ライダー(クラス/サーヴァント)
 騎乗兵。
 何らかの乗り物と関係の深い伝説を持つ者が該当する。三騎士と比べるとライダー自身の能力値は低い傾向にあるが、伝説に描かれる乗騎の性能で補われる。サーヴァント自身よりも所有する武器が強力なクラスといえる。
 クラス固有の能力は“対魔力”と“騎乗”。


ライダー(人名/サーヴァント)
 身長172p。体重57s。B88 W56 H84。
 第五回聖杯戦争において間桐桜と契約し、令呪によって間桐慎二に貸し与えられるサーヴァント。エトルリアの神殿から発掘された、ギリシャの古い地母神に縁のある鏡を触媒に召還された。嗜虐的。自らの長身を可愛くないと気にしている。素顔を見せるのが嫌いなことと魔眼の制御を兼ねて目隠しをしている。大地に関わる神性なので地脈の乱れに敏感。
 真名は『支配する女』の意味を持つゴルゴン三姉妹の末女、ギリシャ神話の女怪メドゥーサ。英霊というよりは神霊で、多種多様な能力は女神として扱われていた頃の名残。負の想念によって祭り上げられた魔物一歩手前の反英雄。しかし英霊はその全盛期の姿で召還されるため、ライダーはまだ怪物として成長していない。
 生前は二人の姉にいびられ、こき使われていた。洗濯物は神殿の石と化した戦士たちに鎖を引っ掛けて干していた。ライダーが武装したときの服は姉たちの余りもの。石像を片付けろと言われたときには騎英の手綱で一掃したことも。ステンノとエウリュアレに躾と称して血を吸われていた。
 エウリュアレに高いところから飛びつかれていたので、小さな女の子に同様のことをされるといびられていたころのメドゥーサとおなじ反応をする。
 ゴルゴン三姉妹の『神核』は『愛されるだけの偶像』だが、末女メドゥーサだけはそれを持ちえず、姉をおいて成長してしまった。三人はともに同じ自然現象が神格化されたものだが、メドゥーサだけは不老不死を持たぬ代わりに石化の魔眼、高度な自然干渉能力、卓越した身体機能などのさまざまな能力を持つ。
 アテナにより『形なき島』に追われてからも姉たちとともにそれまでどおりの生活をしていたが、後に形のない島に攻めてくる人間たちを殺すことに歓喜を覚えるようになり、怪物として成長していった。そしてメドゥーサではなく怪物になってしまったときにステンノとエウリュアレは自ら怪物に身を捧げ、命を絶った。その後、ペルセウスにより退治された。
 無口で自己主張をしないが、周りに無関心なのではなく色々考えすぎる性格なのでポーカーフェイスで隠している。性格はマスターである桜と似ているが、桜が庶民派なのに対してライダーはお嬢様タイプ。物腰や口調も上流階級らしい厳しさがある。藤村組の若い衆に怖がられている。興味のないことをやるときには作業と割り切って機械に徹する。敵味方の判別に容赦がなく、そのスピードがとても速い。
 他者によって歪められていく桜の生き様を神に貶められた自分自身に重ねているため桜の身を真剣に案じており、どんな方法だろうと桜を守ることを最優先に行動する。
 彼女の魔力の補給に最も効率がよく甘美な方法が吸血行為であるために、吸血鬼ではないが吸血種。第五次聖杯戦争中に美綴綾子から吸血した。
 乗馬、軽業、ストーカー行為が得意。酒、読書、蛇が好きで鏡、身長測定が苦手。セイバー、佐々木小次郎、葛木宗一郎が天敵。神経は細かいが不器用なため洗い物は苦手。寒さに弱い。どんな料理を作るのか、どの種類を買えばいいのかがよく分からないため食品関係の買い物が不得手。大抵のことには動じないが、姉二人を前にするとぶるぶると震えだす。
 食事に関してはほとんど好き嫌いがないが、蛇と馬、それと納豆に梅干はだめ。食事にはオリーヴオイルをよく使う。湯飲みは備前の大きめのもの。酒に関しては底なし。アクションゲームが苦手で、ビジュアルノベルと相性がいい。規律には厳しいが、守らなくていい状況になるとトコトンさぼる。このだらしなさが姉たちにいじめられていた原因。
 自分は可愛くないと頑なに信じており、可愛くなりたいと思っている。そのくせ服はサイズが合えばそれでいい、という考え方。
 普段から『自己封印・暗黒神殿』で目を封じており、視覚は完全に遮断されている。その代わり聴覚、嗅覚、触覚、魔力探査などで外界を認識しており、視覚で見るよりも正確な情報を得ている。
 魔眼殺しは眼鏡のほかに衣装合わせ用として遠坂凛がエメラルドから試作したハードコンタクトもあるが、二十四時間しかもたない。桜ルートで使用する魔眼殺しの眼鏡は蒼崎橙子が作ったもの、らしい。これは石化の効果を封じている程度で、『自己封印・暗黒神殿』のように魔性を全て封じることはできない。魔眼持ちの眼鏡同士、遠野志貴とは気が合うのかもしれない。
 バイクを使用した場合、ワイン・ミシェル・ガードナーと同等の腕前。愛車はママチャリの自転車二号だが、こぎっぱなしドリフトターンのようなアグレッシヴな走りをするうえ際限なくスピードを上げていき、しかも魔力付与ができないため、最終的には自転車が崩壊する。自転車やバイクを購入するために働いているらしい。
 時間をきっかりと守るので、午後七時半までは読書三昧。特定のジャンルではなく読書という行為そのものが好き。読書は生活の一部、テレビは純粋な趣味とのこと。休日の午前は骨董屋でアルバイト、午後はフィットネスジムに通い、夕方からはマンハントをしている。
 対魔力スキルはBとライダーのクラス固有能力としては高いものだが、これは元々女神から怪物へ転じたメドゥーサの対魔力が高いため。さらに彼女自身が魔術に長けているうえ高い敏捷性を誇るため、対魔術師戦闘において彼女は非常に有利。
 単独行動スキルはCだが、吸血による魔力補充ができるため場合によってはスキルの限界を超えた期間の限界も可能。
 もとは女神だっただけに高い神性を持っていたのだが、後に怪物に転じたためほとんど退化してしまっている。ただし僅かながら残されてはいる。このため、女神としての騎乗などのスキルと、怪物としての魔眼や怪力といったスキルを併せ持つこととなった。
 アーチャーと戦った場合には近距離戦においてはアーチャー有利、遠距離戦においてはライダー有利と彼との相性はよくなく、彼がロー・アイアス単体でベルレフォーンを防ぎきれるかどうかが勝敗の分かれ目となる。
 ランサーと戦った場合には、ランサーはルーン魔術による加護で万全の魔眼対策をしているうえ怪物退治はお手の物であるため、魔物としての属性を持つライダーは苦戦を強いられる。
 力比べにおいては怪力スキルを全開にしてもバーサーカーには敵わない。彼女の怪力スキルはロードローラーを持ち上げるほどのものだが、長続きしないうえ使うほどにゴルゴン化が進むためである。同じくギリシャ出身なのでバーサーカーの真名がヘラクレスであることを看破しており、そのためバーサーカーとの戦闘を避けて逃走した。『騎英の手綱』を使えばバーサーカーを殺しえるが、一回や二回殺したところでその間に『十二の試練』で復活したバーサーカーに殺されてしまうためである。
 美綴綾子を気に入っており、出会うと笑顔を振りまいて奇妙な調子で迫っていく。衛宮士郎の血も吸っているようだ。無軌道な品揃えの魔窟チックなマウント深山商店街の骨董屋で一ヶ月前からアルバイトをしている。
 hollow ataraxiaでは週に二回、深山町の美容院で時間をかけてトリートメントしている。サーヴァントなので髪は伸びることはなく、乱れたところで一旦霊体になってから実体化すれば元に戻るのだが、桜に負担をかけたくないとのこと。ただし鏡があるので美容室は苦手。もっとも鏡を見たところで彼女は石化しないのだが。髪には意志があるようで、勝手に動くこともある。
 シャンプーにこだわりがあるかと思いきや、体の手入れはすべてボディソープひとつで済ませている。
 宝具は『他者封印・鮮血神殿(ブラッドフォート・アンドロメダ)』『自己封印・暗黒神殿(ブレーカー・ゴルゴーン)』『騎英の手綱(ベルレフォーン)』。
 ちなみに同じく敏捷Aのランサーには瞬間的な速度では劣るが平均的な速度では勝る。
 AATMではアーネンエルベに来ていたウェイバー・ベルベットのことを気にしており、腕力に物を言わせてお茶をおごらせた。両儀式は彼女の好みであり、AATMでは攻略対象でないことを惜しんでいた。なおひたすらウェイバーに粘着して彼の払いで注文をしていたが(実際はウェイバーを自身の体でできた死角に入れて翡翠の料理から守っていた)、彼の『でか女』発言とステンノとエウリュアレが現れる予感のためとりあえずウェイバーをボロクソに言い負かしてから退店した。
 unlimited codesでは聖杯に飲まれかけた桜が最後の令呪を消費して自身との契約を解除し、士郎を守ってくれという願いを受ける。しかし桜との契約が解除されたものの魔力供給はそのまま続いており、戦いを続ける。しかしその戦いで打倒したサーヴァントの魂は自己封印・暗黒神殿と他者封印・鮮血神殿を最大限に活用して桜に流れないようにしており、限界を超えたせいであと数分しか持たないであろう身体で桜が聖杯になる前に桜を打倒した。
 その真意は全てのサーヴァントの魂がくべられることで聖杯が完成するならば、全てのサーヴァントの魂を聖杯の器に与えず全てのサーヴァントが消滅するならば、聖杯の器は壊れることなく聖杯を降ろす儀式は終わると考えたから。この計画は成功し、ライダーは救われた桜に看取られて消滅した。

 クラス別能力は以下のとおり。
 対魔力:B…詠唱が三節以下の魔術を無効化。大魔術、儀礼呪法等を以ってしても傷つけるのは難しい。
 騎乗:A+…獣であるならば幻獣・神獣まで乗りこなせる。ただし竜種は該当しない。
 保有スキルは以下のとおり。
 魔眼:A+…最高レベルの魔眼・キュベレイを所有。
 単独行動:C…マスターを失っても一日間現界可能。
 怪力:B…使用することで筋力を一時的にワンランク向上させる。ただし使用するごとにゴルゴン化が進む。
 神性:E−…ほとんど退化している。


ライダー(人名・クラス/サーヴァント:Zero)
 身長212cm。体重130kg。
 第四次聖杯戦争におけるサーヴァント。そのマントの切れ端を触媒に召還され、ウェイバー・ベルベットと契約した。真名は征服王イスカンダル。宝具は『遥かなる蹂躙制覇(ヴィア・エクスプグナティオ)』と『王の軍勢(アイオニオン・ヘタイロイ)』。なお遥かなる蹂躙制覇は正確には宝具『神威の車輪(ゴルディアス・ホイール)』による蹂躙走法である。
 髭が似合うナイスダンディ。出鱈目な論破とリーダーシップを執ることが得意。冒険と目新しさが好きで既成概念と既得権益が苦手。天敵は母親。
 豪放磊落な性格で、召喚されるや否や再び世界征服を企て、そのために市民図書館から地図帳と生前に片時も離さなかったイリアスを強奪する。世界征服に当たってはB2爆撃機を十機ほど購入したがったり、クリントンをダレイオス王以来の難敵とみなしたりしていた。世界征服のためセイバーとランサーを配下に誘った。他を省みない暴君ではあるが、その欲望が結果的に民を幸せにする奔放な王。人間の理想像であるアルトリアとも人間を超越したギルガメッシュとも違う、人間のまま君臨者となった征服王。
 魔力消費を抑えるためウェイバーが霊体化していろと命じても、身体がある方が心地よいとしてずっと実体化していた。実体化して何をしているかといえば、煎餅を齧りながらレンタルビデオを観たり読書をしたりするなど、取り立てて何をするでもなかった。サーヴァントとしてのイスカンダルは生粋の魂喰らいであるため、全開の魔力消費にウェイバーを巻き込めばその命すら危うくしかねない。
 大雑把で、通信販売の宛名を『征服王イスカンダル』としたうえ、鎧姿で受け取りに出た。またウェイバーの友人のアレクセイとしてマッケンジー夫妻と打ち解けた。
 聖杯にかける願いは受肉。願いが世界征服でないのは、それは己自身に託す夢であり、聖杯に託すのはあくまでその基点である受肉であるから。生前に侵略し続けた理由は、世界の終端に至りたかったがため。伝承には小柄だったとあるが、それは比較対象のダレイオス王がとんでもなく大柄だったため。後世に長く伝わる伝承よりも生前の寿命がほしかった。
 第四次聖杯戦争中にアインツベルン城に乗り込み、セイバー、アーチャーとともに酒宴を開いた。そこでどこをどう間違ったか竹の柄杓を日本の由緒正しい酒器だと勘違いしていた。その際に持ち込んだ樽ワインは藤村大河のクラスメイトの家が経営する酒屋(コペンハーゲンか)からの盗品。
 キャスター戦でかなり消耗し、その程度は実体化していることを好んだ彼をして霊体のままでいることを選択させるほど。その消耗に丸一日経って気付いたウェイバーが栄養ドリンクや鰻玉丼弁当を摂って召喚場所でひたすら寝るという方法で魔力を与えて回復させた。
 言峰綺礼の策略によりセイバーと戦い、神威の車輪を失う。
 ウェイバーはそれから『最後まで勝ち抜け』『聖杯を掴め』『世界を掴め』と令呪で命じてマスターとサーヴァントの関係を破棄した。だがライダーはその行き過ぎた卑下を『マスターでなくとも朋友に違いない』と一蹴し、ともに決戦に臨む。
 アーチャーとの決戦の時には神威の車輪を失っていたものの、ウェイバーが無駄に使い潰そうとした三画の令呪は『勝利を志す限り普段の供給量よりも多い魔力量をもたらす』という効果を発揮し、魔力が充溢していたため、完璧以上のコンディションだった。決戦の直前に神代の銘酒の残りを酌み交わした際に自分と組んで星々の果てまで征服しようと持ちかけるが、二人目の友など要らぬと拒絶され、互いの王道をぶつけ合う。
 王の軍勢を展開するも、乖離剣・エアによって壊滅。ウェイバー・ベルベットを臣として王の夢を後世に伝える務めを課し、単騎でアーチャーに突撃。王の財宝を受け、ブケファラスが果てて後は己が脚で走り、アーチャーの目前まで到達するも、エルキドゥで捕縛され、エアで貫かれて敗北した。
 ライダーの消滅は、マッケンジー夫妻には突然の帰国として伝えられた。

 クラス別能力は以下の通り。
 対魔力:D…一工程による魔術行使を無効化する。魔力除けのアミュレット程度の対魔力。
 騎乗:A+…獣であるならば幻獣・神獣のものまで乗りこなせる。ただし竜種は該当しない。
 保有スキルは以下の通り。
 カリスマ:A…Aランクはおよそ人間として獲得しうる最高峰の人望といえる。
 軍略:B
 神性:C…明確な証拠はないが、多くの伝承によって最高神ゼウスの息子であると伝えられている。


ライダー(人名/サーヴァント:旧Fate)
 旧Fateにおけるライダー。真名はテセウス。マスターは病院で不治の病に苦しんだ末に既に他界した女性。


螺湮城教本(宝具:Zero)
 プレラーティーズ・スペルブック。
 第四次聖杯戦争におけるキャスターの宝具。人間の皮膚で装丁された書物。表紙には目隠しをされたデスマスクがあしらわれており、裏表紙に磔にされた美少年の銀細工が施されている。自律召還魔力炉。深海の水魔の類を召喚し使役できる。
 呪文が記されているだけの紙の束ではなく、それ自体が大容量の魔力炉を備え、術者の魔力に関係なく大魔術・儀礼呪法レベルの術行使を可能にする。キャスターはこれから呪文を読み取って行使するのではなく、魔力の発動源であるこれを自在に使役する。
 召喚した海魔の制御をしないという条件ならば恐ろしく強力なものを召喚できるが、そのときに放出される呪的波動は数十人がかりでなければ為しえぬほどの魔力を動員した儀礼呪法クラスの多重節詠唱に相当する。そのため、第四次聖杯戦争において大海魔を召喚したときには冬木市にいるすべての魔術師がこれを感知した。
 クトゥルー神話におけるルルイエ異本。人類発祥以前の太古の邪神に関する禁断の知識が書き記されている。ジル・ド・レェが持つのは魔術師フランソワ・プレラーティによるイタリア語写本で、底本は中国・夏王朝時代の漢文(螺湮城本伝)だった。さらにそれ以前の原典は人類以外の言語(ルルイエ語)で記述されていたという。これによって召喚された異形が水棲生物のような形状をしていたのも当然と言える。


ラ・フルール(地名)
 冬木市にあるクレープ屋。単にフルールとも。ベリーベリーベリー(トリプルベリーパイ)はなんと500円。ラフレシアアンブレラなどという末期的な新製品を発売している。ベリーベリーベリーもラフレシアアンブレラも見た目は赤色の競演。


ラフレシアアンブレラ(用語)
 ラ・フルールの新製品。ラフレシアをモチーフにしたモンスターでデッドリーなケーキ。腐った香りを出すために本物のラフレシアの花を使っている。見た目は真っ赤なパンケーキにラズベリーをたっぷり乗せて、まるで人体解剖のよう。食感はステーキ似。


ランサー(クラス/サーヴァント)
 槍兵。槍を主装とする三騎士の一角。
 セイバーに次いで該当条件が多く、すべての能力値にセカンドランクが求められ、その中でも“敏捷”が特に高い者が該当する。出自が騎士の英霊が多く該当する。必然的に槍のリーチと素早さを活かした一撃離脱の戦法が得意になる。
 クラス固有の能力は“対魔力”。


ランサー(人名/サーヴァント)
 身長185p。体重70s。
 第五次聖杯戦争のおり、バゼット・フラガ・マクレミッツにより1月23日にクー・フーリンが記したオリジナル・ルーンを刻んだ宝石(ピアスまたはイヤリングに加工されていた)を触媒に召還された。しかし言峰綺礼に襲撃され、バゼットから剥奪された令呪によって主換えさせられる。勝つことではなく『生き残ること』に特化したサーヴァント。バーサーカーの条件も備えている。
 真名はアイルランドの英雄クー・フーリンで、聖杯ではなく、生前にできなかった死力を尽くした戦いを求めてサーヴァントになった。聖杯戦争の舞台が日本ではなければ、アーサー王やヘラクレスに並ぶ光り輝く存在になっていただろう。
 かつてエリン(ゲール語で緑の意)と呼ばれていたアイルランドで太陽神ルーとコノア王の妹デビテラの間に生まれた。幼名をセタンタという。ある時鍛冶の名匠クランの家を守る十人力の番犬を誤って一人で縊り殺してしまい、その償いとして暫くの間自分が番犬の役を果たすと誓った。このことからクランの猛犬を意味するクー・フーリンと呼ばれるようになる。
 長じてさらに力を増した彼は赤枝騎士団の一員に迎えられる。恋の成就のため影の国に赴き、そこでスカサハに付いて十八の原初のルーンと魔術、魔槍術ゲイ・ボルクを修得した。しかし若き日に親しいドルイドが教えた『輝かしい武勲と引き換えの短命』という予言の通り、最後の戦いで獅子奮迅の活躍を見せるが己の槍に貫かれて絶命する。
 本人が白兵戦を好むためにあまり使われないが、影の国において十八の原初のルーンを修得したためキャスターのクラスにも該当しうる魔術の知識と腕前を持っており、ライダーの他者封印・鮮血神殿が仕掛けられていることを一目で見抜いた。さらに十八の原初のルーンのすべてを使った結界は上級宝具の一撃をも防ぐ。またルーンの加護(コンプティークの質問コーナーによればそれに加えて宝具の組み合わせ)により一時的にパラメーターをBからAに上昇させることができ、そのためバーサーカーと戦った場合でもかなり不利にしろ僅かながら勝算がある。
 主換えの際に『主換えに賛同しろ』と『諜報活動に徹しろ』の二つの令呪をかけられている。そのために全てのサーヴァントと戦い、かつ引き分けることになった。
 粗暴で暴力的な性格だが、根は正義の人で人懐こい好青年。魚釣り、素潜り、山登りが得意。気の強い女と無茶な約束が好きで、回りくどい方針と裏切りが嫌い。好き嫌いと敵味方はまったく別物と考えている。ギルガメッシュとアーチャーが天敵。寒さには強い。ゲームに関してはレバーやパッドを持つこと自体にいらいらする。Fateの登場人物のなかではセイバー、バーサーカーに次ぐ大食い。
 東に戦いがあると知れば戦車で乗り込み、西で祭りがあると聞けばエールをタルごと抱えて乗り込んでいく。せっかくの催しもの、一緒になって盛り上がれないようじゃあ男がすたる。そんな兄貴属性のランサーにとって、文化の違いなど些細なコト。ともすれば藤村組にまじって屋台を開いてもおかしくはない。しかしどんなに稼いでも、結局はどこぞの陰険シスターに巻き上げられるオチなのだが。
 第三次聖杯戦争の再現たる四日間ではカレン・オルテンシアと契約している。マウント深山商店街の魚屋で働いていたおりに間桐桜をナンパしようとしたところ、通りがかったキャスターに黒コゲにされた。なおよくクビになるようだ。その後はマウント深山商店街の花屋でも働いており、なかなか花束作りのセンスがいい。花屋をクビになってからは新都の紅茶専門の喫茶店で働いている。
 ナンパが大好きだがほとんど成功しない。どのサーヴァントよりも現代になじんでいる。根っからのバトラー(執事)であるアーチャーに対し、ランサーは名ウェイター。
 同居人を養うため、アーネンエルベでウェイターのアルバイトをしている。勤務時間は開店から昼過ぎと週末。ランチタイムにはランサー目当てに来店するご婦人も多いとか。その後は学校帰りのひびきと千鍵と交代して、次のアルバイトに向かったり釣りに行ったりしている。
 『狙われたアーネンエルベ』では用事で出かけたジョージ店長に店を任されており、出勤途中に拾ったチラシで突然店の向かいにできたメイド喫茶アーネンエノレべの存在を知る。それに驚愕し、その日はアルバイトの予定が入っていなかった日比乃ひびきと桂木千鍵を呼び出す。
 ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトからアーネンエルベの買収を持ちかけられるが、きっぱりと断った。
 ケータイさんが『ひびきと千鍵はコスプレが大好きだから』とどこからか持ってきたミニスカメイド服を二人の制服とすり替えておいた。もっとも本気で着てくるとは思っておらず、実際に着てきても感想は『ああ、似合ってる似合ってる、可愛い』というお座なりなものだった。なぜケータイさんの言に乗ったかというと、メイド喫茶アーネンエノレベに対抗して二人にメイド服で客寄せをさせるため。
 人手が足りなくなったら客として来ている須方スナオを使えと言って店を出てアーネンエノレベに潜入するが、ギルガメッシュのエルキドゥで捕縛され、ルヴィアゼリッタのバックドロップで気絶させられた。後にアーネンエルベ側に付くことに決めたギルガメッシュに解放され、アーネンエルベを廃墟にしようとしていたルヴィアゼリッタを無力化した。カレンがジャイアントアンリでアーネンエルベを破壊しようとしたときはギルガメッシュとともに戦いを挑むがあっさり捕縛されるも、カレイドオレンジに救出されて戦列に復帰。
 カレイドグリーンとカレイドオレンジによって撃破されたカレンの許に須方スナオが代行者として現れ、アーネンエルベから手を引けばよし、そうでなければ本部に引き渡して処分を待つと交渉を持ちかけ、シスター・カレンはこの騒動で殉教したことにするのが一番手っ取り早いと脅迫した際には隠れてカレンを守っていた。ただしスナオが本気でカレンを殺害する気がないこともまた見抜いていた。
 それからスナオとともにアーネンエルベの後始末を引き受け、ひびきと千鍵をデートに送り出した。
 対魔力はCランクであり、大魔術や儀礼呪法は防げないのだが、俊敏がAランクである彼と相対して大掛かりな魔術を行ったり、仮に実行できたとしても命中させることも困難であるため、このランクで必要にして充分と言える。
 飛び道具への耐性があり、風切り音と敵の殺気で軌道を読む。ルーンの加護により魔眼の対策はできている。一対一の白兵戦では屈指のねばり強さを誇り、『生き残る』ことこそが戦いの絶対条件なら、彼に並ぶのはバーサーカーくらい。ランサーの戦闘続行スキルは往生際の悪さを表す。
 ライダーと戦った場合には、ルーン魔術による加護で万全の魔眼対策をしているうえ怪物退治はお手の物であるため、魔物としての属性を持つライダーに対して有利に戦いを進められる。
 第四次聖杯戦争のランサーであるディルムッド・オディナと戦った場合には、ディルムッドの方がマスターからのバックアップ(魔力提供量)が優れているため単純な火力勝負ならばディルムッドが勝つ。日本では両者ともに地形効果はないが、舞台がアイルランドならばクー・フーリンが勝つ。
 セイバールートでは冬木教会で半日もの間ギルガメッシュを足止めした挙句敗死した。
 宝具はゲイ・ボルクのみだが、対人宝具の『刺し穿つ死棘の槍(ゲイ・ボルク)』と、その本来の使い方である対軍宝具の『突き穿つ死翔の槍(ゲイ・ボルク)』がある。
 ちなみに同じく敏捷Aのライダーには平均的な速度では劣るが瞬間的な速度では勝る。
 unlimited codesでは本編と同様にバゼットから言峰に主替えを余儀なくされる。だがキャスターを打倒した際にそのマスターである葛木総一郎の命を助ける代わりに破戒すべき全ての符によって言峰との契約を破棄し、マスター不在のまま聖杯戦争を戦い抜いた。それはバゼットが信じて召喚した英霊の最強を証明するためであり、バゼットの敵である言峰を殺すためであった。

 クラス別能力は以下のとおり。
 対魔力:C…第二節以下の詠唱による魔術を無効化する。大魔術、儀礼呪法などは防げない。
 保有スキルは以下のとおり。
 戦闘続行:A…瀕死の傷でも戦闘を可能とし、決定的な致命傷を受けない限り生き延びる。
 仕切り直し:C…戦闘から離脱する能力。また、不利になった戦闘を戦闘開始ターンに戻す。
 ルーン:B
 矢除けの加護:B…飛び道具に対する防御。狙撃手を視界に納めているかぎりどのような投擲武装だろうと肉眼で捉えて対処できる。ただし超遠距離からの直接攻撃、広範囲の全体攻撃は該当しない。
 神性:B


ランサー(人名・クラス/サーヴァント:Zero)
 身長184cm。体重85kg。
 第四次聖杯戦争におけるサーヴァント。ケイネス・エルメロイ・アーチボルトと契約した。真名はケルトの英雄でフィオナ騎士団随一の戦士、輝く貌のディルムッド・オディナ。宝具は『破魔の紅薔薇(ゲイ・ジャルグ)』と『必滅の黄薔薇(ゲイ・ボウ)』の長短二本の槍。
 魔眼ならぬいわば魔貌を持ち、彼の顔を見ただけで魅了の魔術が発動して普通の女性ならば一目で彼の虜になる。左目に泣き黒子がある。
 アウトドア料理と接客対応が得意。友情と仁義が好きで恋する乙女と嫉妬深い男が苦手。ソラウ・ヌァザレ・ソフィアリとケイネス・エルメロイ・アーチボルトが天敵。
 誰よりも高潔な忠臣たらんとし、聖杯ではなく、生前に叶わなかった騎士としての面目を果たすために召喚に応じた。そのため、アインツベルンの森における対キャスター戦においても自分との戦いで傷を負ったセイバーの左腕となって戦い、その後にケイネスを救出する際も騎士道精神により簡単に殺せたはずの衛宮切嗣に手を出さなかった。
 ソラウによって主替えの提案がなされたとき、騎士として忠誠を誓った主はケイネスだからと断った。だがソラウがあくまでケイネスの妻として夫のために聖杯を求めるという誓いにより、主替えは承諾しなかったがともに聖杯を求めることには同意した。
 キャスターが召還した大海魔との戦いの折に必滅の呪いを解いてセイバーに約束された勝利の剣を使わせるため、必滅の黄薔薇を自ら折った。
 その後ケイネスの拠点である廃工場を訪ねてきたセイバーと戦っている最中に、衛宮切嗣の策略にはまったケイネスにより令呪を用いて自害させられ、騎士と認めていたセイバーにすら怨嗟の絶叫を残して消えた。
 基本能力はさほど高くはないが、優位に立った敵の足元を掬う戦術に長けている。とりわけ宝具能力を頼みとする英霊にとっては天敵とも言える。戦術次第では確実に第四次聖杯戦争を制していたか、アサシン相手にあっさりと不覚を取っていたと思われる。
 破魔の紅薔薇と必滅の黄薔薇を携える槍兵として具現化したが、モラルタとベガルタの伝承によってセイバーのクラスで召喚される可能性も充分にあった。むしろケイネスはそちらを期待していたのかもしれない。モラルタとベガルタは『ランサーのクラスで剣を使うのはどうか』と空気を読んで持っていなかった。
 生前はフィオナ騎士団最強の騎士だった。だが主君フィン・マックールの妻となるはずだったグラニア姫が彼の魔貌に魅入られてしまい、フィンとグラニアの婚約の宴の日に駆け落ちをする。その逃避行において騎士団にいた頃以上の武勇を打ち立てた。後に許され騎士団に戻るが、フィンとともに狩りをしていたときに猪の牙で重傷を負い、手当てをされずに死んだ。
 多くの礼装を持つケイネスにとって英霊を使役するサーヴァントでさえ数ある礼装の一つ程度の認識でしかなかったようだ。彼は英霊の人格を認める気が毛頭なかったが故にディルムッド・オディナの忠義に最後まで理解を示すことが出来ず、結果として自滅同然の敗退を遂げる。尤もディルムッドにもマスターとして自分の忠義を受け止めてくれる相手なら誰でもよかった節があり、ケイネスの人柄と向き合っての相互理解を怠っていたのは事実。
 第五次聖杯戦争のランサーであるクー・フーリンと戦った場合には、ディルムッドの方がマスターからのバックアップ(魔力提供量)が優れているため単純な火力勝負ならばディルムッドが勝つ。日本では両者ともに地形効果はないが、舞台がアイルランドならばクー・フーリンが勝つ。

 クラス別能力は以下の通り。
 対魔力:B…詠唱が三節以下の魔術を無効化。大魔術、儀礼呪法等を以ってしても傷つけるのは難しい。
 保有スキルは以下の通り。
 心眼(真):B…逆転の可能性が1パーセントでもあるならその作戦を実行に移せるチャンスを手繰り寄せられる。
 愛の黒子:C…魔力を帯びた黒子による異性の魅惑。ディルムッドと対峙した女性は彼に対する強烈な恋愛感情を抱く。対魔力スキルで回避可能。


ランサー(人名/サーヴァント:旧Fate)
 旧Fateにおけるランサーのサーヴァント。マスターは沙条綾香のライバルであるルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトのようなお嬢様。物語中盤においてセイバーを失った綾香と仮契約する。


ランスロット(用語:氷室の天地)
 英雄史大戦のカード。
 武:10または9、防:5。



  


リーズバイフェ・ストリンドヴァリ(人名/異端審問官)
 Riesbyfe Stridberg。
 聖堂教会が擁する異端審問騎士団、ヴェステル弦楯騎士団の団長。聖堂騎士。城塞の聖女。聖盾の騎士。正式外典ガマリエルに選ばれた法の奏者。正式外典ガマリエルを再現する者。音と法律の調停者。音に強い関心を持つ。信徒の中の信徒。ゲッセバルネ枢機卿の寵児とまで言われた。シエルが教会で唯一真っ向から競ってみたい相手で、リーズバイフェのほうもシエルと競ってみたかった。吸血鬼掃討の記録はシエルとほぼ同数で、ドラクルアンカーの使い手としての名声も同格。パンチ力は1t以上16t未満。あくまで自称ではあるが、3tくらいとのこと。
 スウェーデンに住んでいたらしい。教会では演奏練習用の部屋を持っていた。暑さ寒さには強い。
 七夜志貴曰く、性別すら剥いてみないとわからない。メカヒスイも性別がよく判別できないためとりあえず剥こうとし、蒼崎青子には『お兄さん』とまで言われた。お兄さん扱いされることが多いが、体つきは女性らしい。ただし本人は人前で薄着になる機会が無かったので、人に体を見られると非常に恥ずかしがる。
 周囲からは真面目で迷いがなく、達観していると思われているが、その実何も考えていない、ずぼらで、面倒くさがりで、未来のことを考えるのが苦手で、後先考えない、今があればいいという人。日本語を流暢に操るが、漢字の読み書きはできない。ネコアルクに『並のメンヘルじゃない』と称された。路地裏同盟に加盟したいと願っている。健気に努力する女の子が好き。
 一つ前のワラキア討伐に参加し、シオン・エルトナム・アトラシアとともにワラキアに挑むが敗死し、正式外典も砕かれた。シオンは彼女を頼りにしていたようだが、お互い友情を確かめ合う前に死別してしまった。
 Vシオンのラストアーク・ブラッドバイブルではシオンがタタリとして彼女の情報を再現するが、それは彼女がタタリに飲み込まれたためで、タタリと化したVシオンの中にワラキアの夜から引き継いだ彼女が捕らわれているから。
 本来ならば取り込まれた存在は全て等価値の情報として再構成されるため、彼女のようにタタリとは別に再現されるモノは珍しい。正式外典ガマリエルが護りとなってタタリに取り込まれた彼女の消化を遅らせたためである。とはいってもそれは情報が消化されなかったというだけで、実際にはタタリによって殺されている。
 オシリスの砂による三咲町の二度目のタタリではオシリスの砂によって一年前のタタリの結末を変更する要因及び防衛機構の一端として再構成された。再構成当初は自分がどういう状態なのかわからず、通常の吸血鬼討伐任務だと思っていた。なお、本体である演算機に近づいてはならないとプログラムされていたのだが、オシリスの砂に成り果てる前のシオンの意思か、そのプログラムは破綻していた。それどころか再演算の妨げにさえなっている。構成要素は分割思考と魔力、リーズバイフェの魂。
 美的感覚が一般とは乖離しており、ネコアルクと遭遇した際には一目でネコと看破しながらも『キモい』『これは倒さないと』と問答無用で戦闘に突入した。その後正気に戻り、ネコアルクを『キモ可愛い』『とても幸福な生き物』、グレートキャッツビレッジを『楽園』と称した。が、その一切を夢と信じようと努めている。メカヒスイに剥かれそうになったときには反撃して破壊するが、メカヒスイを芸術的な造形と評し、できれば一台欲しいと漏らした。
 得意技はハイアングルギロチンフラッグ。吸血鬼さっちんの首がパイルバンカーによって串刺しにされ、天空に掲げられた旗のようにブラブラしたことからそう言われる。ばい民面書房刊。
 Actress Again弓塚さつきルート後は路地裏同盟に加入し、護衛とアルバイトをしている。路地裏同盟加入後はヴァイオリンの腕を生かした仕事をしている。
 礼園女学院院長のマザー・リーズバイフェと同一人物かどうかは不明。ただしマザーも院長室に正式外典らしき盾を飾っている。


リーゼリット(人名/ホムンクルス)
 身長162cm。体重52kg。B92 W58 H84。
 スペルは”Leysritt”。イリヤスフィール・フォン・アインツベルンのメイドの一人。イリヤに天のドレスを着せる役であり、主従関係を気にしない性格から話し友達となって、イリヤとは大の仲良し。だがイリヤを平気で呼び捨てにするためセラにたびたび怒られている。普段は頭巾に隠れているが髪はショートカット。
 聖杯の失敗作のホムンクルスで、本来は廃棄されるのだがイリヤのメイドとして延命されている。聖杯のカラ。セラとともに人間としての機能不全を起こしたイリヤスフィールに天のドレスを着せて儀式を行う役目を持つ。
 セラと同じ雛形から作られたが、こちらは純粋なホムンクルスではなくイリヤのための魔術礼装として作られたもの。文字通りイリヤの一部(予備部品)であり、肉体がイリヤスフィールと同調しているためイリヤスフィールの死が即ちリーズリットの死となる。天のドレスの部品でもあるため、イリヤスフィールが天のドレスを装着する時に役目を終える。本来は天のドレスを具現化するためのエーテル塊。
 ホムンクルスとして基本的な性能が欠けている。アインツベルンの擬似サーヴァントのようなもの。ホムンクルスにある生命としての弱さを克服しており使い魔として優れた戦闘能力を持つが、それと引き換えに五感の多くが備わっておらず、自我そのものも希薄。しかしイリヤスフィールと同調することで自我の希薄な彼女は理性を得た。
 無口で大人しい。言葉遣いは片言だが、それは日本語に慣れていないのではなくもともとの喋り方。
 アインツベルンだけの神秘でhollow ataraxiaのおよそ二年前に鋳造された。
 イリヤの体を守るのが役目。イリヤを泣かせたから衛宮切嗣のことを嫌っている。アインツベルン城の料理担当。優れた運動性を持つが、反面活動時間が一日に十二時間までと明確に決まっている。それを超えると彼女の余命を確実に削ってしまうため、アインツベルン城の夜の見回りはセラと交代で三日に一度やっている。
 なお、イリヤがワインセラーで見たというお化けの正体は彼女の得物であるでっかいハルバードを持った彼女。
 力持ちで動物的直感がある。イリヤとセラ、バーサーカー、衛宮士郎が好きで、セラが苦手かつ天敵。セラとは同型機だが、なぜかバストサイズに大きな隔たりがある。腕相撲では怪力スキルを使用したライダーと互角くらい。数値で表すとB-程度。
 別にお正月が好きというわけではなく、ただお雑煮が好きなだけ。感情に乏しい彼女にとって、新年の祝いなんてどうでもいいことであり、次の日が来てくれるコトへの感謝と変わりはない。そんなことより珍しい料理の方が大事。しかし悲しいかな、雑煮のような簡単な料理をセラが許可する筈もなく、リズはイリヤと一緒に衛宮邸に向かうのであった。
 メイド服は魔術礼装。下着はセラと同じくキャミソールと膝丈のドロワーズ。
 unlimited codesでは黒化した間桐桜に襲われ、イリヤスフィールの命を救うため消滅したバーサーカーの代わりに聖杯戦争を戦う。見事に桜を打倒して大聖杯を停止させるが、力を使いすぎたために寿命が尽きてしまう。


リーゼリット(人名/ホムンクルス:unlimited codes)
 大聖杯を停止させて寿命が尽きたリーゼリットと同型の雛形を用いた後継機。リーゼリットが機能停止した一月後に起動した。


リィゾ=バール・シュトラウト(人名/死徒)
 死徒二十七祖の6位。黒騎士シュトラウト。真性悪魔ニアダーク。魔剣ニアダークを持つ。最古参の三人の死徒のうちの一人。アルトルージュ・ブリュンスタッドの護衛の一人。
 時の呪いを患っているために不老不死。これは死徒としての不老不死ではない。


リズライヒ・ユスティーツァ・フォン・アインツベルン(人名/ホムンクルス)
 →ユスティーツァ・リズライヒ・フォン・アインツベルン。
 本編ではリズライヒ・ユスティーツァ、side materialではユスティーツァ・リズライヒと表記される。


リタ・ロズィーアン(人名/死徒)
 死徒二十七祖の15位。エンハウンスと異なり、正式に城と領地を継承した2代目。自称芸術家。貴族の吸血鬼の典型。ふたなり好き。
 やりたい放題やっている快楽主義者だが、根がひん曲がっているために満たされることはなく、たえず退屈しているお嬢様。死徒の中でも特出した趣味の持ち主。今日も今日とて酒池肉林の地獄で甘美な堕落にふけっている。
 スミレとは仲がよく、『自分かスミレが死ぬことがあったなら、それどちらかが殺す時だ』と思っているほど。


リビングデッド(用語)
 生きる死体。食屍鬼が他の遺体を喰らい、欠けた肉体を補って、数年かけて幽体としての脳を形成したモノ。戦闘力では死者に劣るが、れっきとした自我を持った吸血鬼。


リブ(人名:花札)
 恐らくブルマの世界でのリーゼリットのこと。


略奪(用語/能力)
 遠野秋葉の能力。射程・視界による略奪呪界。秋葉は視認した生物から熱(生命力)を奪う“略奪”の混血で、その最大出力時の状態を檻髪と呼ぶ。
 秋葉の略奪は視認することで発動するが、霊視を可能とする者にはその過程は赤い糸のようなものが巻きつき、赤く焦がしているように視える。これを最大限――対象のみならず対象を含む地域全体を赤い糸で覆い、脱出不可能にした状態が檻髪。
 髪が紅く反転して伸びるのだが普通の目には視えず、また触れることもできない。いわば秋葉の力がその髪の延長の形をしているだけであり、能力者である秋葉も魔眼憑きでないために視認することは不可能。『略奪』の触媒としてだけではなく、本来の髪とともに自在に操ることができる。
 霊的な防御力を持たない一般人には絶対的な攻撃法だが、アルクェイド・ブリュンスタッドのように霊格が桁違いの相手には『世界中に蜘蛛の巣が張っていてうざい』程度の妨害にしかならない。しかし感応者のバックアップがあればアルクェイドを縛り付ける程度の束縛はできるかもしれない。


竜牙兵(魔術)
 キャスターの道具作成スキルによって竜の歯から作り出された使い魔。コルキス王の魔術。大地に歯を蒔き、竜種の魔力と大地からの知識を得て使い捨ての雑兵となる。
 メディアが得意とする魔術で、元々はコルキス王が伝えていたもの。一体の戦闘力はサーヴァントに及ぶべくもなく、人間のマスターでも対処できるが、一度に大量に召還されると厄介。全ての個体が同じというわけではなく、使用する武器に若干の違いがある。
 本当はすごく強い。


リュウケイ先生(人名:MBAA)
 隆慶一郎のこと。筆名の区切りは隆慶・一郎ではなく、隆・慶一郎。
 大正十二年九月、東京都に生まれる。同志社中学卒業後、昭和十六年四月に第三高等学校文科丙類に入学、自由寮に起居する。半年繰上げで昭和十八年九月に三高文丙卒業、十月に東京大学文学部フランス文学科に入学。十九世紀フランスの象徴主義を学ぶが、僅か二月余後の十二月には徴兵され、学徒出陣。戦地に赴く際にも中原達也の詩集『山羊の歌』と『在りし日の歌』を手ずから写したノートと、アルチュール・ランボオの『地獄の季節』を当時陸軍将校が愛読していたとされる『葉隠』の途中を切り取って差し替えたものを隠し持っていった。復員後は大学に戻り卒業、創元社で編集者の職に就く。創元社退社後は中央大学文学部フランス文学科助教授として教壇に立ち、その傍ら昭和二十九年に本名の池田一朗名義でシナリオライターに転じ『にあんちゃん』『梟の城』『城取り』などを手がけている。
 昭和五十九年、六十歳にして『吉原御免状』で小説家としてデビューし、次々に話題作を発表。『一夢庵風流記』で柴田錬三郎賞を受賞するが、授賞式を待たず平成元年十一月四日急逝。享年六十六。
 逝去により『見知らぬ海へ』『かぶいて候』『夜叉神の翁』『死ぬことと見つけたり』『花と火の帝』が未完となったほか、『吉原御免状』は本来四部作構想であったとのことであるが第二部の『かくれさと苦界行』が完成したところで終わっている。
 『虎は生まれつき強いもの』という言葉は著書『一夢庵風流記』における前田慶次郎の『虎や狼が日々練磨などするかね』『そんな真似はしなくても、強い者は強いんだ』という言葉がもと。
 なお歌月十夜の起動メッセージでシステム担当の清兵衛氏がお勧め小説の一つに『死ぬことと見つけたり』を挙げている。


竜種(用語)
 幻想種の頂点。種別は魔獣。神秘・超越の具現。竜を模したモノは分類に関係なく最優種とされる。竜種(あるいは竜種を模したもの)は三類の属性を備えている(魔獣、幻獣、神獣の全てに存在する)ため、人と交わることも多かったようで、魔術の分野にも多くの伝説が残る。
 竜の巣穴の財宝譚があるからこそ幻想種たりえる。


流体操作(魔術)
 水属性と風属性に共通する術。


龍洞(地名)
 円蔵山にある天然の大洞窟。ここにユスティーツァ・リズライヒ・フォン・アインツベルンを基盤とする大聖杯が設置されている。
 第四次聖杯戦争終結後、衛宮切嗣が聖杯戦争から持ち越した爆薬をやりくりして数年がかりで数箇所の地脈に手を加え、円蔵山に流れ込むレイラインの一部に『瘤』が発生するよう細工を施した。これはマナが堆積し、30年から40年の間には破裂してごく局地的な大地震を円蔵山直下に引き起こし、大聖杯が設置されている龍洞を崩落させるというもの。これは第五次聖杯戦争を防ぐための措置だったが、切嗣の目論見とは違い、第四次聖杯戦争が中途半端に終結したため僅か10年で第五次聖杯戦争が勃発してしまった。しかし龍洞の崩落自体は起こるようで、どのルートでも第六次聖杯戦争は勃発しない。


柳洞一成(人名)
 りゅうどう いっせい。
 身長170p。体重58s。
 穂群原学園2年C組。hollow ataraxiaの頃は3年C組。生徒会長。柳洞寺の末っ子で、ゆくゆくは僧侶になりたいというが、現在は跡取りといえど下っ端中の下っ端。本人の言うとおり霊力は弱い。人見知りが激しく、キャスターとは少々他人行儀な関係。2年前に衛宮士郎と出会い、友人になった。葛木宗一郎を兄と仰ぎ、休日は組み手をしていた。寺に伝わる武道を修めているため実力は相当なもので、空手は黒帯。冬木空手道場に組手をしに行くこともある。毎日二時間の道程を踏破して登校している。
 座禅と空手が得意で詰め碁、詰め将棋とクロスワードが好き。女性と流行ものが苦手で遠坂凛が天敵。寺の息子だけあって怪談がうまい。怪談を語るときは口調が変わるが、それは柳洞家の決まりらしい。
 堅物で遊びのない性格だが、融通が利かないわけではない。弁当があまりにも質素なため、衛宮士郎から肉類を分けてもらうことがある。士郎にはよく備品修理を手伝ってもらっており感謝しているのだが、好き勝手に使っているという後ろめたさも抱いている。
 穂群原学園入学前に通っていた学校は遠坂凛と同じところで、士郎と間桐桜が通っていた学校とは別の学校。そこで生徒会長を務め、凛は副会長だった。凛を『人類の天敵』と喩えるほどの犬猿の仲だが、人間としては認めている。彼の女嫌いは二年に亘る凛との暗闘が原因と思われる。その凛を女狐、妖怪、女怪、仏敵と呼ぶ。
 一年生の後半から二年生の前半にかけて生徒会書記長を務めた。なおその頃のふざけた生徒会を球技大会の開会式で堂々と批判した。
 二年生のときの球技大会では衛宮士郎、間桐慎二と組んでセパタクローに参加した。決勝に進出したが、氷室鐘、沙条綾香、美綴綾子の2年A組チームと対戦した際に嫌がらせじみた集中攻撃を受けたことで乱闘を起こし、A組チームとともに失格になった。
 2年生の夏休みに氷室鐘から勝者は敗者に一つ命令できるという条件の英雄史大戦での対戦を申し込まれ、これを受ける。申し込まれた時点では英雄史大戦をプレイしたことはなかったようだが、佐々木小次郎、柳生十兵衛、成田長親、忠犬ハチ公、森宗意軒などからなる日本デッキを構築し、氷室を破る。勝利後、氷室の首にかけられた指輪を見て『俺のことはこのまま嫌い続けてくれ』と命令した。この命令は一見して実利がないものだが、一成にとっては実利があるものとのこと。
 氷室との英雄史大戦対決に際しては間桐慎二に氷室の戦術を教わったことに加え、事前に氷室の参謀になる可能性が高い蒔寺が補習をさぼって行きそうな場所を藤村大河に教えて氷室との合流を防ぐ、充分にゲームを研究しつつも素人を装って油断を誘うなどかなりの準備を整えていた。
 体育祭では特別三枠のうち将棋ボクシングに出場し、準決勝で美綴と対戦した。武では敵わないが美綴は将棋が苦手なため、ボクシングでは防御に徹して『負けない』戦い方をし、得意な将棋で攻めるという戦略を取られたため美綴は将棋ラウンドで投了。
 彼の生徒会長オーラが強すぎて穂群原学園次期生徒会長選は立候補も推薦もなく、会長選のみ次学期に持ち越しという異例の事態になった。彼は卒業したら進学せずに修行に入るため、三年生で生徒会長に留任するという事態も平気。
 彼が生徒会長になる際に掲げたのは改革路線であったが、悪く言えば印象で当選したためそれをしっかりと見ている者は少ない。彼自身は改革を断行することを望んでいるが、遠坂凛との対立もあり一期では完全に決着はつけられなかったようだ。生徒会モードになると普段の寛容さとは打って変わり、鬼の生徒会長と化す。
 生徒会長として非常によくやっているのだが、その情熱の傾け方が少しおかしい。腐れ縁じみた遠坂凛とのライバル関係が強いのだ。校則厳守のため廊下を走ることはないが、走りを凌駕する歩きがそこにはある。
 ヴェルデの地下食品売り場の隅の軽食スペースがお気に入り。とくに大判焼が好きだが、好みはなかなか厳しく、大判焼でも漉し餡が最上としている。
 第三次聖杯戦争の再現たる四日間の中ではキャスターに対してはいちいち衛宮士郎を引き合いに出して小姑のようなことをしているらしいが、キャスターの言なのでいまいち信用がならない。


柳洞寺(地名)
 深山町の外れにある円蔵山中腹に建つ、五十人からなる修行僧が生活する山寺。昔から法力の持ち主は少なかったらしく、現在でも加持祈祷や退魔祈伏は不得手。伝承にある未遠川の龍神調伏の前から開山していた。佐々木小次郎は生前にも柳洞寺を訪れたことがある。
 開基は現在の柳洞一族の祖ではなく、伝承によれば旅の僧であった柳洞の祖が未遠川の龍神を鎮めたあと既にあった柳洞寺に住んだということのようである。なおその龍神を鎮めたという伝承も、実際には戦ったのではなく口八丁で丸め込んだらしい。その後、柳洞寺の者は龍神の暇つぶしとして龍神から武道を教わっており、それは現代でも柳洞寺に伝わっている。
 長い石段を抜け山門をくぐると広い境内と立派な伽藍が見渡せる。裏の深い林の中の裏参道を行くと、林の中に深山町屈指の面積の墓地がある。そこに衛宮切嗣の墓がある。なお、そこには郊外の森を一望できる高台がある。
 柳洞零観や柳洞一成の家で、三年ほど前から葛木宗一郎が同居している。西の建物が住職一家の住居で、一番奥の離れが葛木夫妻の部屋。住職は小坊主に食わす贅沢は無いと言って一成の食事は質素にしている。
 藤村組とはつきあいがあり、ちょっと金銭欲が強い現住職と藤村組組長の藤村雷画は刎頚の仲。藤村大河と柳洞零観、蛍塚ネコは同級生。住職はいまだバリバリの現役で、よく修行と称して他山に出かける。ちなみに位は権僧正、かなり剛毅な人物でよく酒宴を開く。修行僧を抱える寺であるが実際にはなまぐさで、コペンハーゲンから酒類を大量に購入している。
 奉仕活動(主に清掃)をすることを条件に穂群原学園の生徒に気前よく大部屋(講堂)を貸すので、ここで合宿が開かれることもある。
 龍脈に対する要石としての役割を持ち、冬木市の心臓といえる。落ちた霊脈に建っていて、山門以外には自然霊以外を排除しようとする法術結界が働いている。
 そのうえ第五次聖杯戦争ではキャスターが作り上げた対魔術の防御結界により魔術、宝具は大幅に削減される。また山門はキャスターが召還したアサシン(佐々木小次郎)が門番となって守護している。キャスターの神殿になっていて、冬木市中から集められた魔力が流れ込んでいる。ここでならキャスターは魔法の域の魔術も使える。
 ここで暮らす人間はキャスターに人工的な令呪を組み込まれていて、キャスターが決めた“三か条”を破る者を見つけると、それを排除するためだけの人間になる。
 この地下には大空洞があり、そこに大聖杯がある。裏手の池は古くから竜が棲むといわれ、柳洞寺内で最も霊的価値が高く、表向きの聖杯召還場所となっている。第一回聖杯戦争の聖杯召喚場所である。なお桜ルートの後に大陥没し、復興に数年を要したのだが、その原因はアンリ・マユの消滅ではなく遠坂凛が好き勝手に暴れたからである。
 hollowにつながるルートでは大聖杯は崩壊したものの大空洞は崩れていない。またキャスターによる防御のための仕掛けが一月ごとに増えている。


柳洞零観(人名:hollow)
 りゅうどう れいかん。柳洞一成の兄。穂群原学園のOB。
 豪放磊落でさわやかな性格のガテン系。柔道で全国まで行った腕前で、警察に指導員として招かれている。その捕縛術は未遠川に鎮まった龍神から暇つぶしに柳洞寺の者に伝えられたものらしい。葛木宗一郎とはたまに組み手をしていた。
 藤村大河、蛍塚音子たちと穂群原学園の同級生で、生徒会長と現在はない応援団長を兼任していた。在学中に藤村大河に交際を申し込んだが、そのせいで藤村組の若い衆に取り囲まれてのされた。ちなみにそのときも「はっはっは」と笑っており、因縁をつけられたのが自分であることに気付いたのは大河の介抱を受けているときだったという。
 酒好きで、『悟りたければ各々かってに悟ればよい。酒を飲むときは酒を楽しまねばバチがあたる』とは彼の言。年末年始は寺のことを父と弟に任せてマウント深山商店街の自衛団の一員として新年会の準備を進めていた。なお新年会の会場は柳洞寺であり、子供たちを帰したら博打の悪の華・手本引きが開かれる。
 住職がいない間、柳洞寺を任されている。


両儀(家名:月姫)
 浅神・巫浄・七夜と並ぶ退魔の一族。


両儀式(人名:空の境界)
 身長160cm。体重47kg。
 両儀(月姫における退魔の一族である両儀ではなく、空の境界における二重人格者の一族の両儀)の家系が作り上げた『根源』に繋がったもの。起源は『虚無』。AATMでセイバーに『ぶっちゃけ神様』と言われているが、本人は否定こそしなかったものの『頭の悪い比喩すんな』と切り捨てた。かなり育ちのいいお嬢様。字がとても巧い。本人の前では口にしないが、黒桐幹也が大好き。それでいてヤンデレ、ツンギレ。冷めた性格で、万事がどうでもいいように振る舞う。不器用で唯我独尊。苗字で呼ばれるのが嫌い。
 凝り性で、面倒臭がりだが一度はじめるととことんやらなければ気が済まない。料理の腕前は板前も顔負けだが、他人が作ったものならば『自分が作ったものではない』ということで大抵の味は許容する。ソフトドリンクの好き嫌いは特にないが、安いもの、飲むのに手間がかかるものは飲まない。ストロベリーアイスは苦手だが(というか冷たい食べ物全般が苦手)、コンビニエンスストアに寄ると必ず購入する。
 直死の眼の保持者。人を殺せない殺人鬼。血の匂いに弱く、血を見ているだけで頭がぼうっとする。『両儀式』の中の肯定の人格で、肉体の占有権を持つ。刃物好き。高校時代の黒桐幹也のクラスメイト。男が見ると美女に、女が見ると美男に見える。暑さ寒さに我慢強い。
 武器には基本的にナイフを使うが、投擲用の短刀を使うこともある。本来の武装は日本刀で、刀を持つと未来予測などまさに段違いの戦闘能力を発揮する。だがサーヴァントには及ばない。
 剣術の腕前は藤村大河と同じくらい。つまり全日本剣道連盟が定める『日本剣道形』剣道五段相当。ただし得手不得手は別にして刀よりナイフが好き。そのあたりのこだわりがなくなって問答無用で剣士としてのスペックを出すフラットな人格になれば、矛盾螺旋の終盤のようになる。
 もとは式と織の2つの人格があり、生まれながらに一つの身体を他人と共有していたために子供の頃から極度の人間嫌いで、自分すら嫌いだった。織とは会話することはできないが、お互いに何を感じているかはわかる。一方が表に出ている時もう一方は眠っているような状態なので、切り替わったときにそれまで出ていた方の想いを一気に認識する。
 いつも和服(細かなところで手が加えられていて、ハイキックが打てる)を着ていて、黒桐幹也との会話の弾みから寒いときは着物の上に皮製のブルゾンを着ている。だが別にこだわりがあるわけではなく、好きなものを着るだけ。1995年の9月まで洋装を着用したことがなかった。洋服自体は硯木秋隆が用意していたのだが袖を通さず、自ら購入した赤い革のブルゾンを着たのが初めて。
 当たり前だが、式の着物は高級品。種類こそ分からないものの、高級品にしか触れていないので『いい』『わるい』だけは判別がつく。そのため呉服屋で「この生地でお願いします」と言って去った後、秋隆が値段を見て「あちゃー、オレの給料二ヵ月分」みたいなことになる。
 小遣いは月に五万円。それとは別にお金が欲しくなったらそれとなく『買い物したい』オーラを発し、それを察した秋隆が用意する。ちなみに買い物したいオーラとはいつもよりちょっと不機嫌な感じになること。
 彼女の対人感情は動物的で、まず一緒にいていい人間と一緒にいたくない人間とに分かれる。一緒にいていい人間となら嫌いだろうと付き合っているらしく、蒼崎橙子は嫌い、黒桐鮮花は好きというカテゴリらしい。黒桐鮮花のことを面白いやつ、気を遣わなくていいやつと認識しており、女友達として大好き。だが鮮花は式のことが大嫌い。ただし幹也のことを抜きにすれば鮮花も式のことが好き。
 行くなら海より山派。『空の境界』を伝奇ではなくポエムと思っている。怖いものは黒桐幹也の無防備さ。物語はミステリ(ただしかなりイロモノ)が好き。土曜日は習い事をしており、日曜日はずっと寝ている。
 昏睡状態になる前の成績は優秀だった。目覚めた後も高校に通っているが、さぼり癖が出るため先生方の覚えは悪くなる。昏睡前の出席番号は19。昏睡に陥る前、普段は自宅で琴、華、筆、剣、柔、踊、極(これがどんなものかは不明)の習い事一式と、趣味で調理をしていた。実家の二階にある私室は最低でも12畳半の和室(画面に見える限り畳敷き10帖、板張り2帖半)。
 1996年3月5日の深夜に荒耶が仕組んだ交通事故に遭い、以後1998年6月13日まで昏睡状態となる。これは黒桐幹也に好意を抱くあまり1996年3月5日には殺しそうになるが、荒耶宗蓮に妨害されたことで自分が消えることを選択したため。その際に織が死亡し、式は二年間死と触れ続けた。その結果、織を失った代償行為として男言葉をしゃべるようになり、直死の眼を得た。
 昏睡から目覚めたときに直死の眼を得ていたことから自分で目を潰そうとし、緑内障の一歩手前まで眼球を圧迫したために一時的に失明。その後しばらくは目のみを包帯で巻いていた。退院後は蒼崎橙子のアシスタントというか、裏の仕事を請け負っている。
 式が橙子の依頼を受ける場合、一時的にせよ殺人衝動を解消させてくれることが報酬となる。だが大抵は浅上藤乃のように殺す殺さないの関係が終わって白けてしまったり、殺せたと思ったら幽霊だったりで、式が心から満足する報酬は得られていない。よってその代わりとして橙子は義手を強化したり珍しい刃物を与えたりしている。
 昏睡から目覚めたあとは生の実感がなく、人を殺すことで生の実感を得ようと躍起になるが、色々な偶然や善意の妨害で上手くいかなかった。銘記、保存、再生、再認のすべてが正常に機能しているにもかかわらず、昏睡以前の記憶をまるで他人事のように感じている。
 目覚めてからは両儀の屋敷ではなく、アーネンエルベの二駅隣、工房・伽藍の堂の近辺にある四階建てアパートの二階の隅部屋に住んでいる。自分の部屋に鍵をかけるのは眠るときだけで、外出時には泥棒に入られても害がないということで鍵はかけない。というか鍵自体を大家から借りた合鍵もろともに遺失しており、新しく作ってもいない。ちなみにこのアパートのオーナーは式自身。
 部屋の掃除は硯木秋隆がしている。生活費は秋隆が気を利かせて届けている。部屋で着ていたワイシャツが誰のものかは不明。部屋に食べ物のストックはなく、基本的に『ここでなら食べてもいい』と認めた高級な店で外食をしている。
 1999年の連続殺人の際には犯人を捜して連夜街を彷徨い、ビルの屋上などで眠っていた。2月11日に白純里緒に捕まって筋弛緩剤などを大量に投与されたが、大量に発汗することで毒素を排出して白純を殺した。
 彼女の直死の眼は遠野志貴のように頭痛を引き起こすことはないが、『点』が視えずに『線』のみで構成される。また、生物以外に死を視ることも困難である。ただし生物の中の患部など、より細かい括りの死を視ることができる。
 概念を切ることが出来ない志貴と違い、彼女は概念を切ることが出来る。これは脳のスペックによるもので、「 」に触れて事象の視覚化に特化した式は『概念』を捉えることに向いているため。だが式とて何でも殺せるわけではなく、本人が『生きている』と認識するものしか殺せない。例えば壊れた電話を『壊れている=死んでいる』と認識した場合にはその電話を殺すことが出来ない。
 また彼女は魔眼殺しを使用していないが、それは死を視ない様にコントロールできるわけではなく、単に蒼崎橙子を喜ばせるのが嫌なので橙子が大金を注いで作った魔眼殺しを突き返したからである。そのため彼女は捨て鉢になっている。
 浅上藤乃との戦いで使い物にならなくなった左手を自ら殺し、その後は蒼崎橙子が作った霊体を捉えることができる義手を使用している。
 AATMではあまりに不味い料理にキレて当時店長をしていた荒耶宗蓮たちを殺害。そのため店長を引き継いだのだが、ふざけたメニューを破棄して新たにメニューを作成するなど徹底していた。


リライト(魔術)
 →暗示。


凛のペンダント(用語)
 遠坂時臣が遺した強力な宝石魔術。死に瀕した人間を蘇らせるほどの魔力が篭もっていた。凛がこれを使用してランサーに襲われて死にかけていた衛宮士郎を無理やり蘇生させた。
 蘇った士郎は朦朧とした頭で近くに落ちていたこれを拾って持ち帰り、その後死ぬまで持ち続けた。その時点では少しだけ魔力が残っていた。
 凛が触媒もなしに英霊エミヤを召還できたのは、エミヤの方がこれを持っていたから。士郎を蘇生させた後に凛の元に戻ったペンダントはアーチャーが持っていたもので、桜ルートのラストに類する状況で使用したためにこちらには魔力は残っていない。



  


ルー(神霊)
 クー・フーリンの父であるケルトの光神。轟く五星(ブリューナグ)という槍を持つ。祖父である巨人族フォウォールの王にして暗黒神バロールを倒したとされる。


ルールブレイカー(対魔術宝具)
 破戒すべき全ての符。第五回聖杯戦争におけるキャスターの宝具。
 あらゆる魔術を破戒する短刀。裏切りと否定の剣。魔力で強化された物体、契約によって繋がった関係、魔力によって生み出された生命を“作られる前”の状態に戻す究極の対魔術宝具。裏切りの魔女の神性を具現化した魔術兵装。
 どれほど低ランクだろうと宝具を初期化することはできない。
 殺傷力は微弱で、ナイフ程度の威力しかない。


ルーン(用語)
 蒼崎橙子やバゼット・フラガ・マクレミッツが使う北欧の魔術系統。固有の意味を持つルーン文字を書くことでその奇跡を実現する。遠隔的にしろ『書く』ことが必要なので戦闘には向かないが、橙子は自身が戦わずに使い魔に任せるので問題はない。
 遠くから文字を重ねるという間接的な魔力の働きは直接魔力を体に張り巡らせている魔術師には通用しないので、魔術師との戦闘の際には文字を直接書き込む必要がある。
 ルーンは文字それぞれにいくつかの固有の意味を持つが、意味の特定は魔術師それぞれである。蒼崎橙子はアンサズを発火に用いたが、アンサズの最大の効用は『知らしめる』こと。他に火系だとサガズとエイワズがポピュラー。
 橙子は魔術協会でコレを専攻する者が少なかったために待遇の面で有利になると考えて学んだ。コルネリウス・アルバは橙子よりも先にコレを専攻していたが、橙子の実力の前に株を奪われてしまった。
 第五次聖杯戦争におけるランサーことクー・フーリンは、白兵戦を好むためにあまり使用しないが原初の十八のルーンを修得している。
 バゼットは秘爪で刻む。


ルーン(技能)
 サーヴァントの能力。第五次聖杯戦争のランサーことクー・フーリンの技能。
 B:北欧の魔術刻印・ルーンの所持。原初の十八のルーンを持つ。


ルヴァレ(人名/死徒)
 湖の死徒。ノルウェイの霧に潜む、齢五百を超える吸血鬼。空席となった二十七祖の十位をじきに受け継ごうという大貴族。祖に準じる歴史を持つ古い死徒。親と娘と息子の三人。トラフィム・オーテンロッゼの子飼いだった。
 血を搾取した人間の数はおよそ五千、感染による被害を入れればその数倍となる。
 彼自身は愛玩目的で真祖に汲み上げられた美しいだけの人間であったため、超抜能力はない。数百年前に教会の代行者によって湖に追い込まれて死滅したものとされていたが、奇跡的な生還を果たす。以後はそれまで関心のなかった親族作りに傾倒し、死徒最大の派閥である白翼公トラフィム・オーテンロッゼの傘下に入った。
 彼自身いまだ自力で二十七祖に足るとは思っておらず、あと二百年は必要と感じていた。その二百年を埋めるために百年をかけて魔術師たちから名のある魔術礼装や概念武装を奪いに奪っていた。その成果はメレム・ソロモンすら羨むほど。
 バルトメロイが現れる三時間前に薔薇の予言が届き、その通りに三人とも殺人貴に殺された。なおその直前には息子は復讐騎エンハウンスと、娘はバルトメロイ・ローレライと交戦していた。


ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルト(人名/魔術師)
 Luviagelita Edelfelt。
 リングの狩猟犬、淑女のフォークリフト。魔道の名門エーデルフェルト家のご令嬢。一族の誇りと謳われる若当主。時計塔の今期主席候補の一人。彼女の前に遠坂凛が現れるまでは優雅な物腰、気品溢れる言葉遣い、白鳥の如き美貌と非の打ち所のない人物だった。もちろんそれは猫かぶりで、負けず嫌いで潔癖症。オレンジまじりの金髪がコンプレックス。
 フィンランド人の(間違った)嗜みとしてガンド撃ちも達人レベル。体術ではイングランドの捕縛術ランカシャースタイルを使う。というかプロレスをたしなんでいる。戦闘スタイル、精神性、考え方のどれをとっても立派なプロレス馬鹿。投げ技を主体とし、どれほど攻撃を受けようとも正面から掴みに行く。
 服装は青で統一している。そのドレスは袖がアタッチメントでノースリーブに早変わりするというもので、理由はケンカのたびにいちいち破っていたら仕立て代がもったいないから。つまりよく破いていた。
 第三次聖杯戦争が原因で遠坂家を嫌い、日本の土は踏まないと決めており、日本人は神秘を学ぶには足りない劣等人種と蔑んでいる。嫌いなものは日本人、好きなことは日本人いじめ。
 金持ちであるが、無駄な出費は許せない守銭奴でもある。だが貴族が貴族である為に散布するのは有意義な事としている。庶民には冷たくあたるお貴族だが、庶民あっての自分たちだと理解しているので彼らのことを強く愛している。
 将来の伴侶は上流階級の宿命として貴い血を引く殿方と、と受け入れているが、本当は素朴で飾らない男性が好き。
 似たもの同士の遠坂凛とはライバル関係で、顔を合わせるたびに衝突の度合いは激しくなっていった。一年後には魔術協会の鉱石学科で『トオサカとエーデルフェルトがかちあう授業には出席するな』という暗黙の了解ができたほど。
 十数年間かぶってきた化けの皮を剥がされて不機嫌ではあるが、凛との日々は充実している。
 一目見ただけでイリヤスフィール・フォン・アインツベルンをホムンクルスで看破するなど、魔術師としての実力は本物。でありながら馬鹿っぽいので、イリヤスフィールは彼女と遠坂凛を血のつながっていない姉妹ではないかと評した。
 200X年8月8日に魔術協会のノーリッジ学生寮の最上階の二十八部屋をすべて使用したいと申し出たが、遠坂凛が入寮を申し込んだことでできなくなった。その直後に遠坂凛が持っていたロードからの推薦文を破り捨てて大喧嘩に発展し、受付が崩壊。二人とも入寮どころか立ち入り禁止になった。
 で、寄宿舎は狭いとの理由で洋館を買い取って住んでいる。
 ゼルレッチの宝箱の中から藤村組に電話をかけたときにつながった三年後の並行世界では、もとの時間の一年後に決死の思いで書き綴った会心の作を遠坂凛に預け、遠坂凛に悪意はなかったのだが、ロンドン塔から飛び降りた挙句に七月のメアリというあだ名をつけられた。そのときに衛宮士郎と知り合った(知り合う?)ようだ。士郎を呼ぶときは『シェロ』と呼ぶ。
 unlimited codesではマスターでもないのに第五次聖杯戦争に乱入し、バーサーカーを投げ、彼女の目的は聖杯ではなく、遠坂より優れた戦績を残して遠坂凛を直接倒すことで遠坂に遅れを取った先代党首の雪辱を果たすことだった。
 『狙われたアーネンエルベ』では、アーネンエルベの向かいに一晩のうちにメイド喫茶アーネンエノレベを建て、のみならずランサーにアーネンエルベの買収を持ちかけた。
 サイドビジネスとして始めようとしたホテルの建設は予定地の地盤沈下によって計画段階で頓挫、キャビアの先物取引には失敗、遠坂凛に因縁を吹っかけられたことで魔術協会から小言を言われ、お気に入りのコーヒーカップは割れ、トーストがバターを塗った面を下に落ちるといったことを呪いの兆候と考えていた。それで悩んでいる時にカレン・オルテンシアにキシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグが作った『あらゆる呪いを解く魔術礼装』の存在を教えられ、その獲得に動く。
 アーネンエルベの向かいにアーネンエノレベを作り、客を奪うことでアーネンエルベを乗っ取ろうと計画する。アーネンエノレベに潜入しギルガメッシュに捕縛されたランサーに、出会い頭にいきなりバックドロップを見舞って気絶させた。しかし店をほっぽっていたため客が悉くアーネンエルベに流れてしまったため、自分も客としてアーネンエルベに入って『あらゆる呪いを解く魔術礼装』を探す。そこでひびきから礼装の所在を聞き出すためメニューに駄目出しをしまくることで精神的優位に立とうとするが、注文したカフェラテとブルーベリーのパイの美味しさに感動してしまいその作戦を放棄。アーネンエルベを廃墟に変えてから礼装を探そうとするが、そこにケータイさんが自ら現れたこととランサーによって無力化されたため、その計画は実行されなかった。
 それからしばらくは気絶していたが、騒動の後で呪いはそもそも存在しなかったと悟り、日本を離れロンドンに戻る。その時にひびきと千鍵に自分に仕えたくなったらロンドンに来るよう言い残した。


ルノー・メガーヌ(用語:氷室の天地)
 冬木市長の氷室が所有する自動車。
 フランスのルノー社が製造する小型乗用車。同社を代表する小型前輪駆動車であり、現行型は二代目。二代ともにパトリック・ル・ケモンがデザインを担当した。
 初代は1995年にルノー・19の代替として1400ccから2000ccのエンジンを搭載し登場。それまでのルノー車とは一線を画したデザインと豊富なボディバリエーションをセールスポイントとした。1999年に行われたマイナーチェンジでは、ドイツのコーチビルダー、カルマン社が架装を手掛けたカブリオレとトルコ工場製の5ドアワゴンが追加された。
 日本仕様ではクーペ(普及版2.0は右、高性能16Vは左ハンドル。後年16Vのみの輸入となる)と5ドア、セニックが導入され、マイナーチェンジ後にはクーペに替わりカブリオレが導入された。全幅は本国仕様では1699mmであったが、日本ではサイドウインカーも全幅に含める関係で1700mmを僅かに超え、ごく初期の5ナンバー登録車を除き3ナンバー登録となった。
 2002年に生産終了。
 現行モデルの二代目は2002年にデビューし、日本市場には2003年から導入された。鋭角的な独特のデザインが特徴。このモデルも豊富なバリエーション展開を行っている。
 ヨーロッパの自動車衝突安全性テスト「ユーロNCAP」において最高の5つ星の評価を得るなど、デザインだけでなく高い安全性と実用性、信頼性がヨーロッパで高い評価を受けており、ヨーロッパ市場における同クラスのベストセラーである。
 日本市場においては3ドアハッチバック(ルノー・スポールのみ)、5ドアハッチバック、4ドアワゴン、クーペ・カブリオレ、グラン・セニックの5タイプのボディが用意されている。ルノー・スポール以外は1.6Lまたは 2.0Lのガソリンエンジンを搭載する。変速機は5速および6速のマニュアル・トランスミッションと4速のマニュアルモードつきオートマチックが用意されており、いずれも右ハンドルが用意されている。



  


礼園女学院(地名)
 久遠寺有珠が通う女学園。


霊核(用語)
 英霊が現界する際の核。まず霊核を得て、それが魔力でできた肉体を纏うことで実体化する。
 大きな魔力を消費したり、魔力で構成された肉体を損傷することで次第に弱体化していき、その状態でさらに魔力を消費したり強力な魔力や呪い、宝具などによるダメージを受けると霊核が破壊されて現界できなくなる。
 心臓と首が霊核に直結した部位であり、ここに受けたダメージは霊核を大きく弱体化させるため、心臓と首は英霊の弱点とされる。


霊器盤(用語:Zero)
 聖杯戦争の監督役が持つ魔導器。召喚されたサーヴァントの属性を表示する機能がある。


霊子(用語)
 詳細不明。
 ヘルメスが人間を賢者の石に変換する時はまず人間を霊子に変換するのだが、その霊子は血液とされている。この血液がただの液体としての血液を指すのかは不明。


霊子演算機(用語:MBAA)
 →ヘルメス


霊子ハッカー(用語)
 エルトナムの錬金術師の通称。エーテライトにより他人の脳髄から強制的に情報を引き出すためこう呼ばれる。


令呪(用語)
 コマンドスペルとも。サーヴァントを召還した際にマスターの体の一部に現れる印。大聖杯によってもたらされた聖痕がサーヴァントを召還することで変化したマスターの証。
 マキリが作り出した、人の手には到底負えないサーヴァントを律する道具。3回までのサーヴァントに対する絶対命令権がある。術者によって形が違う3画の図形。魔術回路と一体化しているが魔術回路とは別系統の魔術であり、魔術回路がなくても行使できる。令呪の形状は魔術回路の特性によって決定され、一度決まった形状は他のマスターに奪われるなどしても変わることはない。
 第一次聖杯戦争の時には存在しなかったため、サーヴァントがマスターに従わないことがあった。その失敗を踏まえ、第二次聖杯戦争から導入された。
 もともとはサーヴァントの能力以上の奇跡を起こすためのもの。よって肉体の限界を超えることであっても、マスターとサーヴァントの魔力が届く範囲内ならば実行可能にする大魔術の結晶。そのため、確固たる内容の単一の命令はほぼ絶対に実行させることができる。だが曖昧で効果が広く長いものでは効き目が弱くなり、強制は長く続くものの苦痛が小さくなるために逆らえるサーヴァントも出てくる。マスターが自分の意志で使わなくても、令呪を以ってしか不可能な命令を下した場合には自動的に消費される。
 だが治療スキルを持たないサーヴァントが瀕死の傷を負ったときに『一瞬で傷を完治しろ』と令呪を用いて命令した場合はとりあえず傷を魔力の糸で縛って『とりあえず動く』状態にして活動させることになる。これも令呪の効力が尽きた途端に使用前以上のダメージがかかるうえ、治療されるわけでもないので活動中は痛みもあり、能力も低下する。いわば一時的なゾンビ状態となる。このように令呪であってもどんな命令でも実行させられるというわけではない。
 令呪で移動を命じた場合、因果律を崩壊させる一歩手前の極限速度である、光速の数%に及ぶ瞬時のうちに移動が完了する。
 これを失う(3回分を使い切る)とサーヴァントを従えることができなくなる。ただしそれは契約が切れるだけであり、関係が良好ならば問題ない。契約を強制的に断ち切られると残りの数にかかわらずすべて消滅する(あるいは効力を失うだけか)。なおサーヴァントを失った場合には令呪は消えないが、マスターの資格を失うと消える。(※セイバーが黒い影に飲まれても衛宮士郎の令呪が消えなかったのは、セイバーが消えたのではなく現界したまま黒化したためと思われる。この場合には令呪は消えなかったが、その色が失せてただの痣のようになった。)
 たとえサーヴァントを失っても、聖杯戦争が終結しようとも令呪は使い切るまで残る。また、令呪の移植はマスターかサーヴァントでなければ不可能。
 令呪を宿す現象は奇跡であっても、顕現した後の刻印自体は消費型フィジカル・エンチャントの一種に過ぎない。よって魔術回路を引き抜くことや心霊手術といった呪的手段によって移植や譲渡が可能。また所有者の死後も令呪は死体に残り、然るべき手段によって抜き出すことができる。サーヴァントに対する強制や強化ではなく単なる魔力の塊としての使用もでき、人間でも令呪を10画近く消費すれば英霊にダメージを与えることができる。
 使用されずに消えた令呪は聖杯の元に還り、仮にマスターを失ったサーヴァントが出た場合に回収した未使用の令呪を新たな契約者候補に再配布する。しかし聖杯に選ばれる適格者がざらにいるはずはなく、結局は新たなマスターを探すにしても以前にマスターとして見込んだ人間を優先的に選ぶ傾向がある。これにも例外があり、第四次聖杯戦争における言峰綺礼はマスターを失ったサーヴァントがいないにもかかわらず、彼が使用しなかった二画の令呪が再配布された。
 そして最終的に未使用のまま残った令呪は全て監督役の手に委ねられる。これは監督役の自由に行使でき、汎用性の高い無属性の魔力を練りだすことに転用することも、通常の身体強化や簡易的な魔術刻印のように使用することも、令呪として他者に移譲することも可能。
 通常の令呪と異なり監督役の預託令呪は聖言によって保護されており、本人の許諾なしに魔術によって抜き取ることは不可能。その聖言とはヨハネ福音書4章24節である。言峰綺礼は第四次聖杯戦争中にケイネス・エルメロイ・アーチボルトに殺害された言峰璃正の死体から預託令呪を引き継いだ。
 第五回聖杯戦争の聖杯であり最強のマスターであるイリヤスフィール・フォン・アインツベルンは、その令呪も特別。


礼装(武装)
 ミスティックコード。魔術師が身につける魔術行使をサポートする武装。
 大きく二系統があり、術者の魔力を増幅、補充し、魔術そのものを強化する予備燃料である増幅機能と、術者の魔力を燃料にして起動し、定められた神秘を実行する限定機能がある。前者は補助礼装とされ、魔術師ならば一つは保有する。後者は応用は利かないがその効果は絶大で、サーヴァントの宝具も大部分は後者に属する。


霊体(用語)
 肉体を具えない存在。魂。
 これの蘇生、復元は魔術では扱えない神秘。
 肉体に霊体をつなげること(異なる霊体同士の接合)は必ず失敗するので禁呪とされる。つなげるだけならばできないこともないようだが、形だけ成功したあとでショック死するらしい。衛宮士郎と第五回聖杯戦争におけるアーチャーは同一の存在であるために助からないことはないが、封印のための聖骸布を解いたり腕の魔術回路を使用したりすると衛宮士郎が英霊であるエミヤの腕に侵食され、自滅する。この場合は使用するたびに寿命が縮むのではなく、自滅までの時限爆弾のスイッチが入る。


霊地(用語)
 地脈が集合する土地のこと。
 膨大なマナが集合する土地であり、重要なものは魔術協会が派遣した管理者により管理されるほか、柳洞寺のように土着の宗教施設がおかれている場合もある。


霊媒医師(用語)
 霊体を繕うことで肉体を癒す特殊な魔術師。これは未開の地で使われる外法、呪術で、魔術協会、聖堂教会にも言峰綺礼ほどの使い手は数えるほどしかいない。


霊脈(用語)
 →地脈


レオーネ・アバッキオのような人物(人名:氷室の天地)
 衛宮士郎らが二年生のときの体育祭の翌日、jonafulにいた客。お茶を飲んでいるが、この時は一人の様子。


レプリカントコーディネイター(用語)
 ワラキアの夜の技の一つ。魔力をもって悪性情報から悪質なコピーを捏造して操るもの。


レプリカントコンダクター(用語)
 吸血鬼シオンの技の一つ。魔力をもって悪性情報から悪質なコピーを捏造して操るもの。


レン(人名/使い魔)
 9月9日生まれ。身長132p。体重33s。B63 W48 H61。
 猫の死骸に少女の死霊を降ろして作られた夢魔。心象世界は真夏の雪原。
 精神干渉に特化した使い魔。その優秀さはロアをして『優れた術式でくくられた夢魔』と言わしめるほどで、アルクェイドほどの魔力量があれば頭だけになっても復元できる。
 八百年前、アルクェイド・ブリュンスタッドが初代アインナッシュを倒したときに協力を頼んだ魔術師が作り、協力の代償にアルクェイドが預かっていた。とても長い期間生きており、すでに魔として独立できるほどの実力を持っているが、依然として使い魔のままでいる。しかし、そのために生半可な魔術師と契約すると逆に魔術師を食ってしまう。
 普段は黒猫の姿だが人間の形をとることもできる。そのときの姿は黒い服を着た10歳くらいの少女。ちょっと甘さ控えめなケーキが大好物。風呂嫌いだが温泉は別。
 受肉した自然霊のアルクェイドとは契約できずに死にかけていたが、歌月十夜では遠野志貴と契約する。MELTY BLOODでは志貴と契約こそしていないがかなり親しい様子。MELTY BLOODではアルクェイドを契約上の主人、志貴を自分が選んであげた主人と区別しており、普段は黒猫の姿でアルクェイドのそばにいる。住処は遠野の屋敷とアルクェイドの部屋。
 滅多に喋ることはないが、発声器官はあるし人語を理解してもいる。言葉を持っていないのではなく使わないだけ。
 喋らないので性格をつかみにくいが、基本的に一人で静かに過ごすタイプ。その中に猫特有の気位の高さと移り気、唐突に甘えてくる突拍子の無さをもっている。動物的ではあるが、もとが少女の魂なのでちゃんと物事を考えている。


錬金術(用語)
 万物、物質の流転を共通のテーマとする学問。
 ありきたりなものは物質の変換。アトラス院では事象の変換を研究しており、この錬金術は西洋魔術に傾倒した錬金術とは別物。
 時計塔の錬金術師は西洋魔術と融合することにより、アインツベルンのホムンクルスのような成果を生み出した。
 アトラス院の錬金術は源流である古代エジプトの冶金術を高度に発展させたものであり、時計塔の魔術師たちの錬金術のような西洋魔術の影響はほとんど受けていない。そのためより原義に近いもので、西洋魔術と融合した錬金術の『物質の変換』ではなく『事象の変換』を目的としている。アトラスの錬金術師にとって卑金属から貴金属を生み出すことなど理想から遥かに遠い稚拙な技術に過ぎないのだ。
 プラハの協会でも研究している。


連続通り魔殺人事件(用語:月姫)
 ミハイル・ロア・バルダムヨォンによる連続通り魔殺人のこと。被害者は決まって若い女性で、体液が吸い取られている。10月20日の時点で被害者は9人。
 もっとも発見された被害者だけがロアの被害者ではなく、むしろ発見されたのは死者にならなかったごく一部に過ぎない。



  


ロア(人名/死徒)
 死徒二十七祖の番外位、転生無限者ミハイル・ロア・バルダムヨォンのこと。アカシャの蛇。


ロー・アイアス(結界宝具)
 熾天覆う七つの円環。ギリシャ神話における一大戦争、トロイア戦争で使用された英雄アイアスの盾。英霊エミヤが唯一得意とする防御用の兵装。
 青銅の盾に牛皮を七枚重ねたもので、何人たりとも防げなかったというギリシャの大英雄ヘクトールの投槍を防いだ(この折、六枚の牛皮を貫かれたが七枚目で防ぎきった)。以後、投擲兵器に対する絶対の防御力を誇る概念武装として広まり、存在を昇華した。
 七枚の花弁の如き守りはその一枚一枚が古代の城壁に匹敵する。
 英霊エミヤが投影した場合は花弁が七枚だが、衛宮士郎が投影した場合は花弁が四枚である。


ロード(用語)
 貴族。
 魔術協会、というか時計塔における支配階級のこと。
 時計塔には古くから続く家系がいくつも存在し、彼らは貴族と呼ばれて畏怖されている。貴族には大貴族が三家、親族が20家ほど存在し、表の社会でも名の知れた名門である。貴族家の歴史は最短で500年、最長では2000年を超える。
 バルトメロイ、アーチボルト(エルメロイ学派)などがある。


ロード・エルメロイ(俗称)
 →ケイネス・アーチボルト・エルメロイ。


ロード・エルメロイU世(人名・俗称/魔術師)
 Load El-Melloi U。
 本名ウェイバー・ベルベット。プロフェッサー・カリスマ、マスター・V、グレートビッグベン☆ロンドンスター、女生徒が選ぶ時計塔で一番抱かれたい男……などなど、様々な異名を持つ時計塔の名物講師。冬木市の聖杯戦争を解体した男。
 本人は大魔術師と宣言してはばからないが、魔術師としてはどうしようもなく平均で階級は四階級。だが講師としての手腕はずば抜けており、他人の埋もれた才能を見抜いて育てることにかけては時計塔随一の人物。彼の生徒になって王冠(グランド)の階位を得なかった魔術師はおらず、彼が教え子たちを集めれば時計塔の勢力図が変わるとまで言われている。
 もっとも彼にそんな野心などなく、「笑い話にもならん。いまだ四階級どまりのこの私が、何で他人の面倒を見てやらなきゃいかんのだ」という感じで教え子たちとは関わりたくもないらしい。
 他人をプロデュースすることに関しては当代一の傑物だが、彼にとってはそんなことはどうでもよく、本人は魔術師として大成したいらしい。なので講師として大人気の自分には全く興味がなく、それどころかその事実にイライラしているため、ここ数年は常に不機嫌そうに院内を歩いている。
 魔術師見習いだった頃の彼は絵に描いたような『自分を天才と疑わないナルシスト』だったのだが、十数年ほど前のある事件をきっかけに改心し、以後彼なりに努力を重ねた結果プロフェッサーなどと呼ばれるまでになった。
 ロード・エルメロイU世というのは本名ではなく、数々の異名同様不本意にも襲名したものである。もともとはロンドンにおけるロードの一人、ケイネス・アーチボルト・エルメロイ門派の魔術師見習いだった彼は、ケイネス卿の死後いろいろあって没落しかけたエルメロイ派(アーチボルト家)の復興に尽力した。事が落ち着いたあと、『アーチボルトを持ち直した男』『新なるエルメロイ』としてエルメロイU世などと呼ばれることになった。
 無論正式なエルメロイの跡継ぎは他にいる。彼女はアーチボルト家を立て直した功績と、もとを正せばお前が悪いんだから一生私に仕えよ、ということで彼にエルメロイU世という名を与えて縛ったのだ。
 遠坂凛がロンドンに留学した後、彼女の後見人となる。その条件は「私は君にいっさい魔術の指導はしない。まあ、他の学課への推薦状ぐらいは書いてやる」というもの。
 日本も日本人も大嫌いだが、唯一の娯楽が日本製のゲーム。ゲームオンチの凛に「君はアレかな。ほら、あの街には詳しいのかな。ウエノとかアサクサとか、そのあたりに近い街の話なんだが……」と内心ワクワクしながら話を振るも、秋葉原どころか日本橋にすら興味がないと即答され、「ファック! オマエは最悪の日本人だ!」と逆ギレするのだった。


ロード・オブ・バビロン(用語)
 →王の凱旋。


ロード・ケイネス秘術大全(用語)
 ケイネス・エルメロイ・アーチボルトの突然の死によって散逸しかけた彼の貴重な研究を、ウェイバー・ベルベットがまとめたもの。


路地裏同盟(用語:Re:ACT)
 弓塚さつきとシオン・エルトナム・アトラシアが結成した同盟。結構仲良し。路地裏での生活を余儀なくされたヒロインの会だが、今のところ会員は弓塚さつきとシオンの二名で、たまに白レンが混ざることもある。オシリスの砂による二度目のタタリの後は白レンとリーズバイフェ・ストリンドヴァリが加入した。
 月姫では物騒で恐ろしい場所だった路地裏だが、彼女たちが住み着いてからは安全度が上がった。
 だがRe:ACT自体がMELTY BLOODの正当な続編ではなく、またお祭りゲームであるために実際に月姫の後までさつきが生存し、来日したシオンとメル友になっているという確率はかなり低い。


ロジャー・ベーコン(用語:氷室の天地)
 英雄史大戦のカード。
 固有能力はメイドロボを作ること。


ロックドルーム・ディティクティブ(用語・能力)
 密室探偵。洗脳探偵が持つ能力。
 これは密室専門の探偵ではなく、密室で事件を解決する探偵という意味。
 洗脳探偵に目をつけられた……ではなく選抜された容疑者は気がつくと密室の中におり、洗脳探偵と二人きりになってしまう。その数分後に密室から出てきた容疑者は人が変わったように犯行を認め、事件は解決する。
 なお密室の中で何が行われているか知るよしはないが、ロックドルーム・ディティクティブ中は椅子に腰掛けて理の支配者の如き姿を見せるとか。


ロドニアラボ(地名:氷室の天地)
 千葉ディスティニーランドにあるアトラクションの一つ。キャッチコピーは「あなたの能力判定します」。
 内容はESPカード当てや目隠し走破といった超能力判定で、ランクは『ナチュラル』『ブーステッド』『エクステンデッド』『コーディネイター』『スーパーコーディネイター』の五つ。


ロンドンの魔術協会(用語/地名・組織)
 →時計塔


  


別れても好きな人(用語:hollow後日談)
 とにかくランサーを返せと求めるバゼット・フラガ・マクレミッツの言葉をさらりと受け流しつつカレン・オルテンシアと衛宮士郎がデュエットした曲。作中では歌詞の『別れても』が『貫かれても』に変えられていた。
 アーティストはシルビア。


わくわくざぶーん(地名)
 第五次聖杯戦争があった年の7月にオープンした全天候型屋内ウォーターレジャーランド。冬木市が建設した。所在地は冬木市の新都の駅前パークから徒歩十分ほどのところ。年中無休で営業している。
 ウォータースライダーから波のプールを前面ガラス張りの巨大屋内ドームに収納し、いつでも常夏気分、という触れ込み。看板のコピーは『ヨーロッパの本格リゾート地を思わせる、ゆったりした空間が魅力的。水温は体温に近い三十三〜三十四度に保たれ、一年を通じて楽しめるプールリゾート』。
 プールサイドはビーチの水際のように浅瀬のマリン感覚を楽しめる水遊びエリアで、きのこの滑り台はちびっ子に大人気らしい。ウォータースライダーは二人一緒に滑ることができ、高低差18メートル、全長180メートル、最高速度時速40キロ。
 そのほかには流れるプール、波のプール、練習用プール、途轍もなく高い飛び込み台、競技用プール、名前では判別できないようなアトラクション的なプールまである。
 中には出店があり、そこでは夏の定番メニューが勢ぞろいしている。お土産にはマカデミアンナッツやハワイアン饅頭などがある。
 第三次聖杯戦争の再現たる四日間の中でギルガメッシュがここのオーナーになっているが、これは彼が作ったというわけではなく、出来上がったものを強引に買い取ったのである。
 建設時の名称は『冬木アクアリゾート(仮)』。氷室邸での夕食の席で蒔寺楓、三枝由紀香、美綴綾子の会話からわくわくざぶーんと命名された。


渡辺綱(人名:氷室の天地)
 平安時代中期の武将。源融の子孫、源宛の子。正式な名乗りは源綱。頼光四天王の筆頭であり、剛勇で知られる。酒呑童子退治や、一条戻り橋の上で茨木童子の腕を髭切りの太刀で切り落とした逸話で有名。なお、髭切りの太刀は茨木童子の腕を切り落としてから鬼切の太刀と名を改めた。
 蒔寺楓がマグロ投げに出場するのに際して祈ったが、名がツナだからといって決してマグロ投げの英霊ではない。


ワニ園(地名:ネコアルク)
 ワニが咲き乱れ、(ネコたちを)踊り食うという人外魔境。第三次ネコミミ革命のおり、次元の狭間に飛ばされる。伊豆・熱川にこの魔境のレプリカが存在するという噂がある。
 テレビシリーズでは第一部と第二部の合間に小休止として組み込まれた『黒ワニ編』だが、そのエキセントリックな演出と脚本から『ネコアルクまったく関係ないけど面白い』とコアなファンを集めている。


ワラキアの夜(人名・現象/死徒・錬金術師・魔術師)
 →タタリ


ワルクェイド(俗称)
 悪クェイド。逆上して暴走したアルクェイド・ブリュンスタッドのこと。
 単純に暴走しただけであり、朱い月ではない。


ワルサーWA2000(用語/武装:Zero)
 ドイツ・ワルサー社製の警察向けに開発された狙撃銃。狙撃銃には珍しくブルパップ式(弾倉と薬室をグリップの後ろに配置した構造)のため、全長905mmと短いが銃身の長さは650mmに及ぶ。使用弾薬は.300ウィンチェスター・マグナム。装弾数6発。発射形式はセミオートマチック。重量6.95kg。有効射程1000メートル以上。本体上部に吊り下げ式のバイポッド(二脚)が装備されている。
 H&K社のPSG-1に匹敵するほど高性能だが価格もそれと同等に高価(7000ドル。作中では12000ドル)なため、1985年から1989年までに前期型と後期型を合わせてもわずか154挺しか生産されなかった幻の銃。後期型にはフラッシュハイダーが装備され、グリップが多少肉厚になって銃の最後尾に下方に向けた突起が追加されている。
 第四次聖杯戦争において衛宮切嗣が使用したものは標準装備のシュミット&ベンダー社製照準器を外し、二つの照準装置を使用できる構造のスコープマウントを介してAN/PVS04暗視スコープを本体の直上に、スペクターIR熱感知スコープを左斜め側面に装備する。これは夜間戦闘のみならず、魔術回路の状態をサーマル映像から読み取ることができる切嗣の対魔術師戦闘を意識したものである。これによって総重量は10kgを上回る。
 おそらくアインツベルン城に電話線を引くよりも安い買い物だった。




BEFORE