アーチャー(人名/サーヴァント)
 取り込んだまま放置されていた洗濯物(下着を含む)を勝手に畳んで仕舞った事に対して怒ったうえ、アーチャーを維持するための魔力をケチった遠坂凛によって赤い携帯電話に封じられる。さらに箪笥の奥に仕舞われていた勝負下着について批評したことで遠坂邸からアーネンエルベまで思い切り放り投げられ、その時のショックで記憶に混乱を来たす。
 その後凛が迎えに来るが、あくまで自分をアーチャーであるとは認めず、加えて凛による経緯の説明によって彼女と行動を共にすることに危険を感じ、同行を拒否。桂木千鍵に捕獲されるが隙を突いて逃れ、固有結界アンリミテッドモバイルワークスに桂木千鍵、日比乃ひびき、遠坂凛の三人を取り込む。
 アンリミテッドモバイルワークスを脱出するために凛らが大暴れしたことで携帯電話に施された封印が解け、元の姿に戻る。なお、記憶は途中から戻っていた。放り込まれた時に割れた窓ガラスは退店時に魔術で修復した。


アーネンエノレベ(地名:狙われたアーネンエルベ)
 アーネンエルベ、ではなく、あーねんえのれべ。
 たった一晩のうちに突然アーネンエルベの向かいにできたメイド喫茶。店舗は外観から構造までアーネンエルベそっくり。オーナーはルヴィアゼリッタ・エーデルフェルト。厨房はネコアルクが任されているため、メニューは魚一色になっている。
 ランサーが捕縛された後、ルヴィアゼリッタとカレン・オルテンシアはランサーの尋問、ギルガメッシュは外出、ネコアルクはアーネンエルベに向かったため店が完全に放置され、その結果、客がこぞって向かいのアーネンエルベに押し寄せた。


アーネンエルベ(地名)
 ドイツ語で『遺産』を意味する喫茶店。映画館の横にあり、なぜか出入口が二つある。
 都会の隠れ家をイメージしてひっそりとオープンした。マスターのジョージはイタリア料理の達人。他にアルバイト店員の桂木千鍵と日比乃ひびき、ランサーが働いている。
 偽志貴によるとストロベリーパイが逸品らしい。ラズベリー系がおいしい。自慢のメニューはブルーベリーパイ。基本的にジョージが趣味で焼いているシェフの気まぐれパイにハズレはない。
 年中無休で、営業時間は平日が午前9時から午後7時、日曜・祝日が午前10時から午後6時。猫の持ち込みは禁止。テーブル単位での貸切が可能で、貸切料金は半日単位で変わる。支払いにはカードの使用が可能。男性の制服はギャルソン服一式だが、ウェイトレスの制服は半袖ブラウスに膝上丈のスカートという冬でも半袖のものしかない。
 店内は壁や床もドイツを思わせる内装で、照明は薄暗く電灯を極力廃したものだが、アンティークで飾られていて雰囲気は悪くない。混雑していない時なら店内での勉強が可能。ひびきと千鍵は店内でよく宿題をしている。裏に焼却炉がある。
 基本的に客が少ない。桂木千鍵に会うために通う客がいるが、その客は千鍵をツンデレと称する類。ひびきと千鍵はレンにケーキを与えているが、その代金は志貴に払わせている。
 厨房の扉は防音らしい。厨房は一辺が最大3メートル。AATMでは厨房に黒い扉があり、それはグレートキャッツビレッジに通じていたが、GCVごと吹っ飛ばされて残ったのはドアノブだけ。そこのネコ精霊を倒せば倒すほどより強く店に縛り付けられるが、次の店長が来るか閉店時間になれば解放される。
 AATMでネコアルクらに乗っ取られていたときに出されたメニューには『にゃんこ雑炊』『鮭フレーク』『にぼしステーキドライ風味』『骨の味おせんべい』『にぼしフレーク北海道ミルクづくし』『かつおぶしに似たブラックハーブティー』などといった、明らかに改竄されたものだった。
 後に両儀式が店長になった際には『白玉ぜんざい』『白玉ぜんざい両儀スペシャル』といったごく真っ当なものが出された。
 メニューはコーヒー、紅茶などのドリンクからデザート類、軽食まで取り揃えており、店主こだわりの手作りパイが常連客に好評。明らかになっているメニューはストロベリーパイ、ブルーベリーのパイ、オレンジのパイ、オレンジとヒマワリのミックスパイ、ミートパイ、ラズベリーのトルテ、特製チーズケーキ、クラブサンド、カレー(ポークカレー)、イカリング(カレーのトッピング)、夏野菜サラダ、きのこのパスタ、フィッシュアンドチップス、セットメニュー(Bセット)、グレープフルーツ、バレンシアオレンジ、ジンジャーエール、珈琲、カフェラテ、アイスココア、アイスティー、ユーカリティー、ミルクティー、レモンティー、アールグレイ、煎茶、赤ワイン。コーヒーは普通より熱い。カレーライスは大盛りやトッピングを選択でき、サラダがセットで付属する模様。言峰綺礼によれば麻婆豆腐を含む中華セットがあるらしいが、千鍵はその存在を知らない。一番安いメニューは砂糖水、らしい。メニューにないものでも注文すれば作ってくれることがある。
 カレーライスはじっくり煮込んだポークカレーで、かなり人気がある。毎晩ジョージが大鍋一杯に仕込んでいるが、ひびきや千鍵が出勤する頃にはほとんどなくなっている。シエルが称して曰く、カレーを愛する者たちが密かに集う隠れ里、月光華麗村。このカレーは本来一日寝かせて完成するものなのだが、最近は仕込みが追いつかないうえ『最近味落ちたんじゃないですか?』と小言を言われるのでジョージ店長は密かに嘆いているらしい。
 狙われたアーネンエルベでは向かいにできたアーネンエノレベに客を奪われて危機に陥るが、ひびきと千鍵、スナオがメイド服で客寄せや接客をやったことに加えアーネンエノレベが接客担当も厨房担当も誰もいなくなっていたためそちらの客が退去して押し寄せた。その後カレン・オルテンシアとジャイアントアンリによって崩壊の危機に瀕するが、カレイドオレンジとカレイドグリーンの活躍により事なきを得る。
 普段出会えない人間に出会えるという噂がある。また一度入ると店内のものを自由に使うことができるが新たな客が入店しない限り出られないという噂もある。後者の噂についてはシエルが調査に訪れた。
 月姫世界と空の境界世界の接点であり境界。遠野志貴と両儀式、アルクェイド・ブリュンスタッドと蒼崎橙子など、どちらかの世界に深く関わっている人物同士が顔をあわせると矛盾が生じるため、正式な時間軸上の物語では入ることができない。なお複数の作品の登場人物が顔をあわせるときには作中時間のずれなどは解消され、登場した当時の年齢のままである。平行世界が交差する場所として、また眼鏡の男が女の子を連れ込む店として重宝されている。
 複数の場所に出現したり消えたりし、冬木市の場合は冬木大橋の近くに現れる。カレン・オルテンシアは、アーネンエルベはキシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグが建てさせた『魔法使いの匣』の一つではないかと考えている。そうだとすれば、この店で起こる不思議な現象にも説明が付く。


赤いケータイさん(用語)
 携帯電話の筐体自体はキシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグ御手製。
 →アーチャー


アルクェイド・ブリュンスタッド(人名:真祖)
 『狙われたアーネンエルベ』では道に迷ってたまたま出会ったランサーにアーネンエルベまでの道案内を頼み、そのまま店に居座る。そこで粉末状から復活したケータイさんを見てキシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグの手によるものだと看破し、ケータイさんと日比乃ひびきに対して『ところで、爺さん元気?』と訊ねている。
 騒動の後、別人のように感情の失せたひびきからケータイさんを渡され、それで何者かと通話する。その通話相手とは800年前、アルクェイドが生まれた頃に会った事があり、『朝も夜もない場所に引きこもっている』『どっちに付く気もない』『天涯孤独を決め込んでいる』『何か大切なものをなくした』『何もかも手に入れた』らしい。また性別は男性であり『最近は破目を外しすぎてバランスを取るのが難しい』『外はつまらないから出たくない』『食料の心配はない』とも言っている。彼がアルクェイドに自分を殺したいか訊ねると、アルクェイドはリスクとリターンがつりあわないから、そこにいる限り見逃してやるが出て来れば最優先で殺すと答えた。これらの事柄と、アルクェイドの『鍵穴洗って待ってなさい』という言葉には現在は南京錠の姿をしている死徒二十七祖の27位、コーバック・アルカトラスとの共通点が見出せる。


暗黒剣エビルパケシソード(用語)
 ケータイさんが変形したカレイドグリーンとカレイドオレンジの武器。ビームサーベルのようなもの。初登場時は暗黒剣エビルパケシソードだったが、すぐにジャスティスパケシソードに、次いでホーリーグローリーパケシソードに改名された。
 エネルギー源は二人の人間の心の絆。


アンリミテッドモバイルワークス(固有結界)
 赤いケータイさん状態のアーチャーの固有結界。登録簡単ゲーム遊び放題の不思議空間。
 赤いケータイさんの内部。空には四角い穴があり、そこからは赤いケータイさんのディスプレイを通して外の風景を見ることができる。赤いケータイさんは巨大化して妙にプルプルした状態で現れることができる。
 取り込まれた者の頭上にはパケット料金を示す数字が表示されており、その分だけ契約者に請求が行く。このパケット料金は、取り込んだ者を維持するために必要な魔力を筐体に貯蔵された魔力だけでは賄えないため、回線を通じて擬似魔力データをダウンロードし続けていることによる。この擬似魔力データは結果以内にゲームを出現させることでも消費される。結界内のゲームは100以上あるうえ課金(ポイント制)アイテムまである。釣りや麻雀、クイズ、窃盗ゲームなどのいわゆるソーシャルゲームのほか、ルーレットやモンスターハンターのようなゲーム、Fate/EXTRAのようなゲームまである様子。
 結界内には無数のフェイクに紛れて本物の赤いケータイさんがおり、その本物を倒すことで外に出ることができる。


イリヤスフィール・フォン・アインツベルン(人名)
 無一文の藤村大河に誘われてアーネンエルベに入り、飲食をする。しかしイリヤスフィールも財布を忘れてきたために藤村が騒動を起こし、イリヤスフィールは自分は無関係だと藤村を切り捨てた。


イリヤスフィール・フォン・アインツベルン(人名)
 プリズマ☆イリヤの世界のイリヤスフィール。
 『沈黙のルビー アルマゲインパクト』では、街で偶然見つけた衛宮士郎と遠坂凛を追って美遊・エーデルフェルトとともにアーネンエルベに入り、隅っこに陣取る。そこから日比乃ひびきと桂木千鍵と一緒に美遊とマジカルルビーの読唇術で士郎と凛の会話を盗み聞きするのだが、途中からマジカルルビーによる士郎の言葉の中継がキャラ崩壊したせいで士郎が凛をアダルティに口説いていると信じ込んでしまい、世界の滅びを望んでしまう。
 世界の滅びを願ったことでその願望が隕石を静止衛星軌道から地表に垂直落下させる星呼びの儀として成就されてしまい、アーネンエルベを中心とした半径100メートル圏内が地図から消滅する危機に瀕する。その危機を回避するため、アーネンエルベの店内でひびきと千鍵の前で多元転身をした。その後、マジカルサファイアが次元の狭間に飲み込まれた美遊とひびき、千鍵もマジカルルビーとの仮契約による並列処理で転身する。
 隕石の軌道修正のため、イリヤスフィールへ他の三人が魔力供給を行う際にはマジカルルビーの性質から愛する人のことを想う必要があったのだが、ひびきだけは恋愛の愛ではなく、隣人愛的な愛しか考えられず、そのせいで軌道修正は失敗。世界の滅びを願った自分を責め、隕石への体当たりを繰り返した。
 なお、この星呼びの儀はもう少しパワーアップすれば朱い月のブリュンスタッドの月落としに迫るほどの大魔術。


衛宮士郎(人名)
 謎の電話に呼び出され、無銭飲食をしてしまったイリヤスフィール・フォン・アインツベルンと藤村大河の飲食代金を払うためにアーネンエルベに来店。


衛宮士郎(人名)
 プリズマ☆イリヤの世界の衛宮士郎。
 『沈黙のルビー アルマゲインパクト』では、遠坂凛にイリヤスフィール・フォン・アインツベルンとクロエ・フォン・アインツベルン、美遊・エーデルフェルトの誕生日プレゼントを選ぶのを手伝ってもらい、アーネンエルベで凛にそのお礼の品を渡した。しかしその会話を読唇術で中継していたマジカルルビーの吹き替えが途中からキャラ崩壊したせいで、イリヤスフィールは士郎が凛をアダルティに口説いているものと信じ込んでしまった。


桂木千鍵(人名)
 かつらぎ ちかぎ。
 16歳。高校一年生。家族構成は両親と姉。身長157cm。体重45kg。B77 W54 H78。4月29日生まれ。血液型A型。
 アーネンエルベのアルバイト店員。無愛想なツンデレツインテール。女子高生。髪型は日比乃ひびきに可愛いからと無理矢理ツインテールにさせられた。ひびきからはチカちゃん、ケータイさんからは緑と呼ばれる。星空めておにキュウリみたいと言われたが、後に星空氏はこれについて謝罪し、ズッキーニであると訂正した。
 両親と姉の四人暮らしだが、両親は仕事で家を空けることが多い。そのため千鍵の面倒は三歳年上の姉が引き受けていたのだが、その姉も高校進学を機に扱いがぞんざいになっていき、大学生となった現在では完全に放置している。しかし生活費と毎月の小遣いは出してもらっているので、千鍵は一人でだらだらと日々を過ごせるのである。高校入学後にひびきに誘われてアーネンエルベでアルバイトを始めた。
 甘いものと日比乃ひびきが作ったお菓子が好きで、苦いものや辛いもの、酸っぱいものが苦手。きのこの山とたけのこの里ではたけのこの里の方が好き。好き嫌いが多く野菜をあまり食べないが、ハンバーグに混ぜるなどすると気付かずに食べる。かぼちゃは青臭いのが嫌なので好きではないが、パンプキンパイは食べる。蟹は味ではなく食べにくさで嫌い。その点味と食べやすさから海老は好き。
 特技は知恵の輪と20時間眠れること。都合の悪いことは見なかったことにすることがある。何の色とは言わないが、意外にも白の日が多い。非常識なものとネコアルクが苦手。猫より犬派。グリーン牧場やグリーンドームがあるからか、群馬県だけは応援しないことにした。ゴキブリが出たら界面活性剤をかける。
 アルパカがなんとなく嫌い。楽器演奏はできず、カラオケも苦手。英語の成績はさほど悪くはないが、外国人を前にすると慌ててしまいろくに喋れなくなる。ツインテールは海老の味がするらしい。引っ張ると怒る。
 ものぐさで面倒くさがりだが、やる時はやる。当然やらない時は全くやらない。嫌いな言葉は一番が『努力』で二番目が『ガンバル』(訊ねるたびに変わることがあるが、要するにぐうたらである)。ただし料理についてはやる気以前の問題で、ひびきにお弁当を作ってもらっている。よくアーネンエルベの店内で居眠りしている。ポケットはコンビニのレシートなどで一杯。
 他人との馴れ合いを避ける節があるが、ひびきとは高校入学後に起きた生徒が何人も行方不明になり、数日後に戻ってくるという事件をきっかけに打ち解けて以来、唯一気を許せる相手になっている。入学直後は黙っていれば可愛い千鍵が黙っているものだから、男子生徒は大いに色めきたっていたのだが、他人を寄せ付けない雰囲気を纏って窓の外を見ていたものだから極めて声を掛け辛かった。そんな千鍵にひびきが『チカちゃん』と呼んで何度もアタックしていたのはいまやクラスの七不思議のひとつだという。
 学校ではいつもぶすーっとしているので他のクラスの生徒からは怖がられているようだが、同じクラスの生徒には『大自然が人間に警告を与える為に送り込んだダークグリーン』、『光合成でエネルギーを得ている植物生命体で科学者に狙われている』などと大人気。
 頻繁にケータイさんに絡まれ、そのたびに罵倒したり投げ捨てたりヒンジを逆に曲げたりとアグレッシブな対応をする。ケータイさんにはそれを操作している人がいると信じている。
 文化祭では嫌な目にあったらしい。アーネンエルベの魔法使いの夜フェアは針のむしろに座っているかのように感じていた。水着姿にした蒼月タカオ氏に怒りを露わにした。
 愛想が悪く、それがツンデレだと評判のアーネンエルベの看板娘。しかし本人はツンデレではないと否定している。アーネンエルベには千鍵に会いに通う客たちがいるが、千鍵はそういった客が苦手。『彼氏』を作る予定はない。
 ケータイさんによるとコミックマーケット78ではひびちか本を探し歩いていた、らしい。2009年のクリスマスはひびきと一緒にアルバイトをする。
 AATMではアルバイトが休みの日だったため、登場しない。
 『赤いケータイさん』では、ひびきと一緒に店番をしているときに窓を突き破って投げ込まれた赤いケータイさんを捕獲して遠坂凛に引き渡そうとしたが、ひびきと凛とともに赤いケータイさんの固有結界アンリミテッドモバイルワークスに引き込まれる。その当初は別に急いで脱出しなくても懐が傷むのは凛だけだからと消極的だったが、ひびきに『マスターが帰ってくるまでに脱出できないとアルバイト代抜きかも』と説得されて俄然やる気を出す。
 『沈黙のルビー アルマゲインパクト』では、マジカルルビーによるキャラ崩壊のせいで士郎が凛をアダルティに口説いていると信じ込んだイリヤスフィールが望んだ世界の滅びが隕石の落下として成就しそうになった際に、マジカルルビーの仮契約による並列処理によって一時的に魔法少女になる。ただしその時のコスチュームは一人分を四人で分け合ったものであり、女性同士でも恥ずかしいほど非常に布地面積が小さなものとなった。
 『狙われたアーネンエルベ』では、その日にアルバイトが入っていなかったためランサーの呼び出しに応えるのを渋るが、ひびきに強引に連れて行かれた。アーネンエルベに到着してもまだ臨時でアルバイトに入ることを渋っていたが、それはひびきと一緒に映画に行こうとチケットまで用意していたため。
 臨時で入ることになったアルバイトではケータイさんの策略によって制服がミニスカメイド服にすり替えられていたのだが、激怒しつつもしっかりそれを着た。その後はルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトとカレン・オルテンシアによってもたらされた危機に際し、本来の性能を発揮したケータイさんによってカレイドグリーンに多元転身させられた。暗黒剣エビルパケシソードのエネルギー源が二人の絆の力だと知らされて一時は『自分とひびきの間に絆などあるわけがない』と不安に駆られるが、カレイドオレンジに励まされて自信を取り戻し、マジカル共同作業ケーキ入刀スラッシュでジャイアントアンリとカレンを撃破した。


桂木千鍵の姉(人名)
 桂木千鍵の三歳年上の姉。現在は大学生。
 家を空けることが多い両親に代わって千鍵の面倒を見ていたのだが、高校進学を機に千鍵の扱いがぞんざいになっていき、現在では完全に放置している。


カレイドオレンジ(用語)
 日比乃ひびきがケータイさんによって多元転身させられた姿。


カレイドグリーン(用語)
 桂木千鍵がケータイさんによって多元転身させられた姿。


カレン・オルテンシア(人名)
 聖堂教会所属の修道女。ランサーとギルガメッシュを従えている。須方スナオの友達について、聖堂教会に知られると嫌な何らかのことを知っている。
 須方スナオの初来店時は、日比乃ひびきと桂木千鍵が店に入る時点から一部始終を見届けた。ちなみにその時の勘定ではエーデルフェルトの名前で領収書を貰っている。
 『狙われたアーネンエルベ』では、自分に呪いがかかっていると思い込んだルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトに『あらゆる呪いを解く魔術礼装』があると唆してアーネンエルベの乗っ取りを計画させた。しかしカレンの本当の目的は『魔法使いの箱』の乗っ取りにこそあった。アーネンエルベを乗っ取ってからは、今後の参考として自分が統治者として君臨する世界を観測しようという腹積もりだった。
 ギルガメッシュに捕獲されたランサーの前に現れたときは、メイドを虐待する側の格好で鞭を鳴らしながら登場した。ルヴィアゼリッタが無力化された後は、証拠隠滅のため一帯に結界を張った上でジャイアントアンリによってアーネンエルベを破壊しようとした。しかしケータイさんによって多元転身させられたカレイドオレンジとカレイドグリーンの合体技、マジカル共同作業ケーキ入刀スラッシュによって撃破された。
 その後、須方スナオが代行者としてカレンの許に現れ、アーネンエルベから手を引けばよし、そうでなければ本部に引き渡して処分を待つと交渉を持ちかける。しかしカレンが本部が絡むのが嫌なのはスナオも同じだろうと言うと、スナオは『シスター・カレンはこの騒動で殉教した』ことにするのが一番手っ取り早いと脅迫。ただしスナオに本気でカレンを殺害する気は全くなかった。結局、無断で魔術師と接触したうえに大騒動を引き起こしたため本部に知られる事はマイナスであり、自体のもみ消しのためしばらくはアーネンエルベに構っている暇はなくなると言って立ち去った。


ギルガメッシュ(人名/サーヴァント)
 カレン・オルテンシアに使役されるサーヴァント。
 アーネンエルベでジャンプを読んでいることがある。またセイバーの写真集をアーネンエルベの店内で堂々と読む。子ギルの姿では、桂木千鍵はがさつだから好みではないと言い放った。
 狙われたアーネンエルベではカレン・オルテンシアによって子ギルの状態でメイド服を着せられてアーネンエノレベで接客をさせられていた。
 なおカレンによるルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトへの説明では名前は『子ギルきゅん』で、さる高貴な血筋の落胤であるため正体は明かせない、とされていた。
 後にアーネンエノレベに侵入したランサーをエルキドゥで捕獲。その後はアーネンエルベで騒ぎを起こして客を追い出せと命じられてアーネンエルベに入店するが、アーネンエルベを気に入ったうえ日比乃ひびきを口説きにかかる。その後はアーネンエルベの側に付くことに決め、ルヴィアゼリッタが来店した際に隠れてアーネンエノレベに戻り、エルキドゥを解除してランサーを解放した。カレンがジャイアントアンリでアーネンエルベを破壊しようとしたときはランサーとともに戦いを挑むがあっさり捕縛されるも、カレイドオレンジに救出されて戦列に復帰。


金ぴかの携帯電話(用語:赤いケータイさん)
 赤いケータイさんの騒動が終わり、遠坂凛とアーチャーが店を出たあと出現した謎の金色の携帯電話。着信音は『黄金の王』。桂木千鍵は無視しようとしたが、日比乃ひびきが発見してしまった。


ケータイさん(???)
 6月27日生まれ。身長210mm。体重130g。B150/W150/H150(mm)。
 しょっちゅうアーネンエルベに現れる謎の携帯電話。機種は青い二つ折りタイプで防水機能はない。頭脳は超高性能で、ざっと16ビットはありそうな感じ。デジカメ機能もあり、写真も動画も撮影できる。外部メモリも使用可能。自称、携帯電話の精パケシ。ただしパケシと名乗ったことはすっかり忘れている。登場するたびに隠し場所が凝ってくる。客がいるときに登場するのは珍しい。
 エロゲーと深夜アニメが好きで。スマートフォンとヒンジへの攻撃が苦手。緑いじりが得意。ネコアルクとカレン・オルテンシアの電話番号を知っている。
 番号非通知で電話がかかってきて、あたかも携帯電話自身が話しているかのように会話をすることができる。それどころか自分で動くこと(ヒンジで桂木千鍵を挟むとか)もできる。全て着ボイスと嘯くことも。
 ヒンジは人間で言う腰に、レンズは目に当たる。液晶が漏れることは人間で言えば泣くということに相当するらしい。液晶画面を割られたり本体をヘシ折られたり粉砕されたりしても次に登場する時には元に戻っている。というか謎のビームの直撃を受けてもその直後に修復されている。
 埋葬機関や魔術、死徒などの知識も豊富に持ち合わせており、第七聖典の精霊であるセブンを視ることができる。礼装としての性能を発揮する際の姿は羽根が生えたどこかで見たステッキのような形状。
 『ない』より『ある』方が好みで、ひびきと千鍵にはもう少し『大きく』なってほしいとのこと。メイド服はミニスカートにニーソックス(おそらくサイハイソックスのこと)の絶対領域が発生する組み合わせが好き。
 ひびきと千鍵のアーネンエルベでのコスプレ姿を写メで盗撮している。もちろんとっておきのデータはバックアップを取ってある。須方スナオの初来店時に二人の盗撮写メを見せ合った。以後、学校担当はスナオ、店担当はケータイさんという分担ができた。
 シエルと言峰綺礼とは関わり合いになりたくない。AATMでは会いたくない人達がうろうろしていたため、ずっと隠れていた。
 狙われたアーネンエルベでは、ランサーに『ひびきと千鍵はコスプレが大好き』だと吹き込んで二人の制服をミニスカメイド服にすり替えさせた。その後、千鍵に粉末状にまで破壊され、けたたましく喋りながら復活したところをアルクェイド・ブリュンスタッドに見つかってあっさりとキシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグの手によるものだと看破された。
 狙われたアーネンエルベでは、カレン・オルテンシアに唆されたルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトが『あらゆる呪いを解く魔術礼装』として獲得しようとし、その途上でアーネンエルベの乗っ取りが画策された。しかしその計画が頓挫した際にカレンによってアーネンエルベが破壊されそうになり、礼装としての本来の姿と性能を発揮してひびきと千鍵をカレイドオレンジトカレイドグリーンに多元転身させた。そして自分はカレイドグリーンとカレイドオレンジの武装である暗黒剣エビルパケシソード(あるいはジャスティスパケシソード、ホーリーグローリーパケシソード)となり、カレンとジャイアントアンリを撃破。
 騒動の最中に自分の地位向上のためネコアルクを見殺しにしたことを恨まれ、騒動が終わってからネコアルクに店の裏に連れ去られた。
 その後、日比乃ひびきによりアルクェイド・ブリュンスタッドに渡されて通話に使われる。その通話相手は800年前、アルクェイドが生まれた頃に会った事があり、『朝も夜もない場所に引きこもっている』『どっちに付く気もない』『天涯孤独を決め込んでいる』『何か大切なものをなくした』『何もかも手に入れた』らしい。また性別は男性であり『最近は破目を外しすぎてバランスを取るのが難しい』『外はつまらないから出たくない』『食料の心配はない』とも言っている。アルクェイドに自分を殺したいか訊ねると、アルクェイドはリスクとリターンがつりあわないから、そこにいる限り見逃してやるが出て来れば最優先で殺すと答えた。初めて死んだ夜に見た月を忘れられず、今は月を見たいと願っている。これらの事柄と、アルクェイドの『鍵穴洗って待ってなさい』という言葉には現在は南京錠の姿をしている死徒二十七祖の27位、コーバック・アルカトラスとの共通点が見出せる。


言峰綺礼(人名)
 中華の飲茶の習慣を共通点として、アーネンエルベのメニューに餃子(激辛)、小籠包(激辛)、炒飯(激辛)、担担麺(激辛)、麻婆豆腐(激辛)、杏仁豆腐(激辛)などを捻じ込もうとする。その際に店内で出くわしたシエルと争いになり、店の破壊を防ぐためケータイさんが呼んだカレン・オルテンシアによってマグダラの聖骸布で捕獲された。


三枝由紀香(人名)
 ギルガメッシュのガールフレンド。


シエル(人名)
 アーネンエルベでは大体カレーの大盛りと煎茶を注文する。アーネンエルベのカレーを高く評価しており、ゆくゆくは立派なカレーショップに生まれ変わらせる計画を立てている。
 店内で出くわした言峰綺礼と争いになり、店の破壊を防ごうとケータイさんが呼んだカレン・オルテンシアがマグダラの聖骸布で言峰を捕獲した際に巻き添えで連れ去られる。そのときに持っていた第七聖典はアーネンエルベの倉庫で保管されることになった。


知得留(人名)
 魔法使いの箱で復活を遂げるも、あまりのブランクのためネコアルクにひ○○しのキャラかと問われる。


ジャイアントアンリ(用語:狙われたアーネンエルベ)
 カレン・オルテンシアが使役する巨大なタコさんウインナー。
 カレンが柳洞寺に残された聖杯の泥を密かに回収し、愛情を込めて育て上げた存在。ただしドクター・アンバーに貰ったまききゅーXの分量を間違えたため、異様に巨大化している。
 ケータイさんによって多元転身させられたカレイドオレンジとカレイドグリーンの合体技、マジカル共同作業ケーキ入刀スラッシュによって撃破された。その後かなり小さくなったものを日比乃ひびきが回収した。


ジャスティスパケシソード(用語)
 ケータイさんが変形したカレイドグリーンとカレイドオレンジの武器。ビームサーベルのようなもの。初登場時は暗黒剣エビルパケシソードだったが、すぐにジャスティスパケシソードに、次いでホーリーグローリーパケシソードに改名された。
 エネルギー源は二人の人間の心の絆。


ジョージ(人名)
 アーネンエルベの店長。イタリア料理の達人。地球人に爆弾を説明するプレデターなみにボディランゲージに定評がある。
 当然ながらケータイさんの存在を知っているが、特に関わろうとはしない。
 AATMでは遠野志貴に殺害されたが、そのときはまったく手ごたえがなかった。それもそのはず、志貴が殺したのは彼に取り憑いていた黒いゲル状の『ネロ・カオスの悪性』だけであった。
 狙われたアーネンエルベでは急用で店を不在にしていたが、休業にはせずアルバイトのランサーに店を任せていた。


須方スナオ(人名)
 すがた すなお。
 日比乃ひびきと桂木千鍵のクラスメイトで、学校ではいつも一緒にいる。トラブルメーカー。労働が嫌いで遊びが好き。小柄で幼い印象の容姿に反して、中身はセクハラ大好きなエロ親父。金髪碧眼という西洋人じみた容姿だが、本人が日本人と言い張っているので日本人なのだろう。
 味覚が常人とは決定的にずれていて、非常に辛いものが好き。辻あゆみの物真似が上手い。遅刻した際には壁を登って窓から侵入を試みる、マイボトルを常備するほどのタバスコ狂で昼食時に弁当箱を赤く染め上げたなど、ろくでもない伝説を持つ。
 聖堂教会の代行者見習であり、ランサーがサーヴァントであることや、聖堂教会のシスターとしてのカレン・オルテンシアを知っている。
 千鍵はスナオにだけは知られたくないという理由からアルバイトをしていることをひた隠しにしていたのだが、COFEE BREAK5話でサングラスにマスクに帽子にコートという出で立ちでアーネンエルベに来店し、そこでひびきと千鍵がアルバイトをしているのを発見し、その後はアーネンエルベの常連になる。その際にケータイさんにも出会うが、ひびきに新機種だと言われて誤魔化されたうえ普通に会話している。
 学校でひびきと千鍵の姿を写メで盗撮している。もちろんとっておきのデータはバックアップを取ってある。初来店時に二人の盗撮写メをケータイさんと見せ合った。以後、学校担当はスナオ、店担当はケータイさんという分担ができた。
 アーネンエルベへの初来店時はひびきと千鍵が放課後何をしているのか気になって来店したが、持ち合わせがなかったためヒマワリと鷹の爪のミックスパイとタバスコをありったけ注文し、それを二人がアルバイトをしていることを他の人に教えないための口止め料という名目で無銭飲食をした。
 狙われたアーネンエルベでは来店してミニスカメイド姿の千鍵を見て大笑いしつつも撮影しまくり、メイド姿のひびきにはボディタッチしまくった。その後はランサーの言葉もあって、ひびきや千鍵と同じメイド服でアーネンエルベの客寄せを手伝わせられる。カレン・オルテンシアがジャイアントアンリを持ち出した際にはいち早くその場を離れた。
 カレイドグリーンとカレイドオレンジによって撃破されたカレンの許に現れ、アーネンエルベから手を引けばよし、そうでなければ本部に引き渡して処分を待つと交渉を持ちかける。しかしカレンが本部が絡むのが嫌なのはスナオも同じだろうと言うと、シスター・カレンはこの騒動で殉教したことにするのが一番手っ取り早いと脅迫。ただし本気で殺害する気は全くなかった(というより、人殺しそのものが嫌だという感じ)。
 それからランサーとともにアーネンエルベの後始末を引き受け、ひびきと千鍵をデートに送り出した。


スパム(用語)
 アメリカのホーメル食品が販売するランチョンミートの缶詰。ケータイさんがアーネンエルベのモーニングセットのメニューにしつこく推薦した。


セイバー(人名)
 アーネンエルベでは幸せそうな顔ですっごい食べる。


線が引いてあるハンバーグ(用語)
 ufotable cafeの期間限定メニュー。桂木千鍵は食べたことがなく、一回くらい食べてみたかったと言っている。日比乃ひびきがアーネンエルベのタイアップメニューとして候補に上げたが、パクリっぽいので却下された。


第七聖典(武装)
 シエルが使う輪廻転生を否定するキリスト教会が作り上げた転生批判の概念武装。『転生批判』『永劫無不滅』といった概念がくくられている。これで刺されたものは魂が消滅する。シエルでさえ、身体に第七聖典制御用刻印を刻まなければ使用できない。
 教会が魂を食べるといわれていた幻想種である一角馬を狩り出し、それを埋葬する過程でその角と人身御供の少女の霊を掛け合わせて生み出された。もとは一角馬の角にありとあらゆる転生否定の弾劾を刻んだもの。はじめは儀礼の最後にトドメとして使われていたが、実践的に槍・杭といった武器になり、武器から兵器にシフトするに従って銃剣になる。そのころまでは聖典としての威厳があったが、シエルに貸し出されて勝手にパイルバンカーに改造された。射出された銃剣(杭)は聖書のページになって崩れる。なお弾装から排出されるものも同じく聖書のページ。
 改造されるまでは霊体に対してのみ有効な概念武装だったが、現在では総重量60kgという物理攻撃力のみで吸血鬼を殴殺できる鉄塊と化している。さらにオプションパーツをつけると最大で二倍にもなる。
 ミハイル・ロア・バルダムヨォンのみならず、霊的ポテンシャルが優れている者には脅威となる。だが一般人にはただの物騒な武器でしかない。
 セブン(乾有彦はななこと命名)と呼ばれる精霊が祀られており、セブンが第七聖典に祀られてから千年が経過している。
 シエルが桂木千鍵に投げられたケータイさんをアーネンエルベに届けた際にシエルと言峰綺礼が喧嘩になり、ケータイさんの連絡を受けたカレン・オルテンシアがマグダラの聖骸布で言峰を捕らえたときに巻き添えを食ってシエルも捕獲されたため、アーネンエルベに置き去りにされた。それからなぜかセブンが視える日比乃ひびきとは良好な、ケータイさんとは険悪な関係を築き上げつつあった矢先にシエルに回収された。


チカギ(人名)
 私立エンゲージ学園に通う男子高校生。緑色に染めた短髪と目つきの悪さで怖がられることが多いが、さりげなく優しさを見せることもある。喫茶店アーネンエルベでアルバイトをしている。
 趣味は料理で、毎日の昼食の弁当は自分で用意する。ただし居候のヒビキの分は作ったり作らなかったり。女性はちょっと苦手。たけのこ派。チカちゃんと呼ぶと怒る。
 という、一日限りの悪夢。


ツインテールトレイン(用語)
 桂木千鍵と遠坂凛の合体技。凛が千鍵を背中合わせに背負って相手に突撃する。赤いケータイさん状態のアーチャーに対して使用した。


遠坂凛(人名/魔術師)
 『赤いケータイさん』では、取り込んだまま放置されていた洗濯物(下着を含む)をアーチャーが勝手に畳んで仕舞った事に対して怒ったうえ、アーチャーを維持するための魔力をケチったためアーチャーをキシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグ御手製の赤い携帯電話に封じる。さらにアーチャーに勝負下着について批評したことでその携帯電話を思い切り放り投げ、その後それを探しているうちにアーネンエルベに訪れる。しかし記憶の混乱もあり自分をアーチャーであると認めず同行も拒否したアーチャーにより、桂木千鍵と日比乃ひびきとともに固有結界アンリミテッドモバイルワークスに引き込まれる。
 アーチャーにアンリミテッドモバイルワークスの中にとどまる限り電話料金の請求がどんどん増えていくと教えられ、脱出に向けて努力をする。しかし最終的にアーチャーにクリアさせる気がないことを知るとぶち切れて宝石剣キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグと思われる物を構成し、無数に出現した赤いケータイさんを根こそぎぶっ飛ばした。ちなみに宝石剣らしき物を構成し、使用したことでパケット料金はかなりの額になった。
 狙われたアーネンエルベの頃にはロンドンの魔術協会で学んでいるらしい。


遠坂凛(人名/魔術師)
 プリズマ☆イリヤの世界の遠坂凛。
 『沈黙のルビー アルマゲインパクト』では、衛宮士郎に頼まれてイリヤスフィール・フォン・アインツベルンとクロエ・フォン・アインツベルン、美遊・エーデルフェルトの誕生日プレゼントを選ぶのを手伝い、アーネンエルベで士郎からそのお礼の品を渡された。


ドクター・アンバー(人名:狙われたアーネンエルベ)
 カレン・オルテンシアにまききゅーXを与えた謎の存在。


ネコアルク(用語・???)
 体長60cm。重量8kg。
 人語を解す謎の生物。UMAかもしれない。まれに個人的暇潰しとして俗世を混乱させるために現れる。性別は雌…っぽい。種族はネコ精霊で、クラスはグレートキャット。あるいは種族がネコ精霊類グレートキャット科。ネロ・カオスによればNECO科NECO目NECO類種に属するらしい。ネコ精霊の中ではそれなりに認められている。動力源はネコ缶で必殺技は真祖ビーム。
 主武装は研ぎ澄まされた爪、そしてビーム、あえてジェット。無限に仲間を呼び、目からビームを出し、ジェットで空を飛ぶ。戦闘力は出力30%のアルクェイド・ブリュンスタッドのおよそ半分。虚言癖あり。金持ちには全面降伏。イリヤスフィール症候群で感染したウェアキャットとはまったく別の生き物。声はそれなりに萌える。
 メカ翡翠の全てのスキャンを無効化し、質量が増大するなど様々な意味で論外。謎の推進剤によるジェット飛行、謎のエネルギーによる目から怪光線、無限増殖する細胞と、まさに未知の超生物といえる。高度な知能を持っており、日夜世界を面白おかしくするために暗躍する。
 ネコアルクにとって人類とは所詮ネコ缶を作るだけの生き物であり、末永くお付き合いしたいと思っている。なお猫缶一つで簡単に捕獲できるが、食べ終わると即逃げる。琥珀はなかなかの英傑と認識しており、世の中を混乱させる競争相手として末永くからかっていきたいと思っている。さらにはアンチネコ思想さえなければ琥珀を嫁にしたいと思っている。遠野邸の書庫にネコカンやゲンナマをちょろまかすために秘密の通路(ヘブンズドアー)を作った。
 カニの食べ方を知らず、まずいとか堅いとか言いつつ、白レンに殻ごと食べていると突っ込まれても口の中が血まみれになってもひたすら殻ごと食べていた。魚を焼くために戦闘機の排気ノズルをコンロにして大火災を起こしたこともある。
 ネコアルクにとって携帯電話とは目覚まし機能付時計。
 有間都古を将来楽しみなライバルとして認識している。
 彼女(?)はタイガとともに勝てる相手も負ける相手もいないという不思議キャラで、両者を戦わせるといわゆる千日手になる。なお、ちょっと猫アルク有利らしい。月姫、Fate、空の境界、DDDの不思議系の中でマジカルルビーに次いで強い。相当なダメージを負っても寝返りを打てば元通り。
 本当は月まで行ってから目標に向けて落下する超技があるが、ネコアルク自身も耐えられないことが問題。多段ロケットのように宇宙空間を飛ぶことができるが、止まり方はネコアルク自身も知らない。
 なおMELTY BLOODの冒頭でネコアルクが受信するSOSシグナルはラストでネコアルク自身が発信したものである。要するにループしている。またActress Againでは冥王星からSOSをキャッチするが、惑星から準惑星に降格されたこともあり無視する。
 西暦2201年、アジアにて少年たちにより発掘される。その場所は地球を救った神様が落下した場所だというが、神そのものが落下したためにいなくなったとか、実は邪神だったとかいう伝承がある。
 月姫本編では『教えて!知得留先生!』に現れる生物(ナマモノ)。必殺技は野球と水泳、泥警、盗んだバイクで走り出すこと。一人称は『あちし』。グレートキャッツガーデンに住み、猫王国では一番の小物らしい。そもそも猫王国は登場のたびに規模が小さくなっている。だんだんと待遇がよくなり、現在ではTYPE‐MOONのマスコット的存在になっている。
 アルクェイド・ブリュンスタッドとの関係は誰にも分からない。本人曰く『知得留以外には仏のような存在。むしろ愛』。また弓塚さつきの暗黒面が具現化した存在、即ち弓塚さつきの本体とも言っている。
 まほうつかいの箱ではケータイさんという新たなマスコットキャラクターが登場したが、ケータイさんに色物アイドルの座を明け渡す気はない。
 『狙われたアーネンエルベ』では、高級ネコ缶一年分という報酬でカレン・オルテンシアに協力する。手先が器用なので、アーネンエノレベの厨房を任されていたが、メニューが魚一色になるのが難点。
 ランサーの捕縛後、メニューに虫を混入して騒ぎを起こし、評判を落とすためアーネンエルベに入店する。しかし注文したサンドイッチが桂木千鍵謹製だったため一口食べただけで盛大に腹を壊す。その時にケータイさんに助けを求めるが、ケータイさんは自分の地位向上のためネコアルクを見殺しにする。その恨みを晴らすため、騒動の後になって復活してからケータイさんを店の裏に連れ去った。
 ネコアルクアイは両目ともに視力2.0で、必殺の真祖ビームを放つが、発射直後はまぶしさで視力を失う。
 ネコアルクイヤーは地獄耳。成長に合わせて小さくなり、完全に取れたときに立派な真祖になる…という説もある。
 ネコアルク口からは敵を焼き尽くす地獄の業火・ゲヘナフレイムと毒舌を吐き出す。自称グルメ。
 ネコアルク胃は奈須きのこに匹敵するほど強力な胃酸に満ちている。ただし胃の強度は奈須きのこの100倍頑丈。
 ネコアルク肉球は普段は隠されていて見えないが、猫の名に違わずぷにぷにしており、癒し効果がある。肉球ハンドはキック力。
 ネコアルク脚はロケット噴射口に変形し、自在に飛行することが可能。
 ネコアルク尻尾はパンチ力。握られると怒る。


ノーツタヤ(用語)
 有限会社ノーツの社内DVD棚。B級映画のDVDが溜まりつつある。


廃校舎の事件(用語)
 桂木千鍵と日比乃ひびきが打ち解けるきっかけになった事件。二人の高校入学後に起きた、生徒が何人も行方不明になるが数日後に戻ってくるというもの。
 ある夜、千鍵とひびきが廃校舎に化け物が住み着いているという噂を確かめに行ったが、千鍵が化け物に襲われて気絶し、ひびきは千鍵を朝まで看護していた。なお、千鍵は化け物に襲われたと認識しているが、ひびきは『途中の教室に置いてあったハリボテに驚いて気絶しただけ』と言っている。
 この事件をきっかけに、千鍵は『チカちゃん』と呼ばれることを受け入れ、その代わりにひびきのことを『日比乃さん』ではなく名前で呼ぶようになった。


パララララ機関(組織)
 神の教えと魔術という相反する二つの融合を目指した者達が身を寄せ合い、小規模ながら研究機関の体を取った組織。
 彼らを危険視した聖堂教会によって一度は壊滅したが、一部の研究者が逃れて地下に潜伏したといわれる。かつて彼らが信奉する魔術師が生み出した奇跡の象徴が世界のどこかに存在すると信じられており、現在はそれを入手すべく活動を続けているという噂がある。


ヒビキ(人名)
 私立エンゲージ学園に通う男子高校生。オレンジ色の柔らかい髪と子供のような笑顔に思わず道を踏み外す男子生徒がいるとかいないとか。喫茶店アーネンエルベでアルバイトをしている。
 チカギの家に居候している。掃除が趣味で店内ではいつも何かを磨いては悦に入っている。その一方で食事にはあまり頓着せず、何かあれば家主に食事を要求し、逆にご飯抜きにされることがある。きのこ派。
 という、一日限りの悪夢。


日比乃ひびき(人名)
 16歳。高校一年生。身長154cm。体重44kg。B79 W55 H82。9月7日生まれ。血液型O型。家族構成は祖父のみ。
 アーネンエルベのアルバイト店員で、千鍵をそのアルバイトに誘った。誰にでも明るく接する姿が老若男女問わず人気のアーネンエルベの看板娘。とにかく人懐こい性格で愛想は良いが、言っている内容は結構きつい。時折突拍子もない言動をするなどトラブルメーカーの素質もあるのだが、本人に自覚はない。
 古びた洋館に祖父と二人暮しをしているということだが、その祖父も旅に出たまま戻ってきておらず、実質的には一人暮らし。ひびきの家は千鍵もまだ訪れたことがない。
 ポケットにはキャンディなどの非常食が詰まっている。毎日千鍵にお弁当を作ってあげているが、千鍵は野菜をあまり食べないためハンバーグに野菜を混ぜるなどして野菜を食べさせている。
 料理とお菓子作りが得意で、料理の腕はジョージ店長のお墨付き。アーネンエルベでは厨房を担当している。その半面、掃除や片付けが壊滅的に苦手なため、閉店後の厨房は魔境という噂がある。ゴキブリが出たら箸で捕まえる。
 千鍵のおさげともふもふしたもの、ぷにぷにしたものが好き。ハーゲンダッツはグリーンティーが好き。後片付けと頬への攻撃が苦手で、頬を引っ張られると力が抜ける。本人曰く、ひびきのアホ毛を掴むことはえっちなこと、らしい。犬も猫も好き。パンチテープをそのまま読める。何の色とは言わないが、ピンクの日が多い。画才はない。
 第七聖典の精霊セブンなどの常人には見えないものが視えるなど、常人とは少し違った面があるのだが、本人はそれを知られないように振舞っているようで、何やら秘密を抱えているらしい。
 総重量60kgの第七聖典を『見た目ほどは重くない』と涼しい顔で運んでしまうあたり、鍛えていると思われる。ちなみに太鼓を持っているうえ、爆裂強打なお便りが続々と届いている。
 携帯電話のストラップはコミックマーケット76で販売された桂木千鍵ストラップを使っている。代金代わりに貰った虎竹刀と思われる竹刀を愛用している。2009年のクリスマスは千鍵と一緒にアルバイトをする。
 AATMではアルバイトが休みの日だったため、登場しない。
 『赤いケータイさん』では、千鍵と一緒に店番をしているときに窓を突き破って投げ込まれた赤いケータイさんにより、千鍵と遠坂凛とともにその固有結界アンリミテッドモバイルワークスに引き込まれる。それから脱出に消極的だった千鍵を『マスターが戻ってくるまでに脱出しないとアルバイト代抜きかも』と説得し、凛とともに脱出に向けて努力する。
 『沈黙のルビー アルマゲインパクト』では美遊・エーデルフェルトとともに来店したイリヤスフィール・フォン・アインツベルンが以前来店したイリヤスフィールとは姿形が同じでもプリズマ☆イリヤの世界から来た別人であると一目で見破った。それからイリヤスフィールと美遊・エーデルフェルトとともに同じくプリズマ☆イリヤの世界の遠坂凛と衛宮士郎の会話を盗み聞きするも、マジカルルビーによる士郎の言葉の中継がキャラ崩壊したためストレートに何の話をしていたのか聞きに行った。
 マジカルルビーによるキャラ崩壊のせいで士郎が凛をアダルティに口説いていると信じ込んだイリヤスフィールが望んだ世界の滅びが隕石の落下として成就しそうになった際は、マジカルルビーの仮契約による並列処理によって一時的に魔法少女になる。ただしその時のコスチュームは一人分を四人で分け合ったものであり、女性同士でも恥ずかしいほど非常に布地面積が小さなものとなった。ちなみにひびきのコスチュームは胸の部分に穴が開いている。
 隕石の軌道修正のため、イリヤスフィールへの魔力供給を行う際にはマジカルルビーの性質から愛する人のことを想う必要があったのだが、ひびきだけは恋愛の愛ではなく、隣人愛的な愛しか考えられず、そのせいで軌道修正は失敗した。
 『狙われたアーネンエルベ』ではその日アルバイトは入っていなかったが、何か面白いことがあるのではと思いランサーの呼び出しに応じた。臨時で入ることになったアルバイトでは、ケータイさんの策略により制服がミニスカメイド服にすり替えられていた。その後は何事もなかったかのように働いたり、ギルガメッシュに口説かれたりしたが、ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトとカレン・オルテンシアによってもたらされた危機に際し、本来の性能を発揮したケータイさんによってカレイドオレンジに多元転身させられた。暗黒剣エビルパケシソードのエネルギー源が二人の絆の力だと知らされて不安に駆られたカレイドグリーンを励まし、マジカル共同作業ケーキ入刀スラッシュでジャイアントアンリとカレンを撃破した。
 キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグが作ったケータイさんとともに、アルクェイド・ブリュンスタッドから『ところで、爺さん元気?』と訊ねられた。
 『狙われたアーネンエルベ』の騒動の後、アルクェイド・ブリュンスタッドにケータイさんを渡す。その時はアルクェイドが『男の子みたい』と評するほど雰囲気が変わっており、言葉からも感情が伺えない無機質な口調になっていた。
 『恐怖・人類未踏の〜』ではアーネンエルベの地下にあるという財宝を探しに行くシエル、セブン、セイバーとともに地下洞窟の入口がある地下倉庫に同行し、シエルから店に引き返すよう指示される。しかし洞窟探検をしたかったため、店に戻ろうとする千鍵を押し切る形で店を閉めて洞窟探検に向かった。セイバーによってぶち抜かれた穴を通って最下層に降り、ファーブル・マンタズムによってパワーアップした間桐慎二によってひびきとともに『神聖モテモテ慎二王国』に加えられそうになる。そのハーレム入りから逃れるため、シエルとセイバーが慎二と戦っている間にひびきとともにファーブル・マンタズムを壊そうとして大爆発を引き起こす。


ヒマワリと鷹の爪のミックスパイ(用語)
 須方スナオがアーネンエルベに初めて入った時に注文したもの。メニューにはないようだが、日比乃ひびきがすぐに作った。湯気でさえ目にかなりの刺激を与えるレベルの辛さ。


ファーブル・マンタズム(用語:恐怖・人類未踏の〜)
 妄想具現化装置。
 羽のようなものと中心に星のマークが付いた機械。とある死徒が発明したという噂の、使用者の妄想を具現化する一種の願望機。
 アーネンエルベの地下にある洞窟の最深部でシエルらによって発見され、間桐慎二の『自分が主人公で大活躍する超絶かっこいいスピンオフ』という妄想を具現化する。桂木千鍵と日々のひびきが破壊を試みて大爆発を起こし、効果は消えたものの完全に破壊されたのかは不明。


藤村大河(人名)
 イリヤスフィール・フォン・アインツベルンにおごってもらうべくアーネンエルベに入店し散々飲食する。しかしイリヤスフィールが財布を忘れてきていたために日比乃ひびきを人質に取るなど騒動を起こす。


ホーリーグローリーパケシソード(用語)
 ケータイさんが変形したカレイドグリーンとカレイドオレンジの武器。ビームサーベルのようなもの。初登場時は暗黒剣エビルパケシソードだったが、すぐにジャスティスパケシソードに、次いでホーリーグローリーパケシソードに改名された。
 エネルギー源は二人の人間の心の絆。


埋葬機関(組織)
 教会の切り札といえる吸血鬼専門の異端審問機関。信仰は二の次で、ただ異端を抹殺する力さえあればよいという部署。
 メンバーは形式だけでもアデプトで扱いは司祭級、さらに特別権限を持つ異端審問員。ただし彼らが異端審問をすることなどないので、単に代行者、または殺し屋とも呼ばれる。メンバーの証として普段は見えない羽の生えた十字架(剣)の刺青を施す。そこに刻まれている数字が機関でのナンバー。
 完全な実力主義制で、能力があり教会にとって都合の悪いモノを始末するのなら誰でも一員になれる。ただしメンバーとしては年功序列が根強い。メンバーは揃って味覚がおかしい。
 1位から7位の構成員と1名の補欠で構成される。1位は代々ナルバレックで5位がメレム・ソロモン、6位がミスター・ダウンとその相棒(ミスター・ダウン単独では暫定6位)、7位がシエル。補欠は教会から優れた者をスカウトするが、審問のたびに死亡する為にめまぐるしく交代する。メンバーには表立っては禁忌とされる魔術を好む者、捕らえてきた異端者を奴隷として扱う者、近代兵器マニアや殺人快楽性となかなか飽きさせない人材が集まっている。埋葬機関のメンバーはサーヴァントと渡り合うことができる(シエルは防戦レベル)。埋葬機関の1位と2位が胃界教典を持って動くと、事実上最強とされる。
 騎士団でも手に負えない場合に出動し、彼らの行いが事後承諾でないときなどない。時には教会の意向に逆らっても異端を排除する。たとえ大司教でも悪魔憑き、異端ならば処刑する権限と実力を持っているために、教会でも厄介者扱いされている。この機関こそ教会における異端と囁かれるのも当然だろう。
 全吸血鬼の排除と因となる二十七祖の封印を目的とするが、もとは聖遺物の収集をしていた。
 他国の退魔組織と協力することは絶対になく、常に単体で行動する。アルクェイド・ブリュンスタッドは教会側の要請を受けて時折教会と手を組んで死徒を滅ぼしたが、それを埋葬機関は快く思っていないらしく、リスト外であるアルクェイドを隙あらば封印しようと企んでいるらしい。
 また二十七祖であるメレム・ソロモン、エル・ナハトの両名が埋葬機関に協力しており、ともに無理強いされているように見えるがその真意は定かではない。
 現在、とある代行者見習が『どこぞの魔術師がこさえた』という噂の、実在するかしないかさえ不明な『教会に都合が悪い物』を始末してくるよう命を受けて途方に暮れているとか。


マジカル共同作業ケーキ入刀スラッシュ(用語:狙われたアーネンエルベ)
 カレイドオレンジとカレイドグリーンの合体技。暗黒剣エビルパケシソード(またはジャスティスパケシソード、ホーリーグローリーパケシソード)による一撃。ジャイアントアンリとそれを駆るカレン・オルテンシアを撃破した。


マジカルサファイア(用語/武装)
 青を基調としたカレイドステッキ。またそれに宿る人工天然精霊。ステッキのデザインは杖の先に六芒星と円、リボンのような装飾を組み合わせたもので、柄頭には房がついている。携帯モードでは上端部分のみの形状になる。性格は冷静だが、言葉が的確すぎて棘がある感じ。マジカルルビーの妹。
 クラスカードの回収任務のためキシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグからルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトに貸与されたが、ルヴィアがいきなり遠坂凛と仲間割れをしたため愛想をつかして逃亡し、独自に新たなマスターとして美遊・エーデルフェルトを獲得した。
 『沈黙のルビー アルマゲインパクト』の前日、次元の狭間に飲み込まれた。こういうことはカレイドステッキとしては割とよくあることらしい。異次元に遷移したマジカルルビーと再会したのだが、珍しい紅茶を買ってくるとかで帰還はもう少し先になるとのこと。


マジカルルビー(用語/武装)
 赤を基調としたカレイドステッキ。またそれに宿る人工天然精霊。ステッキのデザインは杖の先に五芒星と円、翼の装飾を組み合わせたもので、柄頭には小さな十字架がついている。携帯モードでは上端部分のみの形状になる。通常形態の頂部からハリセンを生やしたハリセンモードがある。ゼルレッチによる仕様として、展開軸の原点はマジカルルビー本体に固定されている。
 性格は陽気で自分勝手、傍若無人。マジカルサファイアの姉。マジカルサファイアをいじめるものは許さない。ホレ薬や思っていることを何でもぺらぺら話してしまう自白剤的なものの調合が出来る。
 マジカルルビーを振るうのに必要なものは愛。それも家族愛などではなく、恋愛の愛。そしてマジカルルビーがこの世でもっとも忌み嫌うものは純粋な愛(LIKE)で、この力はマジカルルビーにとって毒となる。
 クラスカードの回収任務のためキシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグから遠坂凛に貸与されたが、凛がいきなりルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトと仲間割れをしたため愛想をつかして逃亡。入浴中のイリヤスフィール・フォン・アインツベルンを襲撃し、強引に新たなマスターとした。
 マジカルルビーとしては戦闘は割とどうでもよく、もっと魔法少女的に正義を語りながら愛を振りまいたり恋に魔法に大忙し!みたいな感じがお好みらしい。好みの戦闘スタイルはハデでキラキラしたもので、泥臭い肉弾戦は好きではない。
 『沈黙のルビー アルマゲインパクト』では、平然と日比乃ひびきや桂木千鍵の前に姿を現し、あまつさえ喋ったり飛んだりもしたが、イリヤスフィールが携帯電話だと言って誤魔化した。読唇術と声真似で衛宮士郎の言葉をイリヤスフィールらに伝えた。ただし途中からキャラ崩壊した。
 マジカルルビーによるキャラ崩壊のせいで士郎が凛をアダルティに口説いていると信じ込んだイリヤスフィールが望んだ世界の滅びが隕石の落下として成就しそうになった際は、次元の狭間に飲み込まれたマジカルサファイアの分もカバーするため仮契約の並列処理によってイリヤスフィール、美遊・エーデルフェルト、日比乃ひびき、桂木千鍵の四人を同時に魔法少女にした。ただしその際のコスチュームは一人分を四人で分け合ったものであるため、非常に布地面積が小さなものとなった。
 隕石の軌道修正のため、イリヤスフィールへの魔力供給を行う際にはマジカルルビーの性質から愛する人のことを想う必要があったのだが、ひびきだけは恋愛の愛ではなく、隣人愛的な愛しか考えられず、そのせいで軌道修正は失敗した。
 そのため、イリヤスフィールらを地上に降下させるだけの魔力を残して四人から離脱し、危機的状況によるリミッター解除を行って自分ごと隕石を異次元に遷移させた。その後は運がよければ10年後20年後にまた会えるかもしれないと言い残したのだが、この時間はマジカルルビーの主観時間であり、イリヤスフィールらの主観時間ではその後すぐに戻ってきた。ちなみにマジカルルビーの主観時間では12年が経過している。


マスター(俗称)
 →ジョージ


間桐慎二(人名)
 身長167p。体重57s。
 弓道部副主将。間桐鶴野の息子で間桐桜の義兄。穂群原学園2年C組。第五次聖杯戦争後は無事進級して3年C組。弓道部副主将。ナルシストで天才肌。極めて自己中心的で自意識過剰な性格で他人を見下す。弓の腕前はなかなか上手なのだが、本人は暇つぶしと言ってはばからない。第四次聖杯戦争中は遊学の名目で国外に出されていた。
 第五次聖杯戦争における、偽臣の書によるライダーの偽りのマスター。そのために自力での魔力の補給はできず、本当のマスターである桜からの魔力供給に依存している。ライダーには彼女を従える理由は自らの身を守るためと言っていた。
 魔術師の家系に生まれたことで自分は選ばれた人間だと思い、かつ魔術回路がないために生まれつき劣っていると思っている。そのため聖杯の力で魔術師になろうと思い聖杯戦争に参加した。また理想と現実のギャップで性格が歪んでいる。そのため、桜によく八つ当たりで暴力を振るい、犯す。普段から桜に暴行を働いているため、女性に対して暴力を振るうことに抵抗がない。
 桜が養子に来たときは多少は苛めながらもかわいがっていた。しかし間桐の後継者が自分ではなく桜だと知った時、『生まれを憐れんでいたのは自分ではなく桜の方だった』と思い手酷い暴行を働くようになった。これは『こいつを抑えておかないとどこの誰とも知れないやつに自分の居場所を奪われ間桐家を乗っ取られる』という危機感があったためでもある。
 魔術師としての才能はないが、一般の人間としての才能は多分にある。それだけに魔術師としての才能がないことを気に病み、鬱屈していき、周囲の人間を見下すようになった。
 桜がライダーを召還したときは落ち込んでいたが、桜が聖杯戦争に参加することを嫌がっているのを見て臓硯に『やる気のない桜ではなく自分にやらせてほしい』とだめもとで頼み、それを許される。しかし魔術師でもない慎二にライダーが従うわけがないので桜に偽臣の書を作らせ、晴れてライダーの仮マスターとなった。これによって気が大きくなり、第五次聖杯戦争のときは普段より二割増で横柄になっている。なお士郎とは割りと本気で共闘してもいいと考えていた。慎二の「おまえを利用してやる」というのはつまり相手を認めているということだからである。
 規律を重んじ(自分はあまり守らない)、不公平を嫌い(自分は度外視)、女の子には優しい(落とした女の子は例外)という校内で1,2を争ういい男。任された事はどんなカタチであろうとこなし、一応の筋は通す。成績は常に上から五位に入っており、金回りもいいので取り巻きの女子が多い。そのルックスから女子にはもてるが大半の男子からは嫌われている。
 名推理と捜し物が得意で子犬と特権が好き。無条件で幸せな空気が苦手で遠坂凛と美綴綾子が天敵。遠坂凛に片思いをしているが、凛が気付かないのでいちいちちょっかいを出す。ちなみに子犬が好きな理由はしつけなくても尻尾を振ってすり寄ってくる哀れさがたまらないかららしい。だが世話をするのは嫌。最近のマイブームはわんわん王国で犬と戯れること。彼にとって円周率とは『およそ3』。
 味にうるさい。飲み物はコーヒー派で、ミルクも砂糖も入れる。ケチャップはデルモンテに決めており、桜が買ってきた生協のケチャップの味を見直したが認めようとしない。
 第五回聖杯戦争の後は美綴綾子と同じ病院に入院していた。その後は怒って間桐桜に手を上げることがなくなり、かなりまともになった。嫌われ役である事は変わりないが、本来はツンデレ系の困ったちゃん。
 卒業後に間桐の家と縁を切って上京する予定があり、新都の喜多邑茶家でアルバイトをしている。喜多邑茶家の噂にある愛想のない新人とはおそらく慎二のことだろう。
 衛宮士郎と出会ったのは中学二年生(と明確に定義していいのか)の十月ごろで、士郎が文化祭の看板を三年生の設計通りに一晩で作り直す羽目になったとき。それを一晩中眺めていた慎二が「ふーん。おまえ馬鹿だけど、いい仕事するじゃん」と笑ったのが始まり。士郎が弓道を始めた頃から疎遠になっていたが、穂群原の三年生になった頃からはまた元の鞘に納まりつつある。
 二年生のときの球技大会では柳洞一成、衛宮士郎と組んでセパタクローに参加した。決勝に進出したが、氷室鐘、沙条綾香、美綴綾子の2年A組チームと対戦した際に一成が嫌がらせじみた集中攻撃を受けたことで乱闘を起こし、A組チームとともに失格になった。
 修学旅行で訪れた科学未来館ではBMIマシンを体験し、伝達率100%をマークしたが、『ワカメ頭』『ミネラル』『海草』『(擬似BMIマシンが)磯くさくなって台なし』などと散々に中傷されている。
 GAME CLUB SAGEで連コインをしたり、カードショップで買い漁った英雄史大戦のカードを使って小学生を相手にプレイするなど、実に大人気ない。
 2年生のときの体育祭では騎馬戦と100メートル走に出場するが、ともにその競技直前に蒔寺楓が暴走させた大玉と蒔寺が暴投したマグロが当たった。
 港の埠頭の一番端っこが彼の定位置。カレン・オルテンシアと戦った場合、心身ともにズタボロにされる。
 『恐怖・人類未踏の〜』では、桜に「お前、最近丸くなった?見た目的な意味で」と言って激怒されて山に逃げ込み、穴に落ちて洞窟を彷徨うことになる。灯りにしていた百円ライターも消え、大いに取り乱していたところアーネンエルベの地下から洞窟に入ってきたセイバーに出遭って助かったと喜ぶが、セイバーが奥に向かおうとしたことで再び取り乱してセイバーのアホ毛を掴んでしまい、黒化させる。
 その後セイバーの『約束された勝利の剣』によって引き起こされた崩落とともに最深部まで転落し、シエルが投げ捨てた妄想具現化装置ファーブル・マンタズムによって『自分が主人公で大活躍する超絶かっこいいスピンオフ』という妄想が具現化され、キラキラした王子様のようなキモイ姿になる。そしてその力を使って慎二の慎二による慎二のためのハーレム『神聖モテモテ慎二王国』を建設しようとする。ただしシエルはカレー臭がしそう、セイバーはゴロゴロしてるだけという理由でハーレムから除外し、桂木千鍵と日比乃ひびきに狙いを定めて言い寄る。そして怒り狂った第七聖典装備のシエルとセイバーに戦いを挑まれるが、互角以上の戦いを繰り広げており、実際にそのときの戦力はサーヴァントに匹敵するか上回るものになっていた。しかしファーブル・マンタズムの効果が切れたことで戦況は一転、第七聖典と『約束された勝利の剣』によってぶっ飛ばされた。その後は再び地底を彷徨い、ネコアルクがたくさんいる毒々しい世界(グレートキャッツビレッジか)に辿り着く。


魔法使いの匣(用語)
 キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグが世界のどこかに建てさせたという特異点を備えた建築物の俗称。三箇所あるといわれる。聖堂教会でも噂程度で、存在自体が推測の域を出ない。地下に行くほど巨大で高度な術式が敷かれており、この場所を通過する事で色々と面倒な工程を省略できるとは本人の弁。ただしその代わりに周辺の次元が滅茶苦茶になって余計な面倒事が頻発しているとか。
 カレン・オルテンシアはアーネンエルベがその一つと考えており、聖堂教会にも内密にルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトを唆して乗っ取りを企んだ。


美遊・エーデルフェルト(人名)
 みゆ えーでるふぇると。
 穂群原学園小等部5年1組。
 身長134cm。7月20日生まれ。
 ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトに代わるマジカルサファイアのマスター。ライダーのクラスカードを回収した翌日に私立穂群原学園小等部のイリヤスフィール・フォン・アインツベルンのクラスに転校する。席はイリヤの後ろ。
 戸籍や身分はルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトの命を受けてオーギュストが偽造したもの。行き場のなかった美遊をルヴィアゼリッタが拾い、レディースメイド扱いでルヴィアゼリッタの身の回りの世話をしたりクラスカード回収を手伝ったりする代わりに生活の保護を受けている。なおメイド服はルヴィアゼリッタの趣味で、オーソドックスなブリティッシュメイドにガーターベルトで吊った白タイツ。小遣いとメイドとしての給料により、小学生でありながら預金額は300万円を超えているらしい。
 イリヤスフィールと同様カレイドステッキに巻き込まれてクラスカード回収をしているが、遊び半分でカード回収をしているイリヤスフィールに怒りをあらわにする。しかし後に和解し、イリヤスフィールはこの世界でただ一人の大切な友達という認識に至る。対して桂美々については同じクラスでしょっちゅう顔を合わせているにもかかわらずそもそも記憶にない。
 算数では小学校の授業なのに三角関数などを用い、図工ではキュビズムの肖像画を描き、家庭科ではフライパン一つで豪華な料理をたくさん作り、体育では50m走を6秒9で走るなど、まさに文武両道。性格はとてもクール。
 だが知能が高い分頭が固く、イリヤが簡単にやってみせた飛行を理詰めで考えて『人は飛べない』と結論付けてしまったため、飛ぶことができない。ルヴィアにヘリコプターから蹴り落とされても飛べなかった。
 訓練をしても飛行できなかったため、魔力を空中に固定して足場を作り、それを足場にして跳ぶことで空中機動を可能とした。これは魔力の総合運用で考えればとても効率的。これを利用し、キャスター戦ではプリズマイリヤの魔力砲を足場にして跳躍するという離れ業をやってのけた。
 イリヤスフィールに比べ機動力に劣るが突破力で勝る。
 非常に真面目で、そのためクラスカード収集やバーサーカーとの戦いでさえ一人で背負い込もうとする。が、バーサーカー戦の後はイリヤスフィールにべったりになる。しかしその『友達』の定義はいささかおかしく、『わたしの友達は生涯イリヤだけ。他の人なんてどうでもいいでしょ?』というものだった。
 クロエ・フォン・アインツベルンとの遭遇戦で唇を奪われた。その後のクロエ捕獲作戦では煙幕に紛れて破戒すべき全ての符を使おうとするもクロエにあっさりと見破られ、さらにカレイドサファイアを取り上げられて多元転身を解除され、戦線を離脱した。
 クロエ捕獲後、エーデルフェルト邸地下倉庫を脱走したクロエを連れ戻しにアインツベルン邸に訪れた際、衛宮士郎と初めて顔を合わせる。その時に士郎の事を知っているような素振りを見せ、「お兄ちゃん」と呼んだが、士郎には何のことだか分からなかったため沈んだ表情で『クラスメイトの美遊です』と名乗った。その直後、突然士郎の胸に飛び込んでしばらく胸に顔をうずめていた。
 クロエからの呼び出しに応じて崖の上の森に赴き話し合いをするが、『元の生活に戻りたい』というイリヤスフィールの願いを『つまりは自分たちとの出会いをなかったことにしたいということだ』と拡大解釈するクロエに対し『自分を友達と呼んでくれたイリヤスフィールのために戦う』と言い、あくまでイリヤスフィールを殺そうとするクロエを阻止するため戦闘に入る。セイバーのクラスカードを夢幻召喚して戦うが、黒化英霊とは違い戦術を考えるクロエに対して苦戦を強いられる。戦いを制止するために現れたイリヤスフィールにも止められずに戦闘を続行するが、乱入したアイリスフィール・フォン・アインツベルンによりクロエとイリヤスフィールが殴り倒されたことで矛を収める。
 その後、エーデルフェルト邸大浴場でイリヤスフィールが聖杯の器として生み出されたことを聞かされた。
 体育の水泳の授業中にイリヤスフィールとともに複数の次元が融合した空間に取り込まれ、高町なのは、フェイト・テスタロッサと出会う。そこで四人が力をあわせて原因となった時計塔を破壊し、元の世界に戻った。
 パウンドケーキを作る調理実習ではクロエと桂美々とグループを組むが、パウンドケーキ自体は美々が作った。美遊は勝手に他の人の予備の材料を使ってウエディングケーキを作り上げた。
 エーデルフェルト邸がバゼット・フラガ・マクレミッツに襲撃された際にはルヴィアゼリッタのお使いで水羊羹を買いに行っていて不在だったが、イリヤスフィールの窮地に駆けつけて死守されたライダーのクラスカードを夢幻召喚する。ルヴィアゼリッタらを撃破した、というバゼットの言葉に激昂して『騎英の手綱』を発動するが、『斬り抉る戦神の剣』により撃破される。なおこの際にはあくまで天馬が攻撃の主体であったため、心臓を貫かれたのは美遊ではなく天馬であり、美遊はカードを奪われて殴り飛ばされただけだった。
 エーデルフェルト邸の崩壊後はルヴィアゼリッタと一緒に新都のホテルに泊まるはずだったが、一日だけアインツベルン邸に泊まる事になった。
 『沈黙のルビー アルマゲインパクト』では、街で偶然見つけた衛宮士郎と遠坂凛らを追ってイリヤスフィールとともにアーネンエルベに来店し、隅っこの席に陣取る。読唇術と声真似で凛の言葉をイリヤスフィールらに伝えた。その後、落下してくる隕石の軌道修正のため、次元の狭間に飲み込まれたマジカルサファイアに代わりマジカルルビーとの仮契約による並列処理で多元転身する。


ランサー(人名/サーヴァント)
 身長185p。体重70s。
 第五次聖杯戦争のおり、バゼット・フラガ・マクレミッツにより1月23日にクー・フーリンが記したオリジナル・ルーンを刻んだ宝石(ピアスまたはイヤリングに加工されていた)を触媒に召還された。しかし言峰綺礼に襲撃され、バゼットから剥奪された令呪によって主換えさせられる。勝つことではなく『生き残ること』に特化したサーヴァント。バーサーカーの条件も備えている。
 真名はアイルランドの英雄クー・フーリンで、聖杯ではなく、生前にできなかった死力を尽くした戦いを求めてサーヴァントになった。聖杯戦争の舞台が日本ではなければ、アーサー王やヘラクレスに並ぶ光り輝く存在になっていただろう。
 かつてエリン(ゲール語で緑の意)と呼ばれていたアイルランドで太陽神ルーとコノア王の妹デビテラの間に生まれた。幼名をセタンタという。ある時鍛冶の名匠クランの家を守る十人力の番犬を誤って一人で縊り殺してしまい、その償いとして暫くの間自分が番犬の役を果たすと誓った。このことからクランの猛犬を意味するクー・フーリンと呼ばれるようになる。
 長じてさらに力を増した彼は赤枝騎士団の一員に迎えられる。恋の成就のため影の国に赴き、そこでスカサハに付いて十八の原初のルーンと魔術、魔槍術ゲイ・ボルクを修得した。しかし若き日に親しいドルイドが教えた『輝かしい武勲と引き換えの短命』という予言の通り、最後の戦いで獅子奮迅の活躍を見せるが己の槍に貫かれて絶命する。
 本人が白兵戦を好むためにあまり使われないが、影の国において十八の原初のルーンを修得したためキャスターのクラスにも該当しうる魔術の知識と腕前を持っており、ライダーの他者封印・鮮血神殿が仕掛けられていることを一目で見抜いた。さらに十八の原初のルーンのすべてを使った結界は上級宝具の一撃をも防ぐ。またルーンの加護(コンプティークの質問コーナーによればそれに加えて宝具の組み合わせ)により一時的にパラメーターをBからAに上昇させることができ、そのためバーサーカーと戦った場合でもかなり不利にしろ僅かながら勝算がある。
 主換えの際に『主換えに賛同しろ』と『諜報活動に徹しろ』の二つの令呪をかけられている。そのために全てのサーヴァントと戦い、かつ引き分けることになった。
 粗暴で暴力的な性格だが、根は正義の人で人懐こい好青年。魚釣り、素潜り、山登りが得意。気の強い女と無茶な約束が好きで、回りくどい方針と裏切りが嫌い。好き嫌いと敵味方はまったく別物と考えている。ギルガメッシュとアーチャーが天敵。寒さには強い。ゲームに関してはレバーやパッドを持つこと自体にいらいらする。Fateの登場人物のなかではセイバー、バーサーカーに次ぐ大食い。
 東に戦いがあると知れば戦車で乗り込み、西で祭りがあると聞けばエールをタルごと抱えて乗り込んでいく。せっかくの催しもの、一緒になって盛り上がれないようじゃあ男がすたる。そんな兄貴属性のランサーにとって、文化の違いなど些細なコト。ともすれば藤村組にまじって屋台を開いてもおかしくはない。しかしどんなに稼いでも、結局はどこぞの陰険シスターに巻き上げられるオチなのだが。
 第三次聖杯戦争の再現たる四日間ではカレン・オルテンシアと契約している。マウント深山商店街の魚屋で働いていたおりに間桐桜をナンパしようとしたところ、通りがかったキャスターに黒コゲにされた。なおよくクビになるようだ。その後はマウント深山商店街の花屋でも働いており、なかなか花束作りのセンスがいい。花屋をクビになってからは新都の紅茶専門の喫茶店で働いている。
 ナンパが大好きだがほとんど成功しない。どのサーヴァントよりも現代になじんでいる。根っからのバトラー(執事)であるアーチャーに対し、ランサーは名ウェイター。
 同居人を養うため、アーネンエルベでウェイターのアルバイトをしている。勤務時間は開店から昼過ぎと週末。ランチタイムにはランサー目当てに来店するご婦人も多いとか。その後は学校帰りのひびきと千鍵と交代して、次のアルバイトに向かったり釣りに行ったりしている。
 『狙われたアーネンエルベ』では用事で出かけたジョージ店長に店を任されており、出勤途中に拾ったチラシで突然店の向かいにできたメイド喫茶アーネンエノレべの存在を知る。それに驚愕し、その日はアルバイトの予定が入っていなかった日比乃ひびきと桂木千鍵を呼び出す。
 ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトからアーネンエルベの買収を持ちかけられるが、きっぱりと断った。
 ケータイさんが『ひびきと千鍵はコスプレが大好きだから』とどこからか持ってきたミニスカメイド服を二人の制服とすり替えておいた。もっとも本気で着てくるとは思っておらず、実際に着てきても感想は『ああ、似合ってる似合ってる、可愛い』というお座なりなものだった。なぜケータイさんの言に乗ったかというと、メイド喫茶アーネンエノレベに対抗して二人にメイド服で客寄せをさせるため。
 人手が足りなくなったら客として来ている須方スナオを使えと言って店を出てアーネンエノレベに潜入するが、ギルガメッシュのエルキドゥで捕縛され、ルヴィアゼリッタのバックドロップで気絶させられた。後にアーネンエルベ側に付くことに決めたギルガメッシュに解放され、アーネンエルベを廃墟にしようとしていたルヴィアゼリッタを無力化した。カレンがジャイアントアンリでアーネンエルベを破壊しようとしたときはギルガメッシュとともに戦いを挑むがあっさり捕縛されるも、カレイドオレンジに救出されて戦列に復帰。
 カレイドグリーンとカレイドオレンジによって撃破されたカレンの許に須方スナオが代行者として現れ、アーネンエルベから手を引けばよし、そうでなければ本部に引き渡して処分を待つと交渉を持ちかけ、シスター・カレンはこの騒動で殉教したことにするのが一番手っ取り早いと脅迫した際には隠れてカレンを守っていた。ただしスナオが本気でカレンを殺害する気がないこともまた見抜いていた。
 それからスナオとともにアーネンエルベの後始末を引き受け、ひびきと千鍵をデートに送り出した。
 対魔力はCランクであり、大魔術や儀礼呪法は防げないのだが、俊敏がAランクである彼と相対して大掛かりな魔術を行ったり、仮に実行できたとしても命中させることも困難であるため、このランクで必要にして充分と言える。
 飛び道具への耐性があり、風切り音と敵の殺気で軌道を読む。ルーンの加護により魔眼の対策はできている。一対一の白兵戦では屈指のねばり強さを誇り、『生き残る』ことこそが戦いの絶対条件なら、彼に並ぶのはバーサーカーくらい。ランサーの戦闘続行スキルは往生際の悪さを表す。
 ライダーと戦った場合には、ルーン魔術による加護で万全の魔眼対策をしているうえ怪物退治はお手の物であるため、魔物としての属性を持つライダーに対して有利に戦いを進められる。
 第四次聖杯戦争のランサーであるディルムッド・オディナと戦った場合には、ディルムッドの方がマスターからのバックアップ(魔力提供量)が優れているため単純な火力勝負ならばディルムッドが勝つ。日本では両者ともに地形効果はないが、舞台がアイルランドならばクー・フーリンが勝つ。
 セイバールートでは冬木教会で半日もの間ギルガメッシュを足止めした挙句敗死した。
 宝具はゲイ・ボルクのみだが、対人宝具の『刺し穿つ死棘の槍(ゲイ・ボルク)』と、その本来の使い方である対軍宝具の『突き穿つ死翔の槍(ゲイ・ボルク)』がある。
 ちなみに同じく敏捷Aのライダーには平均的な速度では劣るが瞬間的な速度では勝る。
 unlimited codesでは本編と同様にバゼットから言峰に主替えを余儀なくされる。だがキャスターを打倒した際にそのマスターである葛木総一郎の命を助ける代わりに破戒すべき全ての符によって言峰との契約を破棄し、マスター不在のまま聖杯戦争を戦い抜いた。それはバゼットが信じて召喚した英霊の最強を証明するためであり、バゼットの敵である言峰を殺すためであった。

 クラス別能力は以下のとおり。
 対魔力:C…第二節以下の詠唱による魔術を無効化する。大魔術、儀礼呪法などは防げない。
 保有スキルは以下のとおり。
 戦闘続行:A…瀕死の傷でも戦闘を可能とし、決定的な致命傷を受けない限り生き延びる。
 仕切り直し:C…戦闘から離脱する能力。また、不利になった戦闘を戦闘開始ターンに戻す。
 ルーン:B
 矢除けの加護:B…飛び道具に対する防御。狙撃手を視界に納めているかぎりどのような投擲武装だろうと肉眼で捉えて対処できる。ただし超遠距離からの直接攻撃、広範囲の全体攻撃は該当しない。
 神性:B


ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルト(人名/魔術師)
 Luviagelita Edelfelt。
 リングの狩猟犬、淑女のフォークリフト。魔道の名門エーデルフェルト家のご令嬢。一族の誇りと謳われる若当主。時計塔の今期主席候補の一人。彼女の前に遠坂凛が現れるまでは優雅な物腰、気品溢れる言葉遣い、白鳥の如き美貌と非の打ち所のない人物だった。もちろんそれは猫かぶりで、負けず嫌いで潔癖症。オレンジまじりの金髪がコンプレックス。
 フィンランド人の(間違った)嗜みとしてガンド撃ちも達人レベル。体術ではイングランドの捕縛術ランカシャースタイルを使う。というかプロレスをたしなんでいる。戦闘スタイル、精神性、考え方のどれをとっても立派なプロレス馬鹿。投げ技を主体とし、どれほど攻撃を受けようとも正面から掴みに行く。
 服装は青で統一している。そのドレスは袖がアタッチメントでノースリーブに早変わりするというもので、理由はケンカのたびにいちいち破っていたら仕立て代がもったいないから。つまりよく破いていた。
 第三次聖杯戦争が原因で遠坂家を嫌い、日本の土は踏まないと決めており、日本人は神秘を学ぶには足りない劣等人種と蔑んでいる。嫌いなものは日本人、好きなことは日本人いじめ。
 金持ちであるが、無駄な出費は許せない守銭奴でもある。だが貴族が貴族である為に散布するのは有意義な事としている。庶民には冷たくあたるお貴族だが、庶民あっての自分たちだと理解しているので彼らのことを強く愛している。
 将来の伴侶は上流階級の宿命として貴い血を引く殿方と、と受け入れているが、本当は素朴で飾らない男性が好き。
 似たもの同士の遠坂凛とはライバル関係で、顔を合わせるたびに衝突の度合いは激しくなっていった。一年後には魔術協会の鉱石学科で『トオサカとエーデルフェルトがかちあう授業には出席するな』という暗黙の了解ができたほど。
 十数年間かぶってきた化けの皮を剥がされて不機嫌ではあるが、凛との日々は充実している。
 一目見ただけでイリヤスフィール・フォン・アインツベルンをホムンクルスで看破するなど、魔術師としての実力は本物。でありながら馬鹿っぽいので、イリヤスフィールは彼女と遠坂凛を血のつながっていない姉妹ではないかと評した。
 200X年8月8日に魔術協会のノーリッジ学生寮の最上階の二十八部屋をすべて使用したいと申し出たが、遠坂凛が入寮を申し込んだことでできなくなった。その直後に遠坂凛が持っていたロードからの推薦文を破り捨てて大喧嘩に発展し、受付が崩壊。二人とも入寮どころか立ち入り禁止になった。
 で、寄宿舎は狭いとの理由で洋館を買い取って住んでいる。
 ゼルレッチの宝箱の中から藤村組に電話をかけたときにつながった三年後の並行世界では、もとの時間の一年後に決死の思いで書き綴った会心の作を遠坂凛に預け、遠坂凛に悪意はなかったのだが、ロンドン塔から飛び降りた挙句に七月のメアリというあだ名をつけられた。そのときに衛宮士郎と知り合った(知り合う?)ようだ。士郎を呼ぶときは『シェロ』と呼ぶ。
 unlimited codesではマスターでもないのに第五次聖杯戦争に乱入し、バーサーカーを投げ、彼女の目的は聖杯ではなく、遠坂より優れた戦績を残して遠坂凛を直接倒すことで遠坂に遅れを取った先代党首の雪辱を果たすことだった。
 『狙われたアーネンエルベ』では、アーネンエルベの向かいに一晩のうちにメイド喫茶アーネンエノレベを建て、のみならずランサーにアーネンエルベの買収を持ちかけた。
 サイドビジネスとして始めようとしたホテルの建設は予定地の地盤沈下によって計画段階で頓挫、キャビアの先物取引には失敗、遠坂凛に因縁を吹っかけられたことで魔術協会から小言を言われ、お気に入りのコーヒーカップは割れ、トーストがバターを塗った面を下に落ちるといったことを呪いの兆候と考えていた。それで悩んでいる時にカレン・オルテンシアにキシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグが作った『あらゆる呪いを解く魔術礼装』の存在を教えられ、その獲得に動く。
 アーネンエルベの向かいにアーネンエノレベを作り、客を奪うことでアーネンエルベを乗っ取ろうと計画する。アーネンエノレベに潜入しギルガメッシュに捕縛されたランサーに、出会い頭にいきなりバックドロップを見舞って気絶させた。しかし店をほっぽっていたため客が悉くアーネンエルベに流れてしまったため、自分も客としてアーネンエルベに入って『あらゆる呪いを解く魔術礼装』を探す。そこでひびきから礼装の所在を聞き出すためメニューに駄目出しをしまくることで精神的優位に立とうとするが、注文したカフェラテとブルーベリーのパイの美味しさに感動してしまいその作戦を放棄。アーネンエルベを廃墟に変えてから礼装を探そうとするが、そこにケータイさんが自ら現れたこととランサーによって無力化されたため、その計画は実行されなかった。
 それからしばらくは気絶していたが、騒動の後で呪いはそもそも存在しなかったと悟り、日本を離れロンドンに戻る。その時にひびきと千鍵に自分に仕えたくなったらロンドンに来るよう言い残した。


例の所(用語)
 とある電話会社。おそらくやわらか銀行。犬派なのでネコアルクの就職先としては相応しくないとして却下された。