バーサーカー(クラス/サーヴァント)
 狂戦士。このクラスに該当すると正気を失う代わりに生前の能力を上回るほど“強化”される。基本的には能力が低い英霊を強化するためのクラス。
 永パ防止キャラ(永久パターン防止キャラ:一昔前のゲームでよくあった、同じところでぐるぐる回って経験値やお金を無限に稼ぐこと=永久パターンを防止するために出現するプレイヤーを殺すことのみを目的としたキャラ)並に強い。
 とある条件さえ満たせばすべての能力値がランクEでも該当する。もっともその条件ゆえに能力値が高いと契約を交わしたマスターが魔力切れで自滅してしまうという諸刃のサーヴァントである。事実、第四次聖杯戦争までバーサーカーを得たマスターはただ一人の例外もなく暴走するサーヴァントを御することができずに魔力切れで自滅した。
 サーヴァントとしての契約が破棄されるとき、同時に狂化の呪いも解除されるため消滅の直前だけ理性を取り戻す。
 クラス固有の能力は“狂化”。


バーサーカー(人名/サーヴァント)
 身長253p。体重311s。
 第五次聖杯戦争にてイリヤスフィール・フォン・アインツベルンと契約したサーヴァント。
 真名はギリシャ神話の主神ゼウスと人間の娘の間に生まれた半神半人の英雄ヘラクレス。その出自からゼウスの妻ヘラの激しい憎悪を受けていた。幼少期は気性が荒く、穏やかな心を得るため成人まで羊飼いとして過ごしていた。成長したヘラクレスは幾つかの偉業が認められて二人の子供と王位継承権を手に入れた。しかしヘラによって一時的に発狂させられたせいで妻と子供を殺してしまい、王の奴隷として罪を償うことになった。この際に英雄に嫉妬した王によって与えられた難題が十二の難行である。人間であれば一つとして達成できないような難行を悉く達成し、奴隷から解放されると同時に不死の身体まで手に入れる。それでもヘラクレスの冒険とヘラの憎しみは続き、策謀の果てにヘラクレスは再婚した妻に毒殺される。最期の時、ヘラクレスは自らを火葬にしてゼウスの裁きに身を委ねた。神々は協議の末ヘラクレスを神に迎え、星座にした。
 キャスターを除く六つのクラスに該当する資質を持つ卓越した戦士で、弓を最も得意とする。ヘラクレスが最も実力を発揮できるクラスはアーチャー。アーチャーはレンジャーでもあるため、数々の試練を知恵と機転で乗り越えたヘラクレスには馴染みがいいのである。
 聖杯戦争開始の二ヶ月前に召還された。あまりの強力さゆえ通常のマスターならば令呪そのものをキャンセルされかねないが、聖杯の器たるイリヤスフィールの令呪も特別なので制御を可能としている。
 宝具は『十二の試練(ゴッドハンド)』。武器である無銘・斧剣は正しくは宝具ではなく、アインツベルンが用意した神殿の礎であり、ただの石器である。またヘラクレス召喚の触媒でもある。本来のヘラクレスは弓を得意としたが、狂化しているためにかつての武装と剣技を失っている。所持する中で最高の宝具は十二の難行で得た『射殺す百頭(ナインライブズ)』と呼ばれる弓矢だが、狂化しているために使えるのは『十二の試練』のみ。
 多彩なスキルや宝具を犠牲にしてまでヘラクレスをバーサーカーとして召喚したのは、色々と裏切られてきたアインツベルンにとって『自分の言うことだけを聞く忠犬』のほうが安心できるから。真っ当な英霊としてのヘラクレスには利点は多いが、逆に英雄としての相が強すぎてマスターと不協和音を起こす可能性がある。感情が封印されているため自ら行動することはないが、その芯にある理性は失われていない。非戦闘時は扱いやすさを増すため狂化のランクが抑えられている。
 最強クラスの英霊を狂化しているため、いかなるサーヴァントといえども真っ向からの白兵戦では勝ち目はなく、また『対魔力』を持っているわけではないが、肉体の強度および鎧の概念武装に近い宝具『十二の試練』で肉体を屈強な鎧と化しランクB以下のすべての攻撃を無効化する。また、いかなる純度の攻撃であれ一度経験した攻撃は二度と通用しない。この効果はゴッドハンドが受けたダメージを学習してそれを克服するために新たな耐性を肉体に付加することと、バーサーカー自身の技術で一度見た技の技術を見破ることからなる。しかし狂化しているため剣士としての技術は封印されており、十二の試練のみに頼っている。
 バーサーカーの戦闘続行スキルは死亡しにくさを表す。死亡しにくくなる戦闘続行スキルと、死亡しても蘇生する『十二の試練』の相性は抜群によい。
 充分な魔力供給さえあれば十二の試練の消費した回数も回復する。凡庸な魔術師ならば一生かかって蘇生魔術一回分の魔力を用意できるかどうかというところだが、桁外れの魔力を持つイリヤスフィールならば一度の戦闘で11回殺されても簡単に回復させることができる。
 アインツベルンの森の中でのイリヤの移動手段。
 第五次聖杯戦争においてもか第三次聖杯戦争の再現たる四日間においてのみか不明だが、イリヤスフィールのサーヴァントではあるがアインツベルンのサーヴァントではない。ちょっとした手違いで狂ってしまい、聖杯戦争とは関係なくイリヤスフィールを守るだけのモノになってしまった。
 なお英霊ヘラクレスは狂化しなくてもこの体格。しかし狂化しない場合には腕の突起はなくなり、筋肉はややソフトになって顔つきにも人間味が出る。Fateの登場人物のなかではセイバーに次ぐ大食い。ギルガメッシュが天敵。
 unlimited codesではセイバーとギルガメッシュを打倒して最後まで勝ち残り、イリヤスフィールの令呪によって天の杯に到るため己の心臓を握り潰した。

 クラス別能力は以下のとおり。
 狂化:B…パラメータをランクアップさせるが、理性の大半を奪われる。
 保有スキルは以下のとおり。
 戦闘続行:A…瀕死の傷でも戦闘を可能とし、決定的な致命傷を受けない限り生き延びる。
 心眼(偽):B…直感・第六感による危険回避。
 勇猛:A+…威圧・混乱・幻惑といった精神干渉を無効化する能力。また格闘ダメージを向上させる。ただし狂化しているため能力を発揮できない。
 神性:A


バーサーカー(人名/サーヴァント:Zero)
 身長191cm。体重81kg。
 第四次聖杯戦争におけるバーサーカー。間桐雁夜に召喚され、契約した。真名は『完璧なる騎士』こと湖の騎士ランスロット。宝具は『騎士は徒手にて死せず(ナイト・オブ・オーナー)』『己が栄光の為でなく(フォー・サムワンズ・グロウリー)』『無毀なる湖光(アロンダイト)』。
 特技は武芸と乗馬。礼節と伝統が好きで本音トークが苦手。天敵はイスカンダル。
 スキル・無窮の武練により、狂化しているにもかかわらず王の財宝から射出された武具を掴み取って残る武具をことごとく弾くほどの精緻な武芸を持つ。ひとたび戦いだすとマスターである間桐雁夜でさえ止めることはできない。
 外見は何の特徴もない黒い甲冑を纏った騎士で、見れば見るほど細部がぼやけて不鮮明になる。バーサーカーが総身に纏う黒い霧は『己が栄光の為でなく』によるもので、容姿やステータスを隠蔽する効果がある。『己が栄光の為でなく』は本来ならば任意の人物の外見を模倣して敵の目を欺くという宝具能力だが、狂化したため『変身』から『偽装』に劣化している。この偽装能力はマスターとして与えられる透視力をも阻む。
 変身は理性を剥奪されては使えない能力だが、雁夜は令呪を以て強引にそれを再現し、ライダーに変身させて衛宮邸の土蔵にいた久宇舞弥を殺害してアイリスフィール・フォン・アインツベルンを攫わせた。そのとき彼に使われた令呪は『ライダーへの変身』と『アイリスフィール・フォン・アインツベルンを拉致しセイバーから逃亡せよ』。
 宝具『騎士は徒手にて死せず』により彼が手にしたものは何であれ彼の黒い魔力が浸透してその宝具となるが、彼の魔力を遮断することで本来の性質に戻る。宝具を簒奪し、鉄屑を魔剣に変貌させる能力はおよそ武器という概念の及ぶ万物に通用し、アーチャーとの戦いにおいてはF-15Jをも奪い取った。この宝具化能力の適用範囲は、原則としてバーサーカーが『武器』として認識できるものに限られる。よって戦闘機は宝具化できても空母は『武器を運ぶもの』という認識になるため宝具化できない。
 円卓の騎士の中でも最強と謳われた『湖の騎士』。彼と王妃ギネヴィアの恋がキャメロットを破滅に導いた、アーサー王伝説の負の象徴たる人物。ギネヴィアを巡る葛藤で狂気に陥ったことも多々あり、バーサーカーのクラスとはそれなりに相性がいい。
 アーサー王の妃であるグィネヴィアを愛したが故に道を踏み外したが、恋敵であり愛する女に苦難の道を歩ませた元凶であるアーサー王を『正しき聖君』であるが故に一度も憎むことが出来なかった。この無念と悔恨は死後も持ち越され、バーサーカーのクラスに適合する要因となった。この感情は強烈で、アーチャーと戦っている最中でも標的をセイバーに変更するほど。
 ギルガメッシュを相手にかなりの健闘を見せたが、これは狂化による能力増幅があってのこと。
 冬木市民会館の地下駐車場でセイバーと戦い、自身の真名を知ったセイバーを容赦なく打ち据えるが、その膨大な魔力消費に雁夜と刻印虫が耐えられずに魔力供給が停止。その隙を見逃さなかったセイバーが半ば無意識のうちにその心臓を貫いた。消滅の直前に狂化の呪いから解放され、アーサー王の腕に抱かれて消滅した。

 クラス別能力は以下の通り。
 狂化:C…幸運と魔力を除いたパラメーターをランクアップさせるが、言語能力を失い複雑な思考ができなくなる。
 保有スキルは以下の通り。
 対魔力:E…魔除けの指輪による対魔力を有するが、狂化によってランクダウン。無効化はできず、ダメージ数値を多少削減する。
 精霊の加護:A…精霊からの祝福により危機的な局面において優先的に幸運を呼び寄せる能力。その発動は武勲を立てうる戦場のみに限定される。
 無窮の武練:A+…一つの時代で無双を誇るまでに到達した武芸の手練。心技体の完全な合一により、いかなる精神的制約の影響下にあっても十全の戦闘能力を発揮できる。


バーサーCAR(用語:hollow)
 別の世界のスーパーカー。
 藤隊長らの世界(つまり風雲イリヤ城の世界)ではイリヤ城の城主ロリブルマが乗って暴れまわる。


パーソナルAKフィールド(用語:イリヤエ・ロボマエ)
 個人用のAKフィールド。琥珀が使用した。


破戒すべき全ての符(対魔術宝具:Fate)
 ルールブレイカー。第五回聖杯戦争におけるキャスターの宝具。
 あらゆる魔術を破戒する短刀。裏切りと否定の剣。魔力で強化された物体、契約によって繋がった関係、魔力によって生み出された生命を“作られる前”の状態に戻す究極の対魔術宝具。裏切りの魔女の神性を具現化した魔術兵装。
 どれほど低ランクだろうと宝具を初期化することはできない。
 殺傷力は微弱で、ナイフ程度の威力しかない。


白亜紀は爬虫綱カメ目アルケロンのスープ(用語:AATM)
 翡翠がステンノとエウリュアレに出したメニューだが、明らかにアーネンエルベ本来のメニューではないだろう。材料も作ったのもネロ・カオス。


白亜紀は竜脚種アンペロサウルスのレバーとトマトのカルパッチョ(用語:AATM)
 翡翠がステンノとエウリュアレに出したメニューだが、明らかにアーネンエルベ本来のメニューではないだろう。材料も作ったのもネロ・カオス。


白鯨(用語)
 →モビー・ディック


ハサン・サッバーハ(亡霊・英霊候補)
 冬木の聖杯戦争において必ずアサシンのクラスをまとって召還される亡霊(英霊候補)の郡体。正体はアサシンの語源となった暗殺教団(イスラム教イスマイル派)の歴代頭首たち。英霊でないのは決して名を残さなかったため。
 皮と鼻を削ぎ落とし、誰でもなくなることで『山の主の座(ハサン・サッバーハ)』を受け継ぐ。全部で19人いる。
 彼らは全員がそれぞれ『ザバーニーヤ』という奥義を隠し持っている(妄想心音、空想電脳など)のだが、他の18人を蹴落とすために隠している。なお彼らの宝具はすべてザバーニーヤ。


橋の底(地名)
 大英博物館最奥部にある特別区画。牢獄。封印指定された多くの魔術師が幽閉されている。


始まりの御三家(用語)
 冬木の聖杯戦争を創始した三つの魔術師の家系のこと。すなわち、アインツベルン、遠坂、マキリ(間桐)の三家。アインツベルンが聖杯の器を用意し、遠坂がサーヴァントを降霊し、マキリがサーヴァントを律する令呪を作り上げた。
 御三家のマスターたちの扱いは別格で、サーヴァントを失ってもその時点で他に未契約状態のサーヴァントがいれば令呪を失うことすらなく継続してマスター権を維持できる。


柱戸運搬(組織:幻視同盟)
 中山皆人が勤務していた会社。全身黄色の作業着を使っている。


パス(用語/魔術)
 契約システムによりマスターとサーヴァントの間に形成されるもの。魔術師とその使い魔の間に形成される因果線と似たもの。
 マキリが作り上げたこれは魔力供給のパスと令呪による拘束のパスが一つにまとめられており、マスターとサーヴァントはお互いに魔力供給のパスをある程度の指向性とともに認識することが可能。ただし第四次聖杯戦争におけるランサーのように令呪のパスと魔力供給のパスを分けた場合には供給される魔力に対する知覚力が著しく劣り、魔力の供給もとである魔術師の生死こそ判別できるが、魔力がどこから流入してくるかはまったく判別できない。


バスターキャット(用語/武装:ネコアルク)
 グレートキャッツビレッジの総力を結集して作られた打ち上げロケット。単体での大気圏突破を可能とするネコ技術。
 その実態はネコアルクの両足にダイナマイトを仕掛け、その反動と激痛によってネコアルクが天高く飛翔、そのままロケットで突き抜けるという脅威のテクノロジーである。
 バスターキャット時のネコアルクは美しい飛行機雲を描き、地上にいる人々には地球最後の希望の星に映ったという。


バゼット・フラガ・マクレミッツ(人名/魔術師)
 身長172cm。体重58kg。B87 W55 H83。
 第五次聖杯戦争におけるランサーの元マスター。魔術協会のミスティック。戦うルーン使い。魔術協会から派遣された外来の魔術師で、クー・フーリンが記したオリジナル・ルーンを刻んだ宝石(イヤリングまたはピアスに加工されていた)を触媒にランサーを召還した。男装の麗人で、魔術師としての腕前はA+。いたって気丈だが、ときに不器用と映るほど生真面目。スーツ姿のいかしたお姉さん。
 第五次聖杯戦争が勃発したときの年齢は23歳。神代にまで遡る古い魔術師の家系の出身。二つ名は伝承保菌者(ゴッズ・ホルダー)。フラガの名は一人前になったときに冠した。
 特技はトレーニング。好きなことはボードゲームで苦手なものは突然の休暇。天敵は言峰綺礼とカレン・オルテンシア。わりと方向音痴だが迷わず突き進む突進性を持つ。金持ちだが無趣味なので貯まる一方。恋慕を抱いた相手ほど去ってゆく。
 意外にも初詣などの定例行事に弱いのだが、それはお参りをさぼってバチがあたるのが恐いのではなく、お参りをしないことで何か失敗をするかもしれないと不安になるから。
 持ち歩いているラックにはフラガラックの元となる球が収納されている。なおフラガラックは鉱石にバゼットの血をたらし、秘密の技法で一ヶ月地下室に置いておくことで製作できる。作れる本数は一年に十本ほど。なおhollowの時点ではまだ開眼しておらず、フラガラックを使いこなせているとはいえない。
 幼い頃は港町に住んでいた。失うことへの恐れから幼時より何事にもさめていて、楽しみというものをうまく飲み込めなかった。が、書斎にあったクーフーリンの物語を読んでいるときだけは夢中になれた。
 過去にアインツベルンが生み出し、失敗作として廃棄する定めだったがアインツベルン領から逃げて人の街で生きていたホムンクルスの後始末を任されて戦ったことがある。当時はバゼット自身が未熟であったことを差し引いてもかなり苦戦した。
 封印指定を受けた魔術師を捕縛するバリバリの武闘派で、魔術・格闘共に優れた技量を持っている。戦闘時には加護のルーンを刻んだ皮手袋をはめ、主に体術を用いる。拳や脚、膝、爪先には硬化のルーンが刻まれている。切り札として宝具の実物であるフラガラックを使用する。反面、鍵開けなどの細かいことは苦手で、ボタン操作ならともかくタッチパネル式のものはパキッと壊してしまう。
 戦闘しかできないということにコンプレックスを持っている。協会屈指の実力派であるが、hollowの時点で聖堂教会の実力者であるシエルと戦った場合には勝ち目はない。開眼してフラガラックを使いこなせるようになれば互角。男っ気はないが、仕事上、性交渉の経験はある。
 衛宮士郎と戦った場合には、彼女は対魔術師戦に特化したプロフェッショナルであり技術・経験・戦術のすべてで士郎を上回っているため、士郎が自分を最大まで鍛錬・運用している(電撃姫編集部による仮定では投影、投影した宝具の真名開放、壊れた幻想、固有結界、射殺す百頭使用可能、フラガラックにより固有結界と真名開放は不可とされており、奈須きのこ氏のチェックではそれらは否定されていない)状態でも優位は動かない。
 キャスターと戦った場合には、キャスターは戦闘における切り札を持たないために実にやりにくい相手で、大魔術をかわし、弾き、相殺するもののチャンスをつかめないまま体力切れになる。
 葛木宗一郎と肉弾戦で戦った場合には初戦こそ葛木がやや有利だが、二戦目にはバゼットがほぼ完勝。これは葛木が奇襲必殺の暗殺者であり、バゼットが人間が考え鍛え上げた格闘技のエキスパートであるためで、才能重視のサーヴァントよりも早く蛇に対応できる可能性があるからである。ただし、葛木が一般人だからと甘く見てしまいあっさり倒されてしまう可能性もある。
 魔術や武器を用いない純粋な肉弾戦ではバゼット、葛木、言峰のなかで一番強い。ただし第四次聖杯戦争当時の言峰には劣る。
 第三次聖杯戦争の再現たる四日間では第五次聖杯戦争で召還したランサーではなく、言峰綺礼にランサーを奪われた後に契約したアヴェンジャーを従えている。彼女らの隠れ家は高い丘の上の幽霊洋館。
 15歳で社会に出て、両親の反対を押し切って魔術協会に入り、鳴り物入りで歓迎された。しかしそれは形式上のものでしかなく、実際には彼女の居場所はなかった。それでもがんばり続けて成果を出し、成果を出せば出すほど煙たがられて腫れ物のような重鎮として扱われ、厄介払いとして封印指定の執行者にされた。
 言峰綺礼とは六年前、彼が教会の代行者だったころに屍を用いて魂の再現を謀る封印指定を受けた魔術師の庭で敵同士として出会った。彼とはその後何度か衝突したり協力したりし、その共闘はお互いに組織には報告しないものだった。言峰は一度たりともバゼットを頼りにしなかったが。
 封印指定の実行者である彼女が第五次聖杯戦争に参加できたのは聖杯戦争の監視役である言峰綺礼からの指名があったため。聖杯戦争開始の八日前に冬木市に到着して下調べをし、一月二十三日にルーン石のピアスを触媒にしてランサーのサーヴァントを召還した。
 そして彼女が隠れ家とした幽霊洋館に『相談したい事がある』と言峰が訪れた。喜びを隠しながらも言峰を信頼していたバゼットは言峰の騙し討ちにあい、ランサーを出す暇もなく後ろから斬り伏せられて令呪が宿った左腕を切断され、令呪を奪われた。その後言峰は彼女に止めを刺さずに放置した。
 バゼットはそのまま生死の境をさまよい、聖杯の中のアンリマユと契約した直後に死亡、四日間を繰り返すことになった。それは魂を保存し、現実を舞台にした四日間を回し続けるだけのものである。そこではバゼットが望み、アヴェンジャーがすべての可能性を経験し終わらない限り聖杯戦争は終わらず、聖杯戦争が続く限り彼女は死なない。彼女が蘇生するときに通る悍しい場所はアンリマユの記憶。
 自分の状況を理解してからは死にたくないという一心で聖杯戦争の再現を続け、アヴェンジャーに令呪をかけて左腕にした。
 死にたくないという一心で四日間を続けたが、実際には彼女は死んでいない。なぜなら彼女の願いは『死にたくない』ということであり、聖杯であるアヴェンジャーは彼のできる範囲でそれを叶えた。つまり、彼女の体を仮死状態のまま半年間維持したのである。その体は隠し部屋に隠されていたが、カレン・オルテンシアがそれを見つけて治療した。
 hollow ataraxiaの後日談。では義手(悪魔憑きの義手、と言われている)をつけてフリーランスの魔術師になっており、しばらく冬木市に住むことになった。そして衛宮士郎に職業相談を持ちかけ、衛宮邸に間借りしたいと申し出た。なおランサーとの契約は続いており、横取りした形のカレン・オルテンシアが令呪を放棄すれば元に戻る。
 unlimited codesでは本編と同じく言峰綺礼に令呪とランサーを奪われるが、アンリ・マユとつながってその記憶を改竄し、魔術協会の魔術師として聖杯を確保するため第五次聖杯戦争に参戦する。ランサーと言峰を打倒するが、言峰に背後から胸を貫かれて斃れる。バゼットが参戦した第五次聖杯戦争は第三次聖杯戦争の再現たる四日間と同じものだった。


(人名:Fate)
 マウント深山商店街唯一の中華飯店『紅洲宴歳館・泰山』の店長で、ちびっこ店長と親しまれる謎の中国人。これ見よがしに語尾にアルをつける。女の子。
 厨房では台に乗って調理をし、彼女の振るう十字鍋はありとあらゆる食材を唐辛子まみれにする。目を付けられると高速でメニューが差し出される。


発煙筒(用語/武装:Zero)
 スモークグレネード。殺傷力はないが手榴弾と同様の構造をしており、点火すると白あるいは着色された煙を噴き出す。この煙幕には敵の攻撃を避けたり、注意を逸らしたり、信号を送ったりと様々な用途があり、軍ではよく使用される。


バッドニュース(用語)
 ワラキアの夜の技の一つ。悪性情報を魔力によって具現化したもの。


××(用語:hollow)
 秋に蝉菜マンション十一階一号室に入居した家族。若い夫婦に三歳の娘*♯という家族構成。家族の仲は悪いらしく、夫婦はよく口論をし、*♯は虐待を受けていたようだ。
 *♯は骨折を放置されたため肩より上に手が上がらない。顔の痣を隠すために父親に言い含められていつも赤いフードを被っていたことから、隣人のA氏は彼女を『赤ずきん』と名付けていた。
 ある日の深夜二時、妻が夫を口論の末に刃物で殺害し、*♯を斬りつけたあとで自殺するという一家心中で全員死亡。しかし*♯の遺体は発見されず、致命傷を負っていたと推測されるにもかかわらずエントランスまで逃げたようだが、エレベータの前で血痕が途絶えていた。
 ××一家心中から数日後、*♯がA氏の住戸のドアを叩く音が毎夜鳴るようになった。それを確かめたA氏の前に、*♯の死体が――
 という怪談話。しかし蝉菜マンションの一家心中は事実で、その一ヵ月後の隣人の青年が行方不明になり捜索願が出されている。


バナナパフェ(用語:Realta Nua)
 凛ルートのデートの際に小休憩のために入った喫茶店で遠坂凛が注文したもの。


花札(用語:hollow)
 リーゼリットが柳洞寺の裏の山の中で見つけた。二百年以上前のものらしく、イリヤスフィール・フォン・アインツベルンの臭いもするらしい。持っていると確実に不幸になる。
 後に大聖杯観光をしていたギルガメッシュに持っていた原典(リズが見つけたもの)を横取り・解析され、完成品をプレゼントされる。対のものであり、もう一枚を持つ者と出会ったときに真価を表す(ぶっちゃけるとミニゲーム出現)。ちなみにもう一枚は間桐慎二が持っていた。
 間桐臓硯は毎年正月に花札をやりたがる。


ハヌマーン(用語:氷室の天地)
 英雄史大戦のカード。
 武:10。


破魔の紅薔薇(対人宝具:Zero)
 ゲイ・ジャルグ。
 第四次聖杯戦争におけるランサーの宝具。およそ2メートルの赤い槍。普段は呪符らしき布で包まれている。ジャルグとは赤色の意。穂と柄の間には先端から順にゲボ(贈り物、物惜しみしない)、ベルカナ(白樺の枝)、ナウシズ(困苦)、エイフワズ(櫟の木、材)、テイワズ(軍神テュールの象徴)が刻まれている。
 ディルムッド・オディナが養父であるドルイドのアンガスから贈られた魔槍。あらゆる魔術の護りを打ち破る効果がある。魔力によって編まれた防具はこの槍の攻撃に対し効果を持たず、また武具に施された魔術的な強化、能力付加もこれと打ち合う場合には一切発揮されなくなる。事実上、物理手段によってしか防御できない“宝具殺し”の槍。
 ただし過去に交わされた契約や呪い、既に完了した魔術の効果を覆すことはできない。
 フィン王からの依頼で海の三勇士がけしかけた『不滅の猛毒犬』たちとの戦いや、フィン王の乳母の魔女が駆る『空飛ぶ挽き臼』の迎撃においてその力を遺憾なく発揮した。


薔薇の予言(用語)
 死徒二十七祖の中にいる予言者の役割を持った祖による予言。死徒の死の予告。


パラメータールール(用語)
 能力を数値(ランク)化して表す考え方。
 それぞれの項目は肉体的な力の強さを表す『筋力』、ダメージにどれだけ耐えられるかを表す『耐久』、素早さや反応の速さを表す『敏捷』、どれだけの魔力を扱えるかを表す『魔力』、運の良さを表す『幸運』、所有する宝具の強さを表す『宝具』。宝具そのもののランクとサーヴァントの能力としての宝具のランクは原則として同じである。
 通常値を1としてEが10、Dが20、Cが30、Bが40、Aが50。+は数値を一時的に倍加する特殊能力のこと。B+ならば40×2=80で、一瞬だけならAを上回れる。+を持つ英霊は少なく、++は破格、+++は別格。E〜Aに該当しないそもそも別格な能力値はEXとして表される。
 ++の場合は三倍(40×3=120)、+++の場合は四倍(40×4=160)である。
 これは厳密なものではなく、『あれには負けるがこれには勝つ』といった言葉遊び的な要素が強い。


針金(武装/魔術)
 アイリスフィール・フォン・アインツベルンが使用する武器。錬金術による即席ホムンクルスで、様々な形状に変化しながら敵を襲い、あるいは捕獲する。


遥かなる恋革命!葉桜ロマンティック〜俺のエクスカリバー〜(用語:氷室の天地)
 美綴綾子が予約した恋愛シミュレーションゲーム。


遥かなる蹂躙制覇(対軍宝具:Zero)
 ヴィア・エクスプグナティオ。第四次聖杯戦争におけるライダーの宝具。正しくは『神威の車輪』が宝具であり、遥かなる蹂躙制覇はそれによる蹂躙走法である。
 神牛の蹄と戦車の車輪による2回のダメージ判定がある。いずれも物理ダメージのほかにゼウスの顕現である雷撃の効果があり、ST判定に失敗すると追加ダメージが課される。


バルトメロイ(家名:the dark six)
 Barthomeloi。
 魔術協会でも古い血筋の家柄で時計塔の名門貴族。一族に伝わる特性は『万能』。
 起源も後継の様式も明らかではなく、同じくロードであるアーチボルト家とのみ多少の交友がある程度。家名の『バルトメロイ』すら由来は不明。時計塔創設時に現れてその強大な『貴い魔術回路(ブルー・ブラッド)』を以ってロードとなり、以後何百年と頂点に君臨してきた一族。代々吸血鬼を敵視しており、当主たちは率先して死徒の討伐を行っている。
 彼らにとっては『バルトメロイ』という響きこそが名前と呼べるものであり、今代の当主であるローレライもその名は当主となった後につけられた。
 完璧主義かつ貴族主義の体現者であり、バルトメロイの当主は魔術師として完成するまで人前に現れず、バルトメロイの館内でのみ育つ。未熟なまま外界に出るのは何よりの恥であるらしい。その結果として、魔術協会に足を踏み入れるときにはその時点で一部門の総帥となっている。
 ある意味で死徒二十七祖よりも強烈な貴族主義者で、同じロードたちですらより尊く優れた血に服従すべきと考えている。そんなバルトメロイの当主が自分たちと同等と見る魔術師は第一魔法の具現者のみ
 『戦闘とは、その過程においても勝利しなければならない』という不文律がある。


バルトメロイ・ローレライ(人名・魔術師:the dark six)
 Barthomeloi Lorelei。
 バルトメロイの当主。魔術協会における中央学院、時計塔が誇る『現代最高峰の魔術師(ザ・クイーン)』。ロードの一人で時計塔院長補佐。聖歌隊・クロンの大隊を指揮する現魔導元帥。魔術属性は風。過去に死徒二十七祖のうち二体を撃破し、教会に引き渡したバンパイヤハンターでもある。死徒への敵意は代々の当主よりも強い。ミスリルの聖外套を纏っている。
 これといった特異魔術を持たないオーソドックスな魔術師だが、個々の能力が最高値であるためあらゆる状況において優秀な成果を上げてきた。シンプルイズベスト、もとが強ければ特殊能力などいらないという典型にして完成系。魔法には至らないが、魔術だけで奇跡に指をかける才能の結晶。魔術回路だけなら学長すら凌駕するといわれている。
 もっとも彼女の基本的な戦闘スタンスは選び抜かれた五十人もの精鋭魔術師たちを引き連れ、それを一糸の乱れもなく統率、指揮して敵を殲滅することにある。その姿は楽団を率いる若き帝王そのもの。無個性という個性で統一された隊員たちも一流の魔術師だが、彼女自身も単体で二十七祖レベルの死徒と真っ向勝負ができる。
 死徒二十七祖の王、白翼公トラフィム・オーテンロッゼに並々ならぬ執着を持ち、白翼公が何十年とかけて用意してきたアルズベリの儀式を阻止する実行部隊に参列する。アルズベリ監察連盟のリーダーであるが、行き過ぎた貴族主義ゆえ他の魔術師たちと協力することがなく、リーダーでありながら孤立している。
 強烈な貴族主義者だが、自分たちのみが貴い血族と信じているためほかの貴族などどうでもいいと思っている。特殊な成長過程を送ったため家庭的なものに興味も耐性もない。その人間の人格よりもその特性を評価するという主義なので、強力な特殊能力を持つ人間にはそれなりに興味を持つ。
 つまり彼女にとっては労働階級も支配階級も同じものであり、その中で特筆すべきものがあるとすればそれは生まれではなく授けられた個別の能力だろう、ということ。


ハルバート(武装:hollow)
 リーゼリットの得物。本来ハルバートは使いやすい武器だが、これは途方もない重量のため人間に扱えるものではない。
 城を飾るアンティークを模しているが、アインツベルンの最新技術が用いられており、さまざまな魔術特性が付与されている。宝具を持つサーヴァントなどとの戦闘を前提に作られており、鋭利さよりも強靭さに重点を置いて鍛えられている。まさに攻める防具。
 材質はレニウム合金。ちなみにレニウムの比重は21。
 ……というのはアーチャーの与太話なのかもしれない。


バルハラ温泉(地名:Fate)
 タイガー道場SPの舞台となるアインツベルンが保有する温泉。効能は疲労回復と霊魂昇天。
 所在地はバルハラ、つまりヘブン。


ハルペー(武装:Fate)
 ギリシャ神話に名高い英雄ペルセウスが使用した女怪殺しの神剣。鎌のような形状をしている。
 これ自体はそう優れた剣ではないが、最大の特質として“屈折延命”と呼ばれる能力を持つ。これは不死系の特殊能力を無効化する神性スキルで、ハルペーによって付けられた傷は自然の理にかなう治療はできるものの決して復元しないとされる。
 メドゥーサ退治に向かうペルセウスにヘルメスが授けた。不死の三姉妹の末妹メドゥーサ退治に使われたあとヘルメスに返還されたため、対メドゥーサ専用武器といえる存在になっている。


パレード(名称)
 死徒二十七祖の8位、フィナ=ヴラド・スヴェルテンの固有結界。幽霊船団。
 ヴァン=フェムの第五城マトリを攻め落とした。


バレルレプリカ(武装)
 シオン・エルトナム・アトラシアが持つ魔術礼装。アトラス院に展示されている七大兵器の一つ、ブラックバレルの模造品。『天寿』の概念武装であり、その生命の寿命に比例した毒素(攻撃力)を発揮する。
 シオンのアークドライブはこれを用いたものだが、本来の機能は発揮されていない。またラストアークであるバレルレプリカ・オベリスクは横方向に力を放出するため、反動で吹き飛ばないように体をエーテライトで固定している。


繁栄(用語/魔術)
 ミリョネカリオンに伝わる特性。


反英雄(用語:Fate)
 人々に憎悪され、その悪行が結果として人々を救うこと、悪を以て善を明確にするモノ。呪われる対象でありながら奉られる救世主。原罪を否定するための生贄であり理想。綺麗事のために汚れ役を引き受けるもの。強大な悪として小さな悪を打ち消すもの。存在が悪とされながらその悪行が人間にとって善行となるもの。本人の意思とは無関係に救い手と祭り上げられたもの。より多くの救いのために殺戮を行うモノ。
 人の生み出したモノでありながら決して人の手が混ざらずに成長するモノ。その矛盾のためにあらゆる抑止の圧力を免除される“世界の敵”。
 純粋な反英雄は少なく、せいぜいが悪でありながら善を行ったモノどまり。なぜなら悪として葬られても時とともに被害者に変わってしまい、純粋悪ではなくなるため。
 アサシン、アーチャー、アンリ・マユ、衛宮切嗣などが該当する。ライダーやキャスターは正純の英霊ではないが完全な反英雄でもない。
 第三次聖杯戦争で大聖杯がアンリマユに汚染されて以降、反英雄の存在が認められてサーヴァントとして召還されるようになった。


ハンガリー国へハンガリ(半刈り)で行く(用語:氷室の天地)
 現代芸術家榎忠の1977年の作品。
 題名通り、全身のあらゆる体毛を片側だけ剃り落としてハンガリーに入国しようとするもので、西ベルリンからチェコへの入国を拒否され、空路でハンガリーに入国する。その奇抜な容姿から常に警戒されたり、パスポートの写真と実際の顔が違って見えたりしたという。
 なお、半刈りの間も榎は会社員として働いていたという。
 蒔寺楓はハンガリーで入国拒否されたように話していたが、これは言葉足らずで、上記のように途中のチェコで入国を拒否された。


パン食い競争(用語:氷室の天地)
 衛宮士郎らが二年生の年の穂群原学園の体育祭での特別三枠に三枝由紀香が提案した競技。
 クラス内選考を抜けて生徒会に提案され、体育祭当日までこれが採用されたと思われていたが、実際は3年E組が提案したホットドッグ早食い大会がパン食い競争の名を借りて採用されていた。


パン食い競争(用語:氷室の天地)
 衛宮士郎らが二年生の年の穂群原学園の体育祭での特別三枠で採用された種目。3年E組が提案した。
 パン食い競争であることには違いないのだが、走って吊るされたパンを口で取るものではなく、いわゆるフードファイト。姉さんズのホットドッグの早食い競争である。
 三枝由紀香と沙条綾香が出場し、沙条が優勝した。


反魂の香(用語:hollow)
 ギルガメッシュが骸を集めるために焚いたもの。


パンダ師匠(人名?)
 人間大の、どう見ても着ぐるみの怪しい人。有間都古の師匠。背中に七ツ夜と刺繍が入っている。パンダでぬいぐるみのくせに動作はきびきびしている。
 扱う武術は中国拳法ではなくごく普通の暗殺術。都古が使うのもデタラメ八極拳なので組み手には丁度いい。
 愛らしくも無口、いつも気だるげで皮肉屋な殺人鬼。しかしパンダなのでナイフが持てない。パンダ師匠曰く、オレは灯油の入っていないストーブのようなものなんだ。中身は幻であり、存在しないはずのものであるため着ぐるみでしかいられない。脱いだら当然のように消え去って、寂しいパンダのぬいぐるみだけが残る。いつか本物が帰ってきても消える。


万能(用語/魔術)
 バルトメロイに伝わる特性。


ハン・ファン・メーヘレン(人名:氷室の天地)
 1889年10月10日〜1947年12月30日。
 オランダのオーファーアイセル州デフェンテル出身の画家、画商。本名ヘンリクス・アントニウス・ファン・メーヘレン。ヨハネス・フェルメールの贋作者であることで有名。
 幼い頃から画家を目指しており、オランダの古典派に属する画家に師事。美大への進学を希望していたが、父の反対によりデルフト大学建築学部へ進学。
 1913年に建築学部の学生として初めてロッテルダム賞を受賞し、画家としてデビュー。その際に受賞作品の販売契約を結びながらも自分で制作した複製画を販売しており、トラブルとなった。しかし画家としては成功せず、絵葉書やポスターを描いていたが、オランダの美術界に復讐するという動機から贋作ビジネスに手を染めるようになり、没落貴族から仕入れた絵画を売っているという触れ込みで多数の贋作を制作・販売した。
 メーヘレンは主に17世紀オランダ絵画の贋作を制作し、特にフェルメールの贋作を好んで制作した。当時はフェルメール研究が始まったばかりで、僅かな専門家さえ騙せば真作と認められたことから、贋作が作りやすかった。
 メーヘレンはフェルメールの作風を模写するための研究を重ね、題材はフェルメールが手がけていないとされていた宗教画とした。さらに当時の真贋判定方法で主に用いられていたアルコール検査を回避するために絵の表面に特殊な樹脂を塗り、炉で一定時間加熱する手法を編み出す。キャンバスと額縁はフェルメールと同じ17世紀の無名の絵から絵具を削り落として使用し、絵具や絵筆から溶剤に至るまで当時と同じものを自ら製作し、さらに絵の完成後にキャンバスを丸めてひび割れを表現したり、墨を塗るなどして古びた色合いを出したりと徹底していた。『エマオのキリスト』は、当時のフェルメールの研究家たちから本物と認められ、ロッテルダムのボイマンス美術館が当時の絵画購入金額としては最高額の54万ギルダーで買い上げた。
 第二次大戦終戦後、ナチス・ドイツの国家元帥ヘルマン・ゲーリングの所有物からフェルメールの贋作である『キリストと姦婦』が押収され、その販売ルートからメーヘレンが割り出される。1945年5月29日にメーヘレンはナチス・ドイツの高官たちに『キリストと姦婦』などのオランダの至宝であるフェルメールの絵を売った罪で、ナチスへの戦争協力者であるとして逮捕・起訴された。そこで免罪のためメーヘレンはナチス・ドイツに売却した一連の絵画や『エマオのキリスト』は自分が描いた贋作であることを告白。しかし『真作である』と主張する専門家もおり、証拠として法廷でフェルメール風の絵を描き、一連の絵画にX線写真などの最新の鑑定が行われた結果、彼が売っていたフェルメールなどの絵とされてきた絵画は彼が描いた贋作だと証明された。このため、メーヘレンは売国奴から一転してナチスを騙した英雄と評されるようになった。
 ナチスへの絵画の販売については無罪となるが、1947年11月12日にフェルメールらの署名を偽造した罪で当時詐欺罪の刑として最も軽い禁固1年の判決を受ける。しかし酒と麻薬に溺れていたメーヘレンは心臓発作を起こし、判決から一ヵ月後にアムステルダムで死去した。


半村にゃにゃ(人名:AATM)
 おそらく作家の半村良のこと。セイバーが月姫を語った際に引き合いに出された。セイバー曰く『清く正しい、歴史と併走する伝奇もの』。



  


(用語・魔術)
 魔術師の属性(五大元素)の一つ。
 生命や死の象徴であり、破壊的な魔術との相性がよい。


P-3C(用語/武装:Zero)
 ロッキード(現ロッキード・マーチン)P-3オライオン対潜哨戒機のバリエーションの一つ。原設計は古く、原型のYP3V-1が初飛行したのは1959年11月。機体そのものはロッキードL-188エレクトラ旅客機をベースにしており、広い機内スペースを利用して様々な対潜哨戒用機材やセンサーを搭載している。重量軽減のため前部胴体を短縮したが、それ以外の寸法はエレクトラ旅客機と変わらない。YP3V-1の初飛行は11月25日。
 大型機であるが反応が良く、横幅が短いため横転率も良い。翼面荷重が大きく、これが低高度飛行時にも良好な乗り心地をもたらしている。これは対潜水艦作戦時に長時間活動する際に重要な要素である。
 P-3オライオンの標準搭乗員数は10名。うち2名がパイロット、1名が航空機関士。残る7名がミッション搭乗員である。
 コクピットには二名のパイロット(左席が機長)と航空機関士が搭乗する。二名のパイロットの前にはそれぞれ水平状況表示装置、電波および気圧高度計、旋回傾斜計、対気速度計といった標準的な飛行計器が配置されている。両パイロットの脇には前脚の操作ハンドルや二次システムの操作装置類がある。パイロットの間にある主計器盤には副操縦士側(右側)にエンジン関連計器、機長側(左側)に円形の表示画面がある。この表示画面に戦術状況やミッション搭乗員から送られる方位指令が映し出される。中央計器上には火災警報装置と消火器ボタンがある。パイロットの間の大型コンソールにはスロットルレバー2セット、両脇のピッチトリムホイール、最後部のヨーとロールのトリムダイヤル、フラップ操作レバーなどの基本システムの操作装置がある。
 コンソール後方には航空機関士の席があり、正面計器盤の監視と、時には離陸時にスロットルレバーの操作も行う。航空機関士席の上には大型のオーバーヘッドパネルがあり、ここにほとんどの機体システムの操作ダイヤルやスイッチが配置されている。
 7名のミッション搭乗員は全員が主キャビンに座る。操縦室のすぐ後ろから中央通路が伸び、その左右に搭乗員ステーションや装備品を入れる箱などがある。全てのステーションはインターコムで繋がっている。
 操縦室のすぐ後ろには左右に前向きで座るステーションがある。右側が航法通信士NAV/COMMステーションである。操作員は機体の航法システムを操作し、各種通信機器により外部との無線連絡を行う。左側が戦術調整官TACCO席である。TACCOはミッション指揮官であり、メンバーからもたらされる情報を基にミッション戦術を策定する。TACCO席には戦術状況を映し出す大型の画面がある。
 その後方右側には第三センサー操作員SS-3の席があり、ドライステーションとも呼ばれる。SS-3は非音響センサーの操作を受け持つ。席にはレーダーや電子支援手段装置の情報を映し出す大型の円形画面と赤外線画像用の画面が取り付けられている。
 主翼上部左側には第一センサー操作員SS-1と第二センサー操作員SS-2が座る横向きの席があり、この二名はウェットチームとも呼ばれる。ソノブイのパターンを把握し、その情報を解読するのが任務である。
 主翼後縁部付近に残る二名が座っている。一名はソノブイ・システムを取り扱う兵装員であり、三つの与圧式と一つの非与圧式投下口にセンサー類を詰め込む作業などを行う。もう一名は機上技術員で、飛行中の機体システム整備などを受け持っている。この二名は特段の作業がないときには機体左右の観測用張り出し窓の横にある後ろ向きの席に座り、外部の目視監視を行っている。
 主キャビンの最後部区画は備品の整った休息区画になっていて、寝台、ベンチ、テーブル、ギャレー、トイレがある。
 上記の搭乗員はアメリカ合衆国海軍のものだが、日本の海上自衛隊でもほぼ同様であり、航空機関士が機上整備員、戦術調整官が戦術航空士、兵装員が機上武器整備員、機上技術員が機上電子整備員と、名称がやや異なっている程度である。
 ほとんどの戦術活動において機体は中央コンピュータによって制御される。この中央コンピュータはミッション搭乗員の指示により自動操縦装置を制御することもできる。
 P-3は短距離の滑走で離陸でき、上昇性能も高い。大型のプロペラ回転面は一定角度に調節したりリバースピッチに設定したりすることで効果的なブレーキとなるため、着陸滑走距離もきわめて短い。この優れた離着陸性能とコンパクトな機体寸法により、オライオンは多くの飛行場から運用することができる。
 エンジンは4枚ブレード・プロペラを駆動する。エンジンが一定速度で運転されているときはプロペラのピッチを変えて推進力を変化させる。プロペラブレードは完全なフェザリング位置にすることもでき、飛行中に停止させても抵抗を発生しない。
 エンジンはナセルに収めて主翼上面に取り付けられており、主翼後縁に向けて長い排気筒が伸びている。プロペラブレードが強い推進力を生み出しているが、エンジン排気口からのジェット噴射も推進力に使われている。エンジンには発電機が装備されており、機体システムに使用する電力を生み出す。また補助動力装置が装備されているため、外部動力なしでエンジンを始動することができる。このエンジンは大出力であるため、飛行中にエンジンを一基ないし二基停止させて滞空時間を延長することがごく普通に行われている。この場合は発電機を備えない1番と呼ばれる左端のエンジンを停止させる。
 燃料は主翼桁の間にあるほぼ翼幅全体に及ぶタンクと胴体下の中央翼部のタンク、胴体下面の追加タンクに収められている。
 脚は三つとも前方引き込み式で、主脚は内側エンジンナセル、前脚は操縦室下に取り付けられている。前脚が短いので、P-3の地上姿勢はやや前かがみになる。
 操縦翼面は一般的なもので、ヨー操縦用の方向舵、ピッチ操縦用の昇降舵、ロール操縦用の補助翼で構成されている。主翼後縁には付け根近くから補助翼手前までファウラー・フラップがついている。
 航法システムは戦術システムと完全に統合化されている。また広範な無線機器も備えており、現在は衛星通信装置も装備していて、そのアンテナは機体上部に装備されている。一部の機体では機体を傾けても通信が途切れないように機体側面にアンテナを装備したものもある。
 広大な海域を哨戒するために様々なセンサーが搭載されている。ディーゼル潜水艦の排気音を探知するスニッパーは既に使用されていないが、そのほかのセンサーは常にアップデートされ続けている。
 水上艦や水上航行中の潜水艦、海面から出ているシュノーケルの探知には強力なレーダーが用いられる。レーダーには二つのアンテナがあり、一つは機首に、もう一つは尾部の付け根に装備されている。これにより360度全周をカバーできる。初期型のレーダーはAN/APS-80だったが、P-3CではAN/APS-115に変更された。さらに今日のP-3CはAN/APS-137逆合成開口レーダーを装備している。これは艦船のローリングやピッチングによる僅かなドップラーシフトを捉え、艦船を単に点で示すのではなくレーダー画像として表示する。
 尾部には磁気探知装置MADのブームがある。これは潜水艦のような大きな金属体が移動することによる地球の磁場の乱れを検出するものである。これの重要性は低下しているが、潜水艦を攻撃する際の最終的な位置確認では大きな役割を果たすことになる。
 潜行した潜水艦を探知するには音響ソノブイが重要となり、これは後部胴体下面の発射筒から一発ずつ発射される。P-3Cでは自動ソノブイ投下装置が導入され、飛行前に48の発射筒のそれぞれに各種のソノブイを装填しておく。また3本の与圧発射筒もあり、これには飛行中に特定のソノブイを装填できる。非与圧投下口にも飛行中に装填することができ、ここからは大きな物資を投下することができる。発射筒は後方に向けられているので、ソノブイは発射地点と同じ位置に着水し、高い精度でソノブイを配置することができる。また海面上での位置を確認するための発煙弾も投下することができる。
 P-3は誕生当初から敵対レーダー輻射を探知・把握・解析できる優れた電子支援手段装置を装備していた。これにより、水上艦艇や電波を発して水上航行している潜水艦を遠距離から捉えることができる。電子支援手段装置の位置は初期型では主翼端だったが、P-3Cでは主翼下パイロンを一つ使用することとなった。近年では先進の回転式電子支援手段装置が実用化され、胴体下部に装着されている。
 電子光学センサーも重要である。P-3CアップデートUでは赤外線探知システムが導入された。機首下面に引き込み式のトレイがあり、そこに方向操作可能な前方監視赤外線が備えられていた。一部の機体には側方の窓から長距離電子光学センサーを使うことができたが、現在のP-3C AIP機では双方の機能を一つにまとめ、機首下面の大型トレイに装備されている。
 近年では防御システムも強化され、ミサイル警報装置が機首とテイルブーム側方に取り付けられている。チャフ・フレアディスペンサーは前脚扉上と内側エンジンナセル後部に装備されている。
 兵装搭載能力は強力で、装備次第では対地攻撃任務にも用いることができる。前部胴体下部に二枚の扉を持つ兵器倉を備え、ここに魚雷や爆雷、機雷を収容できる。主翼下のパイロンにも兵装を装着できる。主翼のハードポイントは片側にそれぞれ三箇所あるが、通常は外側の二箇所のみにパイロンを装着しており、ここには水上艦攻撃用の兵装を装着する。主翼内翼部にも片側二箇所のハードポイントがあり、兵装のほかサーチライトやセンサーポッドを装着することも可能。
 海上自衛隊ではそれまでのP-2Jに替わる対潜哨戒機として1977年にこれを採用し、1981年から配備を開始した。次いで1982年からは川崎重工業でノックダウン生産されたものが納入され、以後はライセンス生産に移行した。1997年9月までに合計101機が配備された(ただし事故損耗あり)。
 日本ではP-3Cオライオン101機(事故損耗により実際には97機を4個航空隊と1個教育航空隊で運用。他に装備試験機UP-3Cを1機、電子戦訓練支援機UP-3Dを3機、電子偵察機EP-3を5機、画像情報収集機OP-3C(P-3Cからの改修(9131〜9135号機))を5機運用(2002年3月から本格運用開始)している。2008年現在の作戦実働は80機。性能は前半の69機がP-3CアップデートU.5相当、後半の32機がP-3CアップデートV相当。
 哨戒機という性格上、機体性能自体はさほど重要ではなく、搭載機器の性能こそが重要となっている。海上自衛隊の初期型は捜索用機器のすべてをアメリカからのブラックボックスの輸入に頼っていたが、国内技術の発達により順次国産品に換装されている。これはブラックボックスの輸入のほうがコスト的に有利であるが、国産のほうが故障時の対応やユーザーからのフィードバックが容易であるからである。このため、現在では外見上は米軍機とさほど変わりないが中身はだいぶ異なったものになっている。
 海上自衛隊では導入当初は『対潜哨戒機』と呼称していたが、近年になって対潜水艦戦闘の比重が減り、水上目標の捜索・監視任務が増えてきたことから、現在では両任務を区別せず単に『哨戒機』と呼称している。
 海自P-3Cの任務は日本領海内のパトロールで、必要に応じて排他的経済水域での水中、水上目標の捜索・監視任務も行う。端的に言えば、日本に危害を加えそうな潜水艦や水上鑑定を探し出してその動向や意図を探ること。
 潜水艦捜索方法は相手のスクリュー音をローファーブイ・ダイバーブイ(パッシヴ・ソノブイ)で水中を探るというもの。運良く潜望鏡を出した場合にはレーダーで発見できることもあるが、現在装備しているレーダーでは成否が海面の状態に左右される場合が多く、開発中の新型捜索レーダーでは相当に精度が上がると期待されている。また潜水艦が浅い深度にいる場合には、磁気の乱れを感知する磁気探知装置(MAD)によって発見することも可能。
 水上艦艇の場合は主にレーダーを使って捜索する。木造船などの場合はレーダーでは発見しにくいため、搭乗員たちの肉眼も重要な捜索センサーになる。
 不審艦艇を発見した後は監視行動に移るが、その際も振動抑制装置を組み込んだ双眼鏡を使って肉眼で監視する。夜間や悪天候の際には機首下に装備した赤外線前方監視装置(FLIR)を使って監視にあたる。
 これの能力は捜索・監視だけではなく、いざ有事となれば発見した敵潜水艦を空中投下型の対潜魚雷で攻撃する。また近接信管を持つ対潜爆雷も使用できる。これらの兵装は前部胴体の爆弾倉に収められている。水上艦艇に対してはAGM-84ハープーンミサイルや国産のAMS-1C空対艦ミサイルで攻撃することが可能。
 日本では海洋哨戒のほかに海氷観測(海氷とはいわゆる流氷のこと)も任務としている。

 航空自衛隊のC-1輸送機とともに後継機が必要となったため、P-X、C-Xの両機を川崎重工が同時進行で開発した。P-X試作一号機は社内飛行試験を経て2007年9月28日に航空自衛隊岐阜基地にて初飛行に成功し、防衛省より『XP-1』の型式呼称を与えられた。XP-1試作一号機の防衛省への納入は2008年8月の予定。

 諸元
 乗員:10名
 全長:35.61m
 全幅:30.4m
 全高:10.27m
 翼面積:120.77u
 水平安定板幅:13.06m
 ホイールトラック:9.50m
 ホイールベース:9.07m
 空虚重量:27,890kg
 通常離陸重量:61,235kg
 最大離陸重量:64,410kg
 機内燃料重量:28,350kg
 兵器類最大搭載量:9,072kg
 エンジン:アリソン(現ロールスロイス)T56A-14ターボプロップ×4基(海上自衛隊仕様はT56A-IHI-14ターボプロップ×4基)
 定格出力:3,117ekWまたは水噴射時3,456ekW(-10W)、3,661ekW(-14)×4基(海上自衛隊仕様は4,910馬力×4基)
 離陸滑走距離:1,292m(最大離陸重量時)
 着陸滑走距離:1,673m
 最大速度:761km/h
 巡航速度:最大745km/h
 航続距離:9,000km
 最大上昇率:毎分594m
 実用上昇限度:8,625m
 行動半径:3,835km

 主要ソノブイ
 AN/SSQ-36 BT(深海自記温度)
 AN/SSQ-41 LOFAR(低周波数解析および記録(退役済み))
 AN/SSQ-47 CASS(指令作動ソノブイ・システム(退役済み))
 AN/SSQ-53 DIFAR(指向性周波数解析および記録)
 AN/SSQ-57 LOFAR(低周波数解析および記録)
 AN/SSQ-62 DICASS(指向性指令アクティヴ・ソノブイ)
 AN/SSQ-77 VLAD(垂直線アレイDIFAR)
 AN/SSQ-110 EER(拡張反響測距(爆発システム))

 魚雷
 Mk46魚雷(誘導方式:アクティヴ/パッシヴ音響/全長:2.59m/直径:0.33m/重量:235kg/推進装置:液燃推進器/速度:52km/h/射程:7.3km/弾頭:43.9kgの高性能炸薬/兵器倉内に最大8発収容)
 Mk50バラクーダ魚雷(誘導方式:アクティヴ/パッシヴ音響/全長:2.84m/直径:0.32m/重量:340kg/推進装置:保存化学エネルギー/速度:75km/h/弾頭:45.4kgの高性能指向性炸薬/兵器倉内に最大6発収容)

 機雷・爆雷
 B57/Mk57(重量:約230kg/タイプ:核爆雷(1991年に退役))
 Mk36(重量:254kg/タイプ:爆雷)
 Mk40(重量:481kg/タイプ:爆雷)
 Mk41(重量:907kg/タイプ:爆雷)
 Mk52(重量:約544kg/タイプ:爆雷)
 Mk55(重量:989kg/タイプ:沈底機雷)
 Mk56(重量:1,005kg/タイプ:係維機雷)
 Mk60(重量:1,070kg/タイプ:キャプター・キャプティヴ機雷)
 Mk62(重量:263kg/タイプ:クイックストライク)
 Mk63(重量:490kg/タイプ:クイックストライク)
 Mk64(重量:973kg/タイプ:クイックストライク)
 Mk65(重量:1,070kg/タイプ:クイックストライク)

 無誘導兵器
 LAU-10D/A無誘導ロケット弾ポッド(主翼下・内翼部パイロンに最大10基)
 Mk20ロックアイ・クラスター爆弾(主翼下・内翼部パイロンに最大10発)

 精密誘導兵器
 AGM-12ブルパップ・ミサイル(誘導方式:無線指令/全長:3.20 m/胴体直径:30cm/発射重量:259kg/速度:マッハ1.8/射程:11 km/弾頭:113 kgの爆風破片型)
 AGM-65マヴェリック(誘導方式:テレビまたは電子光学/全長:2.49 m/胴体直径:30.5cm/発射重量:307kg/速度:亜音速/射程:20〜25 km/弾頭:135 kgの爆風貫通型)
 AGM-84ハープーン(誘導方式:慣性/電波高度計(中間)+アクティヴ・レーダー(終末)/全長:4.44 m/胴体直径:34.3cm/発射重量:630kg/速度:マッハ0.85/射程:240 km/弾頭:222 kgの高爆発力貫通型/最大搭載数:8発)
 AGM-84H SLAM-ER(誘導方式:慣性/電波高度計/GPS(中間)+赤外線/データリンク(終末)/全長:4.37 m/胴体直径:34.3cm/発射重量:726kg速度:マッハ0.85/射程:140 km以上/弾頭:227 kgの高爆発力貫通型)

 以下は海上自衛隊の装備
 主な装備
 UHF/VHF無線機(国際マリンバンドを含む)
 HF無線機(伝搬距離:約1,200海里)
 暗号通信装置
 データリンク(LINK11)
 衛星通信装置
 捜索用レーダーAN/APS-115(最大捜索距離:約200km)
 ESM逆探知装置
 IRDS赤外線暗視装置
 ISAR逆合成開口レーダーAN/APS-137
 ソノブイ投射機(ソノブイ探知距離:CZ捜索時約30nm/直接伝搬域探知時約3,000m)
 ソノブイ解析システムAN/UYS-1
 MAD磁気探知機AQS-81(探知範囲約500〜1,000m)
 ミサイル防御装置

 兵装
 AGM-84ハープーン
 ASM-1C
 MK-46魚雷
 97式短魚雷
 150kg対潜爆弾
 音響警告用水中発音弾


ビーチフラッグ(用語:氷室の天地)
 衛宮士郎らが二年生の年の穂群原学園の体育祭での特別三枠に蒔寺楓が提案した競技。クラス内選考を抜けて生徒会に提案されたが、採用されなかった。
 おおよそ椅子取りゲームに似ており、フラッグの数は選手の人数より一つ少なく設定されている。フラッグを砂に一直線上に挿し、選手はフラッグから約20メートル程離れてフラッグの逆方向に頭を向けてうつぶせに寝る。号砲を合図にフラッグに向けて走り、フラッグを掴む。これを最後の一人になるまで続け、最後に残った一人が勝者となる。


B-2(用語/兵器:Zero)
 ソ連軍からの高度な脅威に対抗すべく冷戦時代にノースロップ社が極秘裏に開発し、アメリカ空軍に制式採用されたステルス戦略爆撃機。愛称はスピリット。一機ごとに『Spirit of 〜』というパーソナルネームがつけられている。本来は核爆撃機として開発された。
 1979年にカーター政権が秘密裏にステルス爆撃機計画を承認し、同年8月にノースロップが二種の機体案を提案、全翼機仕様が採用される。1980年1月にノースロップが先進戦略侵攻航空機計画の開発契約を受ける。プロジェクトが発足した当初、この爆撃機は高高度侵入爆撃機(HAPB)と呼ばれていたが、1980年9月にアメリカ空軍によって“シニア・シージェイ”先進技術爆撃機(ATB)に改称された。1981年10月にノースロップがATBの開発契約を受け、1984年の大きな設計変更を経て1988年11月22日にAV-1がパームデールでロールアウト。1989年7月17日にAV-1が初飛行、パームデールからエドワーズ空軍基地へ移動。1993年12月17日に量産型初号機が空軍に引き渡され、1997年4月に第509爆撃航空団が初度作戦能力を獲得。
 全翼機であり、同じくステルス機として有名なF-117ナイトホークとは違い滑らかな曲線で構成されている。これはナイトホークが設計された時代よりもコンピュータの性能がよくなり、曲面の設計が可能になったためである。
 全翼機という特異な形状から生み出される揚力は凄まじく、離陸時には短い距離で離陸できるが、着陸時には失速に注意を払わなければならない通常の航空機とは逆にありすぎる揚力を抑えるように操作しなければならない。またスピリットには垂直安定板がないが、人工的な安定機能と飛行領域保護機能を盛り込んだ四重のフライ・バイ・ワイヤのおかげで非常に安定した飛行が可能である。なおヨーを操作するときには翼端についているブレーキラダーを使うか、あるいは主翼後縁の操縦翼面を上下に開いて行う。敏捷性についてはB-52とB-1の中間くらいといわれている。
 調達価格は推定で一機11.5〜22億ドル(F-22Aラプターの米空軍の導入開始当初の価格は1億8000万ドル、2007年6月現在は1億2000万〜4000万ドル)と途方もなく高価であり維持費も高く、冷戦も終結したため必要性が失せ、当初135機調達予定だったが1990年4月に国防長官により76機に、1992年1月にビル・クリントン大統領によってさらに(6機の試作機を実用機種にアップグレードしたものを含め)20機まで削減され、最終的には最初の試作機を含む21機の配備に終わった。
 バリエーションはA型しかないが、ブロック10、ブロック20、ブロック30という三つのタイプでの製造、納入がなされている。内訳は試験用機としてまず6機をブロック10で製造、次の10機もブロック10で製造、次の3機をブロック20で製造、最後の2機をブロック30で製造した。
 ブロック10仕様機は自由落下式核兵器しか搭載できず、通常誘導兵器による攻撃能力はMk84 2000lb爆弾を除いて皆無であった。これは最初の実戦型であり、1993年12月からホワイトマン空軍基地へ配備が開始され、1996年に配備が完了。ブロック10の機体はすべてブロック20仕様に改修され、さらにブロック30仕様への改修も完了している。
 ブロック20仕様機は暫定的ながら核兵器及び通常兵器の投下能力を有するタイプで、搭載可能な通常兵器がCBU-87/B複合効果爆弾(クラスター爆弾)まで拡大した。他にもAN/APQ-181レーダーに地形回避/地形追随(TA/TF)モードを追加し、初期型のGPS/レーダー支援用目標指示システム(GATS)を装備するなど電子戦攻撃や兵器投下能力が強化された。これは1996年4月から12月にかけて生産され、すでに全機がブロック30仕様に改修されている。
 ブロック30仕様機は空軍が要求した全ての能力を有している。ブロック30の1号機はスピリット・オブ・ペンシルヴェニアと命名され、1997年8月7日にアメリカ空軍に引き渡された。ブロック30ではレーダーのモードが倍近くに増え、地形追随モードなどが追加された。総合兵装接続システム(GWIS)が装備されたおかげで一度にさまざまなスタンドオフ兵器や直接攻撃爆弾を混成搭載できるようになり、GPS誘導型J(統合)シリーズ兵器の搭載能力も強化された。さらに防御型電子戦機器や航跡雲抑制システム(高高度飛行中に排気ガスに塩化フッ化スルホン酸を混ぜて航跡雲を抑制する)も追加され、レーダー断面積をさらに削減する細かな改良が施されている。
 また絶え間なくアップグレードが為されており、近年ではリンク16データリンクの取り付けが完了している。近くAGM-158統合空対地スタンドオフ・ミサイル(JASSM)や500lb EGBU-28バンカーバスターが配備される予定。
 二人のパイロットはコクピットに横並びで座り、湾曲した大きな風防越しに良好な機外視野を得ることができる。この風防もステルス加工が施されている。また当初は二名では作業負担が大きすぎると考えられたため、コクピット後部に三人目の座席が設けられたが、これは使われておらず座席も設置されていない。射出座席はマクダネル・ダグラスACESU上方射出座席。なおコクピットには機体下部からはしごを使って乗り込む。
 広いコクピットには一つの座席につき9基の多目的表示画面(8基には電子飛行計器システム(EFIS)が表示され、9基目はリンク16専用)が設置されており、二人のパイロットが武器や飛行、航法、戦闘領域に関する様々な情報を見られるようになっている。その情報量は膨大なものだが、パイロットからすると不思議なことに画面が多くて手に負えないということはないらしい。なお左右の座席では役割が異なるため、表示画面や計器に若干の差異がある。
 射出座席の後ろには平均的な身長のパイロットが寝袋に入るか簡易ベッドに寝られるだけのスペースがあり、長時間の任務では上手に睡眠スケジュールを立てるのが大切である。
 スピリットには通常の航空機にある機外に突き出したアンテナやセンサー類がないが、これらは存在しないのではなくステルス性の向上のためすべて機体に平たく取り付けられている。
 航法装置は当初ノースロップ製の天体慣性構成追跡システムが用いられていたが、ブロック20でGPS受信機が追加されるとこちらが基本航法装置になった。航法機器としてはロックウェル・コリンズTCN-250戦術航空航法システム(TACAN)とVIR-130A計器着陸システムが装備されており、ブロック30アップグレードによりミルスター軍事戦略戦術通信中継衛星システムが追加され、その後リンク16も装備された。
 目標の位置特定や爆撃航程中の目標座標の修正はGPS援用目標指示システムを通じて行われる。これは全地球測位システムと左翼前縁下面に取り付けられたAN/APQ-181レーダーを組み合わせた装置である。
 AN/APQ-181のレーダーモードには地表目標指示モード、マッピングモード、ランデブーモード、空対空モード、捜索モードなど20のモードがある。AN/APQ-181の二基のアンテナはごく狭いビームを必要最低限の出力で発信することで非発見性を抑えている。またこのレーダーのカバーは自機のレーダー周波数のみを透過する選択透過性が高いものである。
 ロッキード・マーチンAN/APR-50防御管理システムやレーダー警戒受信機とリンクするノースロップ・グラマン防御支援システムが搭載されており、これによって乗機を標的とする脅威を特定し、対処し、必要とあらばこれを阻止することができる。
 電子戦情報を提供する防御管理サブシステム(DMS)を備えており、このアンテナは機体フレーム各部に埋め込まれて外皮の下に隠されている。これは作戦立案時の情報と異なるレーダー発信源が敵の中にいた場合、それについての情報を提供する。
 無論各種の無線通信システムを装備しているが、ステルス活動を行う際には可能なかぎり無線は使用しない。
 操縦システムは様々な飛行段階に応じてマスターモード・スイッチ一つで変更できる。これは離陸、着陸、巡航、戦闘などの飛行段階をパイロットが選ぶたびにそれに応じた機能が自動的にセットされる。
 搭載兵装は全て胴体中心線左右の二つの兵器倉に収納される。この兵器倉にはそれぞれ二枚の扉があり、前方には兵器投下時に開いて投下をスムーズにするバッフルがある。この扉とバッフルはステルス性を損なわないよう兵器を使用するときだけ一瞬開いてすぐ閉じる。扉の縁はレーダー波が吸収されるように鋭いぎざぎざになっており、その鋭さは人間の身体が簡単に切れるほどである。
 兵器搭載方法には二種類あり、小型の爆弾は爆弾架アッセンブリーに取り付けてからラック全体を持ち上げて兵器倉に納める。大型の爆弾は一つにつき8発搭載できる回転式ランチャーに装着してそれぞれの兵器倉にランチャーを一つずつ装着する。
 精密誘導兵器はGATS及びAN/APQ-181と接続しているか、あるいは独立プログラムによって目標まで誘導される。1000lbまたは2000lbのJDAMを搭載するB-2は一回の爆撃航程で16個の、500lbのJDAMなら80個の目標を爆撃できる。
 B-2の表面はレーダー波を反らしたり熱に変換したりするレーダー吸収塗料が塗られているが、定期飛行でも次第に剥げていく。このためノースロップ・グラマンはステルス性を長く保てる新しいレーダー吸収コーティングを開発し、整備時間の激的な短縮を実現した。この素材は代替高周波材料(AHFM)と呼ばれ、4台のロボットを使って機体に噴霧する。また機体の点検パネルの縁にはテープを貼らなければならない。
 極めて長時間の任務飛行が可能で、2007年現在までの最長記録は2001年10月10日から11日にかけて実施されたアフガニスタンのタリバン拠点に対する精密爆撃で、このときホワイトマン空軍基地を発進したビル・“ルーディ”エルドリッジ中佐を武器戦術主任とするB-2は一度も着陸せず44時間を飛び続けた(ただし帰投の途中でイギリス領ディエゴ・ガルシアに着陸しており、B-2をホワイトマン空軍基地まで30時間をかけて移送したのは別のクルー)。2003年3月のイラク侵攻の際にはホワイトマン空軍基地からイラクを無着陸で往復した。計算上では最低70時間の連続飛行が可能とされている(エンジンの燃焼実験において潤滑油の補給が必要になるまで連続運転させた時間)が、実際には50時間程度が限度だと見られている。これも今後の改良点として検討されている。
 ホワイトマン空軍基地にはこういった長時間の任務をサポートするための精神科医や航空医療の専門家チームがおり、彼らは任務前に日の出や日没の時間、就寝の時間と順番、機上食の栄養計画などをまとめたファイルをパイロットに与える。
 乗員は二名だがどちらの席でも同じ操作ができるため副操縦士はなく、任務の内容に応じて任務指揮官とパイロットといった具合に役割を分担することがある。なお機長は左座席に、任務指揮官は右座席に座る。
 機数が少ないうえ飛行時間も制限されているため、パイロットの訓練はシミュレーターに頼る割合が高く、飛行訓練でもノースロップT-38タロンを使用することが多い。また全地球到達、全地球打撃ドクトリンのため空中給油が必須であり、パイロットはこの訓練を定期的に行う必要がある。ただ受油口がコクピットの後ろに位置するため空中給油機の下にもぐりこむように操縦しなければならないため、若干の難がある。
 全幅がB-52より小さいため、旅客機が利用している全ての飛行場からの運用が可能。
 ハイテクの塊であるため、友好国への供与は想定されていない。
 最初の機体82-1066のロールアウトは1988年11月22日。初実戦は1999年3月のコソボ紛争(同盟の力作戦)。2007年現在、第一線部隊としてはアメリカ空軍第509爆撃航空団第13爆撃飛行隊グリム・リーバーズと同第393爆撃飛行隊タイガースのみが運用している。ただしその20機の機体は同第394戦闘訓練飛行隊、同第72試験評価飛行隊、同第325兵器飛行隊ケーヴメンが共有している。残る1機(82-1068)はエドワーズ空軍基地で試験飛行に使用されている。余談だがこの第509爆撃航空団は第二次世界大戦において広島と長崎に原子爆弾を投下した第509混成航空団の流れを汲む部隊である。
 特殊な機体であることから機密保持と期待の整備のため長くホワイトマン空軍基地のみで運用されていたが、簡易ハンガーが開発され、それを設置した基地からの運用が可能となった。B-2の作戦拠点はホワイトマン空軍基地のほかにイギリスのフェアフォード、ディエゴ・ガルシア、沖縄県の嘉手納基地が指定されている。
 2005年10月に中国共産党にこれのステルス関連技術を11万ドルで売り渡したとして推進装置設計に携わったインド系アメリカ人技術者ノシル・ゴワディア氏(当時62)が逮捕される。2006年11月に起訴され、訴状には氏が中国に入国してステルス性排気ノズルの設計に協力していたことが記述され、巡航ミサイルが赤外線探知を回避するための設計資料を中国に売却したことも報じられた。2011年1月24日、ハワイ州連邦地裁はノシル・ゴワディア氏に禁固32年の判決を下した。
 2008年2月23日、グァム島アンダーセン空軍基地において第509爆撃航空団第393遠征爆撃飛行隊(509BW 393EBS)所属のB-2Aスピリット(WM 89-0127 スピリット・オブ・カンザス)がリフトオフ直後に墜落、炎上した。クラッシュサイトは基地内で、パイロット2名は射出座席により脱出して無事。
 これは2007年12月からアンダーセン空軍基地に4機ローテーション派遣されていたもので、派遣任務を終えてホワイトマン空軍基地に帰還するために離陸し、内一機が事故を起こした。
 事故以降B-2Aは飛行を停止していたが、2008年4月15日に事故調査委員会による事故原因調査は継続されているものの飛行を再開した。ちなみにB-2Aはこの事故を起こすまで75000フライトアワー、14000ソーティ(うちコンバットソーティ100)以上をこなしてクラスAミシャップを起こしていないという驚異的に安全度が高い航空機だった。なおクラスAミシャップとは、クルーが死亡または不治の障碍が残る、航空機全損、損害額100万ドル超のいずれかに該当する事故のこと。
 2008年6月5日に発表された空軍戦闘軍団事故調査報告書によると、事故の原因はエアデータ・システムから誤った情報が飛行制御コンピュータに入力されたこと。エアデータ測定中に左側変換機ユニットに付着した湿気によりデータが歪み、誤ったデータが飛行制御コンピュータに入力された結果、飛行制御コンピュータは離陸時に負のAOA(迎え角。翼に当たる気流に対する翼弦線の傾きのこと)と不正確な対気速度を表示し、パイロットが機首を上げすぎたために失速、墜落に至った。
 第四次聖杯戦争におけるライダーがこれを10機ほど購入したがったが、時期的に考えると仮に購入できたとしてもブロック10しかありえず、つまりほぼ確実に核攻撃の手段としてしか運用できなかった。というよりも量産型がアメリカ空軍に納入されるかどうかという時期だったので、どうしようと購入は不可能だったと思われる。

 諸元
 全長:21.03m
 全幅:52.43m
 主翼面積:477.5u(推定)
 全高:5.18m
 ホイールトラック:12.19m
 空虚重量:56,700kg
 通常離陸重量:152,633kg
 通常最大離陸重量:170,550kg
 機内燃料重量:59,000kg(通常)
 最大爆弾搭載重量:18,145kg以上
 最大速度:マッハ0.8(高高度)
 最大速度:778km/h(低高度)
 離陸距離:1,675m
 実用上昇限度:15,240m以上
 無給油航続距離:11,110km
 パワープラント:ゼネラル・エレクトリックF-118-GE-100ターボファンエンジン×4基
 エンジン推力:84.6 kN
 レーダー:レイセオンAN/APQ-181低非探知性(LPI)レーダー
 乗員:2名
 レーダー断面積:0.1u

 搭載兵装
 核爆弾

 B83核爆弾(型式:威力可変型2段式戦術/戦略攻撃兵器/全長:3.66m/直径:0.46m/重量:1,092kg/投下方式:高高度(空中爆発あるいは接触爆発)・レイダウン(遅延信管+制動傘減速)/弾頭:ダイヤルによる威力可変型 最大威力2MT)
 B61核爆弾(型式:威力可変型2段式戦術攻撃兵器/全長:3.59m/直径:0.34m/重量:315〜325kg/投下方式:高高度(空中爆発あるいは接触爆発)・レイダウン(遅延信管+制動傘減速)/弾頭:威力設定型 0.3〜340kT)

 自由落下爆弾
 Mk82(クラス:500lb(227kg)/最大搭載数:80発)
 M117(クラス:750lb(340kg)/最大搭載数:36発)
 Mk84(クラス:2,000lb(907kg)/最大搭載数:16発)
 CBU-87/-97(クラス:クラスター爆弾/最大搭載数:36発)
 Mk36/62(クラス:機雷/最大搭載数:80発)

 GPS誘導兵器
 GAM-84(クラス:2,000lb(907kg)級GPS誘導兵器/弾頭:Mk84またはBLU-109/最大搭載数:16発)
 GAM-113(クラス:4,700lb(2,132kg)のGPS誘導貫通弾頭兵器/最大搭載数:8発)
 GBU-31(クラス:2,000lb(907kg)級のJDAM/弾頭:Mk84またはBLU-109/最大搭載数:16発)
 GBU-37(クラス:4,700lb(2,132kg)のJDAM/最大搭載数8発)
 GBU-38(クラス:500lb(227kg)級のJDAM/最大搭載数:80発)
 AGM-154 JSOW(誘導方式:慣性+GPS/全長:4.06m/胴体寸法:53cm×60cm/発射重量:483〜680kg/速度:無動力・発射後滑空飛翔/射程:最大75km/弾頭:複合効果弾薬×145発)
 GBU-39 小直径爆弾(SDB)(誘導方式:慣性+GPS/全長:1.80m/発射重量:129kg/射程(高高度投下時):40km/半数必中界(精度):4m)
 AGM-158 JASSM(誘導方式:慣性+GPS/全長:4.27m/翼幅:2.4m/発射重量:1,020kg/速度:約マッハ0.9/射程:約370km/推進装置:J402ターボジェット(推力3kN))

 各機の型式番号、シリアルナンバー、パーソナルネーム、引渡し時期は以下の通り。

型式番号

シリアルナンバー

正式名称

初期ブロック

第509爆撃航空団への引渡し時期

備考

AV-1

82-1066

スピリット・オブ・アメリカ

ブロック10

1999年12月23日

1989年7月17日初飛行
2000年6月にブロック30として再引渡し

AV-2

82-1067

スピリット・オブ・アリゾナ

ブロック10

1997年11月18日

1990年10月19日初飛行
1997年8月にブロック30として再引渡し

AV-3

82-1068

スピリット・オブ・ニューヨーク

ブロック10

エドワーズ空軍基地第412試験航空団へ引き渡し

1991年6月18日初飛行
1999年10月にブロック30として再引渡し

AV-4

82-1069

スピリット・オブ・インディアナ

ブロック10

1999年5月14日

1992年4月17日初飛行
2000年2月にブロック30として再引渡し

AV-5

82-1070

スピリット・オブ・オハイオ

ブロック10

2000年2月22日

1992年10月5日初飛行
1999年7月にブロック30として再引渡し

AV-6

82-1071

スピリット・オブ・ミシシッピ

ブロック10

1998年4月7日

1993年2月2日初飛行
1998年1月にブロック30として再引渡し

AV-7

88-0328

スピリット・オブ・テキサス

ブロック10

1994年8月31日

AV-8

88-0329

スピリット・オブ・ミズーリ

ブロック10

1993年12月17日

AV-9

88-0330

スピリット・オブ・カリフォルニア

ブロック10

1994年8月17日

AV-10

88-0331

スピリット・オブ・サウスカロライナ

ブロック10

1995年12月30日

AV-11

88-0332

スピリット・オブ・ワシントン

ブロック10

1994年10月28日

AV-12

89-0127

スピリット・オブ・カンザス

ブロック10

1995年2月17日

2008年2月23日、アンダーセン空軍基地で墜落

AV-13

89-0128

スピリット・オブ・ネブラスカ

ブロック10

1995年6月28日

AV-14

89-0129

スピリット・オブ・ジョージア

ブロック10

1995年11月14日

AV-15

90-0040

スピリット・オブ・アラスカ

ブロック10

1996年1月24日

AV-16

90-0041

スピリット・オブ・ハワイ

ブロック10

1996年1月11日

AV-17

92-0700

スピリット・オブ・フロリダ

ブロック20

1996年4月1日

AV-18

93-1085

スピリット・オブ・オクラホマ

ブロック20

1996年5月15日

AV-19

93-1086

スピリット・オブ・キティホーク

ブロック20

1996年8月30日

AV-20

93-1087

スピリット・オブ・ペンシルヴェニア

ブロック30

1997年8月4日

AV-21

93-1088

スピリット・オブ・ルイジアナ

ブロック30

1997年11月7日


B定食(用語:Fate)
 穂群原学園の学食のメニュー。コロッケ定食だが、野菜を含め何を食べても肉の味しかしない。


ビーフ2000(用語:ネコアルク)
 グレートキャッツビレッジの工場で作られている缶詰。大人気商品であり、GCVではもう数百年これ以外の猫缶は作られていない。ぐったりとしてコクがなく、生臭くていつまでも喉に残るいやな味。
 ネコアルクはもともとGCVの猫缶工場の一作業員だったが、ビーフ2000こそがイリヤスフィール症候群の原因と知り工場長に反逆。結果、職を失って路頭に迷うのであった。


ビキニカラテ(用語:氷室の天地)
 衛宮士郎らが二年生の年の穂群原学園の体育祭での特別三枠の募集に対し、生徒会に提案された競技。
 実際は競技でも何でもなく、ビキニ水着を着用した女性が戦うというWindows向け格闘ゲーム。


秘境料理研究会(組織)
 高校一年生になった有間都古が所属する部活、あるいは同好会。


髭を剃られたL.H.O.O.Q.(用語:氷室の天地)
 1965年制作のマルセル・デュシャンのレディ・メイド作品。原題は『L.H.O.O.Q., rasee』。
 『モナ・リザ』に『髭を剃られたL.H.O.O.Q.』と書き加え、自分のサインを入れただけのもの。


久宇舞弥(人名/魔術師:Zero)
 ひさう まいや。
 身長161cm。体重49kg。血液型A。7月7日生まれ。B75 W58 H77。
 魔術師一般の見方でいえば、衛宮切嗣の弟子。衛宮切嗣の助手を務める女兵士。切嗣の愛人かどうかは言葉の定義次第。特技は戦闘技術一般。洋菓子が好きで化粧と服選びが苦手。天敵は言峰綺礼。
 どうしようもなく貧しい国の出身で、幼い頃に攫われて幼年兵にされた。銃を渡される前のことは覚えておらず、家族のことも自分の本当の名前も思い出せない。第四次聖杯戦争の11年前に衛宮切嗣に拾われ、その助手となった。以後は魔術を含めた戦う術を教え込まれ、己を切嗣の部品と割り切っていた。時には切嗣以上に的確で容赦ない判断を下す。
 幼年兵だった頃は他の女の子たちと一緒に兵舎で毎晩輪姦されており、初潮が来てすぐに妊娠、出産した。父親は当然ながら不明、子供に名前をつけることもできず、生き別れになっている。
 本格的に切嗣の助手となって以来、呪的処理を施した切嗣の頭髪を一本指の皮下に埋め込んでいた。これは切嗣の魔術回路が極端に停滞した場合、つまり瀕死の状態になった場合に頭髪が燃焼して危機を告げるというものである。逆に切嗣の指には舞弥の頭髪が埋め込まれていた。
 徹底的に人間性を剥奪されたまま幼少期を過ごしたため、確立した自我というものを持ち合わせていない。そのため自らの全てを衛宮切嗣に帰属するものと認識しており、彼女に切嗣を愛しているかと問うのは内臓に脳髄を愛しているかと問うのと同義であり、質問としての意味を持たない。
 舞弥と切嗣は肉体関係を持っていたが、これは愛情からのものではない。妻を聖杯完成の為の犠牲にするという、切嗣にとって『妻の愛情に対する裏切り』を躊躇せずに行うための予行演習であり、自分を強く保つための一種の自慰行為であった。
 色白の端正な美人だが、口紅すらも使わない艶とは無縁の女性。久宇舞弥という名は切嗣が最初に作った偽造パスポートの名義。切嗣のために戦うのは、それ以外に何もないから。
 魔術では低級な使い魔の操作に才能を示したため、斥候や偵察の任務を任されることが多かった。得意とする使い魔は蝙蝠で、魔術師の幻術や結界迷彩を避けるためと録画のために小型のCCDカメラを括り付けてある。魔術の腕前は黒桐鮮花より少し優れている程度だったが、いかに粗末な道具でも致命的な手段として活用できるのがプロの殺し屋であり、その意味では充分に『危険な魔術』の使い手だった。
 実は壊滅的な甘党で、しばしば単独でケーキバイキングに現れては延々と仏頂面のまま甘味類を嚥下し続ける謎の女として店員に都市伝説扱いされていたのだが、本人はそんな素顔をひた隠しにしていた。
 冬木市の衛宮邸の土蔵でアイリスフィールの護衛中にライダーの姿を装ったバーサーカーに殺害された。


翡翠(人名)
 孤児だったために生年月日不明。3月12日生まれ(遠野槙久が決めた便宜上のもの)。B型。156cm。43kg。B76 W58 H82。
 遠野家に仕えるメイドの一人。琥珀の双子の妹。遠野志貴付きのメイドで屋敷内の清掃を担当する。志貴をがっかりさせたくないので、志貴に食事を作らない。主人を第一に考える教育のせいか、物事を第三者的に見ることになれている。好きな歌はソフトバレエの『パレード』で、この曲を目覚ましにしてうっとりしている。遠野邸の図書室がお気に入りの場所。
 無表情に見えるが照れ屋で、よく見ると表情はころころと変わる。相手を喜ばせること、相手に尽くすことは得意だが、人に尽くされることにはまったく慣れていない。
 味覚が常人離れしているので、料理が絶望的に下手。翡翠の料理は毒手に似た概念武装のようなもので、本人は善意で隠し味を入れているが、それによって別の料理に生まれ変わるというかゲシュタルト崩壊を引き起こすというか。つまり非常にマズくなり、下手をすると死者が出る。よく白レンにケーキをあげるが、ことごとくウメ味。
 遠野槙久が自身の体力・精神力を強化する目的で(名目的には住み込みで働くことが条件)引き取った感応者の子だが、その役は琥珀が一身に引き受けていたので志貴たちと遊び、普通の仕事をしていられた。そのころはもとよりあまり活動的ではなかったが、明るいお姉さん的な性格だった。
 だが志貴が四季に殺されるところを目撃してからは感情の表し方を忘れてしまい、大人しくなった。そんな翡翠を元気付けるために努めて明るく振る舞った琥珀と、いつしかそっくり立場が入れ替わってしまった。
 志貴が遠野の家を出た後は屋敷の中の仕事をするようになり、自分から誰かに話しかけることはなくなった。幼年期の琥珀とのトラブルから、屋敷から外に出ることを禁じている。そのため経済観念はまるでなく、しかも秋葉の影響で買うならば高級志向。
 後に琥珀と槙久の関係、つまり琥珀が身を挺して自分の純潔を守ってくれたと知り、何があっても姉の体を汚し続けた異性の体に触れない、触れられない極度の潔癖症・男性恐怖症になった。自分を恥じていて、志貴の前では使用人として振舞おうと頑張っているのだが時折地が出てしまう。好きな相手の前では常に緊張しまくりでクールな自分を保っている。
 琥珀と翡翠には明確な賃金は存在せず、槙久によって秋葉でさえ驚愕する金額が既に振り込まれているのだが、その金は遠野家を離れて初めて自由になる。
 本来は戦いなどできる人物ではないが、MELTY BLOODでは『メイドとはいかなる手段をもってしても主人を守るもの』というタタリの拡大解釈を受けてメイド流殺法とも言うべき戦闘スタイルを身につけた。
 最近は屋敷の外に出られるようになり、AATMでは午後からアーネンエルベでアルバイトをしている。
 イリヤエ・ロボマエでは琥珀のクーデタに先立って天然素材の睡眠薬で眠らされたうえでシェルターに収容されていたが、戦闘の騒音で目を覚まして地域破壊爆弾を作動させようとする琥珀を止めようとした。
 地域破壊爆弾の処理後にイリヤスフィールとマジカルルビーが元の世界に戻る際に一緒に転移してしまった。


左足の悪魔(用語)
 クラス:空の王者。
 ユーザー願望:放浪、解放の具現。星を目指すもの。
 デザイン参考:聖堂の床の模様。鳥の話。
 メレム・ソロモンの四大魔獣のうちの一体。あらゆる動物たちの集合体。空を泳ぐ獣の王様。右足と同規模の巨大な悪魔。メレムが想像した悪魔たちの中で最も美しい。タイル状の皮膚には様々な動物たちが収納されている。
 空中要塞といった趣だが、その翼が地上に触れると消滅してしまう。殲滅戦に特化した右足に対し、こちらは超級の敵との一騎打ちに特化している。もっとも、大抵は致命傷を与えたあとに落下して霧散してしまう。メレムとしてはコストが高すぎる兵器という扱い。
 巨大なエイのような姿をしており、翼の下面と上部の背びれの間がメレム柄。


左腕の悪魔(用語)
 クラス:ネズミの王様。
 ユーザー要求:他人への憧憬、変身願望の具現。
 デザイン参考:聖堂の天井裏に住んでいた友人たち。
 メレム・ソロモンの四大魔獣のうちの一体。ネズミ界のヒーロー、アイドル。戦闘能力は皆無だが、人間であれば完璧に姿を模すという変身能力を持つ悪魔。人間社会において司祭としての地位を持ち、かつこの世で三番目くらいに美しいネズミとして地下、天井裏、排水溝、家具裏といった隙間の隙間コミュニティにおいて絶大な支持を持つ。チーズとピッツァが好き。
 左手自身も司祭としての自分が気に入っており、メレムと人間とネズミたちのために日々のんびり働いている。ネズミたちにどこが“大”魔獣なのか問われるたびに申し訳なくて頭を悩ませている。
 色々な人間に化けることができるが、基本的には優しい老神父の姿をとる。しかし高位の悪魔祓いに見られると本来の姿に戻ってしまう。なお変身能力はあくまで左腕自身のものであってメレムのものではない。
 本来の姿は王冠を被りマントを羽織った白いネズミで、マントと尾がメレム柄、王冠にはメレムの手の甲にある王冠マークがついている。老神父の姿ではマフラーと首飾りの飾り紐、目と舌がメレム柄。


左歯噛咬(武装:hollow)
 タルウィ。日本語読みだと、ひだりししがみ。
 アヴェンジャーが使う歪な短剣のうちの左手用のもの。これで敵の刃を絡める。獣の牙を模している。あるいはその時代にまだ実在した悪魔の牙を御神体としたものかもしれない。


ビッグベンエッジ(用語:氷室の天地)
 2年生のときのインターハイ予選二回戦でコースからトイレに向けて直角に方向転換したことで付けられた蒔寺楓の異名。直角とトイレをかけていると思われる。


必滅の黄薔薇(対人宝具:Zero)
 ゲイ・ボウ。
 第四次聖杯戦争におけるランサーの宝具。およそ1.4メートルの黄色い槍。普段は呪符らしき布で包まれている。ボゥとは黄色の意。穂と柄の間には先端から順にゲボ(贈り物、物惜しみしない)、ベルカナ(白樺の枝)、ザガズ(昼、日)、ハラガズ(雹)、テイワズ(軍神テュールの象徴)が刻まれている。
 ディルムッド・オディナが妖精王マナマーン・マック・リールから贈られた魔槍。傷つけた相手の回復を阻む、つまり回復不能の傷を負わせる効果を持つ。この槍によるダメージはHPの上限そのものが削減されるため、いかなる治癒魔術、再生能力をもってしても傷を負った状態までしか回復することができない。ディスペルは不可能で、呪いを破棄するにはゲイ・ボウを破壊するか使い手であるディルムッドを滅ぼすしかない。ただし持ち主であるディルムッドは立てた穂先を踏んでも無傷でいられる。
 キャスターが召還した大海魔との戦いにおいて、衛宮切嗣の言葉を受けてセイバーの左手を治癒させるためにみずから折った。
 ディルムッドの最期である呪いの魔猪との戦いでは、破魔の紅薔薇ではなく必滅の黄薔薇を持参したことが彼の命取りとなった。


飛蹄雷牛(用語:Zero)
 ゴッド・ブル。イスカンダルの神威の車輪を牽く神牛。
 雷を司る最高神ゼウスは、かつてエウロペを誘惑する際に牡牛へと姿を変えたという。ゼウス神に捧げられた戦車の牽引力として顕現したのは、ゼウスと縁のある聖獣だった。


秘蹟(用語)
 キリストによって定められた神の恩恵を受ける手段、方法。
 カトリック・ギリシャ正教では洗礼・堅信・聖餐・告解・終油・叙階・結婚の七つ。
 代行者は存在しないはずの第八の秘蹟を身に付けている。


氷室鐘(人名)
 ひむろ かね。
 身長157p。体重48s。B84 W56 H85。
 氷室道雪と氷室鈴の娘。2年A組の仲良し三人組の一人で、主につっこみ担当。遠坂凛のクラスメイト。住所は冬木市新都玄木坂四番地蝉菜マンション12-1(A氏の部屋の上の部屋)。
 文武両道容姿端麗の完璧超人だがあまり自己主張をしないので周囲に埋没気味。物事に動じないイメージがクラス中に定着しており、クラスの長老、氷室女史、困ったときの相談役、穂群の呉学人と呼ばれている。怖いもの知らずの蒔寺楓が唯一恐れる人物。あまり表情を変えず、なぜか妙に時代がかった口調でしゃべる。年寄りくさいことを気にしている。一般人ではあるがどことなく底が見えない。彼女が『にやり』と笑った笑顔は蒔寺さえもがガタガタ震えて許しを請うほど恐ろしい。思い込みが激しい。
 コンタクトレンズは目の内側にずれたり視神経を切断してしまうと信じており、運動をするときにはスポーツ眼鏡を使用している。
 本当は絵が描きたかったが蒔寺楓に陸上部に入らされた。陸上部では走り高飛びのエース。子供のころ、通学路の近道にあった生垣を飛び越えて通学していたため相当な跳躍力を持つ。ちなみに生垣を飛び越えるというのは忍者の修行法である。回避力が高く、白帯とはいえ空手を習っている後藤劾以のラッシュをことごとく回避している。2年生の夏に高跳びの練習の一環としてムエタイを始めた。
 本人曰く特技はこれといってない。程度は不明ながらフランス語が話せる。古語に通じているうえ相当な達筆であり、本気を出した文字は古語を読める蒔寺でさえさっぱり読めないほど。服装のセンスは遠坂凛がひそかにライバル視するほど。持っている勝負服はほとんどが黒っぽい色。
 絵画に造詣が深く、西洋画家ならばアルフォンス・ミュシャが好み。自宅のアトリエには彼女の制作物が所狭しと並んでいる。絵になるかならないかがかなり大きな判断基準。
 恋愛にはかなり興味があるが、自分の恋愛についてはドライ。まったく面識のない許婚がいるが、道雪としては押し付ける気はなく、結婚するかどうかは自由。だが鐘は結婚しないことで道雪の政治家生命が縮むことを恐れて悩んでいる。理想の男性には外見も内面もさほど求めておらず、カップルとして絵になるか、その一点を重視している。
 B級映画やスーパージェット焼売のような変なものが好きで、それらについて話したりいじったりするときには普段のクールさとは打って変わって表情豊かにはしゃぐ。ぬいぐるみと人間観察が好きで、蒔寺楓が苦手かつ天敵。骨董品の目利き、ことに絵画に関することが得意。
 作り物ならばどうということはないが、生きた猫が大嫌い。その原因は子供の頃に撫でようとした猫に引っ掻かれて傷口から雑菌が入り、三日三晩うなされながら周りの人がみな化け猫に見える幻覚を見たため。その猫嫌いは相当なもので、猫を持った蒔寺楓に追い掛け回されたときには本気で泣いていた。
 1年生のときは料理が苦手だったが、母の鈴に習ってフランス料理が作れるようになった。フランス料理の腕前は不明ながら、専門ジャンルでない中華の冬瓜スープの味は普通。なおフランス料理の味付けはすべて悪魔風。それでも料理には自信がなく、腕は蒔寺楓に劣るとのこと。
 2年生のときの球技大会では沙条綾香、美綴綾子と組んでセパタクローに参加した。決勝に進出したが、衛宮士郎、柳洞一成、間桐慎二の2年C組チームと故意に乱闘を起こし、ともに失格。
 修学旅行で訪れた千葉ディスティニーランドのロドニアラボでの完璧なテスト結果に自分が超能力者かも知れないと思い込み、科学未来館のBMIマシンでは伝達率120%をマークした。
 元は文科系でずっと陸上を続けていくとは限らず、しかし嫌々やっているわけではないので勝ちたいという理由で『3年間全力で楽しみながら勝つ』という結論に至る。そのため2年生のときのインターハイ予選でははさみ跳び、ベリーロール、背面跳び、正面跳びと様々な跳び方を試し、一番面白くかつ受けがよかった正面跳びで競技を進めた。
 三枝由紀香に頼まれて間桐慎二と英雄史大戦で対戦し勝利したときには、慎二から将来に亘る弱みを握るため個人情報を聞き出しまくった。これは後日選挙戦で間桐家の力を使うためでもあるが、同時に慎二が自分の許婚かどうかを確認するためでもあった。なお英雄史大戦ではアタランテー、カストゥール、ポリデュークス、メーディア、エウメネス、アルキメデスなどから成る地中海デッキを愛用している。
 2年生の夏にクローゼットから古ぼけた指輪を見つける。それをはめてみたがサイズが小さかったため悶絶しているところを鈴に見られており、鈴はその様子と独り言によって結婚願望がないと誤解し、許婚について教えずともよいと判断した。指輪はチェーンを通してネックレスにして身に着けている様子。
 この後、蒔寺を使者に立てて柳洞一成に慎二の時と同じく勝者は敗者に一つ命令できるという条件で英雄史大戦での対戦を申し込み、彼が許婚であるかどうかを確かめようとする。しかし城を落とすゲームで対人嫌がらせ戦術に特化したために完全敗北し、『俺のことはこのまま嫌い続けてくれ』という拒絶の命令に涙を流した。
 なおこの対戦の前には美綴に勧められたコマンドアンドコンカー レッドアラート3にはまって英雄史大戦の特訓などはしていなかった。
 カネ、という名前は大のお気に入り。その理由は歳をとってから本領を発揮する名前だから。
 父は冬木市長なので、正月は挨拶回りで忙殺される。政治家の娘であるため、驕らず清廉な暮らしを心がけている。
 シエルとは知り合いで、月に一度ほどの頻度で連絡を取り合っている。

 所有スキルは以下のとおり。
 思い込み:S


氷室剣富士山返し(用語:氷室の天地)
 沙条が受け、美綴が放てし狙い球、飛ぶがままに打つは氷室。
 氷室鐘らが二年生のときの球技大会における氷室鐘、沙条綾香、美綴綾子の2年A組セパタクローチームの戦術。沙条が受けて美綴が上げ、氷室が打つというもの。
 事前の打ち合わせでは『天下餅ボール』と決められていた。


氷室鈴(人名:氷室の天地)
 氷室道雪の妻で氷室鐘の母。詠鳥庵の得意客。フランス料理が得意。


氷室道雪(人名:氷室の天地)
 ひむろ どうせつ。
 氷室鈴の夫で氷室鐘の父。冬木市長。住所は冬木市新都玄木坂四番地蝉菜マンション12-1。芸術を嗜み、たまに自宅のアトリエを使用している。詠鳥庵の得意客。自家用車はルノー・メガーヌ。
 マンションを運営しているがさほど金持ちというわけではない。


(用語:Fate)
 葛木宗一郎を『生産』した者たちの住居。
 そこには生産者たちの命に背いた者が生きたまま解体される、生産者に恥をかかせた者が脳を動物に移植される、子供の肉詰め水槽があるとされるが、葛木がそこに行ったときには一点の染みもない白いところだった。しかしそのような残忍な行為は確かに行われていた。


平井にゃにゃにゃ(人名:AATM)
 おそらく作家の平井和正のこと。両儀式が月姫を語った際に引き合いに出された。式いわく『エロい』。


ピラミッド(地名:路地裏ピラミッドナイト)
 シオン・エルトナム・アトラシアが住居である路地裏の改築を計画した際にオシリス改が勝手に建築したピラミッド。所期の希望は弓塚さつきが『吸血鬼化する前に住んでいた部屋』、リーズバイフェ・ストリンドヴァリが『演奏練習用の部屋』、シオンが『現状そのままを移築』。
 シオンは外観の変更は最低限にとどめ、地上への増築は許可していなかったのだが、なぜか巨大なピラミッドになってしまった。地上構造物はどんどん拡大し、地下構造部は三咲町の地下を侵食している。内部にはファミコンを思わせる音楽が流れており、壁には目の模様の部分に何らかのセンサーが埋め込まれている。
 一応所期の希望は達成されており、上階に行くには必ず弓塚が吸血鬼になる前に住んでいた部屋を再現した部屋を通らねばならない。オシリス改は玄室におり、その床は非接触式充電装置になっている。玄室を破壊すればピラミッドも破壊される。
 シオンと弓塚、リーズバイフェ、琥珀が調査のため内部に踏み込んだ。ただし琥珀は身体的には一般人であるためすぐ外に出された……が、後に黒幕少女ドクターアンバーがリーズバイフェのコンサートホールに登場。
 充電装置である玄室を破壊されたことで機能を制圧されたオシリス改が一晩で解体し、町は元通りになった。



  


ファンシーショップ(地名)
 冬木市の新都地区最大のぬいぐるみ専門店。店内は『野生の王国』、『バービー帝国』、『軍事産業ファンシーW』という三つのセクションに分かれており、売り上げを競い合っている。


V&Vインダストリィ(用語/組織:the dark six)
 かつてミスター・ダウンが所属した企業。
 アルズベリの急速な発展に出資した。


フィオナ騎士団(用語/組織:Zero)
 ケルト神話にある騎士団。老雄フィンに従う勇士たち。
 構成は俊足のキールタ・マック・ロナン、ドルイド僧ジャリング、『戦場の戦慄』ガル・マック・モーナ、コナン・オブ・ザ・グレイ・ラッシィズ、『輝く顔』のディルムッド・オディナ。


フィジカル・エンチャント(用語/魔術)
 →身体強化


フィッシュアンドチップスヨーグルトアンドマヨネーズ和え(用語:AATM)
 アーネンエルベのメニューを翡翠がアレンジしたもの。無論とても不味く、食べた男は嘔吐して倒れた。


フィナ=ヴラド・スヴェルテン(人名/死徒)
 Fina‐Blood Svelten。
 死徒二十七祖の8位。白騎士ヴラド。アルトルージュ・ブリュンスタッドの護衛。吸血伯爵。ストラトバリスの悪魔。固有結界パレードを有する。
 吸血鬼は流水を苦手とするのに幽霊船団の船長。ヴァン=フェムの魔城のうち第五城マトリをパレード(幽霊船団)により陥落させている。美少年趣味で同性からしか血を吸わない。
 リタ・ロズィーアンとは犬猿の仲。


封印指定(用語)
 学問では修得できない魔術、その体質のみが可能にする一代限り、後にも先にも現れないと魔術協会が判断した稀少能力を持つ魔術保有者を貴重品として優遇し、魔術協会の総力をもってその奇跡を永遠に保存するために魔術師のサンプルとして保護する、という令状。
 その実は類稀な才能を持つ魔術師、禁を犯した魔術師を保護の名目のもとに拘束・拿捕し、一生涯幽閉すること。ただし必ずしも封印指定の魔術師を生きて捕らえる必要は無い。なぜならば重要なのは研究成果の結晶たる魔術刻印だからである。
 魔術師に与えられる称号でもあり、魔術師にとって最高級の名誉であると同時に厄介事でもある。魔術協会にとって善意で行われるが、選ばれた魔術師からは死刑宣告と同義である。なぜならそれ以上魔術を学べなくなるからであり、大半の者は勅令を退けて逃亡して野に下る。
 逃亡した封印指定の魔術師には二通りあり、完全に消息を断って隠遁し、血族にのみ魔術を伝える隠者と自らの領地に引きこもって全力で魔術を極めようとする賢者に分かれる。
 前者は才能が埋もれる前に発見・保護せねばならないが危険性はゼロに近く、よほどの才能でなければ追っ手はかからない。後者においてはより才能が研ぎ澄まされ、数年を待たずして魔術協会にとって大きな成果となるだろうが、道徳や正義は存在せず、無関係の人々を犠牲にする。
 魔術が露呈しない限り後者であっても放置するが、公になった場合には聖堂教会から代行者が派遣され、賢者のみならずその研究成果までも焼却される。よって封印指定の実行者は賢者と代行者を相手にすることになる。
 その執行者は教会における異端審問員『代行者』と並び称される、魔術協会が誇るイカレタ魔術師の役割。執行は大仕事である分、報酬は相当なもの。
 稀代の人形師である蒼崎橙子が封印指定を受けている(なお彼女は魔術が全盛を誇った中世において下された『人間を超える人型は造れても、決して人間と同じモノは作れない』という絶対の法則を覆している)。


封印指定の執行者(用語)
 封印指定を受けて逃亡した魔術師の中でも特に確保する必要性のある者、並びに聖堂教会の代行者が差し向けられた者の確保を担う魔術師。封印指定の魔術師のほか、場合によっては代行者とも戦闘になることがあるため、聖堂教会の代行者と並び称される魔術協会が誇る、いかれた魔術師の役割。執行は大仕事であるが報酬は相当なものである。
 総数は30人ほど。


風王結界(対人宝具・魔術:Fate)
 インビジブル・エア。第五次聖杯戦争におけるセイバーの宝具。幾重にも風を纏わりつかせて光の屈折率を変化させ、剣の形状を不可視にしている。
 渦巻く風は斬撃の威力を増大させる。また、圧縮した風を開放することで風王鉄槌という一度限りの遠隔攻撃も可能。その際のダメージにはセイバー自身の魔力・筋力は影響しない限定数値。
 命中率・攻撃力を向上するが、相手に『視覚妨害による補正への耐性』がある場合は風王結界はただの風を纏った剣である。つまり、心眼(偽)や幻覚耐性を持つ敵には効果がない。
 セイバーの主武装だが、本質は聖剣を隠す鞘。宝具扱いだが正しくは魔術である。


風王鉄槌(宝具・魔術:Zero)
 ストライク・エア。風王結界の超高圧縮空気を一気に開放したもので、敵に向けて打ち放てば万軍を吹き飛ばす轟風の破砕槌となる。また加速にも使用できる。
 このダメージはセイバー自身の魔力・筋力が影響しない限定数値。


風葬式典(魔術)
 シエルが使う黒鍵に付与した魔術作用。刀身に呪刻されており、標的に当たるとその部位がミイラ化する。
 もとはミハイル・ロア・バルダムヨォンから受け継いだ知識の一環。教会は表立っては魔術を禁じており、これを使用する代行者は少ないが、シエルは根っからの信者ではないので平気で魔術を使う。シエル自身ロアの知識を扱うことに抵抗はあるものの、死徒殲滅のためなら躊躇なく魔術(禁忌)を行使する。


プール(地名:Ladies in the water)
 三咲町にあるプール。路地裏同盟が棲む路地裏から直線距離で(おそらく吸血鬼の足で)15秒ほど。


Fate/Zero(用語:hollow)
 作中でタイガー道場・劇場版と同時期に上映されている映画(もしくは予告編)。


フェムの船宴(用語:hollow)
 フェムのカーサ。なんだか三年後の並行世界で衛宮士郎がルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトの代理として参加しているらしい。話から推測するになにかのギャンブルだろうか。モナコで開かれているらしい。


フォアブロ・ロワイン(人名/魔術師)
 死徒二十七祖の10位、ネロ・カオスが人間だったころの名前。ネロは既にこの人格ではない。
 彷徨海に在籍した。


フォー・サムワンズ・グロウリー(対人宝具:Zero)
 →己が栄光の為でなく


フォーマルクラフト(魔術)
 元素変換。魔術の一種。沙条綾香曰く『頭の悪い魔術』。陽性の魔術。


フォルテ(人名・俗称/魔術師:Talk.)
 魔術協会所属の魔術師。何代も続いた魔術師の家系の長女。属性は風。
 封印指定を受けた魔術師の保護、魔術書の奪還などの血なまぐさい実戦の中に生きる珍しい魔術師。こと実戦においては埋葬機関のメンバーを向こうに回しても引けをとらない。
 空気打ちと呼ばれる魔術を得意とし、その魔杖は剣そのもの。剣の刀身には三つの穴が開いており、切り合いには使えない。穴は音を出すためのもので、剣を振って共鳴を起こし、排除対象に不可視の衝撃を与えることが可能。その姿は剣を振るう剣士そのものだが、相手とは数百メートル離れている。
 同じ風属性の青崎とは数回顔を遭わせた程度。


復元(魔術)
 無くなった肉体、失われた肉体を元に戻す大魔術。


復元呪詛(用語)
 吸血鬼が傷を負ったときに発揮する治癒法。
 欠損した肉体を再生するのではなく、局所的に時間を戻して復元する。


復讐騎(俗称)
 死徒二十七祖の18位、エンハウンスの俗称。復讐に生きる騎士。
 いまだ人間としての部分があるため魔剣アヴェンジャーを扱う度に右手の神経は破壊され、死徒であるため教会で作り上げた聖葬砲典を扱う左手は腐っていく。


ブケファラス(用語)
 征服王イスカンダルの愛馬。後に神格まで与えられて崇拝された伝説の名馬であり、『王の軍勢』によって召喚される。むろん彼女も英霊である。


不死(用語・能力)
 遠野四季の能力。自己の内面(内界)に干渉し、肉体を死ににくくする能力。具体的には肉体に大きな欠損が起きても、肉体を欠損した部分がなくても生存可能に変化させる能力。たとえば血液がなくなれば肉体が血液を必要としなくなり、本人が言うには首だけになっても生きているだろう。四季本人の意思とは無関係なので体質もいえる。
 これを使って流出した血液を凝結させ、刃として扱う。
 ロアが顕在化すると肉体が完全に吸血鬼化し、欠損した肉体は復元されるので、この能力は必要ない。


藤木(人名:hollow)
 穂群原学園弓道部員。男子。


藤木(人名)
 穂群原学園2年D組の生徒。なんだか死狂いな漫画のような人物。球技大会では出崎、牛股とともにセパタクローに出場し、三位だったが2-Aチームと2-Cチームが乱闘で失格になったため繰上げ優勝。上記の藤木と同一人物かは不明。


藤隊長(人名:hollow)
 謎の人物。アインツベルンの森に巣食う悪の城、イリヤ城を攻略するために呼ばれた傭兵軍曹。城主ロリブルマを倒してプリンセスの座に就こうという魂胆らしい。
 イリヤ城の自爆後は汎世界に飛ばされ、アインツベルンの森と森の廃墟に出没する。そのときは九出峠に住まうクイズ鬼を名乗っており、そのクイズに全問正解すると、注ぐだけでゴハンがおいしく炊ける洗濯機や入れるだけでお皿をキレイにしてくれる洗濯機、最新のゲームができる洗濯機などの暮らしに優しい日用雑貨がプレゼントされる。
 深夜に森の廃墟に行ったときの賞品は温泉。効用は滋養強壮、家内安全、爆撃型機動妖精による金運上昇などよりどりみどり。なお夜の問題はすべて藤村大河を否定することで正解できる。
 昼間の問題をクリアすると衛宮邸に酒が補充され、深夜の問題をクリアすると衛宮邸の風呂が解禁される。
 剣道着が黒くなって袖が破れたタイガにしか見えない。


藤村組(組織)
 藤村大河の実家。冬木市で一、二を争う富豪。会社でもないのに社員と名乗る強面のお兄さんが何十人といて、その大部分が藤村邸の離れに住んでいる。藤村雷画が初代で、抗争を嫌っている。
 柳洞寺とは付き合いがあり、藤村雷画と柳洞寺の住職は刎頚の仲。藤村大河と柳洞零観、蛍塚ネコは同級生。
 組長は藤村雷画。藤村大河の父親は婿養子の無口な巨漢。


藤村大河(人名)
 身長165p。スリーサイズは明かされていないが、バストはライダー(88)より小さくセイバー(73)より大きい。名前を英語表記すると“Fuzimura Taiga”あるいは“Fujimura Tiger”、“Fujimura Taiga”となる。
 通称『藤ねぇ』。藤村組の一人娘にして三代目。穂群原学園の卒業生で、蛍塚音子、柳洞零観とは同級。常人をはるかに凌駕する親しみと気楽さを兼ね備える教師。担当教科は英語。英語を貶されると力尽くで英語の素晴らしさを教え込む。
 自分の名前が大嫌いで、タイガーと呼ばれると怒り、泣く。その理由であるその悲しくも美しい過去はコンプティーク一冊では収まりそうにないほどのものらしい。
 万物全てが好きだがライオンだけは苦手で、蛇、蜘蛛などの壁を這うものが嫌い。虎を深く憎み、なおかつ深く愛している。イリヤスフィール・フォン・アインツベルンが天敵。睡眠時は高校時代から愛用しているトラ柄のパジャマを着用する。愛車は第五次聖杯戦争後に手に入れた原動機付自転車のタイガー号。湯飲みも虎柄。酒類を飲むとトラになって手がつけられず、風呂上りの一杯がないとめげる。
 やたらとガラクタを集めてくる。なぜかビデオデッキを真っ二つにしたことがある。峰藤子(フジ違い)が理想。相手こそいないが結婚願望はある。
 自堕落で変な性格をしているが、中身はとても責任感が強い。とんでもなく頑強な身体をしており、『他者封印・鮮血神殿』の中でも行動できた。
 全日本剣道連盟が定める『日本剣道形』剣道五段で学生時代は『冬木の虎』と慕われており、現在では穂群原の生ける伝説となっているが、なぜか弓道部の顧問。この剣道の腕前は両儀式と同じくらい。運動神経は抜群で何をやらせてもすぐに順応するが、団体競技は苦手。
 無論強いといってもあくまで人間の範疇なので葛木と戦っても本来は勝ち目などないのだが、彼女の運はパラメーターに直すとEXというとんでもないもの。なので運次第では葛木がすっ転んで虎マウント、藤ねぇ完全勝利ということも十分にありうる。つまり藤ねえのような人間に喧嘩を売っても割に合わない、ということ。
 虎と龍になぞらえられる彼女と蛍塚音子だが、突発的な戦いならば藤村に、計画的な(事前に備えられる)戦いならば蛍塚に分がある。つまりスポーツならば藤村、ゲームならば蛍塚。
 料理の腕は絶望的で、卵焼きすら作れない。そのくせ大喰らい。拳大のものならば一口でいける。ただし何故かバターを使わない。美味しくないものが嫌い。
 第四次聖杯戦争当時は学生で、ある日クラスメイトの父兄が営む酒屋から極上樽ワインが盗難されたことを機に、猟奇殺人者や都市ゲリラなどが跋扈しまくる夜の冬木を虎竹刀片手に颯爽と駆け抜けつつ、下着泥棒を捕まえたり迷子の子犬を保護したりと八面六臂の大活躍を演じる。彼女の奮迅がもたらしたバタフライエフェクトによって大地震が防がれたり海の荒神が鎮守されたり冬木市直撃軌道にあった巨大隕石がどっかに消えたりと、物凄い勢いで事なきを得た。
 藤村組組長の一人娘として新年の挨拶を務めるため、元旦は実家で過ごす。しかしその反動か、二日から四日まで衛宮家でひたすら蜜柑を食べる寝正月をして過ごす。初詣では味わい深い振袖を着こなす。柄は虎だが、着物姿は驚くほど艶やか。25歳にしていまだ祖父の藤村雷画から小遣いをもらっているが、どうやらいつまでも貰い続けるらしい。
 トランプではババ抜きをやれば顔に出る、ブラックジャックをやれば引きすぎてバーストすると、あまり勝つことはない。
 残業の合図は『士郎! トンカツ弁当キャベツ特盛り超特急!』。教育実習の現場でサイモン&ガーファンクルの有名な曲を超訳し、電波系コミックソングを降臨させたことがある。
 衛宮切嗣が屋敷を購入して以来、頻繁に衛宮邸に通っている。切嗣に一目惚れして、はじめのうちは士郎と衝突していたが和解して現在の関係になる。士郎が切嗣に引き取られてきた頃は泣き虫だった。なお英語教師になったのは切嗣に外国語を教わったことが影響している。切嗣に対して抱いていた感情は恋愛ではなく理想の大人としての憧れである。
 シャーレイに似ている。衛宮切嗣の『人生のあらゆる局面で女性を惹きつけ、なおかつその悉くを不幸な末路に追いやってしまう』というジンクスを打ち破った唯一の女性。
 遠坂凛とイリヤスフィール・フォン・アインツベルンにいい様にいじられている。
 第三次聖杯戦争の再現たる四日間の中で彼女の土産に魚が多くなった理由は釣りをしているランサーからせしめているから。ランサー曰く、『あの姉ちゃんそのものが不思議の塊』。
 いずれお見合いから交際を始めて相思相愛になり、ちゃんと結婚する。最終的には士郎が藤ねえ離れできないような状況に陥るらしいが、この結婚話自体奈須きのこ先生の夢かも。

 幸運:EX(もはや異次元。立ち会った葛木宗一郎がすっ転ぶこともありうる)


藤村雷画(人名)
 ふじむら らいが。藤村大河の祖父にして藤村組組長。刀のコレクションをしている。趣味は相撲と猪狩り。
 衛宮士郎の後見人で、事あるごとに莫大な小遣いをくれる。イリヤスフィール・フォン・アインツベルンを猫かわいがりしている。


巫淨(家名:月姫)
 両儀・七夜・浅神と並ぶ退魔の一族。超能力者の家系。巫女の家系で、血の繋がりではなく技術・知識の伝授によって能力を継承する。この姓を受け継ぐ者は盲ることによって現世のかわりにあの世を視えるようにする。
 琥珀と翡翠が幼い頃に母が禁を破ったために没落した分家は血の繋がりで能力を継承した。


夫誅(用語:氷室の天地)
 衛宮士郎らが2年生のときの夏ごろに予約受付中だったゲーム。


物理教師(人名:氷室の天地)
 穂群原学園の物理教師。スキンヘッドで眼鏡と白衣を着用している。
 物理を貶されると力尽くで物理の重要さを教え込む。


文柄(家名:魔法使いの夜)
 蒼崎家と古くから付き合いがある家。文柄詠梨はここの一人息子。


文柄詠梨(人名:魔法使いの夜)
 ふみづか えいり。
 身長191cm。
 合田教会の1980年代後半時点での主任司祭。文柄家の一人息子で、久遠寺有珠には蛇蝎の如く嫌われている。普段は穏やかだが、神父という立場上辛辣な言葉を口にすることもある。


冬木アクアリゾート(仮)(地名:氷室の天地)
 わくわくざぶーんの建設途中までの仮名称。


冬木大橋(地名)
 未遠川にかかる、新都と深山町をつなぐ橋。デートコースとしては不人気だが、雨が降る夜の大橋は幻想的な美しさで有名。全長665メートルの三径間連続中路アーチ形式。二層構造で、歩道橋が下に、自動車用道路が上にある。アーチの頂は高さ50メートル以上。
 橋の上からは第四次聖杯戦争でセイバーが大破させた貨客船が見える。


冬木空手道場(地名:氷室の天地)
 冬木市にある空手道場。美綴綾子や後藤劾以が在籍している。美綴は師範代。
 美綴が下心のある男性門下生をフルコン空手で叩きのめしていたせいで男性が少なく、美綴に憧れる女性門下生がかなり多い。たまに柳洞一成が組手をしに訪れる。
 師範は若くてかっこいいが、美綴が2年生のころの夏にはギアナ高地に修行に行っていた。


冬木空手道場の門下生(人名:氷室の天地)
 冬木空手道場の門人。色黒の巨漢で胴着の袖は破れている。黒帯。序列は師範代より下。


冬木教会(地名)
 言峰綺礼神父が主任司祭を務める、新都の丘の上の広大な敷地を有する教会。戦前に建てられ、第三次聖杯戦争の際に大幅な改築が施された。冬木市には外来居留者が多いため、極東の地にありながら信仰の本場である西欧なみの本格的で壮麗な構えになっている。
 聖堂教会が聖杯戦争を監視する目的で建てた拠点。冬木教会が建つ丘の上は冬木市で第三位の霊脈。当初、移植してきたマキリに譲られたが、後に土地の霊気が一族の属性にそぐわないことが判明し、間桐邸は別の場所に移築され、土地は後から介入してきた聖堂教会が確保した。第三位とはいえ、第二位である遠坂邸と比べても霊格の点ではさほど遜色はない。当然ながらここに赴任する神父は第八秘蹟会の構成員と決まっている。
 第三次聖杯戦争の監督役だった言峰璃正が教会から派遣されたが、第四次聖杯戦争の折に他界し、息子の言峰綺礼が引き継いだ。
 特務局・第八秘蹟会の末端で、本来は正十字の調査、回収を旨とするが、『極東の地に観測された第七百二十六聖杯を調査し、これが正しいモノであるのなら回収し、そうでなければ否定しろ』という聖杯の査定の任を帯びる。第四次聖杯戦争の聖杯の器を保管していると言ったが、実際には約束された勝利の剣で焼き払われたため現存しない。
 礼拝堂の裏に司祭室があり、その間の壁には遮音性能がまるでない。これは礼拝堂の物音は全て司祭室に筒抜けになるよう意図されてのこと。
 聖杯戦争から脱落したマスターを保護する役割を持つが、冬木教会始まって以来保護されたのは凛ルートでの間桐慎二が最初。
 彼自身の人格はともかく、神父としては完璧だった言峰綺礼に祝福されて結婚式を挙げた夫婦もおり、みな満足していたらしい。教会に付き物のパイプオルガンはない。
 第五次聖杯戦争で主任司祭の言峰綺礼が死亡(世間的には失踪)したあとは聖杯戦争の事後調査をしに来たディーロ司教が代理として赴任していた。第三次聖杯戦争の再現たる四日間の夜には廃墟になっていたが、現実にはそう荒れてはおらず、ディーロ司教のあとに赴任した司祭代行のカレン・オルテンシアが管理している。
 カレンの部屋は最上階というか屋根裏部屋で、内装が一切なされておらず、それどころか窓さえもただの穴という質素なもの。外観と内観では配置や建具が違うが、気にしてはいけない。
 地下にも礼拝堂があり、地下墓地にはギルガメッシュに魔力を供給するために十年前の火災で孤児になった子供たちから苦痛を抽出するシステムがある。


冬木市(地名)
 Fateの舞台となる西日本にある地方都市。三咲町とは関東と九州くらい離れている。冬季が長いことからこの名がついたが、冬はわりと温暖。
 南側が山、北側が海になっており、西側の深山町と未遠川を挟んで東側の新都の、大きく分けて二つの町で構成されている。深山町には古い町並みが残っていて、移住民が住んでいた洋風の町並みと古い和風の住宅地に分かれている。その間は普通の住宅地。
 新都は10年前の第四次聖杯戦争で言峰綺礼により大火災が起こされ、住宅地が全焼。現在では近代的な開発が進んでいて、移住当時の外国人墓地もある。第四回聖杯戦争決着の地は現在公園になっており、固有結界に近い様相を呈している。
 地脈の中心となるのはセカンドオーナーである遠坂邸と柳洞寺が建つ円蔵山。辺り一帯の命脈はすべて円蔵山に集まる。この二つには劣るが、新都にある冬木教会と冬木中央公園(第四次聖杯戦争までは新興住宅地だった)も地脈が集中する霊地であり、即ちこれら四ヶ所が聖杯の降霊を行える霊格を備えた地点である。


冬木市の悪魔(俗称:Zero)
 雨生龍之介の通り名。


冬木市民会館(地名:Zero)
 敷地面積6600u、建築面積4700u。鉄筋コンクリート造。地上4階、地下1階。総工費80億円余を投じて建設され、駅前センタービル計画とならんで冬木新都開発のシンボルとされた建築物。有名建築家の設計による斬新なデザインは近代的な公民館というよりも古代の神殿を思わせる。第四次聖杯戦争の時点では外装のみが完成しており、内装や電気設備などは最低限の防災設備以外敷設されていない。ただし一階から三階までを占める広大なコンサートホールは完成していた。地下駐車場の収容能力は自動車100台以上。
 土地は冬木市で第四位の霊脈。もとからあったものではなく、円蔵山、遠坂邸、冬木教会という三つの霊脈が魔術的に加工されたことで微妙に偏重をきたしたマナの流れが100年余りを経て吹き溜まりをなし、一点に蟠るようになった後発的な霊地。いかなる勢力の手に渡ることもなく、呪的な防御も施されていない素の土地。
 第四次聖杯戦争の時点では新興住宅街の真ん中に位置した。第四次聖杯戦争の聖杯降霊の地であり、セイバーとバーサーカーの戦闘によって引き起こされた火災および聖杯に集積した膨大な魔力による灼熱によって焼け、コンサートホールで使用された約束された勝利の剣により崩落した。
 この瓦礫の中から黒い太陽が現れ、漏れ出した黒い泥が灼熱の呪いとなって殺戮を尽くす。その際に大火災が発生し、死者500名余、消失した建物134棟という未曾有の大災害となった。
 第五次聖杯戦争の時点ではこの一帯は冬木中央公園になっている。


冬木中央公園(地名)
 新都の中心に位置する自然公園で娯楽施設などはなく、木々に囲まれた中央には静けさと異様さを放つ広場がある。
 第四次聖杯戦争決着の地で、固有結界に近い様相を呈している。


冬木ハイアット・ホテル(地名:Zero)
 新都の開発初期に建てられたもので、冬木市における最高級の設備とサーヴィスを誇るホテル。地上32階建て(地階は不明)。全高150メートル超。
 第四次聖杯戦争において、ケイネス・エルメロイ・アーチボルトが最上階(32階)をまるごと借り上げて魔術的な改装を施して工房とした。その内容は、結界が24層、ケイネス専用の魔力炉を3器、猟犬代わりの悪霊、怨霊が数十体、さらにトラップを施してあり、廊下の一部には異界化させた空間まであった。
 そのため衛宮切嗣により爆破解体された。なお爆破の前に小火騒ぎを起こしてケイネスとソラウ・ヌァザレ・ソフィアリ、ランサー以外を避難させておいたため一般人への被害は無かった。


プライミッツ・マーダー(死徒・用語)
 Primate Murder。
 死徒二十七祖の1位。星の抑止力であるガイアの怪物。霊長の殺人者。白い獣。アルトルージュの魔犬。ヒトに対する絶対的な殺害権利を持っているために最強の一に数えられる。
 外見は白い魔犬で、アルトルージュ・ブリュンスタッドにのみ従う。死徒ではないが、主であるアルトルージュの真似をして人間の血を吸うようになったので二十七祖に数えられる。
 もともとこれを御するには七騎の守護者が必要とされており、冬木の聖杯戦争におけるサーヴァントはこれになぞらえられているらしい。


フラガ(家名:hollow)
 バゼット・フラガ・マクレミッツの家系。神代まで遡って神々に仕えたルーンの大家で、他の家系にはない特殊な秘儀を授かった。
 いわば超エリートだが、とんでもない田舎に居を構えており一族と呼べるものは存在しなかった。権威は最高クラスであっても富も名声もない、一子相伝で子孫に秘儀を伝えるだけの田舎道場というのが現実。
 バゼットの両親は彼女が魔術協会に加入する際に反対した。


フラガラック(対人宝具:hollow)
 斬り抉る戦神の剣。逆光剣。バゼット・フラガ・マクレミッツの宝具。ケルトの光の神ルーが持つとされる短剣で、持ち主が手をかけるまでもなく鞘から放たれ、敵が抜刀する前に斬り伏せるといわれる。
 使用しないときは鉛色の石球の状態で、ひとつにつき一発限りの使い捨てである。使用時は皮手袋をはめ、使用後にはその手袋はほとんど消炭になってしまう。使用準備段階ではバゼットの背後に浮遊している。それが解放されると短剣のような刃が現れ、そこには切っ先のほうから順にアルギズ、ザガズ、ゲボのルーンが刻まれている。
 これは何千年もの時を乗り越えてきた数少ない宝具の現物。能力は単純な光弾だが、魔力充填だけでは発動せず、相手の切り札が発動しなければ目覚めないというカウンターに特化したもの。発動後は必ず相手より早くフラガラックを叩き込む。時を逆光する一撃であり、宝具の打ち合いであればまず負けることはない。
 この剣が真に斬り抉るものは敵の心臓ではなく、両者が相討つという運命。『後より出でて先に断つもの』という二つ名のとおり、因果を歪ませて自らの攻撃を先にしたものと書き換えてしまう。よっていかに威力があろうといかに速かろうと、これが放たれればあらゆる宝具をキャンセルできる、究極の迎撃礼装。しかしランサーの宝具である、すでに貫いているという事実を作ってから放つ『刺し穿つ死棘の槍』はキャンセルされることがない。
 重ねて言うが、これは『宝具』ではなく『切り札』に反応するものである。その条件を満たさずとも任意での使用はできるが、その場合には特殊効果は発動せず、単純にCないしDランクの宝具として扱われる。
 またこれを受けたセイバーの傷が点、ランサーの傷が線状にずたずたになっていたのは威力の違いではない。いわばレーザーであるフラガラックの軌道がずれないで通り抜けたか、通り抜ける途中で軌道がずれたかの違いである。
 フラガラックのもととなる球は鉱石にバゼットの血をたらし、秘密の技法で一ヶ月地下室に置いておくことで製作できる。作れる本数は一年に十本ほど。
 ちなみに。じゃんけんでもこの条件に該当し、後出ししても先出しになる。


ブラッドフォート・アンドロメダ(対軍宝具:Fate)
 他者封印・鮮血神殿。血の結界。第五回聖杯戦争におけるライダーの宝具たる広域結界。
 結界はドーム状で、内側から見ると空に赤いドームがかかっているように見えるが、外側から見ると赤い空もドームも当然見えない。内部に取り込んだ人間を溶解し、赤い血液として結界使用者が吸収する。本来の用途は魔力吸収。
 土地の霊脈を著しく傷つけるため、同じ土地での連続使用はできない。


プラハ協会(用語)
 魔術協会に与する協会の一つで、錬金術を研究している。アトラス院とは致命的に仲が悪い。


プリズムトランス(用語:hollow)
 多元転身。カレイドステッキの契約者が並行世界の自分からスキルをダウンロードすること。決まりごととして、そのスキルに相応しい服装になることが必要。
 変身に掛け声が必要なのはお約束。凛が子供の頃に契約したときは当時一番はやっていて恥ずかしいものがチョイスされた。


ブリューナグ(武装)
 轟く五星。ルーが持つ槍。


ブリュンスタッド(用語)
 真祖の王族の姓だが、正確には称号のようなもの。千年城を空想具現化できる者に与えられる。
 現在、ブリュンスタッドの名を持つのはアルクェイドとアルトルージュだけである。


ブリュンスタッド城(地名)
 千年城ブリュンスタッド。真祖の王族が住まう城。空想具現化の産物で、最初に具現化したのは過去最も力のあった真祖の王。その王が死んでからはこれを具現化できる者を王族としている。
 地形的にではなく、世界として月に最も近い(月の影響が大きい)ところに存在する。


プリン事件(用語)
 遠野志貴と乾有彦との出会いとなった事件。
 小学校のころ、有彦が「あ、こいつ壊れてる」と直感し、「このクラスで俺のライバルになれるのはオマエだけだな」と志貴の給食から横取りしたプリンを食べながらのたまったそうだ。


フルール(地名)
→ラ・フルール


ブルマ(人名:花札)
 タイガのマスターにして弟子。その正体は平行世界から飛んできたイリヤスフィール・フォン・アインツベルン。


古海(人名)
 コペンハーゲンのバイト。


フルンディング(宝具:hollow)
 赤原猟犬。第三次聖杯戦争の再現たる四日間の中でアーチャーが矢として使用した。弾かれようとも射手が狙い続ける限り目標を襲い続ける魔剣。


ブレーカー・ゴルゴーン(対人宝具)
 自己封印・暗黒神殿。自身にかける魔眼殺し。世界を封じるもの。第五回聖杯戦争におけるライダーの宝具。ゴルゴンの魔力をあびせるだけで発動する魔術。
 ライダーの目隠しのことで、強力すぎる魔眼に一つの結界(世界)をぶつけて封印している。この中に人間を取り込んで、淫夢を装った吸血・吸精行為をすることもできる。
 この結界に捕らわれた者は意識をゴルゴンの心に封じ込められ、外界での能力発露を封じられる。また歓喜と禁忌が入り混じった悪夢を見せられることになる。キビシスで返されたメドゥーサ(というか怪物となったゴルゴン)が見たのはステンノとエウリュアレにいびられる夢。ある意味悪夢だが、彼女にとっては二度と会えない姉たちに会えたのでそう悪いものではなかった。


プレラーティーズ・スペルブック(宝具:Zero)
 →螺湮城教本。


プロイキッシャー(用語:魔法使いの夜)
 詳細不明。
 久遠寺有珠の使い魔の総称か。童話の怪物、第一の欠片、アリスマーダー、グリムイーターの四つと思われ、物理法則を餌として稼動する破格の使い魔とされる。また有珠が持つ四つの神秘は第一の神秘が青いコマドリ、第二の神秘がネコ鈴、第三の神秘がシックス・スィング・チョコレイトと名付けられた箱、第四の神秘がテムズトロルと名付けられた巨人。


ブローパイプ携行地対空ミサイル(用語/武装:Zero)
 個人携行無線誘導式短距離地対空ミサイル。1960年からイギリスのショーツ社で開発され、1966年にイギリス陸軍・海兵隊・空軍に配備された。
 誘導方式は無線式SACLOS(半自動見通し線照準指令誘導方式(分かりやすく言えば視覚誘導))で、発射後数秒間は手動で誘導する必要がある。そのため射手に練度が要求されることと個人携行するには重いという欠点がある。
 カナダ、オマーン、タイなどに輸出されたほか、アフガニスタン侵攻の際、ゲリラ側に供与されている。
 ミサイル全長1.39m、ミサイル直径0.076m、システム重量21kg、弾頭重量1kg。最大速度マッハ1、最大射程2.8km。
 衛宮切嗣が食屍鬼を満載したエアバスA300をナタリア・カミンスキーごとこれで撃墜した。


プロフェッサー・カリスマ(俗称)
 →ロード・エルメロイU世。



  


ペガサス(幻想種)
 →天馬


ベガルタ(武装)
 第四次聖杯戦争におけるランサーであるディルムッド・オディナが使用した二振りの短剣のうちの一つ。もう一方はモラルタ。
 伝承では使用していたが、第四次聖杯戦争においてはランサーのクラスで剣を使うのはどうかと空気を読んで持っていなかった。


ベコちゃん(地名:hollow)
 マウント深山商店街のケーキ屋。リーゼリットがよく買いにくる。


ベディヴィエール(人名:Fate)
 サー・ベディヴィエール。アーサー王に従った最古参の三騎士の一人。聖剣を湖の妖精に返還し、アーサー王の最期を看取った。
 セイバーを女の子だとわからなかったものの自分のために笑わないと気付いて、その笑顔を見たいがために側近にまで上り詰めた。だが結局アルトリアは笑わず、それに怒りを覚えるようになり、いつか彼女が笑うことを望んだ。そしてその願いはアーサー王の最期にかなえられた。


(俗称:月姫)
 死徒二十七祖の番外位、転生無限者ミハイル・ロア・バルダムヨォンの俗称。アカシャの蛇とも。
 蛇は転生・無限・永遠の象徴であり、蛇のように執念深いことから、転生し生き続ける彼を死徒たちがこう名づけた。もとからロアは錬金術をかじっていたので、相応しいといえる。


(用語)
 葛木宗一郎が用いる技。たった一度の要人暗殺のために磨き上げられる。暴走する蒔寺楓を昏倒させるために堂々と使っている。


ヘブンズドアー(用語)
 ネコアルクがネコ缶やゲンナマをちょろまかすために遠野邸の書庫に作った秘密の通路。


ヘブンズフィール(用語)
 冬木市における聖杯戦争の英語表記。大聖杯を作り上げたアインツベルンは冬木の聖杯戦争を『ヘブンズフィール1』『ヘブンズフィール2』…と呼んでいる。なお、いずれのルートでもヘブンズフィール6は起きない。


ヘブンズフィール(魔法)
 天の杯。
 第三魔法。現存する魔法のうちの三番目に位置する黄金の杯。アインツベルンから失われたとされる真の不老不死、魂の物質化のこと。魔術協会でも秘密にされてきた禁忌中の禁忌。
 過去にいた魂から複製体を作るのではなく、精神体でありながら単体で物質界に干渉できる高次元の存在を作る業。魂そのものを生き物にして生命体として次の段階に向かうもの。魂の物質化、即ち完全なる不老不死を実現するもの。成就の暁には魂が永久機関となるため、無尽の魔力源を手に入れることができる。
 これを再現するために、この一端を使った冬木市での聖杯戦争が始められた。


ヘブンズフィール(武装)
 アインツベルンに伝わる魔術兵装。3番目のドレス。ヘブンズフィール。アインツベルンの魔術師が千年かけて積み上げてきた、第三魔法に至るための外付けの魔術回路。大聖杯を制御する心臓にして、魂を数秒間だけ物質化させる魔術を帯びている。
 純白のドレスだが、材質は黄金。万物・他人の魂を支配するといわれる“指輪”を七つはめ込んでいる。縦に並ぶ七つの孔は指輪が変形したもので、サーヴァントの魂が収納される度に一つずつ光を帯びていく。
 人間が触ると黄金になってしまうため、運営は精霊や小人、ホムンクルスでなければならない。小聖杯として作られたイリヤスフィール・フォン・アインツベルンはこれを着ることで本来の完璧なイリヤスフィールとなる。


ヘラクレス(用語:氷室の天地)
 英雄史大戦のカード。
 武:10、防:10。


ベリーベリーベリー(用語)
 ラ・フルールのクレープ。遠坂凛が蒔寺楓に奢らされたもの。値段は一つ500円。


ペルセウス(人名/英雄)
 メドゥーサ(怪物となったゴルゴン)を倒した英雄。アルゴス王の娘ダナエーとゼウスの子にして後のミュケナイの王。ヘラクレスの異母兄弟にして曽祖父。ライダー曰く、成功した間桐慎二。
 神々に乗せられて、空を駆ける羽のサンダル、被った者の姿を消す兜、アテナより贈られた鏡のように磨き上げられた青銅の盾、蛇狩りの鎌ハルペー、魔物の首をおさめるための袋キビシスという五つの宝具を授かってメドゥーサ退治に向かった。
 彼もいわば神々の被害者であり、五つもの宝具を持ちながらも順当に考えれば英雄として駆け出しの彼にとって勝ち目などない戦いに送り出されたのである。
 鏡の盾は周囲の情報を鏡面に映し出し、探知機としてその場に存在するモノの心音を伝える効果がある。ペルセウスはこれを使ってゴルゴンと目を合わせることなく戦い、キビシスで自己封印・暗黒神殿を返すことで辛くも勝利した。


ベルベット(家名)
 Velvet。
 魔術師としては歴史が浅く、ウェイバー・ベルベット(ロード・エルメロイU世)で三代目。とはいえ初代であるウェイバーの祖母はさる魔術師の愛人としてピロートークついでに初歩魔術を習ったに過ぎず、二代目となったウェイバーの母も「ママの思い出を大事にしよう」程度の覚悟で秘蹟を継承したため、本気で魔導の探求に乗り出したのはウェイバーの代から。そのため魔術回路の数も魔術刻印の質も、ともにお粗末極まりない。


ヘルメス(用語:MBAA)
 砂海から現れる巨人、霊子演算機ヘルメス。
 作中では自衛モードになっているが、本来は事象書換え用のスーパーコンピュータであり戦闘用ではないため、直接叩かれると弱い。賢者の石を内蔵することで人々が死に絶えてからも永遠に活動する。しかしこれを稼動させるには全人類の血液から練成した賢者の石が必要。
 ヘルメス起動の燃料は賢者の石で、人間をそのまま霊子に変換して練成完了となる。
 メカヒスイルートではメカヒスイ機体361に破壊された後、メカヒスイ軍団によって回収されるも、破壊する直前に琥珀に奪われた。


ヘルメス・シリス・アトラシア(人名/錬金術師)
 アトラス院に所属する錬金術師。特性は『未来』。


ベルレフォーン(対軍宝具:Fate)
 騎英の手綱。第五回聖杯戦争におけるライダーの宝具。
 手綱と鞭のセットで、単体では効果がない。これで操られた天馬はリミッターをカットされ、全ての能力値を1ランクアップし、膨大な魔力の守りにより防御力を数倍に向上する。
 まず血液で描いた召還陣により彼女の子ともいえる天馬を召還し、それに騎乗して使用する。


変化(魔術)
 モノに本来の効果以外の能力を付属させること。
 難易度としては強化の上位。



  


ほうき少女マジカルアンバー(不明)
 琥珀色の魔法使い(偽)。フードを被った謎の女性。ケミカル!マジカル!メディカル!が合言葉。なんか飛ぶらしい。
 今日も今日とて怪しげなドラッグを作ることに余念がない、遠野家地下王国の参謀。愛とか夢とか白い粉で周りの人々に笑顔を振りまく。火炎瓶も振りまく。
 魔法少女マジカルアンバーという呼称が定着しているが、こちらが正式。


宝具(用語)
 ノウブル・ファンタズム。サーヴァントの最終武装にして物質化した奇跡。人間の幻想を骨子にして作り上げられた武装。宝具のうちの幾つかは魔術礼装に含まれる。
 一騎討ちで真価を発揮する対人宝具、団体戦闘で猛威を振るう対軍宝具、一撃で全てを決する対城宝具に分類される。なおギルガメッシュが持つ乖離剣エアの最大出力時の『天地乖離す、開闢の星』は対界宝具である。
 サーヴァントが英雄であった頃に愛用した武器や防具で、真名を以って開放された宝具は魔術以上の神秘を引き起こす。つまり、伝説上の能力を再現する。英雄と宝具はペアであるため宝具を知られると必然的に正体を知られてしまうので、宝具を使うときは一撃必殺がセオリーである。
 剣、槍、弓といったものが基本だが、中には盾、指輪、王冠などといった補助的な武装を宝具とする英霊もいる。また一つの宝具という言葉が意味するのは一つの武器というだけではなく、一つの特殊能力、一種類の攻撃手段といった場合もある。
 ほとんどの宝具には原型があるが、そのすべてが原型から遠ざかるに従って宝具としての精度が落ちる。原型がある宝具の原型は最古の英雄、英雄王ギルガメッシュの倉庫にある。それがギルガメッシュの死後に世界各地に流れ、それぞれの宝具として伝わった。
 なお平均的な宝具とされるものはレベルがB、能力が数値で表せるもの。壊れた幻想、風王結界、突き穿つ死翔の槍などが該当する。逆に効果が概念的なものや運命干渉系のものが特殊な部類に入る。
 パラメータでいう宝具のランクは、Cランクで通常能力のAないしA+に相当する。


彷徨海(組織)
 魔術協会の三大の部門の一つ、北欧に根を張る複合協会。移動石柩。
 北大西洋を彷徨う巨大な山脈そのもの。時折陸地に上がることもある。アトラス院と並んで魔術協会の原形と呼べる組織。組織内部には一般的な上下関係はなく、時計塔のような『魔術の更なる発展』など望んでいないとされるが真相は不明。
 研究内容は主に肉体(人体)の改造であるらしいが、詳細は不明。
 かつてフォアブロ・ロワインが在籍した。


法術師(用語)
 読経や信心、祈祷以外で霊を成仏させる者。覚者は神仏の力だけで事を成すが、修行が浅い僧侶は神仏に届かないために自身の力を上乗せして術を成す。
 日本には彼らが集まって組織のようになったものがある。


宝石(用語)
 想念を貯めやすい『場』、流れを留める牢獄。
 長く地中に眠っていた鉱石には自然霊が形成されやすく、属性を帯びた宝石は魔力を籠めるだけで簡易的な魔術刻印になる。ただし魔力を籠めてもずっとそのままであるわけではなく、宝石の属性に染まってしまう。また、その魔力を解放すると灰になってしまう。
 宝石は種類ごとに効果が異なる。トパーズは対霊宝石。用途によっては“前の持ち主が手放した”古い宝石のほうが効果がある。


宝石剣キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグ(武装:Fate)
 キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグが持つ、宝石を刀身とした第二魔法の能力を持つ限定魔術礼装。究極の一。月落としを止めた。
 いまだ幼年期の人類には届かない遥か未来の常識で編まれているため、英霊エミヤの知識を以ってしても理解できない。
 シュバインオーグの系譜の者しか扱えない飛び切りの魔剣。遠坂に遺された家宝の様なものだが、継承されたのは設計図のみで、遠坂の魔術師が長い時間をかけてたどり着かなければならないゼルレッチからの宿題。
 無限に列なる並行世界に門は開けられないものの、ごくわずかな隙間を開き(多重次元屈折現象)大気に満ちる魔力程度ならば共有を可能とする“奇跡”。
 宝石の由来はその多角形が万華鏡に似ていることから。
 桜ルート後の遠坂凛は設計図も理論も聖杯戦争中に把握したため、材料と時間さえあれば宝石剣を再現することができる。ただし10年や20年程度ではできない。


宝石殺し(人名/魔術師)
 彷徨海に所属する稀代の魔術師。特性は『停止』。


宝石通信機(用語/魔術:Zero)
 魔導通信機とも。遠坂家伝来の宝石魔術を応用した魔導器。
 蓄音機に似ているが、朝顔の下にはターンテーブルと針のかわりに針金の弦に支えられた魔力が込められた大粒の宝石が据えられている。朝顔から伝わる空気の振動を互いに共振しあう宝石を介して相互に交換し合う仕組みで、傍受されることはない。


宝石による近接格闘礼装全種(用語:unlimited codes)
 遠坂家に伝わるキシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグの魔導書。サーヴァントなしで聖杯戦争を勝ち残るほど効果は覿面だが、生粋の魔術師は好まない『野蛮な』魔導書。


宝石振り子(用語/魔術:Zero)
 正式名称不明。遠坂邸地下の時臣の工房に設けられた宝石魔術を応用した装置。
 ブラックバーン振り子に似た装置だが、錘は魔力を込められた宝石で、それを吊るす紐を伝って宝石にインクが垂れるようになっている。これと対になる宝石をペン軸に填めて筆記することで錘が共振して揺れ、滴るインクがその下に置かれたロール紙に寸分たがわぬ文字を書く。傍受されることはない。


宝石魔術(魔術)
 宝石に魔力を移し、一工程で発動する魔術。使用しても術者の魔力消費がない。
 宝石は持ち主の念を溜めやすく、魔力を宿しやすい。中でも長く地中に眠っていた鉱石には自然霊が形成されやすく、属性を帯びた宝石はそれだけで簡易的な魔術刻印となる。たとえば、火の自然霊が宿った宝石は魔力を通すだけで燃えやすくなる。
 宝石にはそれぞれ属性があるので、魔力を込めた瞬間にその魔力は宝石の属性になる。しかし宝石は基本的にマジックブースターなので、術者が使える魔術ならば、効果は落ちるが色を変えることもできる。
 この宝石は一度使用すると灰になってしまうので使い捨てである。
 また用途によっては“前の持ち主が手放した”古い宝石のほうが効果がある。


暴走アルクェイド(人名・俗称/真祖)
 吸血衝動を抑えられなくなり、理性を失ったアルクェイド・ブリュンスタッド。朱い月と同一視されるが、全くの別物である。アルクェイドから零れ落ちた吸血衝動が具現化した姿ともいえるが、これが具現化したとしてもアルクェイド本人から吸血衝動が削がれるわけではない。
 アルクェイドとは違って圧倒的な力による蹂躙を好む。真祖であるアルクェイドは無駄なことはできないため戦闘力は相手に合わせて調整するが、暴走アルクェイドは相手がただの人間であろうと容赦なく力を行使する。


暴走アルクェイド(人名・俗称/真祖:Re・ACT)
 白いレンが朱い月のブリュンスタッドを呼び出したモノ。
 あくまで紛い物であり、本当の意味での朱い月ではない。


暴走アルクェイド(人名・俗称/真祖:MBAA)
 アルクェイド・ブリュンスタッドの吸血衝動から漏れた残滓がオシリスの砂によるタタリによってカタチを得たもの。
 彼女の目的は人類の根絶だが、それは星の存続のためなどではなく、一人でも多くの人間を殺したいという欲求を突き詰めていくと最終的に人類がすべて死に絶えるということ。なので、自分を作り出した『人間のカタチをした』オシリスの砂にさえ敵対した。


方天戟(宝具:Fate)
 中国に伝わる戟の一種。三日月形の刃を月牙と呼び、これが片方だけのものを青龍戟と呼ぶ。
 戟は刺突、打撃に用いる長柄武器で、様々な用途を持つ。使用する兵種を選ばない武器であったものの時代とともに滅び、宋代に方天戟として蘇った。刺突、切り払い、引き寄せ、弾きと様々な使い道がある反面、その扱いには卓越した技術が必要とされた。
 数ある方天戟の中でこれだけが“宝具”まで昇華されたのは名のある武将に愛用されたためだろうか。


亡霊(用語)
 人の身でありながら精霊の域に達したもの。


ホーンテッドユニウス7(地名:氷室の天地)
 千葉ディスティニーランドのアトラクションの一つ。ライドスルーではなくウォークスルー形式のお化け屋敷で、氷室鐘らが入ったときの待ち時間は20分。無自覚ながらAランクの霊視スキルを持つ三枝由紀香はそこで沢山の本来アトラクションに存在しないモノを視た。


保存(用語)
 記憶のシステムの一つ。銘記した情報をとっておく事。


補助礼装(用語)
 術者の魔力を増幅、補充し、魔術そのものを強化する予備燃料としての礼装。宝石魔術における魔力を充填した宝石などが該当する。
 魔術師の魔力を増幅したり、補充したりする増幅機能を持った礼装が多い。これを使用することで、より少ない魔力で魔術を行使したり、自分の限界以上の魔力で魔術を行使したりすることができるようになる。このため魔術師であれば有事に備えて魔力の予備タンクとして一つは補助礼装を保有している。
 形状としては持ち歩くこともあるため、手に取りやすい形状が好まれる。持主の嗜好にもよるが、短剣、短杖、本、宝石、各種装飾品などが多い。


蛍塚音子(人名)
 ほたるづか おとこ。蛍塚ネコの本名。


蛍塚ネコ(人名)
 衛宮士郎がアルバイトをしている居酒屋兼酒屋のような店、コペンハーゲンの店長の一人娘。辛党で、日本酒には美味すぎて太刀打ちできない。犬が苦手。刃物が好きなようで、鋸まで刃紋を見る。鋸に刃紋はないけど。
 名前のネコは音子と書き、正しくは『おとこ』と読む。サインも『蛍塚ネコ』と書く。藤村大河は本名で『オトコ』と呼ぶが、それを彼女に妙なアクセントで全国放送に流されたためネコと呼ばせるようになった。
 よく『まあいいけど』と言う。衛宮士郎を『エミヤん』と呼び、父親を『うちの』と呼ぶ。葛木宗一郎がタイプらしいが、果たして恋愛対象としてなのか酒呑み仲間としてなのか。
 藤村大河を虎とするなら彼女は龍。スポーツなどの突発的な戦いでは分が悪いが、ゲームなどの計画的な戦いでは分がある。
 藤村、柳洞零観と同級で一番頭がよく憧れの的だったが、急性アルコール中毒で何もかも棒に振った。酒屋として生きるには充分な勉強を終えると自主退学し、その際に大河の机に粉塵爆弾を仕掛けておいた。以後のんびりとコペンハーゲンを切り盛りしてきた。冬はコタツとハンペンを取り上げると死ぬ。
 文系で本来は丁寧な口調。本好きで、いずれ本好き同士としてライダーがコペンハーゲンでもアルバイトするようになる。話がかみ合わないほうが心地よい。コペンハーゲンで子供の頃から手伝いをしていたため、力持ち。
 空の境界に彼女と思しきドラッグの密売人が登場しており、黒桐幹也に情報を与えた(これは騎士のリーズバイフェと礼園女学園のマザー・リーズバイフェの関係のようなものと思われる)。


ポテトマッシャー(用語/武装)
 M24型柄付手榴弾の俗称。第一次大戦でドイツが開発したヘアブラシ型手榴弾M1915の後継型で、その形状からポテトマッシャー(ジャガイモ潰し)と呼ばれる。大量の炸薬を爆発させて起こる爆圧で対象者を殺傷する攻撃型手榴弾。有効範囲は約10メートル。発火方式は摩擦発火式。
 シエルはアルズベリからミスター・ダウンに埋葬仕様のこれを発注した。


ホテル(地名)
 アルクェイド・ブリュンスタッドが一時的な隠れ家にした南社木市にある11階建ホテル。ネロ・カオスの襲撃によりこのホテルにいた人間が全員食われてしまったため、曰くつきとなり宿泊料が極端に安くなった。犠牲者のうち宿泊客は103名。
 後に瀬尾晶が宿泊した。


骨の味おせんべい(用語:AATM)
 ネコアルクらに乗っ取られたアーネンエルベのメニューの一つ。


穂群原学園(組織・地名)
 私立穂群原学園。衛宮士郎らが通い、藤村大河、葛木宗一郎らが勤務する深山町唯一の学校。学生の主体性を重んじる自由な校風が人気だが、山の中腹にあるために坂道がきついとの悪評もある。上品で大人しい生徒が多く、クラス替えはない。英語教師はイロモノばかり。平日の下校時刻は午後五時。プールは50メートル×8レーン。三枝由紀香がプールで着物を着た女性の幽霊を視ている。
 『生徒の自主性を重んじる自由さ』が校風で、球技大会などの学校行事の運営も生徒会にゆだねられている。
 球技大会は生徒会による抽選で種目が決定されていたが、柳洞一成が生徒会長になってからは抽選は廃止されたようだ。なお衛宮士郎らが一年生のときの種目は野球、サッカー、蹴鞠というもので、二年生のときの種目はセパタクロー、ペタンク、チュックボール。三枝由紀香がペタンクで優勝した。
 修学旅行の行き先は東京。
 理事長が弓道に関心があるのか、学生の部活にはもったいないほどの弓道場があり、礼射もやる。冬木市内の射場は弓道部のものしかないので、近在の弓道家が借りに来ることがある。弓道場の裏山の雑木林は300から600uほど(士郎談)。ありきたりの怪談だが、穂群原学園が建っている敷地や裏の林などは墓場だった、という話がある。
 新聞部発行のクロスワードパズルは『藤村大河過去百殲』。文化祭にはマウント深山商店街のほか新都の店も協賛している。学食のメニューは何を食べても肉の味がする。大雑把な味付けなので女子には人気がない。
 藤村大河、蛍塚ネコ、柳洞零観らが在学した頃は応援団があったが、現在はない。
 水泳の授業で生徒が着用するのは学校指定の水着のようだが、マニアックな旧タイプではないらしい。なお女子生徒の体操着はブルマ。昔の制服はセーラー服だったらしい。
 第五次聖杯戦争の際には間桐慎二によって『他者封印・鮮血神殿』が仕掛けられた。


穂群原ルストハ○ケーン事件(用語:氷室の天地)
 1年生のときの家庭科調理実習で氷室鐘の手料理を食べた男子生徒があまりのまずさに食べた瞬間揃って嘔吐した事件に蒔寺楓が付けた名前。


ホムンクルス(用語)
 錬金術において人の精と幾つかの要素を組み合わせて育てられる子宮を用いない生命。
 まっとうな生殖によって誕生していないため、小躯、短命、一部知性の欠落、生殖機能の欠落などの肉体的欠陥を持つ。生命体としては脆弱だが、魔術回路として作られる場合は人間を大きく凌ぐ。
 年齢の概念はなく、生まれたときに必要な知識や存在意義を自然から引き継いでいる。完璧なホムンクルスとは人の手によって作られた自然の触覚であり、この星に緑があり大気にマナが満ちている限り寿命を迎えることはない。が、破壊されれば死ぬし、寿命の概念が人間より強い代わりに生命としての強さは大きく劣る。
 完成されたホムンクルスは数少ない。


褒螺丹庵(用語:氷室の天地)
 ポメラニアン。
 三枝由紀香が考えた詠鳥庵に代わる屋号の案。キューティな店にしたいという蒔寺楓の意向を踏まえて考えられた。蒔寺楓は鼻血を出すほど気に入って店主である父に屋号をこれにしようと持ちかけたが、ものすごいぶっ飛ばされた。


ボラーレ・イタリア航空(組織:Zero)
 アイリスフィール・フォン・アインツベルンとセイバーが第四次聖杯戦争のため来日する際に利用した格安航空会社。
 1997年にイタリアのティエーネで創業し、1998年からチャーター便の運航を開始、1999年からは定期便の運航も開始した。日本にもチャーター便でたびたび飛来していたが、2004年11月に資金難から運行を停止、破産を通告され政府関係機関の監督下に置かれた。
 2005年12月にアリタリア・イタリア航空に買収され、2006年5月15日から経営主体がVolare Groupから新たに発足したVolare Spaへと移管された。


ポリデュークス(用語:氷室の天地)
 英雄史大戦のカード。
 武:8、防:7。固有能力は『素手の時代』。


花椒粉(用語)
 ホワジャオフェン。
 中華料理の代表的な調味料のひとつで、炒った花椒を擂鉢ですりつぶしたもの。特に四川のものは辛く熱く香り高く、舌を刺す程だとか。
 麻婆豆腐には欠かせない。




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