アーチャー(サーヴァント)
 弓兵であるにもかかわらず二振りの短刀を主武装とする変り種のサーヴァント。武装の豊富さでは他の追随を許さない。現実主義者かつ皮肉屋で、少々口うるさい。


アーチャー(サーヴァント)
 ダン・ブラックモアのサーヴァント。
 真名はロビンフッド。宝具は『祈りの弓(イー・パウ)』。
 大元の伝説はシャーウッドの森に潜む義賊。オリジナルのロビンフッドは暴君ジョン失地王に抵抗し、カークリースの修道院で修道院長の陰謀により出血多量で死亡したとされる。ギリシャ神話のオリオンとケルト神話の妖精、ドルイド信仰が融合して誕生した義賊。モデルとなった人物は多数存在するが、それが複数混合した結果と思われる。
 ロビンフッドはもともと諸外国からの度重なる侵入を受けたイギリス人たちの祈りから生まれた顔のない英雄であり願望。その時代にいた小さな英雄が、人々の願いを受けて顔のある英雄ロビンフッドの名を襲名していた。このアーチャーも、そんなロビンフッドを襲名した名もなき狙撃手の一人。
 もともとは放浪のドルイド僧の息子で、幼くして父を亡くした孤児。森の知識は父譲りで、森でのサバイバル術に長け、村人には見えない森の妖精とも交友があった。そのため、妖精憑きとして村人に迫害を受け、厄介者として村外れに住むことになる。村人は彼を受け入れず、彼も村人に歩み寄ることはなかった。しかし父の最期を看取ってもらった義理を感じており、村人を愛してこそいないが、捨て去るほど嫌ってもいなかった。
 彼は激化していく圧制に苦しむ村を見捨てられず、若さゆえの勢いで弓を取り、偶然に助けられて領主の軍隊を撃退。その後正体を隠して戦ううちに『緑の人』として扱われることになる。村の部外者である彼はロビンフッドになることで村の英雄になるが、同時に過酷な戦いを強いられ、生涯にわたりフードで素顔を隠して素性を明かさないという、『正義であるために人間としての個を殺す』という無名の存在になった。
 保身に走る村人たちは、ロビンフッドは村の人間ではなく、村とは無関係に森を通る人間を襲う、すべての責任はあの狩人にある、と彼を王と村の共通の敵として罪を逃れた。それでも彼は村を守り続けたが、ただの青年である彼に英雄の真似事ができるはずもなく、ロビンフッドとして活躍してから二年足らずで敵の凶弾に倒れ、ロビンフッドとして英霊化した。
 彼の戦いは卑怯そのものである。一人対軍隊である、待ち伏せの罠や食事に毒を盛ることなど日常茶飯事。殺した兵士たちの『戦いの中で死にたい』という願いさえ踏みにじった。彼は自身の誇りよりも村の平和を選び、卑しい戦いに徹し、報われないまま死んでいった。そんな彼が望んだものは、もっとも縁遠い『騎士としての誇り』だった。
 最期は『自分をこの矢が落ちた場所に埋葬して欲しい』と言い、矢を放った。矢はイチイの木の根元に刺さり、彼は望み通り親愛なるパートナーであり、冥界に通じる木とされたイチイの大樹の元に埋葬されたという。
 性格は善良でやや小心。不真面目に見えるが、それは正義にこだわる青臭い自分を隠すため。死よりも生を尊重し、生き抜いた末に温かいものが残ればいいと考えている。もっとも、それらは彼の人生では手に入れることができず、『そんなものは夢物語みたいなもんだ』と肩をすくめるだけ。
 オリジナルのロビンフッドと同様精霊の加護を受け、ドルイド僧としての知識を持つ。このアーチャーが自然界の毒に精通しているのは、彼が優れた『森の守り手』である証だろう。
 イチイの木を基点とした毒の結界を張ることができ、アリーナにそれを張る、奇襲、待ち伏せ、毒矢など勝つためには手段を選ばない。そのためナイトの称号を得るほどの高潔な武人であるダン・ブラックモアとは意見の不一致が見られる。
 主人公に対してイチイの毒の結界を使用した際にブラックモアから受けた卑怯なことはするなという注意に耳を傾けず、次は単独行動して毒矢で主人公を奇襲する。しかし主人公には逃げられたばかりかその翌日にブラックモアによって毒の無効化のため矢の元になった宝具、祈りの弓の学園内での使用を令呪によって封じられた。さらにはシステムサイドからのペナルティにより、アーチャーの能力値にかなりの制限がかけられた。
 奇襲戦術を捨てて正攻法で敵に臨めとブラックモアに言われ、自分から奇襲を取ったらハンサム顔しか残らないと言い捨てる。しかし狙撃兵であったブラックモアこそがよく知る弓の技量を以って戦うよう諭すと、大いに不服だと不平を漏らしながらも満更でもなさそうにそれに従った。
 生前は騎士には縁がなかったが、騎士の誇りというものに憧れを抱いていた。それはブラックモアとぶつかりながらもついには奇襲ではなく正々堂々たる勝負をした最後の戦いでついに得られた。

 ステータスは以下の通り。
 筋力:C
 耐久:C
 敏捷:B
 魔力:B
 幸運:B

 保有スキルは以下の通り。
 対魔力:D…一工程による魔術行使を無効化する。魔力避けのアミュレット程度の対魔力。
 単独行動:A…マスターからの魔力供給を立っても自立できる能力。ランクAならばマスターを失っても一週間は現界可能。
 破壊工作:A…相手が進軍してくる前に六割近い兵力を戦闘不能に追い込むことも可能。


アームストロング(サーヴァント)
 ニール・アームストロングのことと思われる。
 間桐慎二がアームストロングをサーヴァントにしたマスターと会ったことがあると発言している。


蒼崎青子(人名/魔法使い)
 現実の青子は黒髪だが、霊子虚構世界の青子は赤髪。橙子が評して曰く、ビームを撃つだけなら魔術師たちの中でもトップランクに位置するのでは、とのこと。青子はこれに対してビームではなく魔弾であり、むしろ波動砲と言って欲しいと反論している。最近、『宇宙戦艦』なるあだ名がつけられた。さすがに星を壊すのは無理。
 サーヴァントの魂を改竄して強化する役割を負っているが不器用で、以前に失敗してムーンセル・オートマトンから苦情が来たらしい。というのも、違法スレスレで強化してくれという依頼を受けて幾つかスキルを付加したところ、巨大化したあげくロストしたというもの。
 知り合い以上友人未満の吸血鬼が何人かいる。
 霊子虚構世界に入った目的は、何やらきな臭い未来があったためおかしなことにならないように見に来たというもの。橙子とは霊子虚構世界の中で出会った。
 聖杯戦争の参加者でないのに霊子虚構世界に存在していられるのは、橙子ともどもムーンセル・オートマトンとマスターの手助けを条件に永続権を得るという締約を結んでいるため。ムーンセル・オートマトンの中枢である聖杯ではなくムーンセル・オートマトンが作り出しているネットワークにこそ用があったため、侵入経路もマスターたちが用いる聖杯戦争用のものではなく、別のルートを使っている。もっとも、ログアウトの条件はマスターたちと同じく聖杯を得ることなのだが。


蒼崎橙子(人名/魔術師)
 人形師としての腕は英霊の魂を改竄するまでに至っている。容姿は『空の境界』同人誌版・新書版に準拠する。霊子虚構世界は全域禁煙のため、電気煙草を吸っている。さらにコーヒーまでないためいくらか気が立っている。
 魂の改竄は不器用な青子よりもはるかに得意で十倍は効率よく強化できると言う。これは青子も認める事実である。しかし坊や(黒桐幹也か)の頼みで人(両儀式か)を探しており、そちらで手一杯のため魂の改竄には関与しない。何でも式と思われる人物が『意識の一部がどっかに引っかかっている』と言ったため電脳空間を当たっていたところ、霊子虚構世界に行き着いた。青子とは霊子虚構世界の中で出会った。
 聖杯戦争の参加者でないのに霊子虚構世界に存在していられるのは、青子ともどもムーンセル・オートマトンとマスターの手助けを条件に永続権を得るという締約を結んでいるため。
 ムーンセル・オートマトンの中枢である聖杯ではなくムーンセル・オートマトンが作り出しているネットワークにこそ用があったため、侵入経路もマスターたちが用いる聖杯戦争用のものではなく、別のルートを使っている。もっとも、ログアウトの条件はマスターたちと同じく聖杯を得ることなのだが。しかし彼女は死ねば次の肉体にスイッチするという彼女の人形の特性により、用が済んだら死ぬことで外に出る。
 戦闘能力では主人公にも劣る。
 吸血鬼に会った事はない。


アカラベース(地名)
 月の裏側に位置する月面資源探索基地。2010年代に放棄された。
 ハック&クラックのデータマイニングチームがアカラベースを拠点に月面探査を行っている集団があることを突き止めた。この事実の送信中に大規模なデータジャミングが発生したため全容は明らかではないが、断片的な事実からこの月面探査には西欧財閥が関与している可能性が極めて高い。


アタランテ(サーヴァント)
 聖杯戦争で召喚された英霊。少なくとも一回戦は突破している。


アトラス院(組織)
 かつては魔術協会三大部門の一つだったが、何らかの要因でマナが枯渇した2030年代においては魔術協会そのものが消滅し、マナに頼らない魔術大系を持つ彼ら錬金術師のみが旧き魔術の探求を続けている。霊子虚構世界の聖杯戦争にも根源に至るための聖杯を求め、参戦している。
 世界を支配する西欧財閥にも、それに対抗するレジスタンスにも特段の対立も協力もしていない。
 ラニ[はアトラス院によって作り出され、聖杯戦争に送り込まれた。


アムネジアシンドローム(用語)
 脳の機能を麻痺させ、ある日突然記憶を失ってしまう病気。口内からの粘膜感染、つまり汚染された水を飲むだけで罹患する。2032年の時点では治療法が確立されている。
 なおアムネジアとは健忘の意。


アリーナ(用語)
 霊子虚構世界が用意したダンジョン。侵入者を排除するため聖杯が産み出したエネミーが徘徊しており、これを倒すことで経験値や霊子虚構世界で流通している通貨が入手できる。


暗号鍵(用語)
 トリガー。
 敵マスターとの戦いが行われる決戦場に入る資格(鍵)で、アリーナ内のどこかに安置されているこれを猶予期間内に見つけ出さなければならない。なお、自分と敵マスターの分の合計二つが生成される。
 これを入手できなかった場合、自動的に聖杯戦争から脱落する。



  


エネミー(用語)
 アリーナを徘徊する、霊子虚構世界の攻性防壁のこと。



  


帰らずの生徒(用語)
 月海原学園にある噂。遅くまで学校に残っていると姿を消してしまうというもので、事実少しずつ生徒が姿を消している。


臥藤門司(人名)
 がとう もんじ。
 ラニ[を助けた場合の主人公の四回戦の相手。一人称は『小生』で、時代がかった口調で喋る。己の神(サーヴァントであるバーサーカー)を世界の神とし、その威光で遍く世界を照らすことを目的に聖杯戦争に参加した。その発言にはキリスト教や仏教など様々な宗教的なキーワードが含まれる。要するに多くの宗教がごっちゃになっている。
 真祖(=地球の知覚)であるアルクェイド・ブリュンスタッドを神であると盛大に誤解しているため、バーサーカーの能力値が大幅に下がっている。同じ理由から、サーヴァントを従えるのではなくサーヴァントに従うという立場をとっている……のだが、バーサーカーが自ら何かしらの行動を起こすことはないので臥藤がそのおかしな信仰に基づいた行動をとっているに過ぎない。またバーサーカーが言葉を操れないのは天からの最後の試練で、聖杯戦争に勝ち抜いた時には声を聞かせてくれると考えている。
 多くの宗教を学んでいたが、それぞれの教義に矛盾があることに気付いたため世界を変えることは叶わないと絶望していた。しかしバーサーカーが現れたことでそれを神と信じ、もはや教えではなく神(と誤解したバーサーカー)そのものを信仰している。
 主人公がラニ[を救うことを選んだ場合に四回戦で主人公に敗退し、消滅する。



  


キース・ブラックモア(人名)
 Keith Blackmore。
 Fate/the Factという雑誌のライター。ダン・ブラックモア卿との関係は不明。


北半球資源機構(組織)
 North Earth Resource Organization。略称NERO。
 西欧財閥の呼びかけによって2015年に誕生した、45ヶ国の加盟国からなる組織。主に地球上及び月面の資源採掘及び利用を厳しく制限することを目的としており、宇宙開発の徹底的な制限を掲げていることでも知られている。
 北半球の主要国がすべて加入していることから、事実上地球上の資源採掘活動は事実上、北半球資源機構の管理下に置かれていると言える。
 これに反対する国も多く、反NERO同盟には68ヶ国が参加しているほか多数の民間機関も反対の立場を表明している。しかしNERO諸国はこれら反対活動を無視、封殺、通商規制などの制裁を科すなど徹底している。


キャスター(サーヴァント)
 狐のような耳と尻尾を持つ魔術師(呪術師)の英霊。マスターの命令には絶対服従という従順な性格だが、他者に対しては腹黒い。セイバー曰く、極東(バルバロイ)の狐耳。


キャスター(サーヴァント)
 ありすのサーヴァント。真名はナーサリーライム。宝具は『永久機関・少女帝国(クイーンズ・グラスゲーム)』。
 ありすと同じ姿をしているが、ドレスと手足は黒。ドレスは金属製である。当初はアリスと名乗っていた。ありすが呼び出したのではなく、アリスが望んで生み出したサーヴァント。
 ありすとよく似た言動をするが、ありすに比べて警戒心が強く、ありすが重要な事柄を主人公に喋りそうになっているときにそれを制止することがある。またアリスに比べ好戦的で、対戦相手を殺すことをよく示唆する。
 ナーサリーライムとは実在の英雄ではなく、実在する絵本の総称。イギリスで愛されたこのジャンルは多くの子供達の夢を受け止めていくうちに一つの概念として成立し、『子供たちの英雄』としてサーヴァント化した。このサーヴァントの存在そのものが固有結界であり、マスターの心を映してマスターが夢見たカタチの擬似サーヴァントを作り上げる。
 陣地作成スキルにより、ありすとともに『名無しの森』という取り込んだものの名を忘れさせ、最終的には消滅させる固有結界を発動する。
 三回戦で主人公に敗北して消滅した。

 ステータスは以下の通り。
 筋力:E
 耐久:E
 敏捷:E
 魔力:E
 幸運:E

 保有スキルは以下の通り。
 変化:A+…詳細不明だが、キャスターの性質からマスターの心を映して擬似サーヴァントを作り上げるものと思われる。
 自己改造:A…自身の肉体にまったく別の肉体を付属・融合させる適性。このランクが上がれば上がるほど正順の英雄から遠ざかっていく。上記と似たものと思われる。
 陣地作成:A…工房を上回る『神殿』を形成することが可能。固有結界『名無しの森』を展開可能。


吸血鬼(用語)
 人の血を吸うモノの総称。真祖、死徒ないし死徒によって吸血種となったモノを指す。基本的に不老であり不死であるが、肉体の維持に人間の血が必要。
 貸し借りをきっちりとするあたりは人間よりもずっと義理堅い。れっきとしたルールを持っており、価値観が違うだけで人間のような不条理な悪人はまず出てこない。


教員用パッチ(用語)
 システムNPCの能力を拡張するソフトウェア。外見は赤いデータチップ。


教会(地名)
 楽園の死角。月海原学園の中庭にある教会。学園が立つ前から存在し、そのまま学園の中に取り込まれた。
 ここには蒼崎姉妹がおり、システムの管轄外ながらサーヴァントの魂を改竄することで強化ができる。



  


葛木センセイ(人名)
 月海原学園の数学教師。生徒会顧問も兼任している。
 常に落ち着いており、厳格な気性から生徒に恐れられている。


クラス(用語)
 役割。
 聖杯戦争のサーヴァントの分類のこと。元になった聖杯戦争のルールに従い、サーヴァントは七つのクラスに分けられる。



  


携帯端末機(用語)
 マスターに与えられるスマートフォンタイプの携帯情報端末。聖杯戦争に関する情報が送信されるほか、情報マトリクスが自動的に記録されていく。


激辛麻婆豆腐(用語)
 月海原学園の学生食堂(実際に販売しているのは購買部)に登場するメニュー。言峰神父の発案によるもので、辛い匂いだけで五杯はご飯が食べられるレベルらしい。3回戦6日目にのみ販売される。


圏境(用語)
 中国において、清朝末期から中華民国時代に活躍した八極拳の使い手など数少ない達人の境地。
 気を巡らせ、周囲の状況を察知し、自らの存在を天地と合一させる。極まった拳法家はこの応用で対手に自らの姿を知覚すらさせなかったという。



  


コードキャスト(用語)
 詳細不明。
 礼装から得られる効果のことで、マスター固有のスキル。


言峰神父(人名)
 詳細不明。聖杯戦争の運営役と思われる。



  


サーヴァント(用語)
 ムーンセル・オートマトンのデータベースから選抜された英雄を一時的に霊子虚構世界に再現したもの。神話体系(マイソロジ)と史実体系(ヒストリア)に大きく分類され、さらに7つのクラスに分類される。
 媒介となる召喚者を主人とするため、高度な電脳魔ファミリアと思われがちだが、実際は第三魔法によって実体化した霊子生命体である。
 蒼崎青子と蒼崎橙子はサーヴァントの魂を改竄することでサーヴァントを強化することができる。



  


史実体系(用語)
 ヒストリア。
 サーヴァントの分類。


七天の聖杯(用語)
 セブンスヘブン・アートグラフ。
 →ムーンセル・オートマトン


主人公(人名)
 月海原学園の2年生という役割を負って聖杯戦争に参戦する霊子ハッカー。霊子虚構世界に入場する際の記憶の返還がなぜか失敗しており、完全な記憶を取り戻していない。
 セイバー、アーチャー、キャスターの三騎から契約するサーヴァントを択ぶ。


情報マトリクスレベル(用語)
 詳細不明。
 これに応じて戦闘時の相手のコマンドが開示され、最大レベルまで集めると戦闘中に重要なヒントが得られる場合がある。


神話体系(用語)
 マイソロジ。
 サーヴァントの分類。



  


西欧財閥(組織)
 2030年代において圧倒的な武力と財力で世界の60%のシェアを管理・運営する巨大財閥。これにより人々のあらゆる活動やドキュメントが監視対象とされている。
 西欧財閥はこれ以上の技術進化は不必要であるとの考えのもと徹底した資源管理により技術革新を封印し、その結果表立った人類の技術は2000年代のそれから停滞し続けている。この停滞した平和を覆しかねない聖杯を危険視し、これを入手・処分するため次期当主であるレオ・B・ハーウェイを聖杯戦争に送り込んだ。
 西欧財閥による世界支配の打倒を目指すレジスタンスを武力弾圧し、旧き魔術を研究し続けるアトラス院を警戒している。


セイバー(サーヴァント)
 赤いドレスを纏った剣士の英霊。芸術に強いこだわりがあり、何事にも美意識を重視する。自称、詩を愛する芸術家にして薔薇を愛でる華の剣士。一人称は『余』。


聖杯(用語)
 あらゆる願いを叶える万能の願望機。SE.RA.PHにあるとされる。


聖杯戦争(用語)
 月海原学園に在籍する128人の生徒(マスター)がそれぞれの下僕となるサーヴァントを召還し、毎週の『決戦日』に事前に通達された対戦相手と雌雄を決する。こうして勝ち抜いていった最後の一人に聖杯を獲得する権利が与えられる、というのが霊子虚構世界での聖杯戦争の形式で、このルールから逸脱すること(他陣営との共闘など)は許されない。
 アリーナ内で敵陣営と出くわした場合は当然ながら戦闘になるが、システムサイドから戦闘の中止を求められる様子。
 対戦相手が決まったマスターには一週間の猶予期間が与えられ、この間に敵陣営を打ち倒すための段取りを整える。なお対戦相手は月海原学園二階の掲示板に張り出される。


世界情勢(用語)
 新たな聖杯戦争の舞台となる2030年代の世界情勢について。
 世界の60%が西欧財閥の支配下にあり、実質的に西欧財閥が地球の支配者となっている。西欧財閥は強大な武力・財力によって強制的に世界に秩序をもたらしており、これ以上の技術進化は不必要という考えのもと徹底した資源管理により技術革新を封印し、その結果表立った技術は2000年代のそれから停滞し続けている。つまりほとんどの戦争も貧困もなくなったかわりに技術革新も宇宙開発もなくなっており、端的に言い表すと西暦2000年がそのまま30年続いたようなもの。
 何らかの要因により大源が枯渇してしまったため、大源を力の源とする旧き魔術そのものが失われている。結果、魔術協会は消滅し、大源に頼らない魔術大系を持つ錬金術師のアトラス院のみが残っている。
 この時代における魔術とは、『術者の体内あるいは外界に満ちた魔力を変換する』旧き魔術ではなく、霊子虚構世界を管理するシステムに介入して世界の理を捻じ曲げることである。
 オリジナルの世界とは1980年代に分岐した多元並行世界である。


セブンスヘブン・アートグラフ(用語)
 七天の聖杯。
 →ムーンセル・オートマトン


SE.RA.PH(用語)
 セラフ。
 →霊子虚構世界。



  


タイガークエスト(用語)
 藤村大河から依頼されるクエスト。これをクリアすることでインテリアを獲得できる。


第三虚構世界(用語)
 →霊子虚構世界


第五真説要素(用語)
 エーテライト。
 詳細不明。ラニ[の心臓がこれ。
 エルトナム家に伝わる第五架空元素(エーテル)を編んで作られた、擬似神経となるミクロン単位のモノフィラメントであるかは不明。


対精神炉(用語)
 アンチ・マインド。
 ユリウス・ベルキスク・ハーウェイに揺さぶりをかけるため、ラニ[が作った三種の術炉のうちの一つ。
 気の流れに反応するもので、これがユリウスのサーヴァントに反応すればその透明化は精神的なスキルによるものだとわかる。アサシンはこれに反応し、さらにアサシンの気功をアサシンに返すことで圏境を破り神経頸を傷つけ、透明化を破った。


対装具炉(用語)
 アンチ・アーティファクト。
 ユリウス・ベルキスク・ハーウェイに揺さぶりをかけるため、ラニ[が作った三種の術炉のうちの一つ。
 装具に反応するもので、これがユリウスのサーヴァントに反応すればその透明化は宝具や装身具の力によるものだとわかる。対精神炉と同じように装具による透明化を破る仕掛けがあると思われる。


対魔術炉(用語)
 ユリウス・ベルキスク・ハーウェイに揺さぶりをかけるため、ラニ[が作った三種の術炉のうちの一つ。
 魔術に反応するもので、これがユリウスのサーヴァントに反応すればその透明化は魔術によるものだとわかる。対精神炉と同じように魔術による透明化を破る仕掛けがあると思われる。


対魔力(技能)
 魔術を無効化、あるいは効果を軽減する技能。
 A:A以下の魔術は全てキャンセル。事実上現代の魔術師では傷つけられない。一画ならば令呪の強制さえ食い止める。
 B:魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化。大魔術、儀礼呪法等を以ってしても傷つけるのは難しい。
 C:第二節以下の詠唱による魔術を無効化。大魔術、儀礼呪法など大掛かりな魔術は防げない。
 D:一工程による魔術行使を無効化。魔力避けのアミュレット程度。
 E:無効化は出来ず、ダメージ数値を多少削減する。


魂の改竄(用語)
 教会にいる蒼崎橙子と蒼崎青子が行う。改竄役は青子で、人探しで手一杯の橙子はそれには関わらない。
 簡単に言えばマスターの魂とサーヴァントの魂を連結させることで、マスターの魂の位階が上がればそれだけ強く連結させることができる。どのように連結させるかを決めて直接魂にハッキングをする。詰まるところ、マスターの霊体を改造すること通じてサーヴァントの魔術回路を変革している。


単独行動(技能)
 マスターからの魔力供給がなくても行動できるサーヴァントの能力。マスターが最大魔力を動員した魔術を発動したい場合や、サーヴァントに充分な魔力を供給できない場合などに重宝する。反面、マスターが完全にサーヴァントを支配下に置いておく事が難しくなる。
 A:マスターを失っても一週間は現界可能。
 C:マスターを失っても一日間現界可能。


ダン・ブラックモア(人名/魔術師)
 サー・ダン・ブラックモア。
 高名な退役軍人(レオナルド・ビスタリオ・ハーウェイは軍属と発言していたが、本人は軍人と言っている。なお、軍属とは軍に雇用された民間人のこと)。女王の懐刀。女王の命により聖杯戦争に参加した。妻がいたが死別しており、妻を取り戻すために聖杯戦争に出場した。令呪は右手に宿っている。なお、彼は学園内での仮初の役割を負っていない。
 かつては西欧財閥の一角を担うある王国の狙撃兵だった。匍匐前進で1km以上進んで敵司令官を狙撃する程度は日常茶飯事だった。なお狙撃兵とは見えない場所から一方的に殺すことから敵に卑怯であると嫌われ、安全な場所から一方的に攻撃することから味方からも卑怯であると嫌われる兵種である。ナイトの称号を受けていることと女王に仕えていること、レオナルド・ビスタリオ・ハーウェイの『あなたの国にとって聖杯は真実』という言葉からイギリス人と思われる。
 1回戦の前、教会の前で騒いでいた慎二に注意を与えるがそのあまりの無礼さに呆れて立ち去る。
 極めて高潔な武人で、アーチャーが主人公に対してイチイの毒の結界を仕掛けた時はきつい注意を与えただけだったが、その後主人公に毒矢で奇襲をかけたときには毒を無効化するためその矢の元になった宝具『祈りの弓』の学園内での使用を令呪によって封じた。この奇襲ではシステムサイドからのペナルティにより、アーチャーの能力値にかなりの制限がかけられた。
 高潔といってもそれは個人的なものであり、軍務であれば命令を優先する。だからこそ、軍人ではなく個人として戦える聖杯戦争に参加したとも言える。
 2回戦で主人公に敗れ、死亡した。



  


チャンポン(用語)
 漫画雑誌。格闘漫画が有名らしい。


沈黙の大海賊要塞 〜南海の決闘編〜(用語)
 映画研究会が上映を予定している映画。一人で海賊の要塞に挑む料理人の物語らしい。



  


月海原学園(地名)
 聖杯戦争の舞台。
 霊子虚構世界が作り出した固有結界によって維持されている仮初めの世界。外観は穂群原学園と同じ。ここで聖杯戦争に参加するマスターは総勢128名。記憶の返還に問題があった主人公は当初、ここでの学園生活を現実のものだと思っていた。
 購買部では惣菜パンなどの食品から魔術礼装まで販売している。



  


遠坂(家名)
 おそらく遠坂本家。1990年代に没落している。


遠坂凛(人名/魔術師)
 ハッキングやクラッキングなど多くのスキルを備えた数少ない五大属性の持ち主。普段は単身で主に中東で活動しているが、聖杯戦争にはレジスタンスの依頼によって参加する。聖杯戦争ではランサーを従えている。
 血統としては遠坂本家の者ではなく、かつて遠坂時臣が海外に渡った際の落胤の血統。
 月海原学園では非の打ち所のない優等生を演じており、男子生徒からの人気が高い。その反面、小悪魔的で気に入った相手に意地悪をして楽しむという厄介な一面もある。


トリガー(用語)
 →暗号鍵




  


名無しの森(用語/魔術)
 ありすが契約したキャスター(ナーサリーライム)の固有結界。陣地作成スキルによって展開する。
 『ここでは、鳥はただの鳥』『ここでは、人はただの人』という詠唱の通りに、自我が極限まで薄められることで自他や個別の名称が無意味になっていき、段々自分が誰かさえもわからなくなって最後には取り込まれた者は存在そのものが無くなってしまう。ただしこれは即効性ではなく、効果が出るまで多少の時間が必要。
 またこの固有結界に有効かどうかは不明だが、己が何者かを錬金術によって魂に刻み込む、呪刻によって肉体に刻み込む、といった方法で自我を失うことを防げるらしい。またもっと単純に手にでも書いておけばそれを見ることで思い出すことができる。そして取り込まれたものが己の名を言うことで名無しの森は解除される。
 遠坂凛によれば、メモを残すことが固有結界発動の条件らしい。およそ一日という長期間にわたり展開し続けることができ、術者であるありすが外に出ることもできる。



  


二属性持ち(用語)
 マルチクラス。
 本来は一つだけのクラスを重ね持つこと。ユリウス・ベルキスク・ハーウェイのサーヴァントがアサシンとバーサーカーの二属性持ちである。これはユリウスがバーサーカーのマスターから令呪ごと奪った左腕を接いでいたため。


2年C組(組織)
 柳洞一成が在籍する。


2年B組(組織)
 体育会系の生徒が多い。聖杯戦争の本編ではこのクラスの扉がマイルームへの通路になる。



  


Netwalker.(組織)
 Fate/the Factを発行する出版社。西欧財閥による検閲と妨害を避けるため、出版物にも連絡先は一切記載されていない。


NERO(組織)
 →北半球資源機構



  


North Earth Resource Organization(組織)
→北半球資源機構


ノイズ(用語)
 →残留魔力



  


ハーウェイ(家名)
 西欧財閥の盟主たる家。紋章は獅子。
 跡継ぎに対する教育は記憶野に直接焼き付けるなど、一般的な方法ではない。また情報処理に魔術理論を応用するなど、魔術との関わりも深いと思われる。


ハーウェイ財団(組織)
 レオナルド・ビスタリオ・ハーウェイとユリウス・ベルキスク・ハーウェイの家。
 西欧財閥と同義。


ハーウェイの管理都市(用語)
 ハーウェイ財団(西欧財閥)により徹底した管理が布かれた都市。
 階級に応じた生活が保障されている、不安要素のない平穏な世界。ただしそれは裏を返せばどこにも行けず、未来も希望も幸せも無く人はただ生きているだけ、という見方ができる。



  


ヒストリア(用語)
 →史実体系



  


ファミリア(用語/魔術)
 高度な電脳魔。


藤村大河(人名)
 月海原学園の教師。



  


宝具(用語:Fate)
 サーヴァントをサーヴァントたらしめる絶対的な力にして英雄のシンボル。



  


マイソロジ(用語)
 →神話体系


魔術(用語)
 2030年代においては何らかの要因で大源が枯渇しているため、魔術師たちはその力を完全に失い、旧き魔術(マギ)は細々と受け継がれているのみ。この時代における魔術とは、霊子虚構世界を管理するシステムに介入して世界の理を捻じ曲げることである。


魔術師(用語)
 旧き魔術師。メイガスのこと。
 2030年代では大源が枯渇してしまったため、旧き魔術師は僅かしか残っていない。


魔術師(用語)
 新しい魔術師。ウィザードのこと。霊子ハッカーとも。
 生まれつき魔術回路を持っていることは旧き魔術師と同じだが、魂を霊子化して霊子虚構世界を管理するシステムに介入し、世界の理を捻じ曲げるという魔術を行使する。


マスター(用語)
 聖杯戦争に参加する魔術師のこと。総勢で128名おり、彼らにはそれぞれサーヴァントと三画の令呪が与えられる。


間桐桜(人名)
 詳細不明。
 床につくほど長い髪を持つ。


間桐慎二(人名/魔術師)
 聖杯戦争のマスターの一人でライダーを従えている。
 月海原学園2年生。端正な顔立ちで女子生徒に人気があるが、性格は捻じ曲がっており男友達はほとんどいない。数年前から主人公と親しくしている。転校して一躍人気者になったレオ・B・ハーウェイを眼の敵にしている。
 現実世界では8歳ながら凄腕のクラッカーとして名を馳せており、アジアのゲームチャンプとして知られている。主人公の友人でもあるが、主人公が最初に対戦する相手である。


マトリクス(用語)
 有力な情報のこと。イベントやアリーナの遭遇戦で入手できる。



  


ムーンセル・オートマトン(用語)
 2032年に月面で発見された物体。巨大な未知の建造物の中心にある。一辺が僅か5cmの立方体だが、人類のあらゆる叡智を超えている。
 月の眼、神の自動書記、異文明の遺せしアーティファクト。有史以来、人類史を観測し続けてきた。魂の錬鉄場であり、古来より多くの魔術師たちを招き入れてきた熾天の檻である。魔術師たちはこうも呼ぶ、あらゆる人類、あらゆる人間の願いを叶えるに足る、万能の記録装置。この世全てを解き明かす最後の奇跡、七天の聖杯(セブンスヘブン・アートグラフ)と。
 量子コンピュータを魔術的概念で実現させた神の自動書記装置。地球を監視し、余さず記録し、保存する霊子の頭脳。あらゆる事象をコントロール可能で、それにより世界の支配者たる西欧財閥に目を付けられた。



  


役割(用語)
 →クラス



  


猶予期間
(用語)
 モラトリアム。
 聖杯戦争で対戦相手の決定から対戦までの一週間の期間のこと。この間に暗号鍵の取得や敵陣営の情報収集、自己の鍛錬などが行われる。



  


ライダー(サーヴァント)
 間桐慎二と契約しているサーヴァント。
胸元が大きく開いた衣裳と顔に走った大きな傷が特徴的な女性。豪快で色気があるが、恐ろしく冷酷な面もある。トリッキーな体捌きと二挺拳銃で戦う。
 真名はフランシス・ドレイク。宝具は『黄金鹿と嵐の夜(ゴールデンワイルドハント)』。
 世界一周を成し遂げ、6トンもの香料を始めとするその収益と世界周航で得られた詳細な地図により大英帝国が大航海時代の覇者となる道を切り開いた人物。彼女がもたらした財と地図は当時の世界の覇者であったスペインと戦うだけの艦隊をそろえる資金となり、東インド会社を設立させる基盤となった。その後、無敵艦隊との決戦時には英国艦隊副司令官として戦場に赴いてこれを葬り、太陽の沈まぬ国スペインを事実上瓦解させた。
 これによりドレイクはスペイン人から悪魔(エルドラゴ)と呼ばれることとなる。またイギリスでは冥界(アヴァロン、海の彼方)から帰還し、英国に勝利を約束する存在となったため、未来の王・アーサー王と同一視されることもあった。
 享楽主義者で、善人も悪党も区別しない。とにかく派手好きで、私生活も戦争も嵐のように吹きすさんだ後何も残らないような刹那的快楽を好む。サーヴァントとしての彼女はマスターである慎二を小馬鹿にした態度を取っているが、これは慎二を軽んじているのではなく、主が悪党なら自分も悪党として楽しもうというスタンスを取っているため。ちなみに慎二の魔力量では弾丸の補充もままならない。
 金銀財宝を好むが、永遠に続く財ではなく『花火のように消えてゆく財』を愛しており、本人は盛大に費消するために金貨を集めるのだ、と言っている。それゆえ、使い切れぬ財宝を象徴する英雄王や永遠を定義する狐耳のキャスターとは相容れない。極め付けにはマスターである慎二に対し、労働の対価として金銭を要求している。あくまでも副官かつ商人であり、命令以上の事はしない。やる気を出させる=金を積むのは主人の役目と割り切っている。
 彼女は生(人生、人間としての意義、誇り)に執着するのではなく、死(万人共通の没落)を良しとした。
 53歳で疫病に倒れるが、死の直前に錯乱して病床で鎧を着ようとするなどの奇行が見られた。

 ステータスは以下の通り。
 筋力:D
 耐久:C
 敏捷:B
 魔力:E
 幸運:EX

 保有スキルは以下の通り。
 対魔力:D…一工程による魔術行使を無効化する。魔力避けのアミュレット程度の対魔力。
 嵐の航海者:A+…船と認識されるものを駆る才能。集団のリーダーとしての能力も必要となるため、軍略、カリスマの効果も兼ね備えた特殊スキル。
 星の開拓者:EX…人類史においてターニングポイントになった英雄に与えられる特殊スキル。あらゆる難航・難行が『不可能なまま』『実現可能な出来事』になる。


ラニ[(人名/錬金術師)
 バーサーカーのマスター。純正な人間ではなく、アトラス院の錬金術師に鋳造されたホムンクルス。
 アトラス院により新世代の魔術回路を人工的に埋め込まれ、霊子ハッカーとしての能力を最大限に引き出されている。聖杯を獲得するために作られた彼女には、師である錬金術師に従うこと以外何も知らない。そのため羞恥心を始めとする感情が欠落していて、下着全般をつけていない。
 正確にはラニ[の師であるエルトナムが錬金術師であり、ラニ[はその従者。ラニ[は自身を道具と看做しているが、彼女を生み出した師はラニ[を人間として育てた。しかしラニ[の師はラニ[に魂を入れることができなかったと言っている。ただしこの魂とは要するに感情・心といった意味であると思われる。聖杯戦争参戦に当たり、師から赤原礼装を与えられている。
 彼女の心臓は第五真説要素でできた平行変革機であり、魔術回路を臨界収束させることによる自爆機能が予め付与されている。その威力はアリーナを吹き飛ばすほど。彼女の心肺は生身ではなく、オパールでできている。なお、この心臓は生命維持に必要なものではなく、摘出されても死ぬことは無い。
 聖杯戦争の予選ではかなり早期に自己を取り戻していた。中庭から月海原学園に対し破壊を前提にした接触を図る。
 占星術を能くする。師の言葉から人間というものの在り方を探るため、ひたすら人を見ている。マスターとしての能力は遠坂凛に劣る。
 ダン・ブラックモアの星を教えてほしいと主人公に同盟を申し出て、ブラックモアの遺物を持ってきてくれと頼む。主人公が回収してきた遺物と星を見てブラックモアのサーヴァントであるアーチャーについて主人公に語った。以降も主人公の星が他者のそれとは違うことから、協力的な態度を取る。
 購買部にいる男子生徒の言葉から、購買部でカレーパンを食べていたと思われる。
 四回戦一日目にアリーナで遠坂凛と戦っており、その光景は視聴覚室に設置された映写機に映し出されていた。この映写機はユリウス・ベルキスク・ハーウェイによるものと思われる。凛に敵わないと見るや師からの『入手が叶わぬ場合、月と共に自壊せよ』という命令に則り、令呪を加えた己の魔術回路の臨界収束による自爆をしようとする。
 主人公がラニ[を救うことを選ぶと、アリーナに闖入した主人公を攻撃しようとするバーサーカーを制止するがバーサーカーは止まらず、セイバーがバーサーカーを引き付けている隙にランサーに心臓を貫かれ摘出された。その後主人公の強制退去に巻き込まれる形でアリーナを離脱する。その際にバーサーカーは爆発する心臓と主人公らの間に割って入り盾となることで消滅した。
 その後はシステムサイドからも存在を黙認されるマスターでも消滅すべき敗者でもない特例的存在となる。師から与えられた役目を台無しにした主人公に対し拒絶の態度を示していたが、何度か対話するうちに自分と主人公が似た存在だと思い打ち解けていく。当初はホムンクルスの存在意義として任務に臨んでいたが、主人公と交流してからは主人公と一緒に帰還するために人として任務を達しようとする。
 自己の正体がわからないことで悩む主人公に対し、主人公は本体とのリンクが切れた状態なのではないかと推測し、そのリンクを復旧する手伝いを申し出る。
 師が与えられなかった感情を主人公との交流を通して見出し、その返礼として主人公の手助けをするようになる。やがて五回戦では師の『人形に過ぎないラニ[の命を大切に思う人を見つけなさい。その時こそラニ[という器に魂が宿る』という言葉に従い、主人公を主と見定めた(ただし主人公の提案で主から友達に変更)。
 五回戦2日目に主人公と自分の携帯端末をリンクさせる。ユリウス・ベルキスク・ハーウェイの襲撃で魔術回路を乱されたサーヴァントを診て、一時的に自分から魔力を送ることを思いつく。これはアリーナに割込回路のバイパスを仕掛けることでルートを作り、その上で主人公とサーヴァントの契約にラニ[を割り込ませるプログラムを書き加えるもの。プログラムの追加はマスターとサーヴァント双方について行う必要があり、おそらくは唇と唇の接触によるものと思われる。サーヴァントとの儀式は間桐桜さえ追い出した保健室で行い、その際に侵入者に対するかなり凶悪なトラップを仕掛けていた。
 2日目に割込回路を仕掛けている主人公がユリウスに襲われた際に強制転送を実行したが、この時に主人公のデータに接触し、肉体がないことを知る。4日目にそのことを主人公に伝え、生命を持たない主人公は聖杯戦争を勝ち抜いても他のマスターのように報われる可能性が極めて低いが、それでも戦いを続けるのかを問うた。
 主人公が戦いを降りないことを知ると、ユリウスのサーヴァントの透明化を破るため、三種の術炉(装具に反応するもの、魔術に呼応するもの、相手の気の流れに感応するもの)を作る。
 5日目には確実に透明化を見破るため、主人公にアリーナで待ち伏せさせ、自分が単独でユリウスをアリーナに追い込む作戦を立てる。
 六回戦3日目では主人公のためにエジプト料理の弁当を作るが、普通に料理したのではなく錬金術で練成した(と言ってはいるが、指は傷だらけなため普通に料理したのかもしれない)。教室で主人公と一緒に食べようとしたが、そこに凛が中華料理の弁当を引っさげて登場し、次々に主人公に食べさせたため機嫌を損ねて席を立ってしまう。しかし夕方になって彼女を見つけた主人公が言葉を尽くして謝り、『またいつかラニ[の弁当を食べる』と約束することを条件に謝罪を受け入れた。
 4日目には師から与えられた切り札の赤原礼装を主人公に譲渡し、主人公が赤原礼装の承認を受けるために強大なエネミーを探すことのバックアップをする。さらに対戦者が使っている人形のサーヴァント能力を弱体化させる抗防御結界術式を主人公に譲渡するが、これは凛と対戦することを見越して対クー・フーリン用のものを用意していた。
 七回戦では、レオナルドのサーヴァントであるガウェインの特殊スキルを破るため、主人公とレオナルドが戦っている最中に視聴覚室からムーンセルをハッキングし、アリーナの証明を消灯させる。
 聖杯戦争終結後は、もう離れたくないと聖杯への道に同行する。主人公がトワイス・H・ピースマンを打倒して七天の聖杯の中枢に赴く時、トワイスと同じく不正なデータである主人公もまた分解されてしまうと知りながらも、人間らしい笑顔で送り出した。
 主人公の願いによって地上に帰還し、主人公が分解される前に送ったメールでそのオリジナルとなった患者の存在を知る。


ラニ[の師(人名/錬金術師)
 ラニ[を鋳造したアトラス院の錬金術師。エルトナムの家系に属している。
 ラニ[は自身を道具と看做しているが、師はラニ[を人間として育てた。しかし師はラニ[に魂を入れることができなかったと言っている。この魂とは要するに感情・心といった意味であると思われる。聖杯戦争参戦に当たり、ラニ[に赤原礼装を与えている。
 ラニ[を人間として扱いながらも道具としても見ているようで、『人形に過ぎないラニ[の命を大切に思う人を見つけなさい。その時こそラニ[という器に魂が宿る』という言葉を与えるとともに『入手が叶わぬ場合、月と共に自壊せよ』という命令も与えてもいる。
 世界は間違った滅びに向かっていると言い、ラニにムーンセルの調査と手に入らない場合はそれを破壊することを命じた。ハーウェイをして世界を停滞させる楔と称しており、それがまた滅びの契機に繋がるとも言っている。


ランサー(サーヴァント)
 遠坂凛が従える槍兵のサーヴァント。



  


リアルライフ(用語)
 出会い系仮想コミュニケーションサービス。
 運営はインリン・ラボ。2025年にサービスを開始し、延べ3500万人が利用した。利用料金の高さでも知られ、利用者の年齢層と既婚率の高さから『セカンド・ワイフ』と言われることもある。
 これに出没するジェシカ・ヒルトンという人物は2025年のサービス開始から2032年現在まで、仮想空間内のありとあらゆる場所、時間において目撃されており、まるで24時間365日ずっと仮想空間に存在している様だとの噂がある。運営会社が用意したNPCという説があるが、運営会社はNPCではないとしている。


柳洞一成(人名/NPC)
 NPC。
 月海原学園の生徒会長。2年C組。学園生活のうちは生徒たちを規律正しく導くため、校門に立って遅刻者が出ないよう取り締まっている。


霊子(用語)
 りょうし。
 魂、モノの本質、クオリアをデータ化したもの。第三の宇宙を構成する要素。端的に言えば霊魂とでも言うべき概念だが、元素を結合させている『存在の雛形』と言い換えることも出来る。形而上の概念をデータとして形にしたものであり、エネルギーを持った情報、生命を得たデータと考えていい。
 魂の霊子化は研究途上の技術であり、単一の魂を霊子化するにはクラウド化された演算サービスを用いても凄まじい処理能力とメモリ領域を要求される。しかしそれらのステップを簡略化して意思の力だけで自らの魂を霊子化する技術も存在するとされる。魂の霊子化には特別な才能が必要となる。


霊子虚構世界(用語)
 りょうしきょこうせかい。
 第三虚構世界。Serial Phantasm略してSE.RA.PHとも。
 細菌から人間に至るまで、何兆、何京もの生命の記憶が保存されている。
 ムーンセル・オートマトンの表層世界。いわば電脳世界だが、スーパーコンピュータや有機ネットワークなどのものとはそれこそ桁が違う。通常の電脳世界では英霊の再現をしようとすれば一体でも即座にリソースを使い果たしてシステムダウンするのだが、それが霊子虚構世界では100体以上が存在している。そのうえ極めて精巧なNPCの作りこみや世界そのもののモデリングなども一般的な電脳世界の比ではない。

 これにアクセスできるのは魔術師(ウィザード)だけ。ムーンセル・オートマトンは自らに接触できる人々(=霊子ハッカー)に対してこれへのアクセスを許可した。これに入場する際にはあらゆる記憶が削除され、修正された記憶が返却される。
 入場時に記憶を消され月海原学園の一生徒として日常を送るが、その中で四日間のタイムリミットまでに自我を呼び起こし自分を取り戻した者だけがマスターとして聖杯戦争本戦に参加する。この予選通過者には本来の記憶が返却される。予選を通過できなかった者は精神の死を迎える。
 腕が確かな霊子ハッカーならば侵入はたやすいが、脱出できるのは聖杯戦争に勝ち抜いたただ一人だけ。聖杯戦争のルール上、敗北すると霊子化した魂ごとデリートされる。
 ほぼ全員が似たような容姿なのはアクセスに使用したアバターが似たようなものだからで、遠坂凛や間桐慎二がそれらと一線を画す容姿をしているのはカスタムアバターを使用しているため。カスタムアバターを使用できるのは特に腕のよい魔術師に限られる。
 中にはいわゆる3D酔いをするマスターもいる。


霊子体(用語)
 霊子によって再現された肉体のこと。
 現実の肉体を再現するためには肉体と魂そのものの霊子が不可欠であり、通常の人間には極めて難易度が高くコストがかかりすぎる作業になるため、霊子を用いた仮想空間サービスの多くは予め用意されたアバターを操ることで意識体験を提供する。しかし優れた霊子ハッカーは自らの肉体を霊子体として構成することが出来る。霊子体による仮想世界での意識体験は現実世界と区別がつかないほどリアルなものになる。


霊子ダイブ(用語)
 霊子ハッカーが電脳世界に入ること。理論的には霊子ダイブは夢と同じカテゴリ。よって霊子ダイブをしている状態では夢を見ることはない。


霊子ハッカー(用語)
 りょうしハッカー。
 エルトナムの錬金術師が称する、エーテライトを介して人の記憶を読む霊子ハッカーとは意味合いが異なる。
 いわゆる新しい魔術師のこと。自らの魂を霊子化して電脳世界に直接干渉が出来るハッカーを霊子ハッカーと呼ぶ。
 →魔術師


凛のペンダント(用語)
 遠坂凛が持つ礼装。
 宝石をあしらったペンダントで、これを持っていると残留魔力に接続できる禁制の品。



  


令呪(用語)
 サーヴァントを制御するもの。オリジナルの聖杯戦争と同じく三画である。


礼装(用語)
 所謂装備品。これからコードキャストが得られる。


レオ・B・ハーウェイ(人名/魔術師)
 西欧財閥次期当主にして世界有数の財力を持つハーウェイ財団の御曹司。
 世界の王となるための英才教育を受けてきた、生まれながらのエリート。それゆえ本来ならば前線に出ることなどありえない。強力な魔術回路を持っている。
 突然月海原学園に転校してきた。


レジスタンス(組織)
 西欧財閥の支配に抵抗するレジスタンス。しかし武力・財力によって西欧財閥に対抗できるはずもなく、世界の構造を根底から覆せる聖杯を求めて聖杯戦争に遠坂凛を送り込んだ。
 統一された組織ではなく、世界に点在し独自に抵抗活動を行う大小さまざまな組織の総称。