送り込むことで自身の一部として認識しているためその支配・使役から逃れられない。ただし自由意志もあるので何十年と闇の生活に慣れた後、親の吸血鬼に従いながら自分だけの下僕を作るために人間を襲い、血を送る。子や死者が吸った血はそのほとんどが親である吸血鬼に流れてゆく。
 このほぼ無限の循環を阻止するため、教会には死徒を殲滅する異端狩り・埋葬機関が存在する。
 吸血鬼は同じ部類でありながらそれぞれが異なる生命種のようなものであるため、人間で言うところの仲間意識は希薄。
 人間が吸血鬼になると美形になる。らしい。


吸血鬼シオン(人名/死徒・錬金術師)
 完全に反転、吸血鬼化したシオン・エルトナム・アトラシアのこと。ワラキアの後継者としてタタリを行うようになる、統計と乱数の支配者。その為すでにシオンは存在せず、開き直ってタタリの継承を目指す。
 シオンとしての特性は影をひそめ、ワラキアと同じく情報を用いた攻撃を得意とする。ゲーム中ではかろうじて人間としての理性が勝っていたが、エンディングでは完全に吸血・破壊をよしとする吸血鬼となってしまう。
 タタリが搾取暴飲してきた数々の被害者(情報)を受け継いでいるが、分解・整理していない情報があるらしい。それはいずれ吐き出すものと思われる。
 リーズバイフェはタタリに飲み込まれたのでタタリと化したシオンの中に捕らわれており、ラストアーク・ブラッドバイブルでタタリとしてリーズバイフェの情報を再現する。
 オシリスの砂を倒した後は新しいタタリ、賢者の石を以って世界を永遠の悪夢に閉じ込める黒い大地そのものとなることを目指す。


吸血鬼殲滅砲(武装:げっちゃ2)
 遠野家屋上に取り付けられている。さつきルートの鍵を握るらしい。丘の上から弓塚さつきを狙い撃つ。


吸血種(用語)
 同じ生物の血を吸うモノたちの総称。死徒・真祖もこれに分類される。吸血鬼とほぼ同義。中には亜種としてアインナッシュのような特例も誕生する。多くの吸血種は日の光に弱いが、中には日中しか活動できないまれな吸血種も存在する。
 吸血行為をするモノは世界中におり、その性質はそれぞれ微妙に異なることからこの呼称ができた。そういった意味では蚊や遠野秋葉、ライダーもこれに属す。よって、教会の敵は吸血鬼(死徒、真祖)であり、そのほかの吸血種は相手にしない。


吸血衝動(用語)
 真祖、死徒が持つ行動原理。
 真祖にとって吸血行為は娯楽であり、それを求める吸血衝動は病のようなもの。
 死徒にとって吸血行為とは肉体の維持に不可欠な行為であり、それを求める吸血衝動は生存手段である。
 人間から死徒になったものは、それが人間における愛情表現に近いのだと論じている。


旧Fate(用語)
 現行のFate/stay nightの原作となった未完の小説。セイバーは男性で、そのマスターは沙条綾香という少女。
 原稿とキャラクター造形が変わっていないのはランサー、アサシン(佐々木小次郎)、キャスター、バーサーカー、アーチャー(ギルガメッシュ)、言峰綺礼、葛木宗一郎の七名(言峰と葛木は名前が違う可能性がある)。
 ランサーのマスターは沙条綾香のライバルであるルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトのようなお嬢様。ライダー(テセウス)のマスターは病院で不治の病に苦しんだ末に既に他界している女性。バーサーカーのマスターは倒した相手は即レイ×な外道牧師。
 なお言峰と葛木は互いに孤児院出身で旧知の間柄だった。


キュプリオトの剣(用語/武装:Zero)
 →スパタ


キュベレイ(技能)
 石化の魔眼。第五回聖杯戦争におけるライダーことメドゥーサの魔眼。
 その眼で視た者、その眼を見た者、視られた者を石に変える魔眼。石化の魔術ですら使える者は少ないというのに、それを一工程で行う神秘。現在の魔術師でこれを持つモノはいない。特例のなかでも最高位とされる。
 神代の魔獣、聖霊しか持ち得なかった英霊メドゥーサの象徴たる魔術宝具。水晶のような眼球に、四角い瞳孔。虹彩は凝固している。億にいたる網膜の細胞はその悉くが第六架空要素(エーテル)でできている。
 魔力がC以下ならば無条件で石化、Bでも判定次第では石化する。Aの者は石化できないが、全能力を1ランク下げる『重圧』をかけられる。
 石化されるとライダーが目を閉じても治らない。が、ライダーが鏡を見て自己封印・暗黒神殿で魔力を封じると解除され、初期段階ならば人体の魔術抵抗でじきに回復する。ただしその場合、ライダーは魔力のみならず一時的にだが視力まで落ちる。


キュリア(人名)
 アトラス院の保管委員。


強化(魔術)
 初歩にして極めるのは至難とされる魔術。
 存在意義を強化するもので、刃物なら切れ味、食材なら栄養度、メイドなら萌え度が増す。曖昧なモノを曖昧に強化することはできない。生物には自分の魔力を通しにくいため、他人を強化することは最高難易度といわれている。
 魔力を通して対象の存在を高める全ての魔術の基本だが、その自由度の高さからか明確な実行形式が決まっておらず、オールマイティーな強化使いは少ない。
 これは既に完成したものに手を加えることと同じであり、失敗すると魔力は対象にとって毒となる。成功させるには内部構造を把握し、あいている部分に魔力をこめる。
 衛宮士郎はこれを応用して木の枝から弓を作る、破れたサッカーボールを修復するなど、物体の形を変えることができる。


狂化(技能)
 バーサーカーのクラス別技能。理性と引き換えにパラメータをランクアップさせる。
 B:パラメータをランクアップさせるが、理性の大半を奪われる。
 C:幸運と魔力を除いたパラメーターをランクアップさせるが、言語能力を失い複雑な思考ができなくなる。


教会(組織)
 聖堂教会のこと。“普遍的な”意味を持つキリスト教会の中の『異端狩り』が特化して巨大な部門、組織になったもの。単に『教会』とも。世界最大の組織であり、人間を外れた者たちの最大の敵。厳格ではあるが非道ではなく、悪魔祓いには拒否権がある。
 神の教えを説く彼らは、その教義に反したモノたちを認めていない。教義にない“異端”という存在を表向きでは無いものとして扱うが、中には熱狂的に排斥しようとする者達がいた。ただし魔は彼らの神と表裏一体であるために認めている。
 代行者と呼ばれる悪魔退治を擁し、すべての異端を消し去り、人の手に余る神秘を正しく管理するためだけに機能する。奇跡は選ばれた聖人のみが学ぶものという彼らは、魔術が公になった場合それを正義のもとに処罰し、魔術師の研究成果をも焼却するというスタンスをとり、当然のことながら魔術を隠匿する魔術協会とは折り合いが悪く、いままで幾度となく刃を交えてきた。
 現在は魔術協会との間で協定が結ばれ、仮初めの平穏を謳っているが、記録に残さないことを前提に現在でも殺し合いをしている。もっとも、彼らにとって最大の敵は吸血種であり、魔術協会とは時に協力もする。
 様々な管轄に分かれており、聖遺物の管理・回収を任とする第八秘蹟会、卓越した戦闘者である代行者、各教会が保有する騎士団、聖堂教会本部が隠し持つ埋葬機関などがある。


強化ニンニク・ヨヒンビン・マカ DX(用語:hollow)
 ライダーが衛宮士郎にプレゼントした栄養剤、というか精力剤。毒々しいラベルが印象的。
 ちなみにヨヒンビンとは西アフリカ産アカネソウ科の植物ヨヒンベの皮に含まれるアルカロイドで、血管を拡張させ性欲中枢の反射興奮性を亢進させるもの。マカは『天然のバイアグラ』の異名を持つペルー原産のアブラナ科の植物で、標高4000メートル以上、年間平均気温7度以下という過酷な環境下で栽培される。
 士郎の精力(血?)をつまみ食いした詫びという意味ではバッチリ。


共感(技能)
 他者と同一化する能力。感応と違い、対象からのフィードバックがある。


共感知覚(魔術:Zero)
 魔力の経(パス)が繋がった契約者の知覚を共有する魔術。共有の対象である契約者の同意がなければ行使できない。


強制(魔術)
 ギアス。呪いとしては最上級であり、おいそれと人にかけられるモノではない。条件を破った場合には金縛りにあう程度で、命に関わる強制はできない。


共融(用語・能力)
 対象と命を共有すること。
 遠野秋葉は殺された志貴に自らの命を分け与え、遠野四季は処罰されたときに志貴の命を半ば奪い取ってかろうじて生存していた。
 遠野志貴はミハイル・ロア・バルダムヨォンのかすかに残った人格と共融している。


極死・七夜(用語)
 きょくし・ななや。七夜という一族の最秘奥。


偽・螺旋剣(宝具)
 →カラドボルグU


斬り抉る戦神の剣(対人宝具:hollow)
 逆光剣フラガラック。バゼット・フラガ・マクレミッツの宝具。ケルトの光の神ルーが持つとされる短剣で、持ち主が手をかけるまでもなく鞘から放たれ、敵が抜刀する前に斬り伏せるといわれる。
 使用しないときは鉛色の石球の状態で、ひとつにつき一発限りの使い捨てである。使用時は皮手袋をはめ、使用後にはその手袋はほとんど消炭になってしまう。使用準備段階ではバゼットの背後に浮遊している。それが解放されると短剣のような刃が現れ、そこには切っ先のほうから順にアルギズ、ザガズ、ゲボのルーンが刻まれている。
 これは何千年もの時を乗り越えてきた数少ない宝具の現物。能力は単純な光弾だが、魔力充填だけでは発動せず、相手の切り札が発動しなければ目覚めないというカウンターに特化したもの。発動後は必ず相手より早くフラガラックを叩き込む。時を逆光する一撃であり、宝具の打ち合いであればまず負けることはない。
 この剣が真に斬り抉るものは敵の心臓ではなく、両者が相討つという運命。『後より出でて先に断つもの』という二つ名のとおり、因果を歪ませて自らの攻撃を先にしたものと書き換えてしまう。よっていかに威力があろうといかに速かろうと、これが放たれればあらゆる宝具をキャンセルできる、究極の迎撃礼装。しかしランサーの宝具である、すでに貫いているという事実を作ってから放つ『刺し穿つ死棘の槍』はキャンセルされることがない。
 重ねて言うが、これは『宝具』ではなく『切り札』に反応するものである。その条件を満たさずとも任意での使用はできるが、その場合には特殊効果は発動せず、単純にCないしDランクの宝具として扱われる。
 またこれを受けたセイバーの傷が点、ランサーの傷が線状にずたずたになっていたのは威力の違いではない。いわばレーザーであるフラガラックの軌道がずれないで通り抜けたか、通り抜ける途中で軌道がずれたかの違いである。
 フラガラックのもととなる球は鉱石にバゼットの血をたらし、秘密の技法で一ヶ月地下室に置いておくことで製作できる。作れる本数は一年に十本ほど。
 ちなみに。じゃんけんでもこの条件に該当し、後出ししても先出しになる。


霧島(人名:hollow)
 穂群原学園副生徒会長。衛宮士郎らの一年後輩で、柳洞一成の教え子のようなもの。女性。


気流制御(魔術:Zero)
 詳細不明だが、風を操るものだろう。さほど難しい術ではない。


ギルガメッシュ(人名/サーヴァント)
 身長182p。体重68s。
 第四次聖杯戦争でセイバーとともに最後まで残った言峰綺礼のサーヴァント。クラスはアーチャー。この世で初めて脱皮した蛇の抜け殻の化石を触媒として遠坂時臣に召喚され、契約した。
 お金持ちであることが特技。権力が好きで蛇が苦手。自分のことは好きであり苦手でもある。魂の色が黄金であることから、“黄金”と称される。なお魂の比重は数十万人に匹敵する。敵サーヴァントが有名であればあるほど、伝承を持てば持つほど有利になる『英霊殺し』。
 古代メソポタミアのウルクに君臨した人類最古の英雄王。この世の全てを所有したといい、彼が持つ財の総量は既に彼の認識を超えている。親友のエンキドゥが死んだことにショックを受けて不老不死を探求したが、折角手に入れた不老不死の薬を蛇に飲まれる。三分の二が神、三分の一が人間。
 本人の対魔力は大したことはないが、金に飽かして凄い武装を揃えている為にほとんどの魔術は効かない。ちなみに黄金の鎧とそのときの髪型はセイバーに会うために気合を入れているため。
 未だにこの世界の全てを所有していると思っているので非常に横暴。他者を『雑種』と呼び、ただ『多い』というだけで人間を殺す。殺す理由はそのほかに生の苦から救うためというのもある。人が人を殺せば罪に迷うため、自分以外の者が人を殺めることを良しとしない。
 これだけだと一見悪人のようだが実際は彼なりの美学があり、ヒーロータイプ。自分と権力が好きで自分と蛇が苦手。「慢心せずして何が王か」とは彼の言。だが第四次聖杯戦争当初は慢心こそあれ、油断は一切ないパーフェクト英雄王だった。所有物の所有権を自由に移すことができる。
 王らしく宴を好む。が、それは快楽を求めて集う人々の醜態を愉しむためであり、参加者たちがハイになって堕落した後は弛緩した彼らをニッコリ笑ってオーバーキルする。
 傲慢なる生を好む。彼にとって倣岸には二種類あり、一つは器が小さすぎる場合、一つは望みが大きすぎる場合で、彼は後者を好む。セイバーも後者に属する。
 造形ではなく人生に関する黄金率を持っており、一生金には困らない。
 宝具は『王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)』と『乖離剣・エア』。よくわからない宝具(?)『全く簡素な試練(ブルワーカー)』で体を鍛えるという。本来剣士ではなく、ゲート・オブ・バビロンで宝具の原型となった“武器”を展開し、弾丸とすることからアーチャーとなった。またその火力はサーヴァント五体分以上である。
 第四次聖杯戦争においてはアーチャーのクラスに据えられて単独行動のスキルを得たため、時臣の意向などお構いなしに終始経路を断って勝手気ままに冬木市を闊歩していた。また気位が高いため、時臣が共感知覚の魔術で感覚に割り込むのを拒否した。遠坂時臣と契約している最中でも冬木教会に、ひいては言峰綺礼の私室に入り浸っていた。よく綺礼と対話をして彼がその一般道徳から外れた娯楽を見定めるのに一役買い、時臣がアインツベルンと条件付の休戦協定を結んだ直後に綺礼と結託して時臣を裏切った。
 第四次聖杯戦争当時は宝とは即ち我のものである、という理論で聖杯は自分のものだとしていた。だが特に聖杯にかける願いがあるわけではなく、己の財を狙う賊に裁きを下す、つまり己が敷いた法のために聖杯戦争を戦っていた。彼が真面目に聖杯を求めていたならば第四次聖杯戦争は一夜で終結していただろうが、たかが願望機に本気になるなど大人気ないという油断慢心により勝利を逃すことになった。
 第四次聖杯戦争中にライダーの思いつきで開催されたアインツベルン城での三人の王の酒宴に、神代の美酒を振舞った。第四次聖杯戦争中にセイバーに恋をし、求婚したが拒絶される。
 初戦での因縁からバーサーカーの抹殺を公言していたが、その真名がランスロットであることを知ってからは『セイバーにぶつけるのも一興』と許容するようになる。
 冬木市民会館で聖杯に辿り着くセイバーの前に立ちはだかるが、聖杯の器が破壊されたことで不安定化した黒い太陽から漏れた泥を総身に浴び、泥に分解吸収された。しかしこの世全ての悪を以てしてもギルガメッシュを消化することは叶わず、泥が異物を結晶化させて破棄したために受肉して現世に帰還した。この時アンリマユへの吸収を脱しながらも、桜ルートで食われてしまったのは、前者が本体から切り離された泥であり、後者が本体に繋がったままの影であったことからくる威力の差である。
 聖杯戦争終結後は言峰が孤児を使って魔力を補給していたので第五次聖杯戦争まで十年間ずっと現界している。だが聖杯の中身を浴びた時点で現世に受肉しているので、魔力の補給などは必要なかった。
 第四次聖杯戦争終結後はこの世界でトラブルを起こさないために、ある宝具(おそらく若返りの薬)を飲んで性格と容姿を変えていた。
 佐々木小次郎と戦った場合は力量の差から剣技での戦いはしないと思われる。仮に燕返しの間合いに入ったとしても、鎧で防ぐか王の財宝から対多重次元屈折防具などを取り出して防ぐ。
 第三次聖杯戦争の再現たる四日間ではランサーとともにカレン・オルテンシアと契約していた。
 『今の状況は児戯に等しい。付き合っていられるか』と若返りの薬を飲んで幼年体になったのが金髪子供。マスターであるカレンに答えを教えてはならないと言われているため、士郎には謎めいたヒントを与える。どちらの姿でも子供好きで人気者。
 幼年体も当然本人であるが、青年体のギルガメッシュとはあまり接点はなく、他人のような感じらしい。幼年体は青年体とまるっきり逆の性格で、とにかく人懐こい、いい子。幼年体にとってこの世で一番理解できないのは成長した自分。であるが、やはり根本では同一人物である。子供たちのアイドル。セイバーはいまだ趣味ではなく、求愛対象ではない。幼年体での恋愛対象は三枝由紀香。
 幼年体では魔力がいまいち低いため大量の宝具を呼び出すことはできないが、その分うまく使いこなす。スキル・慢心がない。子ギルは最近は地味に花札も覚えたらしい。その名も王の凱旋(ロード・オブ・バビロン)。
 四日間の中で青年体のときに着ている腹丸出しの服は数少ない彼の正式な装束。一品モノであるので一つしかポーズが取れない。同じく青年体のときに使用する釣竿は試作段階で製造中止になった電動ガマ○ツ2006。取り巻きの子供にその父親からかっぱらわせたものである。
 unlimited codesでは偽りの聖杯の器となった間桐桜を殺し、セイバーを打倒して彼女に聖杯の中身の泥をかけて蹂躙した。
 アーネンエルベでジャンプを読んでいることがある。またセイバーの写真集をアーネンエルベの店内で堂々と読む。

 クラス別能力は以下のとおり。
 対魔力:E…無効化は出来ず、ダメージ数値を多少削減する。
 単独行動:A+…マスター不在でも行動できる。
 第四次聖杯戦争時のクラス別能力は以下のとおり。
 対魔力:C…二小節以下の詠唱による魔術を無効化する。大魔術、儀礼呪法など大掛かりな魔術は防げない。
 単独行動:A…マスター不在でも行動できる。ただし宝具の使用など膨大な魔力を必要とする場合はマスターのバックアップが必要。
 保有スキルは以下のとおり。
 黄金率:A…大富豪でもやっていける金ピカぶり。一生金には困らない。
 カリスマ:A+…ここまでくると人望ではなく魔力、呪いの類である。
 神性:B(A+)…最大の神霊適性を持つが、彼自身が神を嫌っているのでダウンしている。


ギルガメッシュ・ネイキッド(用語:hollow)
 「慢心せずして何が王か」と臆面もなく言い放つギルガメッシュが王の驕りを脱ぎ捨て、一生に一度の本気を出した状態。人類最古の大英霊。


キルシュタイン(人名/死徒)
 カリー・ド・マルシェが以前名乗っていた名前。空櫃。
 1999年にインドのカルカッタでシエルの初仕事として討伐されかけたが、最後の願いとしてシエルにカレーを食べさせた。そしてカレーに開眼したシエルに見逃される。


緊急極秘通信用猫踏んじゃった式圧縮言語(用語)
 ネコアルクが用いる、この世のものとは思えない不協和音にシックスセンスを覚醒させかねない中毒性を含む言語。


近所プリンセス(用語:氷室の天地)
 衛宮士郎らが2年生のときの夏ごろに予約受付中だったゲーム。


金羊の皮(宝具・技能)
 アルゴンコイン。コルキスの秘宝で、とても高価。
 これ自体にさしたる能力はないが、地に放ると竜が現れるという。もとは金羊の皮を守護していた竜が、いつしか金羊の皮に呼ばれるものに成り代わった。精霊が宿っている。
 第五回聖杯戦争におけるキャスターが所有するが、彼女には竜召喚技能がないので使用不可。



  


グィネヴィア(人名)
 →ギネヴィア


グール(用語)
 食屍鬼、あるいは屍食鬼。
 吸血鬼に血を吸われ、かつその血を送り込まれた吸血鬼の適性がある者が遺体として埋葬されてから数年経ち、脳髄が溶けて魂が肉体という檻から解放されたモノ。自らの欠けた肉体を補うために他の遺体を喰らう。


空間遮断(魔術)
 魔法の域に達した結界。荒耶宗蓮は閉じられた輪(メビウス・リング)に両儀式を閉じこめたが、その『無限』を無限たらしめている『有限』を見つけ出されて脱出された。


空間転移(魔術)
 高次元を経由して一瞬のうちに移動する魔術。アーチャー曰く魔法の真似事らしい。純粋な空間転移は魔法とされる。
 荒耶宗蓮は自らの体内と等しい小川マンションの中でのみ可能とする。


空想具現化(能力)
 マーブル・ファンタズム。自然(世界)の触覚である精霊・真祖が自己の意思と自然を直結し、確率に干渉して意図的に自分の思い通りに世界を改変する能力。
 術者が世界(自然)の一部であるため、自身の思い通りの世界を作り得るが、自然から独立したもの(たとえば人間)は操作できず、間接的に干渉するしかない。動物なら操作可能。また、精霊の規模により具現レベルには差がある。
 限定解除したアルクェイド・ブリュンスタッドなら山中に町を一つ出現させることも可能。だが、人の手が多く入ったところではまず壊してから創り上げるので時間がかかる。
 世界上にある別世界ではない異界や隠れ里、常春の国はその異界の主である精霊が描いた空想世界であるため、人間が迷い込むことが可能。千年城ブリュンスタッドは空想具現化の産物。
 死徒の中では唯一スミレが空想具現化を使える。


空想電脳(対人宝具:hollow)
 ザバーニーヤ。おそらく第三次聖杯戦争に参加したアサシンの宝具。脳を丸ごと火薬に変えて体を吹き飛ばすもので、第三次聖杯戦争の再現たる四日間の中でバゼット・フラガ・マクレミッツの頭を吹き飛ばした。頭を掴む左手が宝具であろうか。


久我峰(家名)
 遠野の分家の中でも最も格式が高く、分家でありながら本家を上回る財力を持ち、遠野グループの1/3は久我峰の息がかかっている。ゆえに遠野家もぞんざいには扱えない。
 異能としての血は薄い。男は肥満体質だが、女性はそれはまあ美人だとか。


久遠寺(家名:魔法使いの夜)
 もともと魔術師の家系ではない。魔術師の血を持っていたのは久遠寺有珠の母である。
 資産家である久遠寺の長男は留学先で一人の魔女と出会い、彼女を愛した。彼女もその求愛を戸惑いながらも受け入れていたが、同時に恐れもあった。どんなに祝福されようとも生まれてくる娘は魔女であるからである。彼女がそうであったように、魔女の子供は例外なく一族の血と歴史を受け継ぐ宿命を持っている。
 魔女にとって父となる男性は情を移してはならないものであり、互いを愛すれば愛するほど結末は不幸になる。それを承知の上で久遠寺の長男は彼女を娶り、日本に戻って幸せな家系を築いた。だが有珠の出産後に母は役目を終えたように死去。父は周囲の反対に耐えながら娘を深く愛し、数年後に他界。一人になった有珠は両親と暮らした洋館だけを相続し、母と同じように魔女として生きる道を選んだ。
 蒼崎とは母親が日本に帰化する際に関係を持った。有珠と蒼崎橙子は十年以上の付き合いだが、青子とはまだ一年だけの共同生活に過ぎない。


久遠寺有珠(人名/魔術師:魔法使いの夜)
 現代に隠れ住む魔術師。魔女。永遠の令嬢。孤独で束縛され、頑なに誇りを守る、時代に取り残された少女。歳を取ることができない。割と病んデレで自傷系。とある事情から故郷イギリスを離れ、日本の地方都市に住み着いた。
 生まれる前から魔女であることを義務付けられていたため、十六歳にして魔術師として完成している。童話をモチーフにした呪術、薬学を得意とするワンダーランド系の魔女。魔術世界においてすら神秘と噂される特殊な使い魔の所有者。蒼崎青子と同じ現代の魔術師に見えるが、実際は真逆の位置付けの存在。信じたことはひたすら胸に秘める浪漫主義者。
 プロイキッシャーと総称されると思われる使い魔を持つ。それは童話の怪物、第一の欠片、アリスマーダー、グリムイーターの四つと思われ、物理法則を餌として稼動する破格の使い魔とされる。また同一のものかは不明だが、四つの神秘と呼ばれるものも保有する。それは第一の神秘が青いコマドリ、第二の神秘がネコ鈴、第三の神秘がシックス・スィング・チョコレイトと名付けられた箱、第四の神秘がテムズトロルと名付けられた巨人。
 人間的な感情が乏しく、魔術師としての生き方を絶対としている。日常生活はあくまで『正体を隠して魔術を行う』のが魔女としてのあり方だから続けているに過ぎない。古より伝わりし魔女としての教えと誇りが彼女にとっての絶対不可侵のルールであるため人間らしさを臭わせる道徳や感情は不要としている。しかしその時代の社会にそれなりに適応するのが魔女のスタンスと教えられているので、魔法使いの夜の時代(1980年代後半)では歳相応に学校に通っていた。人間的にも性能的にも達観者なので一番強いが、在り方としては一番弱い。
 蒼崎青子の友人にして共犯者、魔術における先生にして相棒。この関係は有珠の側からも同じようなもの。基本的に人間嫌いで、青子とは立場上仕方なく関わりを持ったに過ぎないが、いつの間にか青子の唯一の友人になっていた。
 街に棲む魔術師として青子とともに外敵を撃退するが、極力父の形見である久遠寺の別荘に執着して閉じこもり、あまり外に出たがらない。
 平均的な高校に通っていた青子とは違い、お嬢様学校である礼園女学院に通っている。なお三人目の同居人は青子と同じ学校に通っており、それについては本人もよくわからない感情があるらしい。なおその三人目は徹底的に無視し、一日でも早く出て行ってもらおうとしていた。
 蒼崎橙子とは十年以上の付き合いだが、青子とはまだ一年だけの共同生活に過ぎない。有珠にとって橙子はよき理解者、青子は友人といったところ。どちらとも仲がよいが、蒼崎姉妹の殺し合いのような姉妹喧嘩を止める気はないようだ。


久遠寺屋敷(地名:魔法使いの夜)
 久遠寺有珠、蒼崎青子、静希草十郎が暮らす屋敷。
 エントランスに電灯はなく、天井は二階までの吹き抜けとなっており、明かりは窓から射し込む光だけ。
 一階の東側がサロン、二階の東の端の二部屋が蒼崎青子の部屋。裏庭に出る通路や厨房、食堂、遊戯室など、大抵の施設は東側にある。浴室は階段の裏。ロビーの電話は調子が悪く、変な囁き声が聞こえるので真っ当でいたいなら使わないほうがいい。西棟は久遠寺有珠のテリトリーで、勝手に入ったら不思議の国に迷い込むという。


久我峰斗波(人名)
 くがみね となみ。久我峰の当主のエロオヤジ。お人形さん愛好家で、相手の尊厳をとことん屈服させて従順な下僕にしないと愛着をもてない。結果より過程を楽しむタイプ。盗撮癖があり、遠野家に滞在していたときは翡翠を困らせてばかりいた。遠野志貴には好感を持っているようで、志貴も無碍には扱えない。
 温厚そうな小太りの中年男性だが、本性はドス黒く陰湿で野心家というとんでもない男。変態。適度な小物。盗撮マニアで女体(女の子、ではない)大好き。本当は秋葉より翡翠のほうがタイプで、遠野の屋敷に逗留していた理由の大部分が翡翠めあてだった。
 遠野槙久が勝手に決めた遠野秋葉の婚約者だったが、秋葉が当主になると婚約は解消された。


クキール・キーマタタール(仮名)(人名)
 メシアンのシェフ。必殺のインド古武術の威力はムトゥ500人分。


葛木宗一郎(人名)
 身長180p。体重70s。出身国不明。
 私立穂群原学園2年A組の担任教師。担当は現代社会と倫理。生徒会顧問。無口で厳格、社会の規律が人のカタチになったかのような人物。余計なことは言わず、悟りきった聖人のような男。凄まじい拳法の使い手だが、それは独学のもの。過去に殺人を犯している。七夜のような集団の一員だった。魔術師ではないが、消えかけていたキャスターを助けて契約する。
 二年前に冬木市にやってきて柳洞寺の住職に気に入られ、住職の厚意で柳洞寺に住んでいる。なお柳洞寺山門にいる佐々木小次郎は普段霊体になっているため、葛木は存在を知らない。
 融通の利かない性格で、一つ誤字があっただけで試験を中止するほど。藤村大河の茶飲み仲間だが、お茶をしている間に一言も喋らなかった。彼の味噌汁は昆布出汁の白味噌であるらしい。
 彼の技は『蛇』と呼ばれる。彼はそれを二千万円と二十年の時間をかけて完成させられた、たった一度の要人暗殺のための道具。それをこなしたあと、命じられた自決をすることなく暗殺のために与えられた教職という地位を利用し、普通の生活を始めた。教員生活はそれ以来五年続いた。暗殺のための訓練により『感動する心』が死んでいるため、周りの人々からは強い人だと思われている。
 人並みの感情を亡くした彼だが、冬木市に来てからは慎ましくも正月は祝っていた。それが真似事でも、カタチから入る事で生まれるものがあると思ったからである。
 大聖杯に選ばれた魔術師ではないので無論のことだが、令呪はない。hollow ataraxiaにつながるルートでは攻めてきたギルガメッシュに佐々木小次郎とともに倒され、絶命する。セイバールートでも同様と思われる。
 彼は卓越した拳法の技量を持つが、本来は奇襲必殺の暗殺者であるため『蛇』が通用するのは初見の相手に対してのみ。
 キャスターと戦った場合にはまあ惚れた方の負けということでキャスターが自滅する。真面目に戦闘した場合にはまず戦いにならない。なぜなら葛木は気付かれる前に即死させ、キャスターは戦闘が始まれば圧倒的火力で敵を葬るという、初撃を取ったほうが問答無用で勝つという前提戦だから。
 バゼット・フラガ・マクレミッツと戦った場合には、初戦こそ葛木がやや有利だが、二戦目にはバゼットがほぼ完勝。これは葛木が奇襲必殺の暗殺者であるのに対しバゼットは人間が考え鍛え上げた格闘技のエキスパートであるためで、才能重視のサーヴァントよりも早く蛇に対応できる可能性があるからである。ただし、バゼットが葛木は一般人だからと甘く見てしまいあっさり倒されてしまう可能性もある。なお初戦であっても一戦のみ、かつ闇討ちという条件ならば葛木が強い。
 hollow ataraxiaでは、彼の部屋=キャスターの部屋にはいくつもの箪笥と一升瓶で作られたボトルシップなどが置いてある。キャスターとは書類上は結婚しているが、挙式はしていない。
 なお彼が属していた組織を七夜のような集団と書いたが、七夜のように血族ではなく、また殺害対象は混血ではなく人間、しかも要人である。彼らを用いるのは数少ない特権者。
 人里離れた森で生産される暗殺の道具は生まれてから完成するまで十メートル四方の森から出ることなく、ただひとつの技能を磨き続ける。とはいえ、いずれ来る機会のため人間としての知識も学習させられる。
 生産する側の者たちの住居は廟と表現され、そこには命に背いた者が生きたまま解体される、生産者に恥をかかせた者が脳を動物に移植される、子供の肉詰め水槽があるとされるが、葛木がそこに行ったときには一点の染みもない白いところだった。しかしそのような残忍な行為は確かに行われていた。
 彼らが武器を用いず徒手空拳の技を使うのは、暗殺対象である要人に接近しやすくするためである。またそのために暗殺決行時に怪しまれないだけの強固な社会的地位が用意される。
 そして鍛え上げられた技能を以て生涯最初で最後の暗殺を成し遂げた後は命じられたままに自決することを命じられている。


屈折延命(能力)
 不死系の特殊能力を無効化する神性スキル。ハルペーの最大の特質。


工藤(人名:hollow)
 穂群原学園の三年生(衛宮士郎らと同級)で弓道部員。


窪田(人名:hollow)
 穂群原学園陸上部の槍投げの選手。


久万梨金鹿(人名:魔法使いの夜)
 くまり こじか。
 蒼崎青子らが通う高校の生徒。生徒会会計。青子とは一年生からの友人。
 愛らしい容姿とは裏腹に大抵の物事には動じないクールな性格。同い年の男子の馬鹿さ加減にうんざりしているからか、男子への受け答えは辛辣。朴訥を絵に描いたような静希草十郎でさえ『善人すぎて胡散臭い』と評する。


クラス(用語)
 役割。
 聖杯戦争のサーヴァントの分類のこと。7騎のサーヴァントそれぞれが異なるクラスに該当するため、必然的にクラスも以下の7つとなる。
 セイバー(剣の騎士)
 ランサー(槍の騎士)
 アーチャー(弓の騎士)
 ライダー(騎乗兵)
 キャスター(魔術師)
 アサシン(暗殺者)
 バーサーカー(狂戦士)
 この中で特にセイバー、ランサー、アーチャーの三騎士は魔法が数多く跋扈していた神代の英霊が多く、その対魔力は現代の魔術師では傷一つ負わせられないほど。
 7つのクラスの中でセイバーが最もバランスがよく最優といわれる。基本的にクラスは上記のものだが、場合によっては変動する。絶対枠として固定されているのはセイバー、ランサー、アーチャーの三騎のみであり、他のクラスはマスターが特殊な場合などに変動する。ただし一度の聖杯戦争で同じクラスの重複召喚は不可能。第三次聖杯戦争ではアインツベルンによりアヴェンジャー(復讐者)のサーヴァントが召喚された。


久米原(人名:hollow)
 穂群原学園の三年生(衛宮士郎らと同級)で弓道部員。


クラブサンド粗塩ライム風味(用語:AATM)
 アーネンエルベのメニューを翡翠がアレンジしたもの。これを食べた蒔寺楓が死にかけた。


グラム(武装)
 魔剣・太陽剣グラム。“王を選定する岩に刺さった剣”カリバーンの原型である“支配を与える樹に刺された剣”。北欧最大の英雄シグルドが所持する栄光と破滅の剣。最強の聖剣に匹敵する最強の魔剣。竜殺しの特性を備えており、竜の化身たる騎士王の天敵といえる武器。
 ヴォルスング王の大樹に突き立てられていた剣をシグムンドが抜き、その後シグムンドの息子であるシグルドが父から受け継いだ剣の破片を打ち直して出来た。
 後に編纂された『ニーベルンゲンの指輪』ではシグルドはシグムンド、グラムはバルムンクと名を変えている。


グランスルグ・ブラックモア(人名/死徒・魔術師)
 Gransurg Black-more
 オーストリアに居を構える、死徒二十七祖の十六位。黒翼公。月飲み。鵬。本名不明。出身も名前も長い年月の末に破却した。グランスルグもブラックモアも、ともに彼の在り方から付けられた異名に過ぎない。魔術師が研究の果てに吸血種になったもので、魔術でもある固有結界ネバーモアを持つ。死徒サイドと魔術師サイドに理解のある吸血鬼。
 多くの眷属を有し、大掛かりな儀式には欠かさず足を運ぶ社交的な大吸血鬼。だが、どうにも他の祖たちからは疎遠に扱われている。というのも、ブラックモアに血を吸われた人間はみな鳥の頭と翼を持つキメラとなるからであり、彼自身も人としての体裁を保たない姿をしているからである。しかしブラックモアに言わせれば人の姿をしている時点で他の死徒たちこそ優雅さに欠ける。
 黒翼公という肩書きは現在の死徒の王たる白翼公トラフィム・オーテンロッゼと対比したもので、皮肉である。最初にして高貴たる白い翼の君とは似ても似つかぬ黒い羽の獣使い、というのが死徒世界におけるブラックモアの扱い。その反面、実力、歴史ともに白翼公に比肩する死徒であるため、面と向かって彼に皮肉を言えるのは二十七祖の上位くらいのもの。
 生前の彼は鳥を神聖視する魔術師だった。鳥のフォルム・内部構造を溺愛し、鳥こそこの星の王であると謳い、彼らのためにより住みやすい世界を作り上げようと生きていた。魔術世界において鳥は死後の魂を運ぶものとして扱われており、鳥を己の魔術基盤におくグランスルグは優れたソウルキャリアーだった。しかしその偏執が朱い月に見初められたのか、戯れに戦いを挑まれ、敗北。魔術も並、保有する血にも目を引く要因がなかったためあっさり殺されるはずだったのだが、最後の最後である偶然に助けられた。その偶然をよしとした朱い月はグランスルグを見逃し、血袋としては用を成さないが、以後は自分付きの魔術師として生きよと命じた。
 人間としては破綻しているものの礼節を重んじていたグランスルグは心身ともに朱い月に忠誠を誓い、自らの手で死徒化の道を歩む。やがて吸血鬼となった彼は『主に仕えるのでしたら、それに相応しい姿になりましょう』と自らの姿を鳥に変貌させていった。
 朱い月に仕えていた頃の彼は死徒というよりも使い魔で、よく朱い月のために働いたという。彼は二十七祖たちが真祖たちから離反した後も朱い月に仕えていたが、朱い月がキシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグによって霧散したあとは死徒として自立した。当時の16位のその居城に堂々と攻め入り、この一族を壊滅して以後はブラックモアと名乗るようになる。朱い月存命時から二十七の一つと認められていたため、他の祖もこの襲名を認めてブラックモアはようやくその本来の能力に相応しいタイトルに落ち着くこととなった。
 この襲撃の際に使われた固有結界がネバーモア。宙を覆う死羽の天幕、月も星も飲み込む絶対無明の死の世界である。
 “―――気をつけたまえ。
  我が夜に舞う鳥たちは、死者にのみ厳しいぞ――“
 こう宣言し、ブラックモアは一つの祖とその派閥を壊滅させた。一切の流血はなく、城壁も庭園も、カーテンすら傷つけることなく百を超える吸血鬼たちを皆殺しにしたのである。
 あまりにハタ迷惑なため既に教会に封印されている。現在の姿は全長数キロに及ぶ巨大なカラス。
 死徒でありながら死徒にのみ強力な能力を有する。狂言回し的なトリックスター。the dark six(あるいは月姫2)においては祖としての誇りよりも朱い月の威厳を守る為に参戦する。また実力は化物ぞろいの月姫2でもトップクラスに位置する。
 メレム・ソロモンはブラックモアを朱い月に忠誠を誓う者同士生涯の友とまで思っているが、ブラックモアからすればメレムの恋慕を交えた忠誠というのは我慢がならないものである。それでもメレムと争わなかったのは彼が闘争を起こすのは主の教えを忘れた死徒を正すときか、主の願いに沿うときだけだから。


グランド(用語)
 王冠。魔術協会における階位で、最上位にあたる。


クリス(人名:Zero)
 グレン・マッケンジーとマーサ・マッケンジーの子。オーストラリア出身。
 父グレンの日本赴任当時には小学生で、グレン夫妻とともに日本に移住する。日本暮らしにもそれなりに馴染んでいたが、自らのルーツへの愛着から自分の子供はオーストラリアで教育したいと望んでいた。結局子供が生まれて間もなくクリス一家はトロントに再移住。両親との交流も次第に疎遠になり、今ではほとんど音信不通も同然となっている。


グリムイーター(用語:魔法使いの夜)
 詳細不明。久遠寺有珠の使い魔の一つか。


クレイモア対人地雷(用語/武装:Zero)
 M18A1クレイモア。
 米軍が使用する指向性対人地雷の一つ。本体は湾曲した箱状で、地面に埋設することはなく、二対の二脚で立てたり木にくくりつけたりして使用する。
 幅約216mm、奥行き約35mm、高さ約83mm、重量約1.6kg、最大加害距離は約250m、有効加害距離は約50m、加害範囲は60°、最大仰角・俯角ともに18°。価格は一個250ドルといわれている。
 直径1.2mmの鉄球が約700個と炸薬代わりのC4、雷管が内蔵されており、起爆すると爆発により内部の鉄球が扇状の範囲に撒き散らされる。鉄球一発あたりの威力は約50〜60フットパウンドとされ、これは小銃弾(強力な空気銃)の威力に相当するため一発でも当たれば大きなダメージを与えられる。
 爆薬を使う性質上、後方180°半径16m圏内は立ち入り禁止とされ、加害範囲外半径100mも危険区域とされる。
 ワイヤトラップと連動してワイヤの引張力によって起爆するほか、リモコン操作による起爆も可能。ただしワイヤトラップによる起爆は接近する人員を無差別に殺傷できるため対人地雷禁止条約による規制対象となる。
 小型で軽量のため歩兵個人で携行でき、運搬にはこれが二つ入る専用のバッグを使用する。大規模部隊の侵攻や拠点防御等に絶大な威力を発揮する。
 衛宮切嗣がアインツベルン城においてケイネス・エルメロイ・アーチボルトの迎撃に使用した。


グレートキャッツビレッジ(地名)
 通称GCV。ネコたちの仮初めの楽園。不思議な不気味な猫の王国。この世のどこにでもあり、どこにもない地底王国。
 この世は偉大なネコが見ている夢であるという教えのもと、人間社会と寄り添って存在している。路地裏に入り口があり、メルヘンハートを持つダメ人間のみがその入り口を開くという。名所に地獄が腹がある。
 ネコアルクたちは悪の都パンゲアのモデルなのでは、と噂している。ある偉大な猫が見た夢なのでは、ともいわれる。メルティブラッドでは登場するたびにランクが下がっていくが、正式にはビレッジである。(キングダム→ビレッジ→コテージ→カンパニー)
 科学力は人類史でいうところの石器時代に相当する。
 AATMでアルクェイド・ブリュンスタッド、セイバー、両儀式、遠野秋葉らにより掃討された。MELTY BLOOD Actress Againでは有間都古一人によって壊滅している。


グレートビッグベン☆ロンドンスター(俗称)
 →ロード・エルメロイU世。


紅赤朱(用語)
 くれないせきしゅ。ヒトならざるものの血を引く者が血の力を最大に引き出した状態。決まって赤い蜃気楼のような靄に包まれ、ヒトに戻れなくなる。遠野家を首座とする一族以外では先祖還りという。
 混血として汚染度が高い遠野秋葉は紅赤朱になる可能性が高い。琥珀ルートで髪を真紅に染めているが、実は紅赤朱ではなく成りかけで、人の血と鬼の血をなんとかコントロールしている状態。元に戻ったわけではなく、なんとか人よりの自分に切り替えているだけである。
 ただし秋葉ルートでは知性を失い、遠野志貴の血を吸い続けている。
 当主は必ず紅赤朱になるといわれる軋間だが、現在の当主(というより唯一の生き残り)である紅摩はそれに近づいているだけでまだ紅赤朱になっていない。


グレン・マッケンジー(人名:Zero)
 マーサ・マッケンジーの夫。耳が遠い。
 第四次聖杯戦争当時72歳。オーストラリア出身。家の屋根の上で星を眺めるのが好き。
 若い頃、やり手の商社マンとして家族を連れて日本に赴任し、あまりにも冬木の風土を気に入ったために永住を決意。脱サラして貿易商を立ち上げる。経営手腕は堅実だったが、商売人として大成するには欲がなさすぎたため、以来40年大穴も当てず倒産もしなかった。老後の蓄えが出来た時点で会社を人手に譲り、現在は英会話学校の非常勤講師などをやりながら慎ましく安穏と暮らしている。
 赴任当時に小学生だった息子のクリスもそれなりに日本暮らしに馴染んではいたが、自らのルーツへの愛着を捨てられず、自分の子供はオーストラリアで教育したいと望んでいた。結局孫が生まれて間もなくクリス一家はトロントに再移住。グレン夫妻との交流も次第に疎遠になり、今ではほとんど音信不通も同然となっている。
 第四次聖杯戦争の際にウェイバー・ベルベットによりウェイバーが孫であるという暗示をかけられたが、そのお粗末な暗示を破り、第四次聖杯戦争の途中からウェイバーが本当の孫ではないと看破していた。しかしウェイバーとライダーの素性も目的も詮索することなく、ただもうしばらくそのままの関係を続けて欲しいと望んだ。


黒い影(用語)
 サーヴァントを殺すもの。聖杯の中身。“孔”からこちら側に漏れているもの。欠陥品の聖杯から漏れたモノ。外見は黒い泥のようなもの。
 また上記のものが間桐桜の無意識(イド)を借りて現界したもの。アンリ・マユ。自身を完成させるために糧となる人間の魂を喰らい続ける。間桐桜の影。
 聖杯の中身であるためにサーヴァントを食うので、サーヴァントは絶対にかなわない。また、正体は反英雄アンリ・マユであるために純正の英雄は触れられただけで正気を失う。反英雄はその影響が少ないものの、結局完全な反英雄ではないために魔力を奪われるなどの影響を受ける。
 通常攻撃は一切効かず、出会ったが最後、殺されるか勝手に消えるのを待つしかない。魔力を吸い続け、爆発的に広がる。それに触れると人間は肉体が消失する。
 第五次聖杯戦争後に崩壊した大聖杯の底に溜まっており、そこにはまるとエルキドゥをもってしても容易には脱出はできない。ギルガメッシュがはまったときの衛宮士郎の見立てでは、助けなければ一年間くらいは脱出できないとのこと。


黒い銃身(武装)
 ブラックバレル。『天寿』を表す概念武装。不死身のものに寿命の概念を叩き込み、不死性を失わせて倒す。
 どうやら二つ存在しているようで、シエルが持ち出したものは教会に保管されているほう、シオン・エルトナム・アトラシアが使用するバレルレプリカのオリジナルはアトラス院に展示されている。
 また月姫世界と共通点の見られるnotes.では封印区アトラシアでオリジナルとレプリカが発掘され、銃神はオリジナルを使用した。月姫世界と共通化は不明だが、notes.においては基本的に曲銃床を用いるライフル型をしており、各種オプションを換装することで狙撃銃としても使用可能になる。


黒い大地(用語:MBAA)
 ワラキアの夜を倒すために真祖が呼び寄せた、この星の未来。錬金術の始まりにして終着。
 オシリスの砂が演算し、運び込んだ。


玄木坂(地名)
 くろきざか。
 冬木市の新都の地名で、蝉菜マンションがある場所。


グロック拳銃(用語/武装:Zero)
 オーストリアのグロック社製自動式拳銃のこと。久宇舞弥が使用した。作中では『グロッグ』と表記されるが、綴りは『Glock』であるため『グロック』のほうが正しい。
 強化プラスチックを多用しており、軽量。そのため極端な気温下でも握れないほど冷却したり過熱したりすることはなく、膨張や収縮も少ない。なにより安価である。
 この拳銃は撃鉄と撃針が一体となったストライカー方式で、外部に露出する撃鉄は存在しない。
 通常の拳銃のようなセイフティではなく、トリガーセイフティを採用している。これはトリガー前方にあるレバーを一緒に引かないとトリガーを引けない機構である。ほかにトリガーを引いたとき以外のファイアリングピンの開放を防ぐドロップセイフティ、ファイアリングピン(撃針)を常にロックして暴発を防ぐファイアリングピンセイフティを搭載しており、優れた安全設計で知られている。
 この安全装置によりシングルアクションなみの軽いトリガープルでダブルアクションオンリーを実現し、初弾と次弾の間のトリガーストロークに差がないことも命中精度の向上につながっている。また銃身が低くセットされていて全体のバランスがよいことも評価されている。
 安価で頑丈、しかも安全であるため、シリーズを合計すればアメリカ国内だけでも警察組織を中心に約4000機関が採用しており、約50ヶ国の軍に採用されている。日本でも海上保安庁SSTがサイドアームとして採用しているらしい。
 発売当初はプラスチックを多用していることからX線検査に写らないハイジャック犯の銃という誤解に基づいた報道がなされたが、プラスチックの部品は強度的に問題のない部分に使われているのみでバレルやスライド、そもそも弾薬自体が金属製であるのでちゃんと引っかかる。ただし銃の全体像がぼやけるのは事実であったため、後にフレームにX線造影剤を添加して全体がX線検査に写るようにした。
 同じグロックでも世代によりフレームが異なる。第一世代はグリップ全面梨地加工でチェッカーなし。第二世代はグリップ側面梨地加工で前後面チェッカー。第三世代はグリップ側面梨地加工で後面チェッカー、前面はフィンガーチャンネルつき、スライドトップ下にフィンガーレスト、アンダーマウントレールつき。
 ほとんどのモデルにマグナポート(スライドや銃身と一体化した(それらに穴を開けた)コンペンセイター)を装備したモデルが存在し、それらはナンバーのあとにCがつく。さらにマグナポートに加え、エクステンデットスライドトップ、エクステンデットマガジンリリースレバー、アジャスタブルサイト、ターゲットトリガーをつけたCCモデルも存在する。
 スタンダードモデルはG17、G20、G21、G22、G31、G37。コンパクトモデルはG19、G23、G25、G32、G38。サブコンパクトモデルはG26、G27、G28、G29、G30、G33、G39。
 2007年には第三世代の大口径モデルがベースの『SF(Slim Frame)』仕様が発表された。2009年現在、フルサイズのグロック20SFとグロック21SF、サブコンパクトモデルのグロック29SF、グロック30SFが発売中。
 2009年には、SFと同じく第四世代と噂された『RTF(Rough Texture Frame)』が登場した。鰓のようなセレーションに改められた新奇なデザインのスライドなど、外観から賛否両論となっている。2009年5月の時点でRTFは9mmパラベラム仕様のグロック17RTFと、.40仕様のグロック22RTFが発売されている。
 使用弾薬が9mmパラベラムだったことから、グロック17、グロック17L、グロック18、グロック19、グロック26、グロック34のいずれかと思われる(Zero/materialによれば『多分おそらくモデル19』とのこと)。

Glock 17
 軍用プラスチック製品会社としてオーストリア軍とも繋がりが深かったグロック社が初めて開発した拳銃。1980年ごろに開発が開始され、1983年にオーストリア軍に『Pi80』の制式名で採用された。グロックシリーズの中核を成すフルサイズモデル。
 グロック17はPi80の民生用モデルとして1982年にヨーロッパで販売された。空前のベストセラー拳銃であり、民間のみならず公的機関でも幅広く使用されている。
 グロックは従来の手動のセイフティやハンマーが無くセイフアクションと呼ばれる3つの安全装置とスライドを引く操作でストライカーをわずかにコックするという変則ダブルアクションオンリーのトリガーからなる機構を備えている。これらにより、シングルアクション並みの軽いトリガープルのダブルアクションと、発砲の際に意識して操作するのはトリガーだけという極めつけのシンプルさを実現し、同時に安全性をも兼ね備えた優れものとなっている。
 強化ポリマー製フレームは弾性のためグリップを強く握ると少々たわんでしまうが、極端な気温下でも握れないほど冷えたり過熱したりすることがなく、膨張や収縮も少ない。更に錆びないので手入れが簡単で安価である。
 発売当初は玩具的なデザインで敬遠されたが、優れた安全設計と特殊な強化プラスチックによる軽量さで次第に普及した。
 グロック17の登場以降、他社も一斉にポリマーフレームの銃を開発するようになった。性能においてグロックシリーズを超えるものもあるが、20年以上の実績に裏打ちされたグロックの人気は崩れそうにない。
 ちなみにグロック社初の銃なのに何故モデル番号が「17」なのかは謎で、装弾数17発からだとか、この銃で獲得したパテントが17件だからなど、様々な憶測が飛び交っている。
 全長186mm。重量625g。装弾数17/19/31+1。

Glock 17L
 Glock 17の競技用ロングスライドモデル。Glock 34の発売により現在は生産が終了している。
 全長225mm。重量748g。装弾数17/19/31+1。

Glock 18
 Glock 17にオーストリア国家憲兵隊の精鋭対テロ部隊であるGEK COBRAからの要請によりフルオート機能を搭載したモデル。
 外観はほぼGlock 17と同一だが、スライド左後方にセミ/フル切替用スイッチがあり、バレル上方には射撃反動を抑えるコンペンセイター用のガスポートが設置されている。ただし小型でコントロールが難しいため、フルオート射撃の際の命中精度は全く期待出来ない。
 初期のモデルではバレルが1インチほど延長されて、スライドから飛び出した部分にガスポートが設けられていた。しかしこのガスポートが破損する問題が出たため、改良型の18Cではバレル長がスタンダードサイズに戻され、スライド前部上面にガスポートのための穴がくり抜かれた。
 この銃を含め、フルオート拳銃は悪用されると危険なため、公的機関のみの販売で民間には流通していない。しかしクラスVフルオートウェポンディーラーの手によりGlock18のスライドを乗せたGlock17がカスタムモデルとしてごく少数流通しており、マシンガン所持資格の厳しい審査を通り抜ければ、手に入れることも可能。
 全長186mm。重量620g。装弾数17/31+1。連射速度1200発/分。マガジンエクステンションを装着すると装弾数が2発増える。

Glock 19
 1988年に登場した、Glock 17のコンパクトモデル。Glock 17をコンパクトに収め、ユーザーからの要望をもとに細かい修正を加えたグロック第二世代の銃。装弾数は減ったが手頃な大きさでユーザーに親しまれ、1995年により小型なグロック26が登場するまでグロック社の人気商品だった。
 発表された年にスウェーデン陸軍で「P88B」の制式名で採用されたのを皮切りに、ニューヨーク市警に警官用として4万挺が導入されたほか、ドイツのGSG9にも採用されており、国連では保安要員の銃として採用されている。欧米人に比べて小さい日本人の手にも充分馴染む大きさであり、日本のSATでも採用されているとも言われる。
 現在は他のグロックモデルと同様、マウントレールを装備した第3世代の仕様に更新されている。ちなみに.380ACP仕様のG25のみショートリコイルが用いられておらず、ストレートブローバックで作動する。
 全長174mm。重量595g。装弾数15/17/19/31+1。

Glock 24
 Glock 17Lと同じくコンペティションモデルに分類される、6インチバレルの競技用ロングスライドモデル。G37は2003年に登場した新しいモデルで、グロック開発の新型弾「.45GAP」仕様となっている。
 全長225mm。重量757g。装弾数15/17/29+1。

Glock 26
 1995年に開発された、Glock 17の切り詰め型モデル。グロックシリーズの中でも最小のサブコンパクトというカテゴリに相当し、Glock 19よりも小さい。
 当時アメリカでは連邦攻撃武器規制(AWB/Assult Weapons Ban)が発効しており、11発以上の装弾数を持つマガジンの民間向けの製造・所持が禁止されていたが、これは装弾数を10発に抑える代わりにサイズを最大限切り詰めて携行性を高めたものである。
 主に護身用やバックアップ用として発売されたが、メインアームとしても通用する性能を持っている。そのため軍や警察機関の関係者が私服任務や非番時に携行することが多い。ただ、あまりに小型なためロサンゼルスなどの銃規制が厳しい地域では販売が禁止されているらしい。
 AWB失効後はエクステンションマガジンが登場した。
 全長160mm。重量560g。装弾数10/1215/17/19/33+1。

Glock 34
 Glock 17LをシューティングマッチにおけるIDPA(実際に遭遇しうる場面を想定した実戦的な射撃競技)というレギュレーションに合うように小型化、改良を加えたマイナーチェンジモデル(プラティカル・タクティカルモデル)。これにより17Lの生産は終了している。
 この頃からグロックシリーズは第三世代に移行し、フラッシュライトなどの各種アクセサリーを取り付けるためのアンダーマウントレールが装備されている。
 全長207mm。重量650g。装弾数17/19/33+1。

Glock 37
 2003年に登場した新しいモデルで、グロック社が開発した新型弾『.45GAP』を使用する。
 全長186mm。重量735g。装弾数10+1。

モデル

全長

重量

口径

装弾数

発射形式

連射速度

製造国

グロック17

186mm

625

9mm×19

17/19/33+1

S

-

オーストリア

グロック17L

225mm

748g

9mm×19

17/19/33+1

グロック17RTF

9mm×19

グロック18

186mm

620g

9mm×19

17/33+1

S/F

1200発/分

グロック19

174mm

595g

9mm×19

15/17/19/33+1

S

-

グロック20

193mm

785g

10mmAUTO

15+1

グロック20SF

10mmAUTO

グロック21

193mm

745g

.45ACP

13+1

グロック21SF

.45ACP

グロック22

186mm

650g

.40

15/17+1

グロック22RTF

.40

グロック23

174mm

600g

.40

13/15/17+1

グロック24

225mm

757g

.40

15/17/29+1

グロック25

174mm

570g

.380ACP

15/17/19+1

グロック26

160mm

560g

9mm×19

10/12/15/17/19/33+1

グロック27

160mm

560g

.40

9/11/13/15/17+1

グロック28

160mm

529g

.380ACP

10/12/151/17/19+1

グロック29

172mm

700g

10mmAUTO

10/15+1

グロック30

172mm

680g

.45ACP

9/10/13+1

グロック31

186mm

660g

.357

15/17+1

グロック32

174mm

610g

.357

13/15/17+1

グロック33

160mm

560g

.357

9/11/13/15/17+1

グロック34

207mm

650g

9mm×19

17/19/33+1

グロック35

207mm

695g

.40

15/17+1

グロック36

172mm

570g

.45ACP

6+1

グロック37

186mm

735g

.45GAP

10+1

グロック38

174mm

685g

.45GAP

8/10+1

グロック39

160mm

548g

.45GAP

8/10+1


クロンの大隊(用語/組織)
 聖歌隊。バルトメロイ・ローレライが指揮する、無個性という個性で統一された魔術師集団。完璧に統制の取れたその在り方は魔術師というよりも軍隊に近い。
 大隊を名乗りながら構成人員は僅か五十人。しかしこれは誇称などではなく、むしろ謙虚であるとさえいえる。なぜなら彼ら一人一人が魔術協会において一部門を任されるに足る一流の魔術師であるからである。


グングニル(武装)
 大神宣言。北欧の主神オーディンが持つ槍。


軍略(技能:Zero)
 第四次聖杯戦争におけるライダーのスキル。一対一の戦闘ではなく、多人数を動員した戦場における戦術的直観力。
 自らの対軍宝具の行使や、逆に相手の対軍宝具に対処する場合に有利な補正が与えられる。
 B…第四次聖杯戦争におけるライダー。



  


ケイ(人名:hollow)
 サー・ケイ。アーサー王ことアルトリアの義兄。剣の腕ではアルトリアに敵うべくもないが、弁が立ち管理能力に優れる。アルトリアが彼と剣の訓練をすると試合には勝つが最後には口論になり、勝負には負ける。
 寝食をともにしたのでアルトリアが女性だと知っていたが、マーリンから口止めされていたため秘密は生涯守り通した。


ゲイ・ジャルグ(対人宝具:Zero)
 →破魔の紅薔薇。


芸術審美(技能:Zero)
 第四次聖杯戦争におけるキャスターのスキル。芸術作品、美術品への執着心。
 E-…芸能面における逸話を持つ宝具を目にした場合、ごく低い確率で真名を看破することができる。


ケイネス・アーチボルト・エルメロイ(ケイネス・エルメロイ・アーチボルト)(人名/魔術師)
 Kayneth El-Melloi Archibald。
 身長181cm。体重62kg。血液型B。4月11日生まれ。
 かつての時計塔のロードの一人。故人。後のロード・エルメロイU世が魔術師見習いとして彼の門派であるエルメロイ学派に所属していた。
 特技は絵画・彫刻・工芸。自分が好きで愚か者が苦手。天敵は衛宮切嗣。降霊学科では最年少で講師の座に着く。学究の才だけでなく政治的手腕も巧みで、家門の良さゆえに有力なコネも多数ある。ゆくゆくは時計塔内の最大派閥を形成するものと嘱望されていた。
 生前は時計塔における降霊科の一級講師だった。名門アーチボルト家の九代目当主であり、降霊科学部長の娘ソラウ・ヌァザレ・ソフィアリとの結婚を取り付け、若くして講師の座を得たエリート中のエリート。属性は風と水の二重属性。降霊術のみならず錬金術、召喚術など様々なジャンルに通じるエキスパートで、その出鱈目な多才ぶりは平賀源内か曹操か、という有り様だった。神童。アーチボルトの魔術刻印は両肩にある。
 幼少の頃から特別な努力をしたわけでも並外れた目的意識を持っていたわけでもなかったが、その成果はいつでも他者より立ち勝っていた。それによって自他共に彼は天才であると認識し、ゆえに驕りも誇りもせず当然のように天才であり続け、神童と呼びならわされた。
 研究畑の人間でありながら恐ろしく剣呑な礼装を準備していたのは単純に趣味の産物である。月霊髄液以外にも呪術戦、幻術戦に特化した礼装を多数用意していたが、切嗣による冬木ハイアット・ホテル爆破解体により大多数が失われた。
 彼にとってはあらゆる事柄が彼の支配下にあったため、予期せぬ不都合や偶然によって目論見が外れることは許しがたい冒涜と感じる。侮辱には倍返しをする。偏執的な癇症持ち。
 ソラウには将来への執着などの打算よりも恋愛感情が優先しており、そのために彼女に対してはあまり強い態度に出ることができない。
 第四次聖杯戦争におけるランサーのマスター。聖杯戦争に参加した理由は切迫したものではなく、魔術師としての栄誉のため、要するに自らの経歴に武功も欲しくなった程度のことでしかない。令呪は右手の甲にある。本来は征服王イスカンダルを召喚するつもりだったが、そのための聖遺物を教え子であるウェイバー・ベルベットに盗まれたため、新たにディルムッド・オディナの聖遺物を用意して召喚した。イスカンダルに言わせれば、彼のマスターはともに戦場を駆け抜ける者こそふさわしく、姿をさらす度胸さえない臆病者など役者不足もいいところ。
 マキリが作り上げた契約システムの魔力供給のパスと令呪による束縛のパスとを分割し、令呪のパスを自分に、魔力供給のパスをソラウに結びつけるという天才ならではの荒業をやってのけた。
 自らのサーヴァントであるランサーの『騎士としての面目を果たせれば良い、聖杯は譲る』という言葉に不信感を抱いていた。海浜倉庫街でセイバーとの尋常の立会いを望むランサーに、セイバーと戦うバーサーカーを援護させるため第一の令呪を使用した。
 冬木ハイアット・ホテルの最上階を丸ごと借り上げて工房としたが、衛宮切嗣によってホテルごと爆破解体されてしまう。それは月霊髄液によって無事に脱出することができたのだが、それ以後は新都の製材所かなにかの廃工場に居を構えることとなってしまう。
 アインツベルン城に乗り込んだ際に衛宮切嗣の魔弾によって全身の神経と魔術回路、筋肉と内蔵を破壊された。ランサーの救出によって一命は取り留めたが臓器の再生しか間に合わず、たとえ時間をかけて治癒をかけても立って歩けるまでの回復は望めないほどだった。また魔術回路が壊滅し、二度と魔術の行使ができなくなった。ただ腕はリハビリ次第でなんとかなるかもしれない。
 その後、ランサーに恋心を抱いたソラウに半ば強制的に令呪を取られてしまった。彼自身は再起不能と思われたが、エルメロイ家の人脈を辿って日本在住の優秀な人形遣いに渡りをつけ、莫大な謝礼と引き換えに両腕の機能を取り戻した。
 キャスターが召還した大海魔とセイバー・ライダー・ランサーの戦いの後で冬木教会に出向き、言峰璃正から令呪を一画譲り受けた。その直後に他のマスターに追加の令呪が渡ることを防ぐため璃正を射殺した。殺害にわざわざ拳銃を使用したのは切嗣が犯人であると偽装するためであった。
 ソラウが拉致されたと知ってひたすらランサーを罵倒し、彼の騎士道を完膚なきまでに否定しつくした。その後、彼の隠れ家である廃工場でセイバーとランサーが戦っているときに衛宮切嗣が拉致したソラウと自己強制証文を用いた策略にあい、自分とソラウの命を守るため仕方なくランサーを自害させる。だが、自己強制証文による戒律は『衛宮切嗣がケイネスとソラウに害を及ぼすことを禁止』したものであったため、直後に久宇舞弥によってソラウともども射殺された(死に切れなかったため、見かねたセイバーが首を刎ねて止めを刺した)。
 英霊を使役するサーヴァントでさえ彼にとっては数ある礼装の一つ程度の認識でしかなかったようだ。英霊の人格を認める気が毛頭なかったが故にディルムッド・オディナの忠義に最後まで理解を示すことが出来ず、結果として自滅同然の敗退を遂げる。尤もディルムッドにもマスターとして自分の忠義を受け止めてくれる相手なら誰でもよかった節があり、ケイネスの人柄と向き合っての相互理解を怠っていたのは事実。
 だがサーヴァントとの信頼関係を築けなかったことはケイネスにとって二番目の不運にすぎず、ぶっちぎりに一番の不運は衛宮切嗣と巡り会ってしまったこと。魔術師としての位階は切嗣よりはるかに勝りながらも、殺人者としては切嗣に及ぶべくもなく、聖杯戦争という殺し合いにおいての敗退は必定であった。
 彼らの必勝パターンは『サーヴァントに戦場の誉れだとか騎士の誇りだとかを意識させず、聖杯戦争は汚れ仕事の処理業務だと常に諦観させておく』『前述の条件のためセイバーとの接触は極力避ける』『戦場においては常に退路の確保を最優先とし、必滅の黄薔薇を一撃したら目的達成と見做し撤退。これを繰り返して敵対各チームの消耗を待つ』『他サーヴァントに対し強敵でありながらランサーだけが相性関係で優位に立てるバーサーカーチームを活用する。可能ならば最終局面までバーサーカーを生存させて他チームの殲滅を任せ、その後討ち取るのが望ましい』というもの。
 彼の突然の死によって彼が時計塔で積み重ねてきた多くの貴重な研究は未整理のまま放置され、その成果が散逸してしまうところだった。だが一番無能だった一人の元弟子が『魔術の実践はからきしだが理論の再解釈と系統分類は天才的』という妙な才覚を持ち合わせていたことで、最終的には『ロード・ケイネス秘術大全』という一冊の魔道書に編纂され、全ての秘術はアーチボルト家の管理下へと戻されて後の家門の繁栄を磐石のものとした。


ゲイ・ボウ(対人宝具:Zero)
 →必滅の黄薔薇。


ゲイボルク(宝具)
 第五回聖杯戦争におけるランサーことクー・フーリンの宝具。影の国で手に入れた『貫く物』。禍々しい形状をしており、呪いを内包している。“刺し穿つ死棘の槍”と“突き穿つ死翔の槍”の二通りの使い方がある。
 因果を逆転させる“原因の槍”。つまり先に心臓を貫いたという結果を作り、その後に心臓を貫くというものだが、この効果は“刺し穿つ死棘の槍”でしか発揮されない。これで刺された者はこの世にゲイボルクが存在する限り決して回復できず、死に至るまで傷を背負うことになる。それを回避することはよほど幸運でない限り不可能。
 一説には威力を増すために足を使って投げていたといわれ、その投擲法こそが『ゲイ・ボルク』であるとされている。
 その原型は北欧の主神オーディンの『大神宣言(グングニル)』。


ゲイ・ボルク(対人宝具)
 →刺し穿つ死棘の槍。


ゲイ・ボルク(対軍宝具)
 →突き穿つ死翔の槍。


ゲート・オブ・バビロン(対人宝具)
 王の財宝。第四回聖杯戦争におけるアーチャーことギルガメッシュの宝具。黄金の都に繋がる鍵剣。空間を繋げて宝物庫の中にある道具を自由に取り出せる。使用者の財があるほどに強力になる。
 また、この宝物庫に納められている武器はギルガメッシュが生前に集めた『すべての宝具の原型』である。


GAME CLUB SAGE(地名:氷室の天地)
 冬木市にあるゲームセンター。


結界(魔術)
 内と外を分けるもの。それ自体で完結した結界を作るにはまず自身を完成させなくてはならない。
 土地、建物などのもとからあるものに手を加える、魔力で編んだ網を土地に張ってその内部に手を加えるなどの、いわば地形魔術。基本的に設置するものなので動かすことは不可能だが、荒耶宗蓮は七つもの静止の結界を『連れて』いた。
 本来は聖域を守る境界線だが、効果があるのが境界線のものと結界内のものがある。結界内での効果は千差万別だが、ここ数百年は術者を守るモノとして定着している。もっとも攻撃的な効果は結界内における生命活動の圧迫。結界内の人間を攻撃するものであっても個人に対する魔力干渉は間接的なものになるため、魔力で自身を守っている魔術師には効きにくい。


月刊ワールドミリタリー(用語:Zero)
 第四次聖杯戦争におけるライダーが購読したミリタリー雑誌。


ゲッセバルネ(人名:MBAA)
 ゲッセバルネ枢機卿。リーズバイフェ・ストリンドヴァリに目をかけていた。


月霊髄液(礼装:Zero)
 ヴォールメン・ハイドラグラム。
 ケイネス・エルメロイ・アーチボルトが持つ数多の礼装の中でも最強の一品。流体操作を一番の得手とするケイネスが編み出した独特の戦闘魔術。
 普段は陶磁製の壷に入れて重量軽減の術をかけて持ち歩いているが、実際の重量は140kg近くある。量は10リットルほど。
 魔力を充填した水銀に多種多様な行動パターンを記憶させ、状況に応じた最善の反応を取るよう設定したもの。戦闘用ゴーレムの一種と言えなくもない。物理エネルギーとしての破壊力においてはケイネスの武装の中でも最強であった。探索、攻撃、防御のそれぞれに優れた性能を誇る。
 攻撃においては鞭、槍、刃と自在に瞬転し、切れ味はレーザーすらも凌駕する超高圧水流カッターと同等でありチタン鋼からダイヤモンドまで切り裂けない物質はない。
 防御においては、自律防御モードではケイネスに害を及ぼさんとする事象すべてに反応して即座に(その事象を凌ぎうるだけの)超剛性の防護膜を張り巡らせる。魔力により圧搾された張力と剛性はまさに鋼鉄も同然で、厚さ1mmにも満たない膜でクレイモア地雷から吐き出された2800発もの鉄球をことごとく弾き、冬木ハイアット・ホテルの倒壊から簡単に守るほど。もちろん術者の任意の形態で防御することもできる。
 索敵においては本体から枝分かれした触手が極度に敏感な触覚によって空気振動を判別して聴覚とし、気温の変化から熱源を察知することが可能。
 月霊髄液の多機能性は万能兵器と呼ぶに相応しいが、所詮は自動機械であり、これらのすべてに弱点がある。
 攻撃においては水銀が鞭状の形態を取るときに猛スピードで駆動するのはその基部のみで末端には力がなく、刃先の威力とスピードは遠心力によるものであるため、接近戦の心得が充分にあるならば軌道を容易に読むことができる。これは圧力によって操られる水銀の特性で、充分な力を発揮できるのは体積のある部分だけであることからくる。
 自律防御ではケイネスに害を及ぼさんとする事象に最適な形状に変化するため、突発的にそれ以上の威力があるものを叩き込めば突破できる。これは流体力学の限界として薄く延びた液体に瞬間変形を遂げるだけの圧力をかけることが不可能なため。
 索敵においては視覚、嗅覚、味覚があるわけではないので、心拍音と呼吸音、体温を人間のそれとわからないくらいにごまかすことで知覚されなくなる。
 要するに行動パターンを見切られてしまうと対処されやすいということ。また操作に費やす魔力は形態の複雑さに比例するのでなるべく単純な形態を維持する必要があるが、一旦液圧をかけにくい形態に変形してしまうと次の動作は反応速度、パワーともに著しく劣化する。衛宮切嗣との戦闘の最後に取ったウニ型変型は防御力と機敏さを両立させうる形態だったが、それに費やす魔力負担は相当なものだったろう。
 後のロード・エルメロイU世はこの月霊髄液を改良進化させて多機能メイドゴーレムとして使役しているとかいないとか。簡単な家事雑役をこなせる程度の思考力を持つものの、時折自分のことを未来から来た殺人兵器だと主張して暴走するバグがあるらしい。よほど情操教育に有害な映画でも見せたのだろうか。


気配遮断(技能)
 気配を絶つ技能。アサシンのクラス別能力。
 A+:サーヴァントとしての気配を絶つ。完全に気配を絶てば発見することは不可能に近い。ただし自らが攻撃態勢に移ると気配遮断のランクは大きく落ちる。
 D:サーヴァントとしての気配を絶つ。


ケリィ(俗称:Zero)
 幼少時の衛宮切嗣のアリマゴ島での通称。アリマゴ島の住人たちには『キリツグ』という発音ができずに『ケリトゥグ』になってしまい、それを省略したケリィが定着した。


ケリトゥグ(俗称:Zero)
 『切嗣(キリツグ)』のアリマゴ島住民による発音。


ケルベロス(用語:氷室の天地)
 蒔寺楓が折った折り紙の題名。形状は三つ首の鶴。


ゲロス(人名:hollow)
 セイバーをサッカーに誘った少年。至近距離からのシュートを腹で受けて嘔吐したことからつけられたあだ名。リーガ・エスパニョーラのトリスタンに憧れている。
 ボールを怖がらないのでキーパーが得意だが、本人はフォワードをやりたい。とはいえ一点も入れたことはないが。


幻影の夏(用語)
 ワラキアの夜による三咲町の一度目のタタリ。
 これは月姫本編の一年後で、歌月十夜と同時に起こるため、幻影の夏と歌月十夜は二者択一となっている。


原罪(武装)
 メロダック。“王を選定する岩に刺さった剣”カリバーン、“支配を与える樹に刺された剣”グラムの原型となった剣。


賢者の石(用語:MBAA)
 オシリスの砂がタタリを用いて作り上げたもの。冥界の砂。命の水(アクア・ヴィタエ)。アトラスおよび錬金術の基本にして最秘奥。
 あらゆる苦痛、あらゆる病、あらゆる死、そして吸血鬼化さえも癒す命の水。水とも砂ともとれない赤い鉱石。砂のように細かく、宝石のように輝き、命のように甘い記憶媒体。
 原料は人間の血液。霊子演算機ヘルメスを稼動させるには全人類の血液から練成した賢者の石が必要。
 直死の魔眼で視ると、賢者の石は死の線だけでできている。


原初の悪魔(用語)
 詳細不明。
 月姫、Fate、空の境界、DDDの中で(サーヴァントを除き)アルクェイド・ブリュンスタッド、「両儀式」に次いで三番目に強い。なおORTが『単純に実力でいえば』最強とのことなので、様々な特殊能力を含めてのことと思われる。


幻想種(用語)
 神話・伝承などに見られる特異な生物。幻想の中にのみ生存するモノ。在り方そのものが神秘であるモノ。魔術が知識で力を蓄えるのに対し彼らは長い寿命で力を蓄える。存在そのものが神秘であるため、それだけで魔術を凌駕するとされる。
 外的要因により生態系が変化したモノ、人の想念より誕生したモノ、長寿により上の段階に上がったモノとがいる。
 種類としては妖精や巨人といわれる亜人、鬼や竜といわれる魔獣などがあり、中でも竜種は幻想種の最高位にある。竜を模したモノは分類に関係なく最優種とされる。竜種は三類の属性を備えているため、人と交わることも多かったようである。天馬はそう強力ではなく、成長しても魔獣クラス。
 野獣→魔獣→幻獣→聖獣の順に高位になり、使い魔として使役できるのは魔獣までとされている。
 長く生きた幻想種ほどこの世界から遠ざかるものなので、現在世界に留まっている幻想種は百年単位のモノ。千年クラスの幻獣・聖獣の類には魔術程度の神秘では太刀打ちできず、その神秘性から存在そのものが魔法と同格とされている。


元素変換(魔術)
 フォーマルクラフト。魔術の一種。沙条綾香曰く『頭の悪い魔術』。陽性の魔術。


限定解除(用語)
 リミッター解除のこと。遠野志貴がこの状態になると殺人貴になり、アルクェイド・ブリュンスタッドがこの状態になると何もない山中に町を具現化したり、千年後の月を具現化したりできるようになる。


限定礼装(武装)
 それ自体が魔術となる特殊な魔術品。術者の魔力を燃料にして起動し、定められた神秘を実行する礼装。魔力さえ流せば使用者が再現できない魔術であろうと実行できる。
 応用は利かないがその効果は絶大で、サーヴァントの宝具も大部分はこれに属する。



  


豪華客船(用語:MELTY BLOOD)
 マジカルアンバーが用意した、お星さま(スター)になるための罠(ふね)。爆弾を取り付けられた船ですらない、魚雷に椅子を載せただけのもの。


高雅瀬(人名)
 こうがせ(名前不明)。遠野秋葉の同級生で浅上女学園高等部生徒会書記。ビン底のような眼鏡をかけていて、マシンガンのごとく喋りまくる。無類のうわさ好きで学園内のゴシップには事欠かない。


甲賀忍法帖(用語:氷室の天地)
 穂群原学園図書室の蔵書。山田風太郎著。
 山田風太郎忍法帖シリーズの記念すべき第一作。甲賀卍谷と伊賀鍔隠れの死闘と、それに引き裂かれる甲賀弦之介と朧の愛を描く傑作時代小説。せがわまさきにより漫画化され、さらにそれがアニメ化された。なおアニメのオープニングテーマ曲は陰陽座の『甲賀忍法帖』であり、1番が編集なしで番組のオープニングである1分30秒丁度に作られている、歌詞は小説の内容を悲恋を中心に描いていると、まさに甲賀忍法帖という小説を音楽というフォーマットに落とし込んだ作品といえる。
 氷室鐘、三枝由紀香の両名はこの作品を読んだことがある。
 なお作中では『甲賀忍法“帳”』と表記されている。


高校(地名)
 遠野志貴らが通う高校。校名不明。
 朝のホームルームは8時に始まる。女子生徒の制服のリボンは学年によって色が違い、3年生(あるいはシエルの学年)は赤。
 学食のメニューで判明しているのはカレーライス、カレーうどん、力うどん。
 死徒ミハイル・ロア・バルダムヨォンの居城となった。オシリスの砂による二度目のタタリの際には、ロアのねぐらとして地下に巨大な鍾乳洞が現れる。


紅主(用語)
 遠野の当主が扱う武術のうち、赤主の上をいく禁忌中の禁忌。


紅洲宴歳館・泰山(地名)
 マウント深山商店街唯一の中華料理店。ちびっ娘店長こと魃さんが店長をしている。昼間からカーテンを閉め切っていて、初めての人はなかなかに近寄りがたい。その料理はとにかく異常なまでに辛い。
 ちなみに泰山とは泰山府君、つまり閻魔大王の住まう山。
 言峰綺礼は常連。


構造把握(魔術)
 衛宮士郎やアーチャーが得意とする、モノの構造を把握する魔術。これは特別なものではなく、魔術師であるのなら優劣こそあれ修得できる魔術である。
 これから解錠、修復といった魔術に派生する。


高速神言(用語・技能)
 呪文・魔術回路との接続をせずとも魔術を発動させられる。
 言葉が神秘の実現の大きな役割を果たしていた神代の言葉。それゆえに現代の人間には発音不能。これ自体が“神言”であるために、詠唱の括りには該当しない。
 A:大魔術であろうとも一工程(シングルアクション)で起動させられる。


紅茶専門店(地名:hollow)
 冬木市の新都にある紅茶専門の喫茶店。店名不明。値段がやたらと高い。アルコール類の注文は午後五時から。紅茶は厨房で妖怪じみた老爺が淹れる。
 ここのケニア茶とルワンダ茶のブレンドティーを飲んで、紅茶をただの色水と切り捨てていたキャスターが感動した。
 第三次聖杯戦争の再現たる四日間ではランサーがアルバイトをしていた。


工房(用語)
 魔術師の研究室。魔力を隠す機能は初歩の初歩。建物自体からも魔力がもれるらしい。魔力の遮断は当然で、周囲に異常を悟らせないことが基本。魔力で意思を得たモノが侵入者に襲い掛かることがある。工房を設置する建物は、あまり解放的な造りだと魔力が散逸するため不向き。構造材は石や土などで、閉鎖的な構造のものが適している。
 工房の目的は魔術の研究のみにとどまらず、防御のためではなく攻撃のため、つまりやってくる外敵を確実に処刑するためのものである。
 これを建設するにはその地を管理している管理者に許可をもらわねばならない。


抗魔術(魔術)
 物体に付与する付加効果。魔術回路の働きを乱して魔力を生成できなくし、魔術を使えなくするもの。


抗魔力(用語)
 魔術師に備わる催眠、呪縛、強制などという術者の行動を抑制する魔術を弾き返す力。これは魔術回路の外部からの魔力を弾く特性からなるもので、魔術の式が完成する前に乱されてしまうため数ランク下の魔術師ですら操るのは難しい。
 魔術師でなくとも魔術回路がある者ならば無意識に弾かれてしまうこともある。だが無効化できるのは魔力であり、完成した魔術はキャスター並みの膨大な魔力を持っていないと無効化できない。


降霊科(用語/組織)
 ユリフィス。時計塔における学部の一つ。ケイネス・アーチボルト・エルメロイが生前に一級講師を勤めていた。


ゴーストライナー(用語)
 幽霊に似たものと言えなくもないが、位置付けは段違いで使い魔としては最強とされる。


コーバック・アルカトラス(人名/死徒・魔術師)
 Couba*** Alcatraz(*は文字を読み取れない)。
 死徒二十七祖の二十七位。千年錠の死徒。魔術師が研究の果てに吸血種に成ったもの。メレム・ソロモン、ミハイル・ロア・バルダムヨォンと同じく神論者だった。
 自らの思想の終着である聖典トライテンを護るために誰にも侵入できない迷宮を作り、その中心から抜け出せなくなった。そのため、ここ数百年表舞台に出ていない。死徒二十七祖の中ではお笑い担当らしく、実力もまぁお笑い担当。現在の姿は南京錠で、独り言を言っている。
 キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグとは旧知の仲で、魔法使い一歩手前の大魔術師。


枯渇庭園(用語)
 アカシャの蛇、ミハイル・ロア・バルダムヨォンの子である弓塚さつきの固有結界。
 枯渇の名の通り、展開した空間の魔力を急速に減少させていく。遠野秋葉の略奪に似ているが、こちらは世界そのものにかかるものであり、また枯れていった魔力はさつきに還元されることなく消えてゆくのみである。
 攻撃に魔力を必要とする魔術師、生存に魔力を必要とする精霊などには天敵といえる地形効果。だが世界と切り離されつつある生物(マナをあまり使用しない人間)には劇的な効果はない。


刻印虫(用語)
 人為的に作られた三尸のようなもの。魔力を食い、宿主の存命を発信するだけの最低位の使い魔。
 間桐桜の体内にいるものは第四回聖杯戦争の折に採取された聖杯の中身を触媒に作られたもので、十一年間体内で育てられた結果、魔術回路じみた神経になって全身に行き渡っている。これは普段は停止していて何の影響もないが、ひとたび作動すれば神経を侵し魔力を糧に動き続け、魔力が尽きればその肉体を喰らう。その発動条件は『マスターとしての戦いを放棄すること』。


黒化(用語)
 聖杯の中身に汚染され、変貌すること。
 主にサーヴァントが黒化し、属性の性格が反転する。確かな使い魔として肉体を与えられるためにより強力なサーヴァントになるが、受肉してしまうため霊体に戻れなくなっている。


国藤(人名:月姫)
 こくとう。
 遠野志貴のクラスの担任である国語教師。


黒桐幹也(人名:空の境界)
 高校時代は式の同級生。黒桐鮮花の兄。顔立ちはわりと整っており、少し着飾ればかなり目立つだろうが身繕いは地味に黒一色でまとめている。
 大学に入ったものの、橙子の活人形にほれ込み、すぐに辞めて蒼崎橙子の伽藍の堂に就職した。出社してまずやることがコーヒーを淹れること。式と一緒に大学に行く約束をしていたために、そこを式に指摘されると弱い。
 温和で面倒見がよく、大抵の人に好かれる好青年。だがまるで逆の両儀式と出会い、以後は式と末永くやっていく。
 コルネリウス・アルバに両足を深く切られたり白純里緒に左目を潰されたりと肉体的には相当なダメージを負っているが、橙子による処置は一切施されていない。
 戦闘力としてはおそらく一番弱いが、心は一番強い。顔が広く、探し物と調べ物に類まれな才能がある。なぜかAMURAD工法を知っていたが、それについては誤解が含まれていた。
 ネコアルクとは知り合いで、池袋のワンニャンランドでお茶をするほどの仲。


極道沈没(用語:氷室の天地)
 Jポリスの『THE クイズ SHOW』のジャンル『オヤジ系まんが』のクイズの答え。


五大元素使い(称号)
 アベレージ・ワン。魔術協会において、属性が五大元素の者をこう称する。


古代ネコ言語(用語:ネコアルク)
 四大文明よりもさらに古く、地球空洞説の元になったのではと噂される超言語。簡単な言葉の中にも数式、思想、落語といった要素が含まれているらしい。
 色々と学説をうちたてられているが、要するに語尾に『にゃ』をつけるだけである。


黒鍵(武装)
 聖堂教会で使われる悪魔払いの護符。剣としての精度は低く、投擲専用の武装、つまり弾丸である。十字架を模していて、基督教徒だった死徒の体に無理やり人間の頃の自然法則を叩き込み、もとの肉体に洗礼しなおして塵に還す摂理の鍵。シエルのものは一本で通常の死徒ならば6度滅ぼしうる。
 代行者にとっては象徴的な武器にして基本武装だが、扱いが難しく物理的破壊力に乏しいことから愛用する者は少ない。
 彼らが『魔』と定義するモノの多くは霊体や現象なので、それを退ける黒鍵も霊的干渉力に重きを置いている。
 上級者もしくは選ばれた代行者の黒鍵の刀身は魔力で編まれたもので、携帯時は柄だけになる。シエルの黒鍵の刀身は聖書のページを展開し、魔力を通して物質化したもの。シエルは最大で百近い黒鍵を法衣の下に隠している。
 シエルは火葬・土葬・風葬・鳥葬式典を施したものを3本ほどまとめて鉄甲作用をつけて投げる。シエルが鉄甲作用で投げた黒鍵はアルクェイド・ブリュンスタッドを公園の端から端までごろごろと吹き飛ばし、コンクリートの壁を貫通する威力を持つ。


ゴッズ・ホルダー(俗称:hollow)
 伝承保菌者。バゼット・フラガ・マクレミッツの二つ名。彼女の家系の古い血を生かした魔術特性から。神代の神秘(ウィルス)を残しているという意味。


ゴッド・ハンド(対人宝具)
 十二の試練。第五回聖杯戦争におけるバーサーカーの宝具。
 神の祝福(呪い)によって与えられた不死性。自身の肉体を屈強な鎧と化し、ランクB以下の攻撃を全て無効化する。加えて、死亡しても自動で蘇生(レイズ)がかかる。蘇生のストックは十一回。よってバーサーカーは十二回殺さなければ消滅しない。
 一度受けたダメージを学習してそれを克服するための耐性を肉体に付加する効果がある。


ゴッド・ブル(用語:Zero)
 →飛蹄雷牛。


後藤劾以(人名)
 ごとう がい。
 穂群原学園2年C組。衛宮士郎のクラスメイト。通称、人間街頭演説車。C組の人間秘密兵器。
 前の晩に見たドラマに影響を受けて毎日のように言動が変わる。好きなドラマは暴れん坊将軍。
 強い我を持たぬ柔軟性の鬼。誰色にでも染まる鏡のようなトレス能力が武器だが、それだけに強者と対戦した場合には強くなるが圧倒的弱者と対戦した場合には釣られて弱くなり、自滅する。
 冬木空手道場の門下生。巨漢の冬木空手道場門下生の蹴りを完全にガードするほどの実力はあるが、美綴綾子には手も足も出ない。白帯。空手は映画(おそらくキルビル2)に影響を受けて始めた。格闘家では長島☆自演乙☆雄一郎が好き。
 2年A組の調理実習の際には自分のクラスの授業をほっぽって招聘に応じ、氷室鐘、沙条綾香、遠坂凛チームと美綴綾子、蒔寺楓、三枝由紀香からなる超人血盟軍の料理対決の審査員を務めた。もっとも超人血盟軍は自爆によりリタイアしたため、試食したのは氷室、沙条、遠坂の料理のみ。


ゴトウライド(用語:氷室の天地)
 後藤劾以が何らかの本の影響を受けてその登場人物になりきることのイメージ。
 トリックスターという創造を担う秘石を内蔵した次元転換解放機ディケイドライバーで2次元に封じられている本のエネルギーを3次元に解放し、自身に投影することで変身する。……わけではなく、単に後藤自身の極めて影響を受けやすい性格によるものである。


コトネ(人名:Zero)
 遠坂凛のクラスメイトだった少女。おそらく第四次聖杯戦争におけるキャスターと雨生龍之介の手にかかったと思われる。路地裏で死に掛けているところにカレイドステッキが契約を持ちかけてきたようだが、契約しなかったらしい。


言葉(用語)
 眼と並ぶ代表的な魔術回路。


言峰教会(地名)
 冬木教会の別名。


言峰綺礼(人名/魔術師・異端審問官)
 ことみね きれい。
 身長193p(第四次聖杯戦争時は185cm)。体重82s。血液型B。1967年12月28日生まれ。第四次聖杯戦争のアサシン及びアーチャーのマスターで、第五次聖杯戦争のアーチャー及びランサーのマスター。八極拳士。
 特技は鍛錬。好きなものは鍛錬で、苦手なものは独り酒。衛宮切嗣が天敵。辛いものが好き、というわけではなく、単に紅洲宴歳館・泰山の激辛マーボーが好きだとのこと。
 聖杯戦争の進行役として魔術協会から派遣された。聖杯戦争の騒ぎの隠蔽やサーヴァントを失ったマスターの保護などを行うが、マスターとサーヴァントを相手にできるほどの実力はない。また聖遺物の管理・回収を行う第八秘蹟会に籍を置いた代行者だが、シエルには到底太刀打ちできない。自身の魔術回路の開発は充分でなく、魔術刻印を持たない。
 父親である言峰璃正の巡礼中に生まれて幼少期から父言峰璃正の聖地巡礼に同伴し、1981年に二年飛び級、しかも主席でマンレーサの聖イグナチオ神学校を卒業。このまま進めば枢機卿にでもなりそうだったが、代行者に志願。一般の価値観から乖離した自分への怒りと絶望が彼を修行という名目の自虐へと駆り立て、その結果代行者というエリートまで上り詰めた。
 最終的に父と同じ第八秘蹟会に落ち着くが、それ以前には代行者を含めて三回所属を変えている。なお代行者には十代の頃になった。
 八極拳の達人。銃を照準されてから、射撃者の視線から弾道を、筋肉の緊張から発射のタイミングをはかって弾丸をかわすことができる。第四次聖杯戦争時に着用していた僧衣は分厚いケブラー繊維製で、代行者特製の防護呪札によって隙間なく裏打ちされているため9mmの拳銃弾程度ならば至近距離でも貫通できない。
 八極拳は璃正から精神修養の一環として教わっていただけだったが、代行者時代に血みどろの経験を積むうちに次第に我流の人体破壊術として歪んだ形に昇華してしまった。もちろん綺礼が理想としていた父の功夫とは程遠く、このあたりも若い頃は自分を許せずにいた。
 早熟といえるほど見識深かったが、普通の人間が美しいと思うものを嫌悪し、嫌悪するものを美しいと感じる欠陥者。しかし道徳を理解できないものの常識を備えており、青年期はその狭間で葛藤を続けていた。10年以上前に死病に冒された女性と結婚し子を為したが結局その欠陥を埋めることはできなかった。彼女の死を機に治療魔術を習得した。彼女との間に生まれたのがカレン・オルテンシアと思われる。
 第四次聖杯戦争の三年前に令呪を得、遠坂時臣と聖堂教会の計画により魔術協会に派遣という形で転属し、時臣に魔術を師事する。令呪を宿していることを秘匿し、三年の修業の後に令呪を宿したことを明らかにして時臣と決別したことになっている。
 第四次聖杯戦争においてはアサシンのサーヴァントを従えたが、それは単体にして群体である『百の貌のハサン』だった。第四次聖杯戦争では後にアーチャーを従えて戦い抜く。衛宮切嗣の資料を読み、その一見無軌道とも取れる殺戮の数々から切嗣もまた迷い人であると思い込み、『自分の空虚を埋められるかもしれない』と信じて対決を望んだ。
 その後アサシンのうちの一人ザイードを使って時臣を殺そうとするが、ギルガメッシュに返り討ちにあう。実際はザイードを殺させてリタイアを装い、時臣をサポートした。
 アサシンのサーヴァントを失ったあとにマスターを失ったサーヴァントが存在しないにもかかわらず、未使用のまま終わった二画の令呪が再配布された。再配布された部位は左の肘に近い上腕部。璃正から受け継いだ預託令呪は右腕全体にある。
 ケイネス・エルメロイ・アーチボルトにより璃正が射殺されたあと、彼が残した『jn424』というヒントに従いその死体から預託令呪を回収した。また璃正の後を引き継いで冬木市各所で事後処理をしていた聖堂教会スタッフのとりまとめを引き受けていた。ただしこれは正式なものではなく、第八秘蹟会からの正式な後任者を待つほどの余裕がなかったがための暫定的な処置である。
 時臣とアインツベルンの休戦協定の条件により国外退去となるはずだったが、ギルガメッシュとの対話により己の娯楽を見定め、時臣を裏切る。表向き国外退去する予定だった日に時臣からアゾット剣を贈られ、直後にそれで時臣を刺殺、ギルガメッシュと契約した。第四次聖杯戦争の半年後に行われた時臣の葬儀の際にそのアゾット剣を凛に贈った。
 間桐雁夜に『父の死は遠坂に責任があり、間桐の手を借りて時臣を処断したい』と共闘を持ちかけ、バーサーカーにアイリスフィール・フォン・アインツベルンを拉致させる。その後時臣の死体を使った策略で遠坂葵に雁夜が時臣を殺したと思い込ませ、雁夜を追いつめて葵を殺させようとする(実際には葵は逝き残ったが、雁夜は殺したと思い込んだ)。それにより自由意志を失った雁夜は綺礼の手駒となる。この悲劇の際に初めて酒をうまいと感じた。
 その後、冬木教会を放棄してキャスターが工房としていた下水道の貯水槽に身を隠す。そこでのアイリスフィール・フォン・アインツベルンとの対話で切嗣が理想のためにあらゆるものを切り捨ててきた、つまり言峰が欲していた喜びや幸福などを全て切り捨ててきたということを知り、聖杯の争奪を度外視してその理想を打ち砕くべく行動する。なおアイリスフィールはその後殺害した。
 冬木市民会館の地下一階の大道具倉庫で切嗣と相対する。魔術回路の開発が充分でないために預託令呪を魔力源として使用していたことで、切嗣の起源弾を受けてもまったく効果がなかった。つまり起源弾が効果を発揮したときには破壊すべき令呪が消えているためである。預託令呪を惜しみなく使用したということもあるが、純粋な体術だけでも威力、速度、技術のどれを取っても超人的なものであり、その二つを合わせることで起源弾を拳で反らすという離れ業をやってのけた。だがこの弾丸弾きは八極拳と魔術の奇跡的融合による絶技で、片腕を使い捨てにする自虐的ファイトスタイルあってこそ。
 戦闘中に真上のコンサートホールに現れた聖杯から溢れ出した泥が床スラブを貫通し、言峰と切嗣はそれを満身に浴びた。切嗣と同様言峰も聖杯の中身と接し、それが生まれることで迷いの全てに答えがもたらされると思ったが、わずかに先に目覚めた切嗣により背後から心臓を撃ちぬかれた。なお言葉を交わしたのは後にも先にもこの一度きりである。
 その後受肉したアーチャーから経路を逆流した黒い泥による魔力供給によって蘇生。ちなみに心臓は動いていない。つまり『この世全ての悪(アンリ・マユ)』とつながることで魔力の供給を受け、一命を取り留めたということ。
 なおその頃は衛宮士郎のように自らの歪さに苦しんでいたが、戦いの末に解脱して現在の不遜さを手に入れた。
 第五次聖杯戦争ではバゼット・フラガ・マクレミッツを騙し討ち、令呪とランサーを奪ってそのマスターとなる。ランサーで偵察をしてからギルガメッシュで討つ、という戦法を取る。
 そのバゼット・フラガ・マクレミッツとは六年前に屍を用いて魂の再現を謀る、封印指定を受けた魔術師の庭で敵同士として出会った。彼女との度重なる共闘はお互いに組織には報告しないものだった。バゼットが封印指定の実行者であり門外漢であるにもかかわらず第五次聖杯戦争に参加できたのは彼からの指名があったから。
 破壊を好むように見えるが実際は作る側の魔術師。遠坂凛の魔術の兄弟子で第二の師ともいえ、体術の師である。もとは神父だったが魔術協会に『派遣される』形で鞍替えした。魔術特性が『傷を開く』ことに特化しており、魔術協会でも数少ない腕のよい霊媒医師となっていて、教会の秘蹟使いでもこのレベルにあるものはごく一部。霊体、精神の傷を治す手腕は司祭レベル。ただし、その他のことでは遠坂凛に及ばない。
 時臣について修得した魔術は錬金、召喚、降霊、卜占、治癒魔術で、治癒魔術の腕前は時臣を超えている。しかし天才を持ち合わせていないため超一流には至らないが、努力のみで辿り着けるところまでは他者の数十倍の努力によって恐ろしく早く至る。そしてあと一歩というところで何の未練もなく他のジャンルに移った。
 これは教会での修身で得るものがなかったため、逆の価値観である魔術の修行に期待してのことだった。だがやはり何の喜びも満足も見出せなかった。傍目には実に出来のいい生徒である綺礼に寄せる時臣の信頼はゆるぎなく、凛にまで兄弟子の礼を取らせたほど。
 時臣の死後、遠坂葵に相続されていた霊脈上の要所に建つ物件を葵の死後に凛へと相続する段になって、凛の後見人だった綺礼が愚直かつ大雑把に管理したために実入りのいい物件のほとんどが人手に渡ってしまった。
 聖杯戦争に参加するも本当に聖杯を欲しているわけではなく、単純に極限状態に陥って本能のままに行動する人間を娯楽とすることが望み。聖杯は衛宮士郎か遠坂凛に獲得してほしいと思っている。
 璃正から受け継いだ魔術刻印を持つが、それは預託令呪であり、使えば使っただけ失われる消費型。
 璃正の跡を継いで冬木教会の主任司祭を務めており、神父としては完璧で若いながらも立派に聖務を勤めていると周囲からの評判は高い。遠坂凛の身元引受人だった。凛は幼い頃から綺礼が苦手で好いていなかったが、綺礼はそんな凛をからかうのが好きだった。
 毎年12月31日に教会で夜通し開かれるミサは『それまでの一年とこれからの一年をたった半日で台無しにできる』ので、彼にとって一年で一番楽しい時間。しかしミサに出席した人たちは『生まれてきてごめんなさい』状態になるものの、ためになる教訓を垂れる言峰には感謝する。
 酒の奥深さから、ともすれば自分の心の空洞を満たすほどの味覚があるかもしれないと考え、極上の美酒と聞けばひとまずは購入するという奇癖を持つに至った。そのため、彼の私室には数こそ少ないが質の点で言えば遠坂邸の酒蔵よりもいいものが揃っている。
 第五次聖杯戦争の頃は第四次聖杯戦争当時よりも衰えている。第四次聖杯戦争当時の強さは圧倒的な令呪数と衛宮切嗣への妄執があったためで、いわば絶頂期であった。この頃の言峰ならばシエルと戦っても勝てる。
 スペックでは凛に劣るが、凛に植えつけられたトラウマと代行者としての十年以上の経験によって戦った場合の勝率は八割ほど。仮に他人同士であっても代行者としての経験から凛は苦戦するだろう。
 魔術や武器を用いない純粋な肉弾戦ではバゼットに劣るが、第四次聖杯戦争当時の状態ならばバゼットより強い。
 第五次聖杯戦争にて死亡するが、世間的には失踪扱いになっている。
 凛の誕生日に毎年同じ服を贈っていたが、それは完全に言峰の趣味。
 ネコカオスとはペンフレンド。AATMでは七夜志貴に次ぐウェイターとして登場したが、そのときはFate/Zeroでの若い姿で現れた。なお若い姿では遠坂凛のガンドを20発(ビームを除く)喰らっても平然とするほど頑強だが、カレン・オルテンシアに毒殺された。
 中華の飲茶の習慣を共通点として、アーネンエルベのメニューに餃子(激辛)、小籠包(激辛)、炒飯(激辛)、担担麺(激辛)、麻婆豆腐(激辛)、杏仁豆腐(激辛)などを捻じ込もうとする。その際にシエルと争いになり、店の破壊を防ぐためケータイさんが呼んだカレン・オルテンシアによってマグダラの聖骸布で捕獲された。
 unlimited codesでは価値がないものが存在する価値を知りたいがために黒化した間桐桜を生かし、遠坂凛と衛宮士郎を打倒してアンリ・マユの受肉を見届ける。


言峰璃正(人名)
 ことみね りせい。
 身長179cm。体重88kg。血液型B。12月29日生まれ。
 言峰綺礼の父親。聖堂教会、第八秘蹟会の司祭。魔術刻印(預託令呪)を持っていたが、死後言峰綺礼に引き継いだ。第四次聖杯戦争の三年前には八十歳近い高齢だった。遠坂時臣の後見人。特技は説法と中国拳法。信仰心と克己心が好きで快楽主義者が苦手。天敵は雨生龍之介。
 苦行によって悟りを得ようとした修道士であり、諸国に散った聖遺物の回収を巡礼の試練として自らに課して世界中を巡り歩いた過去を持つ。世界巡礼中に息子綺礼が誕生し、彼は幼少の折から聖地巡礼に同伴した。
 八極拳の達人で、綺礼に拳法の手ほどきをしたのは璃正。こと拳法の腕前においては綺礼をも凌駕するが、これは自己鍛錬と求道のために積み上げられた功夫であり、代行者ではない彼には戦闘行為を目的とした殺人術の心得はない。よって死徒などと渡り合ってきた修羅場の数では綺礼の方がより凄惨。もちろん魔術とも無縁であり、綺礼のような魔術による肉体強化を加えた拳法を揮うこともない。だが綺礼から見れば『正調の八極拳』という意味では父親の方が拳士として格上であるという認識だった。ただの殺人拳ではない、その先の領域を求めて功を積み、到達した老人であった。
 第四次聖杯戦争の六十年前に起きた第三次聖杯戦争の監督役で、その功績を認められて冬木教会に派遣され、第四次聖杯戦争においても監督役を務めた。第四次では第三次の教訓を生かしてよりよい運営を目指したが、予期せぬトラブルによって他界。
 聖堂教会が始めて介入した第三次聖杯戦争より監督役としての任を負い、冬木の戦いを見守った。そこで遠坂時臣の父である当時の遠坂頭首と友誼を結び、以来遠坂家と深い関わりを持ち続ける。また遠坂凛から数えて三代前の遠坂の当主に何らかの誓いを立てており、それに従って第四次聖杯戦争では遠坂時臣を支援した。
 過去の聖杯戦争を通じて脱落したマスターから回収された令呪を右腕に宿しており、それを個人の判断により任意の相手に委譲する権限を与えられている。
 キャスターが召還した大海魔の騒ぎの後始末をし、ケイネス・エルメロイ・アーチボルトに令呪を一画譲渡した直後にケイネス・エルメロイ・アーチボルトに射殺された。死の直前に、自分の死体を最初に見つけるのは息子の綺礼であろうと信じ、預託令呪のプロテクトである聖言のヒントを『jn424』と書き残した。


五人の太郎(用語:hollow)
 衛宮士郎らが文化祭でやることになった演劇。正式演題不明。
 桃太郎の鬼退治から十年後、鬼が復活したという噂に再び立ち上がる桃太郎。安倍晴明の卜占に『丑寅の空に妖星立ちぬ』と出、酒呑童子の首塚や土蜘蛛の塚が揺らぎ始めた。そこで五人の太郎が一堂に会し、鬼退治をするという物語。
 脚本・ナレーター・赤鬼:遠坂凛。桃太郎:蒔寺楓。竜の子太郎:セイバー。信濃の三年寝太郎:美綴綾子。足柄山の金太郎:三枝由紀香。イヌ:ランサー。サル:アーチャー。足柄山のクマ:佐々木小次郎。タヌキ:柳洞一成。鶴:氷室鐘。ウサギ:間桐桜。


この世すべての悪(用語)
 アンリ・マユ。聖杯から呼び出すこの世すべてを呪う極大の呪い。いわゆる『聖杯の中身』であり、呪い、第三要素である。
 黒い泥が現界する場合は生物に付着して呪い、魂も肉体も残さずに吸収して次なる呪いとする。空間を塗り潰すものであるため、防ぐことができない。黒い泥自体は物質化した呪いで、魔力の束としては破格。ではあるが、よほど強靭な自我をもっていない限りは人間が浴びれば発狂ないし吸収され、並みのサーヴァントでも狂うだろう。


琥珀(人名)
 孤児だったために生年月日不明。3月12日生まれ(遠野槙久が決めた便宜上のもの)。B型。156cm。43kg。B78 W58 H80。
 遠野家で働くメイドさん。主人でひたすら遊ぶ使用人。翡翠の双子の姉。感応能力者。割烹着の悪魔。遠野秋葉付きの使用人で、料理と中庭の手入れ、財務管理を担当する。
 好きな歌はこっこの『柔らかな傷跡』。猫又が嫌い。清掃が絶望的に下手で、ほとんど破壊活動に近い。いつも朗らかな笑顔で、一緒にいると非常に和む。本人も気付いていないが、きわめて冷静に物事を判断する。だからか、ゲームがとても強い。分別があり大人の対応ができるが、根はいたずらっ子。相手を喜ばせることは得意だが、人に尽くされることにはまったく慣れていない。
 自動車の運転ができるが、赤信号につかまるたびにドリフトターンをするなど無茶苦茶。
 巫浄の分家の娘だが、幼い頃に母が禁を破ったために没落。翡翠とともに遠野槇久に引き取られてからは槙久の部屋に監禁され、性交による感応能力で槇久に体力を与え続けた。初めて槙久に襲われたのは8歳の誕生日で、贈り物があるから部屋に来いと騙されてのことだった。それからしばらくして自己が崩壊するのを防ぐために自分は人形だと思い込み、それを半ば事実として認識していた。そのときから感情が固定してしまった。それでも翡翠を守るために槙久の要求をすべて受け入れ、何をされても耐えていた。その頃の日記帳には『タスケテ』としか記されておらず、最後のページには自分が人形になればいいという旨のことが書いてあった。
 その後、秋葉が中学二年生になり、関係がばれてからは普通の使用人として仕えている。
 反転し、地下の座敷牢に幽閉されていた四季の世話を任されていた。『槙久が四季を一生閉じ込めておくつもりだ』と嘘を教えて槙久を憎ませて殺害させ、四季と秋葉をぶつけて残ったほうを志貴に殺させる、という遠野家への復讐を企てた。秋葉に血を与えていたのも感応のためではなく、秋葉を遠野よりのものにするための計略。
 翡翠と入れ替わるときには翡翠を薬で眠らせ、カラーコンタクトで瞳の色を変えて入れ替わっていた。見分け方は『姉さん』と『姉』。
 おそらく志貴の1歳半から2歳年上。にもかかわらず薬剤師の資格を持っているのは槙久が翡翠ともども戸籍を改竄し、特別教育を施したから。
 妖しげな薬にも精通しており、MELTY BLOODではそれがタタリによって拡大解釈されて世にも不思議なマジカルドクターと化した。また遠野邸地下で怪しい研究を行い、様々なマジカルウェポンを作り出した。
 屋敷の裏庭にあるサイコガーデンで怪しい草花(主に毒草)を栽培する。そのくせ不文律は『薬は人を助けるモノ』。
 当然ながら軋間紅摩と知り合いであり、『軋間の坊ちゃん』と呼ぶ。


琥珀新聞(用語:MELTY BLOOD)
 自称、嘘広告紛らわしい、誤字脱字発売日延期のないクリーンな情報媒体。ネコカオスのもとには朝刊が窓ガラスを割って投げ込まれた。遠野志貴は毎日騙されて読んでいる。


小林(人名:Zero)
 航空自衛官。階級は三等空尉。TACネーム不明(作戦中もTACネームではなく本名で呼称していたため)。築城基地の第304飛行隊に所属し、ディアボロUというコールサインを割り当てられたF-15Jに搭乗した。
 領海哨戒任務から未遠川河口の偵察任務に移行し、大海魔に接近したところを機体ごと食われた。


コペンハーゲン(地名)
 冬木市の新都オフィス街にある飲み屋兼酒屋のような店。五年前から士郎がアルバイトしている。いつも炬燵に入っている店長の娘の蛍塚ネコは藤村大河の高校の同期。店長が甘党でネコが辛党。
 新都の工場地帯に臨む僻地にある。穂群原学園OBのたまり場。毒婦の集う女豹の巣とは藤村大河の評。


コマドリ(用語:魔法使いの夜)
 久遠寺有珠が持つ四つの神秘の一つ。第一の神秘。掌サイズの青い小鳥で、特に取柄は無いが飛んだり鳴いたりすることはできる。


コマンドアンドコンカー レッドアラート3(用語:氷室の天地)
 各国指導者となって世界の覇権を争うリアルタイムストラテジーゲーム。コマンドアンドコンカーシリーズの外伝、レッドアラートの第三作。
 巨大人型決戦兵器King Oniや可変戦闘機Jet Tengu、超能力女子高生Omega Yuriko、殺人サイボーグくまWar Bearなどのぶっ飛んだユニットが登場する、ぶっ飛んだゲーム。


ゴムマリマスク(用語:Ladies in the water)
 琥珀特製のマスク。モデルはイタリアの帰還兵スケッキヨさん。死徒がこれをかぶることで超日焼け止めでカバーしきれない口や鼻の中も日光から守ることができる。


固有結界(用語/魔術・能力)
 リアリティ・マーブル。空想具現化の亜種。魔術理論・世界卵による心象世界の具現、魂に刻まれた『世界図』をめくり返すもの。自己の心象世界を現実に侵食させ、現実を現実ならざるものに変化させる能力。
 元は悪魔が持つ能力だったが、長い年月を経て多くのモノが実現可能になった。最も魔法に近い魔術。禁忌の中の禁忌、奥義の中の奥義。魔術師にとっての到達点の一つ。
 術者の心象世界を投影してもとの世界を侵食するのでカタチは一定であるが、自然から独立したものも変化させられる。だが、自然(世界)以外のものが異界を発生させるために世界からの修正を受けるために固有結界維持のためのエネルギーは莫大となり、継続時間は一個人の固有結界は数分程度、死徒二十七祖でも数時間から一晩が限度。
 固有結界の展開を容易にする手段として、結界の範囲を術者自身の体内に設定するという方法がある。これは持って生まれた肉体を外界から遮断するのが観念として最も無理がなく、世界からの干渉も最小限で済むからである。
 一部の上級魔術師は個人の心象世界を形作る魔術でこれを展開するが、死徒二十七祖クラスの死徒は能力として展開する(ただしグランスルグ・ブラックモアの固有結界ネバーモアは魔術でもある)。


固有時制御(魔術)
 衛宮切嗣の我流魔術。第五次聖杯戦争のアーチャー曰く魔法の真似事らしい。
 固有結界であり大魔術に分類される時間操作、そのうち過去化の停滞、未来化の加速といった『時間の調整』を極めて小規模かつ効果的に、つまり自己の肉体に限定したもの。術者自身の体内に設定した最小規模の結界内において、わずか数秒間の時間を調整する。
 簡単に言えば自分の体内時間を加速させたり、遅滞させたりするもの。
 だがこれは必然的に結界内外の時間流に誤差を生じさせることとなり、結界が解けた直後にはこれを修正する自然力が操作された側の領域に発生する。つまり、体感的には時間を停滞したのであれば結界が解けた直後にすべての生命活動がその分加速(三分の一に停滞したならば三倍に加速)したように、時間を加速したならばその分減速したように感じる。このため肉体を損壊させずに行使できるのはせいぜい倍速まで。


ゴルゴン三姉妹(用語)
 ギリシャ神話にある怪物の三姉妹。強い女の意味を持つ長女ステンノ、遠く飛ぶものの意味を持つ次女エウリュアレ、支配する女の意味を持つ末女メドゥーサ。ステンノとエウリュアレは瓜二つの少女の姿をしており、ともにメドゥーサをこき使っていた。
 もとはギリシャの古い土着神だったが、彼女らの美しさに反感を持った女神アテナによって『人々の信仰』を奪われ、『形なき島』に追われた。アテナの恨みを受けたのはメドゥーサだけだったが、妹思いの姉たちも形なき島に同行し、怪物と噂されるようになった。が、実際には以前と変わらぬ生活をしていた。
 曰くのあるメドゥーサはともかく、二人の姉は完成した女神だった。なおステンノとエウリュアレは名前と性格以外は永遠に同一の存在であり、以心伝心を超えたお互いがお互いを感じあう共同体である。そのため、互いを呼ぶときは『私』と呼ぶ。
 ステンノとエウリュアレはメドゥーサのような怪力も魔眼もなく、ただ不老不死であるだけのか弱い少女。男たちの憧れが具現化したもので、戦う力はなく、一人では飢えてしまい、誰かの手を借りねば生きられない。『愛されるだけの偶像』、それがゴルゴン三姉妹の『神核』であったが、末女メドゥーサだけはそれを持ちえず、姉をおいて成長してしまった。三人はともに同じ自然現象が神格化されたものだが、メドゥーサだけは不老不死を持たぬ代わりに石化の魔眼、高度な自然干渉能力、卓越した身体機能などのさまざまな能力を持つ。
 そのため買い物・番兵・日曜大工などは全てメドゥーサの役割。その有様はさながら女主人と召使いなのだが、メドゥーサ以外に身の回りの世話を命じることはない。ステンノとエウリュアレはメドゥーサが自分たちの妹に相応しい淑女になれるよう日々教育してるつもりらしいが、どう見ても虐待。
 外見も内面も美しいメドゥーサが自分たちの言動であたふたするのは彼女たちにとって一日も欠かしてはならない娯楽というか栄養源らしい。ある意味では理想的なダメ姉とダメ妹。
 ステンノとエウリュアレは形なき島を訪れる男たちをいじって遊んでいた。
 ある者は名を上げようと女怪に挑んで命を落とし、ある者は妻を娶らんとしてからかい尽くされた挙句に死に至る。
 メドゥーサは後に形のない島に攻めてくる人間たちを殺すことに歓喜を覚えるようになり、怪物として成長していった。そしてメドゥーサではなく怪物になってしまったときにステンノとエウリュアレは自ら怪物に身を捧げ、命を絶った。


ゴルディアス・ホイール(対軍宝具:Zero)
 →神威の車輪。


壊れた幻想(用語)
 ブロークン・ファンタズム。膨大な魔力が詰まった宝具を自ら破壊し、相手にぶつける技能。本来は破壊された宝具を修復することが容易ではないことからまず使わないが、アーチャーは投影した宝具で使用する。


混血(用語)
 魔と人の混ざりモノのこと。遥か昔に人以外のものと交わった人間の末裔。
 コレが歪みとして認識されるのは人ではなく魔としての血が濃くなった場合のみ。ソレを『外れた者』と呼び、初めて処罰の対象となる。その場合、人の側面を持つがゆえに禁縛の勅は通じず、魔の異能を駆使するがゆえに人の身では対抗できない。
 代を重ねるごとに血は薄まってゆくが、稀にその特性を濃く受け継いだ子供が生まれる。
 遠野秋葉は人間の血の割合が多いものの妖の血が最上級のものであるため、人のまま混血として覚醒できるという、混血たちの進化の答えじみたタイプ。紅赤朱としても上質。
 軋間紅摩は鬼の血が多すぎて人でなくなってしまうという、典型的な混血の末路。現段階で紅赤朱に近い。
 時には退魔の協力者として、時には最大の敵対勢力として存在する。


根源の渦(用語)
 あらゆる出来事の発端となる座標。万物の始まりにして終焉、この世の全てを記録し、この世の全てを作れるという神の座。世界の外側にあるとされる、次元論の頂点に在るという“力”。
 根源の渦という名があるために「 」とは微妙に違う。
 根源の渦に至るという願いは魔術師に特有のものであり、これは世界の外側への逸脱である。これによって世界の内側にもたらされるものはなく、世界の内側にしか視野を持たない聖堂教会にとっては全く意味のない企てとしか思われない。
 魔術協会にとって、根源に達する儀式は協会の監視下で行われるべきものである。


混沌(用語)
 こんとん。カタチのないモノ。なんにでもなるモノ。方向性のないモノ。方向性なくしてカタチにならないモノ。意味のないモノ。意味があってはならないモノ。
 ネロ・カオスの別名でもある。
 ルートによっては遠野志貴はネロ・カオスとの戦いで肉体を欠損してその部位を混沌で補う。これは当初は黒くぶよぶよした混沌のままだったが、やがて馴染んで元通りになる。この混沌で補った部位は元の肉体より強化されており、またアルクェイド・ブリュンスタッドによれば魔術を学べばもとの獣に戻して使役することもできるようになるかもしれないとの事。




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