アーチャー(人名/サーヴァント)
 真名は英雄王ギルガメッシュ。
 偽りの聖杯戦争において宝物殿の鍵を触媒にスノーフィールド北部の洞窟で召還されたが、召還者がティーネ・チェルクに殺されたため彼女と契約する。
 やはり聖杯に興味は無いが、本物であれば自分の宝物を奪おうとする不埒者を罰し、贋物であれば偽りの聖杯戦争を執り行った者ごと誅するとして参加を決める。ただし、やはり乗り気ではなく、児戯ならば戯れ程度に相手をするのがいいと若返りの秘薬を飲もうとする。だがまさに飲まんとしたときにエンキドゥが召還されたことを知り、本気で参加することを決意した。
 召還されたのは5番目。


アーチャーの召還者(人名/魔術師)
 詳細不明。
 偽りの聖杯戦争におけるアーチャーのマスター。令呪は右手に現れた。
 それなりに名の知れた魔術師の家系の当主だが、彼の家系の力が緩やかに衰えていくことにプレッシャーを感じていた。理論も知性も技術も持ち合わせていたが、魔術回路だけが不足しているという状態であった。そのため、自分の位を上げるために偽りの聖杯戦争に出場することを決意する。
 彼よりもさらに魔術回路が少なくなってしまった息子は偽りの聖杯戦争に出る前に殺害し、それを止める妻もまた殺害した。
 彼の家系に力があった頃、先人が探し出し本物であると証明した『鍵』、つまり黄金郷の宝物殿の鍵を触媒にしてスノーフィールド北部の渓谷にある洞窟でギルガメッシュを召還した。しかしその直後にティーネ・チェルクによって令呪を奪われ、殺された。


アサシン(人名/サーヴァント)
 ジェスター(ジュスター)・カルトゥーレが召還したサーヴァント。ハサン・サッバーハではなく、名前すら与えられなかった狂信者。召還場所はスノーフィールド東部の湖沼地帯にある屋敷の地下。ハサン・サッバーハではないため、髑髏の面をつけていない。
 『百の貌のハサン』と同じ時代に生きた女で、生前はアサシン教団の中でも飛びぬけた狂信者だった。ハサン・サッバーハの名を目指して凄惨な修練を行い、それまでに存在した18人の『山の主』の奇跡、つまりすべての『ザバーニーヤ』を再現してみせた。だが教団の者たちは『過去の長たちの模写に過ぎない』として彼女にハサン・サッバーハの名を与えることはなかった。実際にはその理由のほかに、一つを修得するのに一生を費やすとされる奇跡を数年ですべて修得したという彼女の才能に恐れを抱いたからというのもある。
 彼女には途方もない努力の才能はあったが、新たなる業を作り出す創意工夫の才能はなかった。
 サーヴァントとして召還されたが、イスラムの神は杯など持たないとしてジェスターとその弟子たちを殺害(ただしジェスターは死徒であるため死ななかったが)。以後は異端の魔術師を排除し、かつての長たちをも惑わした『聖杯戦争』そのものを打ち壊すべく行動する。
 自分に攻撃してこない異教徒には改宗を促すだけで、市民を虐殺することはない。


偽りの聖杯戦争(用語)
 第五次聖杯戦争のあと、およそ10年後に勃発する。
 サーヴァントの召還については本来の聖杯戦争よりもかなり曖昧なものとなっており、儀式や呪文が必要ないばかりか、夢の中での召還や、合成獣が瀕死に陥った際の叫びでも召還ができる。
 『組織』が冬木市の第三次聖杯戦争をコピーしたものだが、元のシステムを完全にコピーすることができなかった。そのため、セイバーのクラスが欠落している、サーヴァントの召還方法があいまいになっている、アサシンがハサン・サッバーハではないなど粗が目立つ。
 令呪のデザインは閉じた鎖を思わせるもので、プレイヤー以外はみな右手に現れている。
 これが勃発する兆候を掴んだ魔術協会は秘密裏に調査するためにランガルとファルデウスを派遣した。


A氏(人名)
 詳細不明。
 偽りの聖杯戦争に欠落したセイバーのクラスを補完するための存在。魔術師ではない。両手と両肩、背中に合計5つの令呪を宿している。ランサーが召還された半日後にスノーフィールドを訪れた。
 男かも知れないし女かも知れない。年齢は20代半ば。かつて冬木市に住んでいたことがあり、何かから逃げてアメリカに来た。エレベーターがある建物に入ることができず、時折血塗れの女の子の幻影を見る。この制約は行動次第で克服できる。
 特定のサーヴァントは持たない。しかしペルセウス、イアソン、スカサハ、ヒュドラなど数十もの英霊から任意の五騎を選んでそれぞれ30分ずつ召還することができる。これは一度に一騎というわけではなく、同時に五騎まとめて召喚することも可能。また召還限界時間の30分も厳格に30分というわけではなく、宝具の使用などにより魔力を大きく消費すればその分短くなる。換言すれば充分な魔力供給を行えば長くなる、ということでもある。
 偽りの聖杯戦争に参加するのは、スノーフィールドを訪れる3日前、ラスベガスで出会った白い髪と白い肌の女が発端であるらしい。


(用語)
 偽りの聖杯戦争においてギルガメッシュの召還の触媒となった鍵。サバイバルナイフほどの大きさと重さがあり、華美な装飾が施されている。その宝石一つをとっても金銭的、魔術的に多大な価値を秘めている。
 アーチャーの召還者の先人が探し出したもので、彼の家計にとっては唯一とも言える誇りであったが、本来の持ち主のギルガメッシュからすれば『造らせたは良いものの、使う必要が無いと捨て置いたに過ぎん』という下らないものだった。


キャスター(人名/サーヴァント)
 とても饒舌で頻繁に嘘を吐く。現世利益を重視し、聖杯にかける願いは精々が美味い飯といい女程度。純粋な腕力では人間程度で、彼のマスターと殴り合いをしても負ける可能性が高い。
 彼自身は英雄ではなく、彼は英雄を作り出す者。キャスターのマスターは彼に『昇華』をさせ、人間が使いこなせる宝具を作らせていた。それはただの贋作ではなく真作を超えるものである。
 彼の『贋作騒ぎん時にジョークで「本物よりも俺の方が面白ぇだろ?」なんて言わなきゃ良かったぜ』という言葉から、真名はアレクサンドル・デュマ(大デュマ)と推測される。


キャスターのマスター(人名)
 詳細不明。
 魔術師であると同時にスノーフィールドの警察署長であり、弟子の魔術師でもある警察官たちで構成される『二十八人の怪物』を引き連れて偽りの聖杯戦争に臨む。繰丘夫妻に共闘を持ちかける予定だった。


空想電脳(宝具)
 ザバーニーヤ。
 偽りの聖杯戦争におけるアサシンも左手で使用する。


クラン・カラティン(組織)
 →二十八人の怪物


繰丘(家名)
 くるおか。
 魔術師の家系。繰丘一族は本来の聖杯戦争のシステムをコピーした者たちの一角を担っており、聖杯戦争のシステム以外に間桐臓硯の『蟲使い』の魔術体系の一部をも盗んだ。それを基に独自の改良を重ね、数十年に亘る努力の末に『細菌』を完成させた。
 スノーヴェルク市に屋敷を持っている。


繰丘つばき(人名/魔術師)
 偽りの聖杯戦争におけるライダーのマスター。ライダーの召還時点で10歳3ヶ月。
 繰丘夫妻が作り出した『細菌』によって魔術回路を増設されたが、細菌が暴走したために昏睡状態に陥る。以降はずっと無人のスノーフィールドという夢の中を彷徨っており、肉体はスノーフィールド中央病院の無菌室で治療を受けている。
 激痛を伴う細菌による肉体改造を、両親の愛ゆえの行動と思い耐え続けていた。しかし両親の愛はつばき自身ではなく、つばきが紡ぐ魔術師としての未来にのみ向けられていた。
 大量の魔術回路を有しながらも魔術は一つとして伝えられていなかったが、無意識のうちに現実の光景を夢の中に投影するという魔術を開花させる。


繰丘邸(地名)
 スノーヴェルク市にある。繰丘夫妻はここで始皇帝を召還しようとしたが、ライダーによって繰丘つばきの望む生活をトレースするだけの生き人形にされた。


繰丘夫妻(人名)
 娘のつばきを繰丘一族が作り上げた『細菌』の最初の献体として魔術回路を増幅させたが、細菌の一部が暴走したためにつばきは意識を失ってしまう。しかし繰丘夫妻が心配したのはつばき自身の安否ではなく、つばきの生殖能力、つまり魔術師の母体としての安否のみだった。
 偽りの聖杯戦争においては始皇帝を召還しようとするが、その直前にライダーによってつばきの望んでいた生活をトレースするだけの生き人形にされた。


細菌(用語)
 間桐臓硯の『蟲使い』の魔術体系の一部を盗んだ繰丘一族が、独自の改良を重ねて作り出した細菌。より微細な蟲でより細やかな肉体改造を施すという目的で開発された。感染性は無い。
 これを魔術師が幼い頃から上手く使えば後天的に魔術回路を増設することができる。ただ、最初の献体である繰丘つばきは細菌の暴走によって意識を失ってしまった。


ザバーニーヤ(宝具)
 →空想電脳


ザバーニーヤ(宝具)
 →夢想髄液


ザバーニーヤ(宝具)
 →妄想心音


ジェスター(ジュスター)・カルトゥーレ(人名/魔術師・死徒)
 偽りの聖杯戦争におけるアサシンのマスター。男性の姿だが、正体は女性。偽りの聖杯戦争におけるアサシンのマスター。
 スノーフィールドの偽りの聖杯戦争に参加したのは、聖杯の力で蜘蛛(ORTのことか)を起こして退屈な世を滅びとともに凌ごうかと考えてのこと。
 10人程度の弟子たちとともにスノーフィールド東部の湖沼地帯の屋敷の地下でアサシンを召還したが、正真正銘の狂信者であるアサシンにより心臓を潰された。だが彼は死徒であったため、また教会対策として概念核のリザーブを持っていたために死ぬことはなく、死にながら彼女の記憶と夢と信仰を覗き見る。以後はアサシンの信仰を砕くことに快楽を見出し、彼女を吸い尽くすことを願って行動する。
 なおアサシンを召還したのは偶然ではなく、意図してのこと。
 六連男装という能力を持つ。彼の上半身には六つの赤い紋様が刻まれており、これは一つ一つが別の概念核(魂)である。概念核を破壊されるとその刻印は黒く変色し、紋様がリヴォルヴァー式拳銃の弾倉のように回転(ジェスターに向かって時計回り)することで新たな概念核が装填される。発動する概念核は左胸にあるもののみで、概念核を入れ替えると体つきや顔つきまでが変化する。概念核自体にも幾重もの魔術的防護を施してあるが、魔術師としての概念核はアサシンの妄想心音で破壊された。
 彼の吸血方法は足元から赤い影を伸ばし、地面から起き上がったそれで対象の肉体を覆いつくして骨以外の肉体を喰らい尽くすというもの。


始皇帝(人名)
 偽りの聖杯戦争にあたり、繰丘夫妻が召還しようとした人物。
 初めて『皇帝』という称号を用いたことから始皇帝と称される。


ジャック・ザ・リッパーの銘入りナイフ(歯止め処理済み)レプリカ(用語)
 日本製ゲーム『大英帝国ナイトウォーズ』のアンケート葉書の抽選プレゼント。禍々しいデザインの赤と黒を基調とした悪趣味な一品。
 説明では『ネットでアンケートに答えた人から抽選で100名様に、「ジャック・ザ・リッパーの銘入りナイフ」(歯止め処理済み)レプリカプレゼント!』とあったが、普通にエアメールでアンケートを出したロード・エルメロイU世にも届いた。
 日本語が読めないフラット・エスカルドスがこれをロード・エルメロイU世が自分のために用意してくれたサーヴァント召還用の触媒だと勘違いし、これでバーサーカーを召還した。


女医(人名)
 詳細不明。
 繰丘つばきの主治医。繰丘つばきを目覚めさせるため、懸命に治療を施している。


白い肌に白い髪の女(人名)
 詳細不明。
 容姿は異常に美しい。ラスヴェガスでA氏に接触し、スノーフィールドで行われる偽りの聖杯戦争に引き込む。A氏に令呪を押し付けた後、「五度目の戦で起きた、すべてを覆す」「犠牲も含め、すべての結末を無に返す」「そのために、我らは偽りの聖杯を……奪い取る」と呟いていた。


スノーヴェルク市(地名)
 繰丘邸がある場所。


スノーフィールド(地名)
 偽りの聖杯戦争の舞台。
 北米大陸西部、ラスベガスのやや北に位置する。北にはグランドキャニオンを連想させる広大な渓谷、西には深い森、東には湖沼地帯、南には砂漠が広がっている。20世紀初頭は先住民の居住地が点在するだけだったが、偽りの聖杯戦争の70年程前から急速に発展し、偽りの聖杯戦争時には人口80万人を超す大都市になった。
 1000年前からティーネ・チェルクらの部族が共生してきた土地で、合衆国の侵略からも守り抜かれた。だが政府の一部が魔術師と手を組んだため、わずか70年で蹂躙された。
 偽りの聖杯戦争には何者かの思惑が秘められているためか、スノーフィールドにはあちこちに貴重なアイテムが隠されている。
 温泉もある。


スノーフィールド中央病院(地名)
 繰丘つばきが入院している市営病院。スノーフィールド市中央区に建つ、一見美術館のような白塗りの大病院。


絶対領域マジシャン先生(俗称)
 フラット・エスカルドスが考えたロード・エルメロイU世の新しい二つ名。
 ロード・エルメロイU世の感想は「死ね!」。


組織(組織)
 詳細不明。
 アメリカ合衆国に属する組織。魔術師の組織ではなく、『組織』にたまたま魔術師が所属しているだけである。


組織(組織)
 詳細不明。
 ティーネ・チェルクの部族が生き延び、都市の中に作り上げた組織。多くはティーネと同じ褐色の肌をしているが、白人や黒人もいる。


大英帝国ナイトウォーズ(用語)
 ロード・エルメロイU世がプレイした日本産ゲーム。
 ロード・エルメロイU世はタイトルを『knight wars』と読んで英国の伝説にある騎士同士の戦いを描いたシミュレーションゲームと思っていたが、実際は『night wars』であり、とある実在の人物を主人公として自らのうちに潜むもう一人の自分の狂気と戦いながらロンドンの街を彷徨い、次第に魔物たちとの戦争に巻き込まれていく、というアドベンチャーゲームだった。
 ロード・エルメロイU世は予想と違う内容ながらきっちりとクリアし、その上で『タイトルのセンスに難あり』などと思うところを書き連ねたアンケート葉書までエアメールで出した。その結果懸賞の『ジャック・ザ・リッパーの銘入りナイフ(歯止め処理済み)レプリカ』が当たり、それがフラット・エスカルドスのバーサーカー召還の触媒になった。
 なおこのメーカーはロボットを主体としたアクションゲームも出しているようだ。


中央公園(地名)
 スノーフィールド市の中央公園。フラット・エスカルドスがバーサーカーを召還した場所。


ティーネ・チェルク(人名/魔術師)
 偽りの聖杯戦争におけるアーチャーのマスター。炎の魔術を使い、彼女の詠唱は無音。
 外見から推測される年齢は12歳前後。褐色の肌と艶やかな黒髪を持つ少女。
 アーチャーが召還されると召還者から令呪を奪い、ギルガメッシュの意向に従い召還者を殺さずに逃がそうとする。しかし彼が敵対的行動をとったために炎の魔術で殺害した。
 聖杯戦争に参加した目的は聖杯ではなく、部族の土地であるスノーフィールドを蹂躙しようとしている魔術師たちを追い払いたい、つまり偽りの聖杯戦争を潰したいというもの。
 父の後を継ぎ、部族が都市の中に作り上げた組織を率いて、総代として偽りの聖杯戦争に望む。
 彼女の一族はスノーフィールドでのみ土地の霊脈を用いた強大な魔術を行使することができるが、スノーフィールドを出ればただの人である。


ティーネ・チェルクの父(人名)
 詳細不明。
 おそらくティーネの先代の総代と思われる。


遠坂(家名)
 遠坂の縁者は時計塔にいるだけ。


時計塔(地名/組織)
 魔術協会の総本山。大英帝国そのものと比肩するほどの歴史を持つ。


二十八人の怪物(組織)
 クラン・カラティン。
 ケルト神話でクー・フーリンと相まみえた戦士の名を冠する、魔術師でもあるスノーフィールド警察の警官によって構成される組織。総勢30名程度。
 彼らは警官の制服と装備に加え、キャスターが作成したと思われる宝具を持っている。


人形の義手(用語)
 外見からは本物の人間の手としか思えない義手。この腕の接合手術をすれば直接霊体を掴めるらしい。スノーフィールドに隠されている。日本に住む人形師が作った物らしい。


バーサーカー(人名/サーヴァント)
 偽りの聖杯戦争においてフラット・エスカルドスが召還したサーヴァント。真名は本人にもわからないが、正体は『切り裂きジャック』。召還場所はスノーフィールド市の中央公園。
 バーサーカーであるが朗らかで紳士的な人格を保っているのは、狂気の象徴として生み出された切り裂きジャックが適応できるクラスが狂気の象徴、つまり狂戦士のクラスであったため。フラットはこれを『マイナス×マイナスはプラス』と形容した。
 姿も、本当の名前も、性別も、人間であるのかさえ不明な、ただ『存在した』というだけの曖昧な存在。その『誰でもない』状況こそが『誰にでもなれる』という特徴である。つまりどのような姿でも自由に取ることができる。
 第五次聖杯戦争における佐々木小次郎のような無名ながら実在した人間を架空の人物に仕立てたものではなく、完全に狂気の象徴として生み出された存在。
 聖杯に懸ける願いは切り裂きジャックの正体を知ること。とはいえ、仮に知ったとしてもその実在の切り裂きジャックは彼とは違う。


人喰い(用語)
 読んで字の如く、サーヴァントが人を喰って魔力を回復すること。これを望まないサーヴァントに令呪で強制的に人喰いをさせることもできるが、その場合属性が強制的に変更されてしまう。


ファック(用語)
 魔術の最高学府たる時計塔にふさわしくない言葉。


ファルデウス(人名/魔術師)
 ランガルの弟子として時計塔に入り込んだ『組織』の人間。外見は20代半ば。合衆国に属する公務員。
 外見は青年だが、第三次聖杯戦争を見てきたように語る、ケイネス・エルメロイ・アーチボルトや間桐臓硯の魔術を知っているなど、外見と実年齢は同じではないと思われる。
 お喋りで機密情報をうっかり漏らしかねないため、死体相手でなければ安心して話すことができない。


フラット・エスカルドス(人名/魔術師)
 偽りの聖杯戦争におけるバーサーカーのマスター。
 年齢は20歳以下。時計塔の生徒でロード・エルメロイU世の教え子。ロード・エルメロイU世の教室の最古参。少年の頃にロード・エルメロイU世の生徒となり、そのまま卒業できずに何年も在籍している。
 地中海の魔術師の家系エスカルドス家の長男で、過去に類を見ない魔術回路とそれを御す才能を持っていると期待されていたが、性格は魔術師とは正反対に無邪気で緩い。魔術の技術と才能は底なしだが、魔術師としての大事な部分を持ち合わせていない。
 魔術の技量は、時計塔の会議を秘匿するための結界をすり抜ける、令呪のシステムを解読する、魔力の流れなどをいじっているうちに祭壇も呪文もなしにサーヴァントを召還するなど、凄まじい。
 もとは期待の神童として他の教授に師事していたのだが、多くの教師が胃痛を訴えることになり、最終的に『あなたしかいない』とロード・エルメロイU世に預けられた。ロード・エルメロイU世の許で魔術の才能こそ他の生徒を追い越して成長し続けたが、しかし他の問題が山積しているため卒業はできていない。本来ならば放り出して構わないところだが、ロード・エルメロイU世は『中途半端で放り出せるか』と受け持ち続けている。
 自ら進んで偽りの聖杯戦争に参加したが、その理由とは『聖杯を見てみたいから』。相争う他のマスターたちさえ『仲良くできたらいい』と望んでいる。
 ロード・エルメロイU世に送られてきた『ジャック・ザ・リッパーの銘入りナイフ(歯止め処理済み)レプリカ』を自分のために用意してくれたサーヴァント召還用の触媒と勘違いし、喜び勇んで渡米。その時点で聖杯戦争の概要を調べただけであり、参加資格云々以前の問題であったが、令呪を得てマスターの資格を得る。スノーフィールド市の中央公園で魔力の流れなどをいじっているうちに偶然とはいえ白昼堂々バーサーカーを召還した。
 バーサーカーの召還後も闘争に赴かず、とりあえず日向ぼっこすることにした。


ペルセウス(人名/英霊)
 ギリシャ神話の英雄。
 キビシスの袋、姿隠しの兜、蛇刈りの鎌ハルペーなど、五つの宝具を持っている。偽りの聖杯戦争においてプレイヤーが召還できる英霊だが、この五つの宝具を30分の現界時間の中で使い切ることは不可能。


魔力針(用語)
 より強い魔力の方向を示す方位針。これを使用することでサーヴァントが隠れた場所を簡単に掴むことができる。スノーフィールドに隠されているが、裏には「Rin Tohsaka」と元の持ち主の名前が刻んである。


夢想髄液(宝具)
 ザバーニーヤ。
 偽りの聖杯戦争におけるアサシンが使用した宝具。彼女が創作したものでないこと以外、詳細不明。


妄想心音(宝具)
 ザバーニーヤ。
 偽りの聖杯戦争におけるアサシンが使用する場合、女の背から赤い腕が現れて心臓を掴み、潰す。


ライダー(人名/サーヴァント)
 偽りの聖杯戦争において繰丘つばきが召還したサーヴァント。真名は不明。外見は黒い霧の塊。
 正体は人間ですらなく、病気そのものである。そのため人格すら持ち合わせておらず、サーヴァントとして召還される際に聖杯から与えられる知識をもとに、つばきの意思と本能にのみ従って行動する。魔力吸収のついでに疫病を広める。
 繰丘つばきの夢の中で召還され、その時期はファルデウスの『宣伝』と同時期であり、偽りの聖杯戦争で最も早い。
 ライダーのクラスを与えられたのは、風に、水に、鳥に、人に『乗』って世界に蔓延したためである。


ランガル(人名/魔術師)
 時計塔に所属する老魔術師。協会の間諜。有名な人形師でもあるが、彼の人形には光ファイバーのような人工素材も使用されている。
 聖杯がアメリカ合衆国という若い国に顕現することを不快に思っている。
 弟子のファルデウスとともにスノーフィールドの調査に訪れるが、ファルデウスと彼の組織によってそのとき使用していた人形の身体が破壊された。


ランサー(人名/サーヴァント)
 真名はエンキドゥ(Fake本文中ではエルキドゥ)。
 質素な貫頭衣を身に着けた、きわめて中性的な姿をしている。その容貌は端麗ながら、雰囲気は人間的なものではなくむしろ魔術師が作る『人形』に近い。武器一つ手にしていない。獣の言葉を使うことができる。本来は英雄というより神が使用した宝具そのもの。
 もとは神に生み出された泥人形であり、人智を超えた力を持ちながらも知性も性別も無く、ただ森の獣たちと戯れる生活をしていた。だが聖娼と名高い女と六日七晩過ごすことで人間の姿と知性を手に入れ、黄金の王との死闘の末にその無二の友となる。
 偽りの聖杯戦争では最後に召還された。
 気配探知スキルは最高クラス。


ランサーのマスター(用語)
 偽りの聖杯戦争におけるランサーのマスター。
 正体は人間ですらなく、偽りの聖杯戦争に参加しようと目論む魔術師がエジプトで神になった者たちを召還する触媒として作り上げた合成獣。外見は銀色の毛並みの狼。
 限界まで魔術回路を増設され、令呪を宿し、触媒にされる前に逃げ出す。魔術師によって射殺されかけるが、その必死の叫びによってランサーが召還され一命を取り留める。


ランサーのマスターの主(人名/魔術師)
 詳細不明。
 偽りの聖杯戦争におけるランサーのマスターとなった合成獣を作り出した魔術師。
 ランサーのマスターを触媒にエジプトで神となった者たちを召還しようとするが、ランサーのマスターが逃げ出したために射殺しようとする。だがランサーが召還され、マスター替えを拒否されると恐れをなして逃げ出した。その直後に合成獣を放ってランサーのマスターを攫おうとしたが、ファルデウスに喉を切られ、彼が率いる部隊に射殺された。


令呪(用語/魔術)
 閉じた鎖のようなデザイン。令呪が現れる部位は『両腕のどこか』という冬木の聖杯戦争とは違い右手の甲に限定されているが、プレイヤーだけは両手、両肩、背中に計5つ発現している。


ロード・エルメロイU世(俗称/魔術師)
 フラット・エスカルドスの師。本来ならば放り出して構わないフラットを『中途半端で放り出せるか』と律儀に受け持ち続けている。
 偽りの聖杯戦争に出場したいと望むフラットを諫め、なんとか諦めさせようとする。だがフラットはロード・エルメロイU世に送られてきた『大英帝国ナイトウォーズ』のアンケートの懸賞である『ジャック・ザ・リッパー銘入りナイフ』を自分に与えるための聖遺物だと勘違いして勝手に出場してしまう。
 日本産ゲームが趣味で、想像と違う作品であっても律儀にクリアし、アンケート葉書までエアメールで出す。その珍しさゆえかアンケート葉書の抽選の商品がよく送られてくるため、彼の部屋にはそういった関連商品が所狭しと並んでいる。ただし彼はそういった商品には興味が無く、純粋に自分の意見を反映してもらいたくてアンケートを送っている。
 ランガル曰く『彼の弟子ならともかく、彼自身の推測には粗が目立つ』。
 時計塔の彼の部屋の奥には物理的・魔術的双方の鍵がかかった戸棚があり、その中には第四次聖杯戦争において彼が征服王イスカンダルを召喚するために使ったイスカンダルのマントの切れ端と思われる古い布が保管されている。フラット・エスカルドスがどうしてもスノーフィールドの偽りの聖杯戦争に参加すると言って止められなかった場合はそれを与えることも考えていた。


六連男装(用語)
 ジェスター・カルトゥーレの能力。
 彼の上半身には六つの赤い紋様が刻まれており、これは一つ一つが別の概念核(魂)である。概念核を破壊されるとその刻印は黒く変色し、紋様がリヴォルヴァー式拳銃の弾倉のように回転(ジェスターに向かって時計回り)することで新たな概念核が装填される。発動する概念核は左胸にあるもののみで、概念核を入れ替えると体つきや顔つきまでが変化する。概念核自体にも幾重もの魔術的防護を施してあるが、魔術師としての概念核はアサシンの妄想心音で破壊された。
 全ての概念核を使い切ると本体である少女(あるいは幼女または熟女)に戻る。


若返りの秘薬(用語)
 読んで字の如く、服用すると若くなる薬。陶器なのか硝子なのか不明な、美しく装飾が施された半透明の小瓶に封入されている液体。
 偽りの聖杯戦争に召還されたギルガメッシュが『児戯ならば戯れ程度に相手をするのが良かろう』と服用しかけるが、直前でエルキドゥが召還されたことを知り、ティーネ・チェルクに下賜された。